[11月7日18:00.天候:晴 某県霧生市中心部 霧生電鉄南北線地下トンネル→霧生中央駅]
市役所などの官庁街は“青いアンブレラ”の攻撃により、BSAAが介入できず、そこから離れなくてはならなかった。
高橋:「どうなってんだ、一体!?」
善場:「私にも分かりません!とにかく、ハート2から避難しないことには……!」
高橋は意識を失った愛原を背負い、霧生電鉄南北線の地下トンネルを善場達と一緒に走っている。
先導するのは善場と栗原蓮華。
霧生電鉄は市街地区間のみ地下を走る。
この部分だけは、まるで地下鉄のようだ。
これがバイオハザードの最中だったり、パンデミックが過ぎた後でもしばらくはクリーチャーが跋扈していただろうが、今はその死体すら白骨化して転がっている。
一応、攻撃力の強い善場や蓮華が、前から来る敵に警戒していたが、杞憂に終わったようだ。
栗原蓮華:「次の駅が見えて来た!」
栗原愛里:「霧生銀座駅?」
もちろん、東京の銀座とは無関係である。
埼玉の大宮駅東口にも飲み屋街としての『南銀座』、風俗街としての『北銀座』があるが、要は繁華街としての名前である。
霧生市にも銀座と称する繁華街があるということだ。
善場:「この駅でもまだハート2のエリアですね。もう1つ隣の駅に行きましょう」
ホームには南行の電車が停車しており、こちらは2両編成だった。
しかし、繁華街の駅ということもあって、バイオハザードの最中に惨劇が繰り広げられたことは、構内の様子を見れば想像に難くない。
まだ白骨死体だからいいようなものの(骨体くらいなら理科室のガイコツで皆見ているだろう?)、腐乱死体だったら愛里などは大変だろう。
愛原:「うう……」
高橋:「先生。もうしばらくの辛抱です。頑張ってください」
幸いこの駅は2面2線の対向式ホームである為、進路上に電車が止まっていても、その横を通って進むことができた。
『2番』のリサが善場の横にやってくる。
『2番』:「『0番』さん?」
善場:「! どうして知ってるの?」
『2番』:「何となく分かった。この町にいるリサ・トレヴァーが、あなたに対してだけ反応が違ったから」
善場:「あら、そう。……確かに私は『0番』よ。それがどうしたの、『2番』さん?」
『2番』:「『8番』が先生にどんなウィルスを感染させたか、何となく知ってる。同じリサ・トレヴァーの私の血を使えば、薬が造れるはず。だから、私の血を使って」
善場:「ありがとう。でも、それは元リサ・トレヴァーの私も同じよ。私の血も使えば、最強かもね」
『2番』:「おー」
善場:「その為には、早いとこBSAAと合流しないと……」
『2番』:「“青いアンブレラ”、悪い人達じゃないと思ったのに……」
善場:「それも含めて、後で確認しないとね」
ようやくハート2エリアを抜け、霧生中央駅に辿り着いた善場達。
BSAA隊員:「早くこちらへ!」
既に救助隊員が待ち構えていて、ストレッチャーを用意していた。
それに愛原が寝かされる。
BSAAの救助隊員達は地上出口へ向かった。
善場:「“青いアンブレラ”が攻撃してきたっていうけど、それはどうして?」
BSAA隊員:「分かりません。彼らによれば、『ターゲットを発見した。総攻撃するので、こちらに任せてほしい』の1点張りで……」
善場:「霧生市内における作戦指揮は全てBSAAが執っているはずよ。LS役の“青いアンブレラ”がそんな勝手なこと……」
LSとはLogistic Supportの略で、後方支援のことである。
市内に展開して直接作戦を行うのがBSAA、それに対して後方支援を行うのが民間軍事企業たる“青いアンブレラ”である。
もちろん先遣隊の派遣など、“青いアンブレラ”が前に出ることもあるが、BSAAから顧問を招聘して主な作戦遂行を委任するのが現状のはずだ。
BSAA隊員:「そうなんですが、“青いアンブレラ”は独自に何か調査していたらしいのです」
高橋:「あの屋上に『1番』がいたのかもしれねーな」
