赤字深刻 警戒感強まる
10月18日 燃料油脂新聞 (※青系文字がmasumi)
「本来ならば看板価格の値下げ余地など一切ない」
(大手特約店社長)
SS事業についていえば毎月数百万単位の赤字が続いている。年間にして数千万円だ。
ケースバイケースで1億円超の赤字になったとしても不思議ではない。
赤字の理由はボリュームに見合ったマージンを確保できていないからだ。
我が社では別に収益事業もあるのでSS事業の赤字を埋め合わせることができるものの、SS事業1本の特約店でいま黒字決算のところはないのではないか。
償却ジャンプをしている特約店もあると聞いている。
SS業者の収支はそれほどまでに極限状態だ。
(SS業者の財務内容や元売動向に詳しい事情通)
今県内の最安値看板はPBSS業者を中心に150円前半なので、最悪の場合は150円を割る看板を掲げる危険もある。
元売が系列仕切りをここまで値下げしているのはガソリンがあまりにも売れていない証拠だ。
勝負に出ているのだろう。
しかし根本的な問題解決は需給バランスの引き締めしかない。
元売の責任は極めて大きい。
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(※上の記事は静岡県の話ですが、これは静岡県に限ったことではありません)
この大手特約店さんは“別に収益事業があるので”SS事業の赤字を埋め合わせることが出来ているそうですが、
今、この業界では7割(?)の業者が赤字だそうです。
多角経営で別に収益が確保できるような企業はそれでも良いか知れませんが、
では、
ガソリンスタンドを本業として、又生業として、ガソリンスタンド1本でやっている店はどうしているのでしょう。
1996年3月 特石法廃止で製品輸入の自由化
1998年4月 セルフ解禁
2001年12月 石油業法廃止で元売が小売りに進出
元売販売子会社・大手量販店・商社系PBなどのし烈な価格競争が始まりました。
高値の仕入値を強いられた3者店(1SSの地場業者)は・・・、
業転玉を仕入れて価格に追随したところもあります。
そしてマークを外してPB(無印)になったところもあります。
価格競争には参加せず、高値を理由に客離れを起こしたところもあります。
規制緩和以降、毎年ガソリンスタンドの数は驚異的なスピードで減り続け、元売マークを掲げた系列店は、平成24年3月末にはピーク時(1994年)の約半数にまで減少しました。
平成25年には地下タンクの消防法改正で「2月危機、ガソリンスタンドがなくなる?!」とマスコミで騒がれたのは記憶に新しいところです。
今現在も1日に4軒が閉店していっているそうです。
主にセルフによる価格競争のあおりを受けて、地域の町工場や独居老人宅などへの小口配達を不採算を承知で行ってきた地場業者が撤退に追い込まれてきました。
そしてそれは現在進行形です。
今のような業界の有様では、1SSを生業として営業しているような店の経営が改善することはないと思っています。
私は改正消防法対応の地下タンクの工事代金回収はハナから諦めています。
(※地下タンクへの投資回収が困難として廃業した店も多いのです)
あとは、心穏やかに地域の既存客への供給を少しでも長く続けたいと思っています。
その為にはこの業界の“ありのまま”を、ガソリンスタンドを利用する全てのドライバーの方に知って頂く必要があると考えます。
発券店値付けカード、Tカード、価格差の理由のこと、知ってほしいと思います。
PS
因みに当店は身の丈経営を心掛けておりますので赤字は赤字でも深刻な赤字ではありません。
(横から)
「赤字は赤字や(苦笑)」by こうちゃん
「今年の地下配管の修理がなければギリギリ黒字やったかも知れんやーん」by masumiさん
10月31日 追記
小売業界の安全網いまだ皆無(※系列3者店の)
10月30日 燃料油脂新聞