masumiノート

何を書こうかな?
何でも書こう!

うちなら断る。

2012年12月12日 | ガソリンスタンド

先日sasugaさんがコメントで教えてくれたHC(ホームセンター)が灯油配達を始めた件、今日の業界紙に載っていました。

小口配送 新規参入に燃料商が仲介 供給と配送「両輪でビジネス」(東北)
12月12日 燃料油脂新聞より

一部の職域団体やホームセンターが都心部から山間郡部にまで配送エリアを拡大し、小口配送業務の拡充に本腰を入れてきた・・・
しかも小口配送業務の仲介役を一部燃料商が担っている。

今シーズンから小口配送業務を正式に受け入れ、契約締結した地元業者によると、HCが受注した消費者へ灯油配達を定期的に請け負い、リットル数円で配達する。

別の地元業者は、職域団体が決定した灯油価格からリットル数円を差し引いた額が「取り分」として配送業務を請け負う業者の懐に入る仕組みになっている。
ただ配送を請け負う地元業者は、合計した需要量を「SS仕入れ価格とは別立て」で、商社や燃料商、元売などから一括仕入れのかたちで価格交渉する。


小口配送業務への仲介をするのは燃料商といわれ、仲介した燃料商は仲介手数料と配送業務を請け負う地元業者に系列仕切りから「ブランド料分だけ低い価格で」で提供する。
「両輪でビジネス展開している」と関係者は打ち明ける。


こうした動きに地元業者は
「効率よく儲かるところは自らの手で配送し、山間・郡部など非効率の地域では第三者の力でビジネスをしていく。
それを仲介して新たなビジネスに結びつける。
ピンチはチャンスとはよくいったものだ」と苦笑している。


*****


この「ピンチはチャンス」はどういう意味で使っているのだろう?

・・・・・

これを請け負った販売店は採算が合うと思ったから引き受けたのか?
それとも「無いよりはマシ」「背に腹は変えられない」という思いで引き受けたのか?


代行給油カードの発券店やこういった仲介を行う燃料商は、確かに不良債権化するリスクはあるかも知れないが、
現実的な肉体労働や設備機器備品等の維持管理費とは無縁で、おいしいとこ取りをするのだ。

地場の3者店は手足をもがれ羽を毟られ、・・・ついには骨までしゃぶられようとしている。

大口ならいざ知らず、リッター数円で小口配達していたのでは、余程軒数をこなすとかしないと、「チャンスはピンチ」になりそうな気がするけど?

配達車両の維持管理費は採算の計算に入れたのかな?
まぁ他所様のことだから好きになされば宜しいのですが(^-^;ゴメンチャイ


でも、うちなら請け負わない。
採算が合う合わないではなく、自尊心がそれを拒む。


「私の使命は良く理解している。地域のエネルギー供給は誰かがしなければならない。しかし赤字では苦しい」

規制緩和以降、地場の3者店は苦しい経営を強いられ身銭を切りながらも、地域へのエネルギー供給という責任を果たそうと必死で頑張ってきました。
業界の仕切り格差等の歪みを知らない消費者に誤解され、悔しい思いをしながらも頑張ってきました。

「お客さんのため」なんてイイ格好を言うつもりはありません。
もちろん自分の為です。

だけど本当に皆、店を存続させるために、不本意でも業転玉に手を出すしかなかったトコロもあるし、人員を削って店主が身体の不調を抱えながらも早朝から深夜まで働いているトコロもあるし、そうやって店を存続させてきたのです。

地下タンクの法規制は、断崖絶壁を杖をつきながら歩いていたら、崖が崩れて道が無くなっていたようなものです。

そんな状況でも、閉鎖するか続けるか迷っている販売店もあります。

何故?

「店を閉めたらお客さんに迷惑が掛かる」と思うからです。

けれどもこの法規制で一気に販売店は減るでしょう。
新たな補助金による支援も発表されましたが、閉鎖を選択する販売店は多いでしょう。

何度も書いているように、地下タンクの法規制をクリアしたって価格に大きな差がある現状では、近くの店より遠くても安い店に消費者は流れるからです。

これを書きながらこうちゃんに「だからこうちゃんのことを私は変人やと思うよ」と言ったらこう返事をしました。

「続ける事を決められたのはウチには大口の法人客があるからや。もし個人の客ばっかりやったら、この地下タンク法規制を機に廃業してたかも知れへん・・・そら、もっともっと悩んだやろと思う」


それでも、ここにきてHCにそういう形で配達先を持って行かれるのはやはり悔しい。

「タラレバ」を言っても空しいだけだけど・・・

元売や国による人為的淘汰が為されていなければ、
規制緩和のあとの、仕切り格差が無ければ、
自由化で、3者店も自由になっていれば、

今も昔と同じように
冬季は毎日“巡回販売業者”のように、2台のローリーを駆使して地域の消費者の全ての求めに応じて灯油を届けていたし、常連客かどうかの区別無く、ガス欠やバッテリー上がりにも迅速に対応出来ていたと思います。

ていうか、規制緩和だ自由化だって言うけど、規制緩和されて元売が小売に進出した、他業種が参入した。
それはヨシとしよう。
でも。
じゃあ何で、それらには安く卸せるのに、うちら昔からある3者店には高値でしか卸せないの?
しかも当初はそんな仕切り格差があるなんて、うちら昔からある3者店には知らされてもいなかったよ。

「既得権益云々」って言葉も、地場の3者店には昔からそんなものは存在していなかったしね。
規制緩和されたって言うけど、元売さん自身は護送船団のままじゃないの?
それにフツー、規制緩和の結果は“中間”がなくなるものじゃないの?
この業界(系列)は何で未だに“特約店”が存在しているのかな?
「元売→特約店→販売店」が「元売⇔販売店」にならなかったのは何でかな?
「元売⇔販売店」なんて、やろうと思えば簡単だったはずだよ。
規制緩和、自由化しても、ここでは“既得権益”はしっかり守られたんだね。
じゃあこの石油に関しての規制緩和は失敗だったってことかもね。




まぁ今更言っても仕方ないけど。
それに時代の流れもどうしようもないけど(苦笑)


と、そういえば、同じく本日の燃料油脂新聞九州版に「一部にフル改装増加」という記事が。

需要の減退が進む中でも、法人や地元顧客主体のフルはセルフほどの需要の減少が見られないから、だそうです。
組合員のためを謳っていても採算が合わない過疎地ではスッと撤退を決めたJA系も、「
その動き」、だって。

・・・時代の流れに乗ってセルフ化してPB化して儲けて資本力付けて、
時代の流れに乗らずに体力を失って敗退していく3者店を尻目に、
今度はフル化・・・


あったまいいよね!

・・・ アッカン(σ゜д´●)ベェ- だ。







 

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規制緩和以降の
ガソリンスタンドが置かれた現状を予備ブログ「masumi_iのブログ」にアップしました。
是非ご一読下さい。