masumiノート

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規制緩和と供給過剰

2015年05月29日 | ガソリンスタンド2

5月28日 燃料油脂新聞「記者の眼」

◎・・・小売業界には2度の転機があった。
1度目は約20年前の規制緩和だ。
市場が荒廃し、業界が荒波に放り出されたことを覚えている。
規制緩和は消費者の利益を守るために業界の競争を促し、SS数を減らすのが目的だった。
数が減れば1SS当たりの販売量が増え、経営は安定する。

◎・・・だが行政の描いた筋書きのようにはいかなかった。
価格競争が続き、SSの減少に歯止めがかからない。それがいまだに尾を引く。
「ガソリン販売量は倍になったが、マージンは半減した」。
1998年のセルフ解禁にともない他社に先立ってセルフ化に踏み切った地場大手は、当時をそう振り返る。
当然、守ってくれるセーフティネット(安全網)も業界にはなかった。

◎・・・2度目の転機はつい最近。
供給過剰が原因で構造的不況から抜け出せなかった業界。需要を改善する以外にない。
一方で系列玉と業転玉との価格差問題がネックとなっていた。
業転玉を買いたくても、商標権を盾にされ、買うことができない。
そうした矛盾を解消するために導入されたのが「流通証明書」だった。

◎・・・矛盾は解消されたかのように見えた。
系列玉と業転玉との価格差が縮まってきたためだ。だが一時的なものでまたしても価格差は開く。
業界からはこんな声が漏れた。
「系列元売から全量引き取るのが本筋。足りなければ輸入すればいい」。
それは従前にはなかった発想で一瞬、閃光が走った。これほど明快なものはない。

◎・・・余りがあれば減らし、不足すれば分け合う。製造業とはそうしたものだという。
小売業界は規制緩和の「捨て石」になり、需要改善の「要石」になった。
だが歴史的には常に手段として利用されてきたと言えなくもない。
石油流通問題議員連盟が先日、緊急決議を表明した。
問題解決の道のりは長く険しい。

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流通証明書はねぇ・・・


つづく