報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
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 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「霧生市内探索」

2020-11-20 19:54:23 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[11月7日09:30.天候:曇 某県霧生市西部郊外]

 私の名前は愛原学。
 都内で小さな探偵事務所を経営している。
 今日は霧生市の探索に来た。
 しかし予想外な事が起こり、既にどうやら潜伏していたリサ・トレヴァー達が動いているらしい。
 メールは高野君からだった。
 何でも彼女は、ある重要な情報を手に入れたらしく、今から霧生市に向かうという。

 善場:「NPO法人デイライトの善場です!」

 私達は予定の合流場所に到着した。
 予定だとBSAAの装甲車に乗り換えて、更に霧生市の中心部へ向かうことになっている。
 ランデブーポイントには、既に武装したBSAAの隊員が数名待ち構えていた。

 BSAA隊長:「予定外のことが起こりました。既に部隊は市内で戦闘状態に入っており、危険です」
 善場:「確かにそのタイミングとしては予定外の早さでしたが、戦闘状態そのものは想定内です。状況はどうなっていますか?」
 隊長:「まず、市内の数ヶ所でリサ・トレヴァーと思われるBOW数体と交戦中です。また、地下施設と思しき場所から、別のBOWの存在が確認されています」
 善場:「まだ生きてるBOWがいるの?」
 隊長:「市内は停電していますが、旧アンブレラは独自の自家発電装置を持っていますので、そのせいでしょう」
 善場:「いいでしょう。こちらにもBOWがいますし、精鋭もいますので、何とかしましょう。案内してください」
 隊長:「分かりました。ですが、装甲車は戦闘の為に出払ってしまいまして、トラックで向かうことになりますが、よろしいですか?」
 善場:「結構です」

 自衛隊のトラックみたいな、軍用トラックがあった。
 その荷台に乗り込む。
 県道は2車線ながら、まるで暫定2車線の高速道路並みの規格であった。
 しかし、町が打ち棄てられたことで、県道もまた整備が放棄され、道路はひび割れ、路肩は草に覆われていた。

 栗原蓮華:「ハイウェイが……」

 地元民からは『霧生ハイウェイ』と呼ばれていたらしい。
 町の入口のトンネルに入る。
 このトンネルの向こう側から、私達は脱出した。
 その時はまだ、中にはオレンジ色の照明が灯っていたのだが、今は完全に消灯していた。
 トンネルを出ると、高架線になる。
 少し走って右手には『日本アンブレラ霧生開発センター』という新薬開発研究所があったのだが、実態は非人道的な人体実験が繰り返された秘密の研究所である。
 そこにリサが取り残されていたのだが、自爆装置が作動したことで大爆発を起こし、その建物は瓦礫の山と化している。

 愛原:「栗原さんの家は、反対側だっけ?」
 蓮華:「はい。東西線の東の終点駅です」
 愛原:「そこまで行ってみようか。いいですか、善場主任?」
 善場:「はい。私達の目的はリサ・トレヴァー『1番』です。ターゲットの目撃情報があった箇所を中心に捜索したいと思っております」

 と、その時、トラックが急停車した。

 愛原:「おわっ!?何だ!?」
 隊長:「エンカウントです!ハンターが現れました!」
 愛原:「ハンターだって!?」

 私達はトラックを降りた。
 すると、道路の上にハンターβとハンターγがいた。
 前者は頭部が赤っぽく、それ以外は緑色が特徴で、後者は全体的に緑っぽい。
 で、前者が爬虫類で後者は両生類のBOWである。
 前者は俊敏性と怪力が持ち味であり、後者は丸呑みが即死攻撃である。
 大きさは、どちらも大人のヒグマくらいあった。

 隊長:「撃て!γは口の中が弱点だ!」
 隊員A:「はっ!」
 隊員B:「αチームよりHQ!現在、クラブ4にてHβ及びHγと交戦中!」
 愛原:「どこから湧いて来やがった、こいつら!?」
 リサ:「研究所の地下かもしれない」

 γの方は近づいて、口を大きく開けてくる。
 あれに捕まったら、丸呑みにされてそのまま御馳走になってしまう。
 しかし、BSAA隊員も分かっているもので、ヤツが口を開けた瞬間、マシンガンを口の中に撃ち込んだ。
 問題なのはβ。
 オリジナルのαよりも攻撃力はやや劣るものの、俊敏性と怪力が自慢である為、なかなか弾が当たらず、しかもすぐに間合いを取られてしまう。

 蓮華:「たぁっ!」

 蓮華が日本刀を抜いてβに斬り掛かるが、蓮華の素早い動きを持ってしても、日本刀は空を斬るだけだった。
 そうこうしているうちに、γはBSAA隊員によって倒された。
 βは……。

 リサ:「おい!」

 リサは第一形態に変化すると、βを睨み付けた。

 ハンターβ:Σ(゚Д゚)

 βは上級BOWたるリサの睨みに一瞬怯んだ。
 ハンターは確かにゾンビなどのクリーチャーより強いBOWではあるが、所詮はボスキャラになれない下級。
 大ボスやラスボスにもなれるリサ・トレヴァーの睨みには叶わなかった。

 蓮華:「でやぁーっ!」

 蓮華はその隙を逃さず、ハンターβの首を跳ね飛ばした。
 首から血しぶきを上げて、倒れる。
 そして、見る見るうちに死体は朽ち果てていった。

 愛原:「さすが蓮華さんだ!」
 高橋:「いい刀だな。その刀、名前は何て言うんだ?」
 蓮華:「“蓮華”。私の名前、法華経からと、この刀の名前から取ったの」
 高橋:「そうだったのか。重いだろうに、よく振るえるな」
 蓮華:「それだけ鍛練したってこと」
 高橋:「ははっ、そうか」

 高橋のヤツ、ややもすればその刀を使ってみたいと思ったんだろうな。
 だがさすがにそこは遠慮したようだ。

 善場:「先を急ぎましょう。まだ最初の目撃証言のあった場所には遠いです」
 愛原:「そうですね」

 だが、戦いは続く。

 リサ・トレヴァー:「はい、ごーかーく!」

 どこからともなくリサ・トレヴァーが現れた。
 そうだと分かったのは、見た目が10代の少女で夏用のセーラー服を着ており、しかも顔には白い仮面を着けていたからだ。

 愛原:「リサ・トレヴァー!?」
 蓮華:「!!!」
 高橋:「てめぇ、何番だ!?」
 リサ・トレヴァー(以下、『?番』のリサとする):「さあ、何番でしょう?私に勝ったら教えてあげる」
 リサ(以下、『2番』のリサとする):「少なくとも『1番』じゃない」
 『?番』のリサ:「あら?そこにいるのは裏切り者の『2番』じゃない?裏切ってこの町から出たくせに、どのツラ下げて戻って来たわけ?」
 『2番』のリサ:「裏切るも何も、元々仲間じゃないから」
 善場:「『1番』でないのなら、その『1番』はどこにいるか、教えてくれる?」
 『?番』のリサ:「んー?あれ?あなた、もしかしてz……」

 突然、善場主任が手持ちのハンドガンを発砲した。
 それは『?番』のリサの仮面に当たり、彼女の仮面が割れた。
 割れて地面に落ちた仮面の裏側には、『7』という数字が印字されていた。
 そして、その仮面の下の顔は……。
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