報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
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 実際のものとは異なります。

“大魔道師の弟子” 「6番街のマッサージ屋さん」

2022-08-21 20:59:59 | ユタと愉快な仲間たちシリーズ
[7月17日20:00.天候:晴 アルカディアシティ6番街 吉田マッサージ店]

 三星亭の女将に教わった通りの道を進むと、6番街カブキンシタウンの東端部分に、クリスティーネ吉田のマッサージ店はあった。

 マリア:「ここ……だよね?」
 勇太:「そうだね」

 しかし、佇まいはまるで料亭のようである。
 看板は、ちゃんと『マッサージの吉田屋』と筆文字で書かれている。
 しかもその看板も、行灯風のものだ。

 勇太:「じゃあ、入ってみようか」
 マリア:「うん」
 勇太:(顕正会の会館よりも敷居の高そうな店だなぁ……)

 と、その時だった。

 青年:「何だよ、ここ!?ボッタクリじゃねーか!!」

 そんなことを喚きながら、飛び出して来る青年がいた。

 吉田:「言い掛かりつけんじゃないよ!この貧乏人が!!」
 青年:「クソッ!」

 青年は慌てて駆け出して行く。

 勇太:「えぇえ……?」
 マリア:「そんなに高いのか?い、イザとなったら、師匠のカードで」
 勇太:「ここ、カード使えるの?」
 マリア:「とにかく入ろう。入らないことには、進まない」
 勇太:「う、うん」

 何気に勇太を先に行かせるマリアだった。
 これが逆にチンピラ風の男なら、呪文を詠唱しながら殺意マックスで立ち向かうマリアだが、気の強い年上の同性には腰が引けるのだった。
 キレた時のイリーナに似ているからだろうか。

 勇太:「こ、こんばんは~……」

 勇太達が店内に入ると、フワッとしたアロマの香りが出迎えた。
 そして、やはり店内も和風である。
 受付カウンターには、着物を着たアラフォーくらいの女性がいた。
 アラフォーだが美人であり、勇太は思わず息を呑むほどであった。
 名前からして、欧米人とのハーフなのだろう。
 肌の色は日本人だが、顔の彫りは若干深く、鼻も若干高い。

 マリア:(和風の師匠みたい)

 と、イリーナとイメージを重ね合わせた。
 これが先ほど、青年を怒鳴りつけた女性かと思うほど、にこやかに2人を出迎える。

 吉田:「いらっしゃいませぇ。お2人ですね?どうぞ、こちらに」

 と、カウンターの前を勧めた。
 勇太達は、ゆっくりとそこに進む。

 吉田:「本日は、どういった揉みに致しましょう?」
 マリア:「揉み?」
 吉田:「あーら!これは失礼!御新規さんでしたか~」
 マリア:「うん」
 吉田:「うちはマッサージ店でございますのよ。人間、体が疲れてると、ロクに仕事も遊びもできやしませんでしょう?そんなお客様の疲れを揉み揉みと……うふふふ。私共のこの手で、丁寧に揉み解させて頂きます。うふふふ……。というわけで、本日はどういった揉みに致しましょう?」
 勇太:「あ、実は僕達は……」
 マリア:「勇太。私達、初めてなので、どういったコースがあるのか分からないんです。何か、オススメのコースとかありますか?」

 マリアは当初の作戦通り、まずは客として様子を伺うことにしたようだ。

 吉田:「そうですねぇ……。初めてのお客様には、こちらの3つのコースのいずれかがよろしいかと……」

 吉田はコースメニュー表を見せた。
 そこには、『最上の揉みコース』『普通の揉みコース』『人体実験コース』の3つがあった。

 勇太:「じ、人体実験!?」
 吉田:「こちらは1番安いコースでございまして、100ゴッズになります」
 マリア:「確かに安い。……特徴は?」
 吉田:「それは……受けたお客様だけが分かるのでございます」
 マリア:(どこかで聞いた魔女のセリフだなぁ……)

 その時、勇太はもう1つコースがあることに気づいた。

 勇太:「この、『極上のロリコース』ってのは何ですか?」
 吉田:「ああ、それは……」

 吉田は店の奥に向かって、パンパンと手を叩いた。

 幼女:「はーい!」

 すると、奥から着物姿の少女が現れた。
 女将の吉田が花魁だとするなら、少女の方は禿(かむろ)といった感じ。

 吉田:「私の娘なんですよ」

 歳の頃、10歳前後といった感じだ。

 アヤ:「アヤ吉田です!本日は、ようこそお越し下さいました!」

 恐らく、かなり練習して覚えたであろう、接客のセリフを元気よく言う。

 勇太:「いいんですか?まだ子供なのに……」
 吉田:「家業の手伝いですから」

 よく地方の個人経営のスナックに行くと、たまにママの娘が手伝っていたりすることがあるが、その感覚だろうか。

 吉田:「マッサージの技法・手法については既に仕込んでありますから、どうか御心配無く」
 アヤ:「お任せください!」

 アヤは小さな両手をわきわきさせながら言った。
 それでも日本では児童労働で、地域(特に大都市圏)では取り締まられるかもしれない。
 しかし、このアルカディア王国ではそういった規制は緩いようである。

