今日の「しんぶん赤旗」の11面のくらし・家庭欄。NPO法人パノラマ代表の石井正宏さんの今日の投稿「教育と雇用の接続を支える」第5回目、「手間をかけてこそ成長する」を読んで、私自身の日々の生活と仕事をふりかえり、反省しています。
石井さんは、教育と雇用のギャップという視点から、企業が若者に手をかけていない現状をやわらかく批判しています。
某企業の方に「PCくらいできないと採用はキツイ」と言われた。某高校の先生に伝えると「それは、企業が教えることじゃないの?」と不機嫌に言われた。教育と雇用の間に壁が立ちふさがった気がした。
「おとながひと手間かければ自立できない若者はいない」。これが僕の信念だ。ひと手間では済まない若者も多い。それでも、手間をかけられた若者は成長する。それができなくなってきている。
かつておとながこんなに忙しい時代はあったか?昔の日本映画を見ると、みんなアポなしで「ヨオ!」と言って職場にやってくる。今では非常識なことだ。アポ取りを電話ですることすら相手の時間を奪うと、非常識になった。
そんな余裕のないおとなたちは、手間のかかる若者を敬遠する。履歴書の空白は、手間のかかる証明なのだ。生徒に声をかけられた先生は「ごめん、いま忙しいから」と断り、会議へと急ぐ。教育と雇用のギャップはおとなたちがつくりあげている。
(略)
わが身をふりかえってどうか。企業の人たちと立場は違うが、忙しさは同じかそれ以上だと思う。利益の追求ではないが、目の前の政治目標の実現のために、非常に限られた専従職員で対応しないといけない日々。当然、余裕がなくなる。しかし、若者の育成には時間と手間がかかる。これを避けていては、後継者不足はいつまでたっても解消できない。ここで批判されている企業の人間と比べて「私はちがう」と果たして言い切れるのか。
若者から「この人に言ってもどうせ解決しない」「聞いてもらえない」「人の扱いが雑」と一度思われたら、その不信感を解消することは実にむずかしい。
そんなことを考える毎日です。
「手間をかけてこそ若者は成長する」