善場:「ええっ?」
高橋:「今頃はビルと一緒にバラバラになっていたりしてな」
地上に出ると、BSAAのヘリコプターが着陸していた。
蓮華:「『1番』の捜索は中止ですか?」
善場:「ええ、そういうことになります」
蓮華:「ここまで来て……。せめて、私達の家がどうなってるかだけでも確認できませんか?」
善場:「ふーむ……」
善場はBSAA救助隊員に尋ねた。
善場:「これから、どこの病院に搬送しますか?」
BSAA隊員:「会津地方の災害拠点病院になりそうです。今、最終的な搬送先を決めているところです」
善場:「そうですか。いずれにせよ、方角的にはこのコ達の家の近くは通ることになるわけですね」
BSAA隊員:「は?」
しばらくして愛原の応急処置が終わり、愛原はストレッチャーのままヘリコプターに乗せられた。
その後で高橋が乗り込む。
善場:「2人とも。この人達に頼んで、あなた達の家の上空を通る時、少し低空飛行してもらうことになったから。それで家の様子を見るだけ見て」
蓮華:「あ、はい」
栗原姉妹が最後にヘリコプターに乗り込むと、すぐに離陸した。
離陸してしばらくしてからも、善場や『2番』のリサは周囲への警戒を怠らない。
何せ、離陸したヘリをロケランで吹っ飛ばしたBOWも存在するからだ。
それからしばらくして、BSAA隊員がやってきた。
BSAA隊員:「“青いアンブレラ”からの報告です。ターゲットたるリサ・トレヴァー『1番』の殺処分に失敗したとのことです」
善場:「失敗したとは?」
BSAA隊員:「市役所庁舎が崩壊し、そこを捜索しましたが、全くそれらしき遺体は見つからなかったと」
善場:「でしょうね。何しろ『1番』はここにいる『2番』と同じ。ヘリからの機銃掃射くらいでは倒せないでしょう」
BSAA隊員:「スゴい化け物ですね」
善場:「凄い化け物なんですよ。……だから、取り扱いには十分注意しませんと」
善場は心配そうに愛原を覗き込む『2番』のリサを見て答えた。
市役所などの官庁街は“青いアンブレラ”の攻撃により、BSAAが介入できず、そこから離れなくてはならなかった。
高橋:「どうなってんだ、一体!?」
善場:「私にも分かりません!とにかく、ハート2から避難しないことには……!」
高橋は意識を失った愛原を背負い、霧生電鉄南北線の地下トンネルを善場達と一緒に走っている。
先導するのは善場と栗原蓮華。
霧生電鉄は市街地区間のみ地下を走る。
この部分だけは、まるで地下鉄のようだ。
これがバイオハザードの最中だったり、パンデミックが過ぎた後でもしばらくはクリーチャーが跋扈していただろうが、今はその死体すら白骨化して転がっている。
一応、攻撃力の強い善場や蓮華が、前から来る敵に警戒していたが、杞憂に終わったようだ。
栗原蓮華:「次の駅が見えて来た!」
栗原愛里:「霧生銀座駅?」
もちろん、東京の銀座とは無関係である。
埼玉の大宮駅東口にも飲み屋街としての『南銀座』、風俗街としての『北銀座』があるが、要は繁華街としての名前である。
霧生市にも銀座と称する繁華街があるということだ。
善場:「この駅でもまだハート2のエリアですね。もう1つ隣の駅に行きましょう」
ホームには南行の電車が停車しており、こちらは2両編成だった。
しかし、繁華街の駅ということもあって、バイオハザードの最中に惨劇が繰り広げられたことは、構内の様子を見れば想像に難くない。
まだ白骨死体だからいいようなものの(骨体くらいなら理科室のガイコツで皆見ているだろう?)、腐乱死体だったら愛里などは大変だろう。
愛原:「うう……」
高橋:「先生。もうしばらくの辛抱です。頑張ってください」
幸いこの駅は2面2線の対向式ホームである為、進路上に電車が止まっていても、その横を通って進むことができた。
『2番』のリサが善場の横にやってくる。
『2番』:「『0番』さん?」
善場:「! どうして知ってるの?」
『2番』:「何となく分かった。この町にいるリサ・トレヴァーが、あなたに対してだけ反応が違ったから」
