masumiノート

何を書こうかな?
何でも書こう!

抜けられない。

2014年04月26日 | ガソリンスタンドでの出来事



計量機に貼っているだけでは頼りないので、「これでもか」作戦。
反対側にも貼ってます。

***

「どういうことですか?」
発券店値付けカードのお客さんとの会話では、やはり皆さんが驚かれます。

「どのカードでも皆同じだと思っていた」
「このカードでもしっかり儲けがあると思っていた」
「そんな仕組みになっているなんて全然知らなかった」
「大変ですね」
中には「今まで知らなくて、ごめんなさい」と言って下さる方もいて・・・。
(※お客様が謝らなければならないことではないので、お願いですから謝らないでください)。

あと、このコ(もう“このコ”ではなくて一児のパパです^^)なんかは、(ENEOSカードに替えようか?)みたいなコトを言ってくれたんだけど、
「ENEOSカードはうちの店が値段を付けるカードやからどうしても高くなるんよ。このカード(FC)はめっちゃ安いから、これを一回使ったらもう抜けられへんと思うから、このままでええよ^^;」と答えたmasumiさんなのでした。


それから、先ほど来店されたこちらはENEOSカードの常連のお客さま。
以前(半年くらい前)も他店発行のそのカードを、当店発行で作り直すとおっしゃってくれたこともある方で、その時も「お客様のご面倒になるだけなのでこのままお使い下さい」で、来ていたのですが、先ほど給油に来られたとき、今度は、
「主人が、お前はどうせココしか利用しないのだから、この店が一番有利になるように掛け会員になったらどうだ、と言うのだけど・・」とおっしゃって下さいました。

masumiさんの答えは
「お気持ちはもう、物凄く有難いのですが、掛けになるとどうしても値段がお高くなってしまいますので、今度は精神的に“申し訳なかったな”と思ってしんどくなってしまいます。お気持ちだけ有難く頂いておきますので、このままこのカードで当店をご利用ください」


もうね。
ジンワリ来ますよ。

この商売、
抜けられません。


ほんとに、こうちゃんの言う通り、
「うちに残ってくれているのは皆良い客ばっかりや。続けさせてもらわな勿体ないし、申し訳ない」
これです。



PS
今でも存続出来ている、“高値でずっとやってきた”ような3者店は、どのお店もこういったお客様がついて支えてくれていると思います。


25年老朽地下タンク入れ替え

2014年04月26日 | ガソリンスタンド2

国の補助制度を利用して老朽地下タンクを大型タンクに入れ替えたSSが81ヶ所。

廃止SSの撤去工事に同制度を利用したのは、360ヶ所。


26年度も補助率は高くなり、過疎地域の自治体が所有するSSで地下タンクを入れ替える場合の補助率は「十分の十」、
つまり全額補助だそうです。

(4月25日 燃料油脂新聞より)

*****

4月28日追記

「おらが店」ではなく「誰それさんの店」では、
恐らくこうは行かないのではないでしょうか。
哀しいことですが、それが分かっているから村でただ1つとなっても廃業を決断するのではないでしょうか・・・。

これは「既得権を剥奪せよ!」のコメント欄での利休さんとのやり取りの中で書いたことです。

>近くの住民でも、遠いセルフで給油するみたいです。

ハラガタツオさんのとこだけじゃなく、全国的にそうです。
当店も地域の住民が皆利用してくれているかというとそうではなく、利用してくれている人の方が少ない。
「事情は分かったけど、うちも苦しい」と、安値店を選ばれます。
それは仕方がないことです。
当店ももし系列の枠の中にいなければ安値の仕入先を選ぶでしょうから。

そしてもう一つ。
「誰それさんの店」ではいけない理由。

それは“妬み”です。
「他人の不幸は蜜の味」という言葉があるように、隣人(近所の知人)が儲けることを快く思わない人も存在するのです。

だから、田舎の過疎地では特に、
「おらが店」にしなければ存続は難しいと思います。


元売がまいた種

2014年04月26日 | ガソリンスタンド2

事実上の経産省天下り特殊法人のTOCOMや元売の会員制カジノであるRIMに対するいかがわしさはあるものの、公表データをベースにしたことで「公平性」を演出してはいる。

∑(=゜ω゜=;) マジ゛スカ!?...知らんかった。
TOCOMとかRIMって・・・そういうものだったんですか...( ̄_ ̄ i)タラー

いえね、新仕切り方式がいつから始まったのかを調べようと検索したら、
独立系GS「新日石の新仕切り価格体系とEM」...こちらに書いてあったんですよ(@@


なるほどね、演出してただけだったんですね。

うんうん。
その演出は上手くいかなくて、これまでにも何度か修正を施してきたんですが、
いよいよどうしようもなくなって、元の木阿弥に戻ることになったそうです。

何が?
仕切り方式が。

市場連動性が又原油を元にしたものに戻るそうです。
※「戻る」じゃなくて、「変わる」の方が合っているかもです・・・(蓋を開けてみなければ分からない)


4月24日 燃料油脂新聞(※青文字がmasumi)

週決め仕切り見直し

元売が週決めに移行したのは、特約店が問題視していた差別対価を解消する狙いからだった。そのうえで仕切りを市場連動型へ圧縮する。
元売が「これで文句を言う特約店もいなくなったはずだ」と自画自賛
しかし供給過剰で業転と系列の仕切価格差が拡大。

