[11月7日16:00.天候:曇 某県霧生市中心街 市役所8F「市民ラウンジ」]
私達は誘われるかのようにエレベーターに乗り込み、8階へと向かった。
非常予備電源で動いているエレベーターの中は薄暗く、動きも緩慢だ。
そんな時、リサは持っていたバッグの中から何かを取り出した。
それは、あの白い仮面。
裏側に小さく『2』という数字が印字されていることから、リサ用の仮面だろう。
リサはそれを顔に着けた。
これで着ている服がブレザーではなく、セーラー服なら、敵側のリサ・トレヴァーだ。
愛原:「どうして仮面なんか着けるんだ?」
リサ:「リサ・トレヴァー達は互いの素顔を知らない。ここでは私は先生達の味方のリサ・トレヴァーとして戦うわけだから、敵にすぐ認識してもらえるよう、仮面を着けておいた方がいいと思った」
高橋:「何を今さら……」
高橋は呆れたかのように肩を竦めた。
〔ドアが開きます〕
愛原:「やっと8階だ」
ピンポーン♪とチャイムが鳴る。
〔8階です。下に参ります〕
エレベーターを降りると、雲間から西日が差し込んでいた。
もう夕方なのか。
時間が経つのは早いな。
そして、その夕日を背にして立っているのは、セーラー服に白い仮面を着けたリサ・トレヴァーが1人だけだった。
リサ・トレヴァー:「ようこそ」
リサと同じショートボブであるが、あちらは金髪だ。
もしかして、外国人なのか?
今喋った日本語は流暢なものだが……。
リサ(以下、『2番』とする):「『9番』だね?」
『9番』:「その声は……何番だっけ?忘れたw」
『2番』:「どうせ日本のリサ・トレヴァーなんてそんなもの。私は『2番』。あなたは『9番』でいいね?」
『9番』:「そう、私は『9番』」
高橋:「一匹だけか?『8番』はいねーのか?」
『9番』:「『8番』ね。あなた達が弱そうだからって、先に帰っちゃった」
高橋:「あぁ?」
『2番』:「ウソだね。『8番』は太陽に弱い。だから、日暮れまで動けない」
高橋:「ウソついてんじゃねぇぞ、コラ!」
ということは、だ。
16時30分くらいに日没になるとして、それまでにカタを付ければ私達に有利ってことじゃないか?
愛原:「キミを地獄に送る前に、2つ聞きたいことがある」
『9番』:「なぁに?」
愛原:「1つは、『0番』と『1番』はどこにいる?」
『9番』:「あー……『1番』ねぇ……」
『9番』は困ったかのように頭をかく仕草をした。
『9番』:「私を倒すことができたら、『8番』が来る。『8番』に聞けばいいよ」
愛原:「『0番』は?」
『9番』:「? ここには来てないよ」
愛原:「そうか……」
私はこの時、『1番』は別行動をしていて、『0番』もまた別行動をしているのだと思っていた。
高橋:「いや、もう少し丁寧に答えろや。『1番』のことが分かんねーんだったら、せめて『0番』が今どこにいるか教えろっつってんだ」
すると『9番』は不思議そうに首を傾げた。
『9番』:「えっ、知らないの?今は別行動になってるけど、それまでずっと一緒に行動してたじゃない」
愛原:「はあ???」
『2番』:(ま、まさか……)
『2番』のリサだけが何となく分かった。
初めて会った時から、何となく違和感そのものは感じていた。
その『0番』と思しき人物は、『バイオテロに立ち向かう為、様々なワクチンを体内に投与しているから、それでそう思うのだ』と説明していたが、やはり何となく怪しいのを覚えている。
高橋:「ダメだ、やっぱり。先生、こいつらウソつきみたいです。さっさとブッ殺しましょう」
高橋はマグナム44を構えた。
愛原:「待て。まだ質問は終わっていない。もう1つの質問だ。キミは……今まで何人の人間を食い殺した?」
『9番』:「ああ。………………………………………………………」
高橋:「おい!早く答えろや!」
『9番』:「よくは覚えてないけど、3ケタは行ってないと思うよ、多分」
『2番』:「100人行くか行かないか、か……」
『9番』:「さて、私からも質問いい?」
愛原:「いいだろう」
『9番』:「『2番』を飼ってるみたいだけど、どうするの?バイオテロに使うの?それとも性奴隷?」
愛原:「いや、飼ってるんじゃない!一緒に住んでるだけだ!」
『9番』:「ふーん……?GPSを仕込んでるみたいだから、首輪着けてるのかと思った」