善場:「あら、そう。……確かに私は『0番』よ。それがどうしたの、『2番』さん?」
『2番』:「『8番』が先生にどんなウィルスを感染させたか、何となく知ってる。同じリサ・トレヴァーの私の血を使えば、薬が造れるはず。だから、私の血を使って」
善場:「ありがとう。でも、それは元リサ・トレヴァーの私も同じよ。私の血も使えば、最強かもね」
『2番』:「おー」
善場:「その為には、早いとこBSAAと合流しないと……」
『2番』:「“青いアンブレラ”、悪い人達じゃないと思ったのに……」
善場:「それも含めて、後で確認しないとね」
ようやくハート2エリアを抜け、霧生中央駅に辿り着いた善場達。
BSAA隊員:「早くこちらへ!」
既に救助隊員が待ち構えていて、ストレッチャーを用意していた。
それに愛原が寝かされる。
BSAAの救助隊員達は地上出口へ向かった。
善場:「“青いアンブレラ”が攻撃してきたっていうけど、それはどうして?」
BSAA隊員:「分かりません。彼らによれば、『ターゲットを発見した。総攻撃するので、こちらに任せてほしい』の1点張りで……」
善場:「霧生市内における作戦指揮は全てBSAAが執っているはずよ。LS役の“青いアンブレラ”がそんな勝手なこと……」
LSとはLogistic Supportの略で、後方支援のことである。
市内に展開して直接作戦を行うのがBSAA、それに対して後方支援を行うのが民間軍事企業たる“青いアンブレラ”である。
もちろん先遣隊の派遣など、“青いアンブレラ”が前に出ることもあるが、BSAAから顧問を招聘して主な作戦遂行を委任するのが現状のはずだ。
BSAA隊員:「そうなんですが、“青いアンブレラ”は独自に何か調査していたらしいのです」
高橋:「あの屋上に『1番』がいたのかもしれねーな」
善場:「ええっ?」
高橋:「今頃はビルと一緒にバラバラになっていたりしてな」
地上に出ると、BSAAのヘリコプターが着陸していた。
蓮華:「『1番』の捜索は中止ですか?」
善場:「ええ、そういうことになります」
蓮華:「ここまで来て……。せめて、私達の家がどうなってるかだけでも確認できませんか?」
善場:「ふーむ……」
善場はBSAA救助隊員に尋ねた。
善場:「これから、どこの病院に搬送しますか?」
BSAA隊員:「会津地方の災害拠点病院になりそうです。今、最終的な搬送先を決めているところです」
善場:「そうですか。いずれにせよ、方角的にはこのコ達の家の近くは通ることになるわけですね」
BSAA隊員:「は?」
しばらくして愛原の応急処置が終わり、愛原はストレッチャーのままヘリコプターに乗せられた。
その後で高橋が乗り込む。
善場:「2人とも。この人達に頼んで、あなた達の家の上空を通る時、少し低空飛行してもらうことになったから。それで家の様子を見るだけ見て」
蓮華:「あ、はい」
栗原姉妹が最後にヘリコプターに乗り込むと、すぐに離陸した。
離陸してしばらくしてからも、善場や『2番』のリサは周囲への警戒を怠らない。
何せ、離陸したヘリをロケランで吹っ飛ばしたBOWも存在するからだ。
それからしばらくして、BSAA隊員がやってきた。
BSAA隊員:「“青いアンブレラ”からの報告です。ターゲットたるリサ・トレヴァー『1番』の殺処分に失敗したとのことです」
善場:「失敗したとは?」
BSAA隊員:「市役所庁舎が崩壊し、そこを捜索しましたが、全くそれらしき遺体は見つからなかったと」
善場:「でしょうね。何しろ『1番』はここにいる『2番』と同じ。ヘリからの機銃掃射くらいでは倒せないでしょう」
BSAA隊員:「スゴい化け物ですね」
善場:「凄い化け物なんですよ。……だから、取り扱いには十分注意しませんと」
善場は心配そうに愛原を覗き込む『2番』のリサを見て答えた。
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