「自分でまいた種が果実をもぎ取る前に根腐れしてしまった」と業界は解釈する。

系列と業転の仕切り格差は「一時は7円以上もあった」とう関係者の証言からも明らかで、
(※3者店の当店では昨年末に一時的に18円にもなりました)
価格差は「差別対価の復活につながっている」と特約店はつえ加える。
(※販社(販売子会社)と大手広域など量販店は、PBの安値に対抗できています)

週決め仕切りはまったく機能していないことになる。
加えて議員連盟の後押しもあり、元売は市場連動型仕切りから原油価格を盛り込んだ仕切にかじを切る。
「乖離していた業界に元売も困りだしてきた証左」と特約店はみる。

だが「すべては供給過剰が改善されるかどうかだ」と業界。
それは3月末で期限切れとなった供給高度化法が正しく機能するかどうかを意味する。

「蹉跌を繰り返しても詫びたことのない元売だから、まだ確証はない」との声も市場から漏れる。


小売りに続きインタンクも浸食

元売の子会社や関係の深い会社が、灯油や重油のインタンク商売を安値で奪い去るケースが顕在化している。
「子会社のセルフで小売りの支配力を強めたように、インタンクものでも同様の手法を取っている」とみるとともに、「われわれの商売は先細るだけ。(地元業者を)不良債権にしたいのか」と憤る声が聞かれる。

納入は元売ローリーの直送とみられ、「手間のかからない商売で元売の支配力を強めようとしている。セルフと同様のやり口

(中略)

業者は「仕切りより数円安い価格で納めている。赤字で納入していると説明するがその言葉を信じるわけにはいかない」と安値納入に元売の関与を疑っている。
(※元売が関与しておらず本当に「赤字で納入している」のだとしても、その単価は「奪うためのもの」。奪ってしまえばこちらのものとばかりに次第に値段を上げるのが常套手段でしょう。そしてそのうち競合店がなくなれば、消費者には高いか安いかも分からないのです)

「配達の商売でも地元業者外しを行っているようにしか見えない」と不信感を露わにする。

先細る石油の国内需要に対し、数量を安定的に確保するため子会社や関係の深い会社を使って地元業者の商売を浸食しているようにみえ、
「地元業者の体力を弱めるだけ。われわれが不良債権化しても元売は困らないのか」と、そのやり口に怒りを隠しきれない様子だ。
(※元売は販売店から担保を取っているので困ることはありません)

**********


ガソリンは条件が合えば簡単に薄利多売ができるモノです。
敷地面積が広く、タンク容量が大きければ、そしてまた販売店をいくつも持っていれば、

兎に角、販売量があれば簡単なことです。

大型のセルフ店舗では給油台数が違います。
安値で集客して販売数量を伸ばすことも簡単です。
しかし敷地面積が狭いと、対応できる給油台数にも限度があります。

又、1台30リッターの店頭給油で10キロ売るのは大変ですが、公的施設や病院などのインタンクなら1回の配達で済みます。
1回の配達給油で得られる1リッター当たりの粗利は店頭給油と同じでなくても全く構いません。

そしてどちらも、地場業者(3者店)の仕入れ値か、それ以下の値段を消費者に提示しているのです。
(発券店値付けカードの営業でも同じです)


昔ながらの地場のガソリンスタンドは、太刀打ちできない“安値”で、それまでの顧客や配達先を奪われてきました。
特に大口の配達を奪われると残るは小口ばかりとなり、配達は非効率で採算の合わないものとなっていきました。

安値で集客しても、販売数量が大きければボリュームインセンティブで仕入れも優位になります。
販売数量が伸びれば必然的に油外収益も上がります。
サブテンさんが以前コメントくれたように年収1千万の所長が存在するのです。
その一方で太刀打ちできない
安値に顧客を奪われた3者店は疲弊し、
「社長は給料を取らずに年金で生計を立てている」ところもあるそうです。


燃料は、お風呂を沸かしたり農作物の乾燥や冷暖房に使う生活必需品ですから、採算が合わないからと言って簡単に切り捨てるような真似は出来ないのです。
赤字で、この先好転する見込みもなく、早く止めた方が良いと分かっていても、「自分の店が廃業したら困る人がいる」と思うからです。

まさに九州の販売店さんの言葉、
「使命は理解している。だが赤字では苦しい」なのです。

ほんとうの意味でエネルギー供給を担っているのは、規制緩和以降に補助金を使って新設、改装されたようなセルフ店ではありません。
長年コツコツと地域社会の一員として生業を続けてきた地場業者です。


*****

もう既に赤字であるにも関わらず、
安値店の単価を引き合いに値引きを要求されたりもします。
3者店が要求に応えるためには業転玉を取るしかありません。

じゃあ「系列でも業転OK」になったことを喜べばいいかと言うと、そうではないのです。
それで助かることが出来るのには条件があります。
商圏に子会社販社や広域量販店、そしてCAセルフなど、大手資本がなければ、です。

セルフが解禁されて数年が経ったころ、顧客から「あんたのトコもセルフにしいや。セルフにして安くしてくれた方がええわ」と言われたことがあります。
しかし、
今ではその業転玉を100%仕入れているPBであっても、「販社や広域大手業者の安値には敵わない」という状況になっているのです。


ニュータウン開発により早くから大手が進出していた当地の商圏下では、1SSの零細地場である当店がセルフにしても、また、PBになったとしても、最初からこうなるであろうことは予想できました。



前々回の記事、「PB-SSはどこに向かうのか」 で静岡の有力社長もおっしゃっています。

「製造元である元売が小売りに参入していることそのものが不健全で、元売の販売子会社政策がSS業界の流通をいびつな構造にしている」