それは『2番』のリサが制服のリボンとして首に着けているものだ。
リボンの裏には、超小型GPSが搭載されている。
これで善場主任達が逐一、『2番』のリサの行動を監視するのである。
学校では私の監視から外れるからだ。
但し、今ではリサにはスマホを買い与えている為、そのGPSが使用されている。
その為、リボンの方は殆ど稼働していない。
『9番』:「『2番』は人間を何人食べた?」
『2番』:「私は(自分が記憶している限り)人間の血肉は食べていない」
『9番』:「プッwww 食べてないって、あんた……ハハハハハ……!ウソつかなくていいんだよ」
『2番』:「本当に食べてない。だから私は人間に戻る」
『9番』:「はあ?今更何を……」
『2番』:「私は人間に戻る。だから、もう戻れないあんた達には用は無い」
『9番』:「夢見てんじゃねーよ。化け物は死ぬまで化け物なんだよ」
『9番』は右手から触手を出した。
どうやら、『2番』のリサと同じく、ネメシスの細胞が強いらしい。
『2番』:「どうかな?」
『2番』のリサも右手から触手を出した。
それを掴んで鞭のようにしならせる。
だが、高橋が先に『9番』に発砲した。
善場主任のハンドガンは的確に『7番』の仮面を撃ち壊したが、『9番』は予想通り『7番』より強いようだ。
何故なら……。
高橋:「あっ!?」
バシッと、まるで蝿を叩き落とすかのように、マグナム弾を触手で払い落したのだ。
『9番』:「あんたから死にたいみたいね?」
高橋:「ま、マジかよ……?」
まさか銃弾を叩き落とすとは……。
高橋:「しゃらくせぇっ!」
高橋、今度はマシンガンを『9番』に放つ。
だが、これも『9番』は左手を大きな盾に変形させて身を守った。
高橋:「な、何いっ?!」
『9番』:「もう終わり?ハハッ、弱い弱い」
『2番』:「先生達、下がって。私が戦う」
愛原:「だ、大丈夫なのか?」
『2番』:「うん。今ので分かった。私は勝てる」
『9番』:「ハハっw 人間を1人も食べたことが無いくせにwww」
嘲笑う『9番』。
『2番』は無言で左手からも触手を出す。
一体、『2番』のリサは何を持って自信タップリに勝算ありと分かったのだろうか?
私達は誘われるかのようにエレベーターに乗り込み、8階へと向かった。
非常予備電源で動いているエレベーターの中は薄暗く、動きも緩慢だ。
そんな時、リサは持っていたバッグの中から何かを取り出した。
それは、あの白い仮面。
裏側に小さく『2』という数字が印字されていることから、リサ用の仮面だろう。
リサはそれを顔に着けた。
これで着ている服がブレザーではなく、セーラー服なら、敵側のリサ・トレヴァーだ。
愛原:「どうして仮面なんか着けるんだ?」
リサ:「リサ・トレヴァー達は互いの素顔を知らない。ここでは私は先生達の味方のリサ・トレヴァーとして戦うわけだから、敵にすぐ認識してもらえるよう、仮面を着けておいた方がいいと思った」
高橋:「何を今さら……」
高橋は呆れたかのように肩を竦めた。
〔ドアが開きます〕
愛原:「やっと8階だ」
ピンポーン♪とチャイムが鳴る。
〔8階です。下に参ります〕
エレベーターを降りると、雲間から西日が差し込んでいた。
もう夕方なのか。
時間が経つのは早いな。
そして、その夕日を背にして立っているのは、セーラー服に白い仮面を着けたリサ・トレヴァーが1人だけだった。
リサ・トレヴァー:「ようこそ」
リサと同じショートボブであるが、あちらは金髪だ。
もしかして、外国人なのか?
今喋った日本語は流暢なものだが……。
リサ(以下、『2番』とする):「『9番』だね?」
『9番』:「その声は……何番だっけ?忘れたw」
『2番』:「どうせ日本のリサ・トレヴァーなんてそんなもの。私は『2番』。あなたは『9番』でいいね?」
『9番』:「そう、私は『9番』」
高橋:「一匹だけか?『8番』はいねーのか?」
『9番』:「『8番』ね。あなた達が弱そうだからって、先に帰っちゃった」
高橋:「あぁ?」
『2番』:「ウソだね。『8番』は太陽に弱い。だから、日暮れまで動けない」
高橋:「ウソついてんじゃねぇぞ、コラ!」
ということは、だ。
16時30分くらいに日没になるとして、それまでにカタを付ければ私達に有利ってことじゃないか?