 勇太:「うーん……どうしようかな?」
 マリア:「ちょっと、勇太!」

 因みに『(女将自ら手掛ける)最上の揉みコース』で3000ゴッズ、『(アヤが担当する)極上のロリコース』は2000ゴッズだった。
 尚、1番街での功績によって得た賞金のおかげで、いずれも予算はある。
 勇太が悩んでいると、店に飛び込んで来る者がいた。

 横田:「嗚呼ッ!今日もお美しい吉田さん!この私に『極上のロリコース』をッ!!」
 アヤ:「きゃあーっ!」

 横田、アヤに飛び掛かる。
 尚、吉原遊郭においても、禿に手を出すのは御法度とされていたはずだ(が、陰でこっそりロリ専客に売っていたこともあったらしい)。
 ここでも、もちろんセクハラは厳禁である。

 吉田:「ちょいと!アンタはもう店に出禁だよ!さっさと出ていった!!」

 吉田は大きな扇子を持っていたが、この扇子、どうやら鉄扇であったらしい。
 それで、バコーンと横田を殴り飛ばす。

 横田:「あ~れ~!」
 吉田:「今度来たら、憲兵を呼ぶからねっ!!」

 吉田、横田を追い出した。

 吉田:「ごめんなさいね?こういう町だから、変なのも店に来て大変なんですよ」
 勇太:「は、はあ……」
 吉田:「さて、どのコースにします?」
 勇太:「じゃ、じゃあ『極上のロリコース』で」

 マリアは溜め息をついた。

 マリア:「私は『最上の揉みコース』で」
 吉田:「まーいど♪それじゃあ、奥の部屋までいらっしゃい。アヤ、しっかりやるのよ?」
 アヤ:「はーい!」

 吉田の娘らしく、顔立ちはよく似ている。

 アヤ:「こちらへどうぞー!」

 アヤは勇太の手を握って、奥の部屋へ案内した。

 マリア:「チッ……!」

 その様子を見て、マリアは舌打ちをした。

 吉田:「あなたの彼氏さんかしら?」
 マリア:「そんなところです」
 吉田:「あの方、まさかロリコン?」
 マリア:「まあ、横田よりはマシだと思いますが」

 本当にただ一緒にゲームをしたり、ランチをしただけなのだが、未だにリリィと一緒に過ごしたことを根に持つマリアだった。

 吉田:「それなら大丈夫。本当に、うちは健全なマッサージ店なんだから。さ、奥で部屋着に着替えていらっしゃい」
 マリア:「Ok...」

 果たして、2人は無事に吉田から推薦状をもらえるのだろうか?

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2 コメント

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歓喜の一夜? (んっ?)
2022-08-23 10:04:56
仙台育英,初の白河の関越えオメデトウ(*^^)v
号外待ちの駅前の様子がニュースで流れてた。
デジタル時代でも,矢張り記念と為るものは現物で
残したいからね?

ところで,河童君しか居なくなった例の与同ブログ。
主さんは「Google」や「wiki」を知らないのかな?
河童君の書き込みに驚いてるけど,
昔から知ってる人達は彼の拙さを理解してるはずだけどww
返信する
んっ?さんへ (雲羽百三)
2022-08-23 16:17:39
 お久しぶりです。コメントありがとうございます。

 私はあまり野球には興味無いのですが、大いに盛り上がったのは確かなようですね。
 で、号外目当てに仙台駅西口に集まったものの、実際に配布されたのは反対側の東口だったという……。
 私が顕正会員なら、これに乗じて顕正新聞を配布するところですがw

 例のブログですか?
 まだ、大沢さんもいますよ。
 孤軍奮闘で、頑張っておられます。
 主さん、恐らくGoogleやウィキのことは知っていても、「まさか河童さんが、そんな所から引用するはずがあるまい」と、信頼されておられるのでしょうw
 それとも、あえて知っていてヨイショしたのかもしれませんねw

 私の場合は拙さを隠す為に、あえて創作文という形を採りましたが、却って稚拙さが増してますねw
 失礼しました。
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