愛原:「キミを地獄に送る前に、2つ聞きたいことがある」
『9番』:「なぁに?」
愛原:「1つは、『0番』と『1番』はどこにいる?」
『9番』:「あー……『1番』ねぇ……」
『9番』は困ったかのように頭をかく仕草をした。
『9番』:「私を倒すことができたら、『8番』が来る。『8番』に聞けばいいよ」
愛原:「『0番』は?」
『9番』:「? ここには来てないよ」
愛原:「そうか……」
私はこの時、『1番』は別行動をしていて、『0番』もまた別行動をしているのだと思っていた。
高橋:「いや、もう少し丁寧に答えろや。『1番』のことが分かんねーんだったら、せめて『0番』が今どこにいるか教えろっつってんだ」
すると『9番』は不思議そうに首を傾げた。
『9番』:「えっ、知らないの?今は別行動になってるけど、それまでずっと一緒に行動してたじゃない」
愛原:「はあ???」
『2番』:(ま、まさか……)
『2番』のリサだけが何となく分かった。
初めて会った時から、何となく違和感そのものは感じていた。
その『0番』と思しき人物は、『バイオテロに立ち向かう為、様々なワクチンを体内に投与しているから、それでそう思うのだ』と説明していたが、やはり何となく怪しいのを覚えている。
高橋:「ダメだ、やっぱり。先生、こいつらウソつきみたいです。さっさとブッ殺しましょう」
高橋はマグナム44を構えた。
愛原:「待て。まだ質問は終わっていない。もう1つの質問だ。キミは……今まで何人の人間を食い殺した?」
『9番』:「ああ。………………………………………………………」
高橋:「おい!早く答えろや!」
『9番』:「よくは覚えてないけど、3ケタは行ってないと思うよ、多分」
『2番』:「100人行くか行かないか、か……」
『9番』:「さて、私からも質問いい?」
愛原:「いいだろう」
『9番』:「『2番』を飼ってるみたいだけど、どうするの?バイオテロに使うの?それとも性奴隷?」
愛原:「いや、飼ってるんじゃない!一緒に住んでるだけだ!」
『9番』:「ふーん……?GPSを仕込んでるみたいだから、首輪着けてるのかと思った」
それは『2番』のリサが制服のリボンとして首に着けているものだ。
リボンの裏には、超小型GPSが搭載されている。
これで善場主任達が逐一、『2番』のリサの行動を監視するのである。
学校では私の監視から外れるからだ。
但し、今ではリサにはスマホを買い与えている為、そのGPSが使用されている。
その為、リボンの方は殆ど稼働していない。
『9番』:「『2番』は人間を何人食べた?」
『2番』:「私は(自分が記憶している限り)人間の血肉は食べていない」
『9番』:「プッwww 食べてないって、あんた……ハハハハハ……!ウソつかなくていいんだよ」
『2番』:「本当に食べてない。だから私は人間に戻る」
『9番』:「はあ?今更何を……」
『2番』:「私は人間に戻る。だから、もう戻れないあんた達には用は無い」
『9番』:「夢見てんじゃねーよ。化け物は死ぬまで化け物なんだよ」
『9番』は右手から触手を出した。
どうやら、『2番』のリサと同じく、ネメシスの細胞が強いらしい。
『2番』:「どうかな?」
『2番』のリサも右手から触手を出した。
それを掴んで鞭のようにしならせる。
だが、高橋が先に『9番』に発砲した。
善場主任のハンドガンは的確に『7番』の仮面を撃ち壊したが、『9番』は予想通り『7番』より強いようだ。
何故なら……。
高橋:「あっ!?」
バシッと、まるで蝿を叩き落とすかのように、マグナム弾を触手で払い落したのだ。
『9番』:「あんたから死にたいみたいね?」
高橋:「ま、マジかよ……?」
まさか銃弾を叩き落とすとは……。
高橋:「しゃらくせぇっ!」
高橋、今度はマシンガンを『9番』に放つ。
だが、これも『9番』は左手を大きな盾に変形させて身を守った。
高橋:「な、何いっ?!」
『9番』:「もう終わり?ハハッ、弱い弱い」
『2番』:「先生達、下がって。私が戦う」
愛原:「だ、大丈夫なのか?」
『2番』:「うん。今ので分かった。私は勝てる」
『9番』:「ハハっw 人間を1人も食べたことが無いくせにwww」
嘲笑う『9番』。
『2番』は無言で左手からも触手を出す。
一体、『2番』のリサは何を持って自信タップリに勝算ありと分かったのだろうか?