[4月15日05時41分 天候:晴 東京都新宿区西新宿 都営地下鉄(京王新線)新宿駅→渋谷区千駄ヶ谷 バスタ新宿]
〔「まもなく新宿、新宿です。お出口は、右側です。この電車は、笹塚行きです。本日も都営地下鉄新宿線をご利用頂きまして、ありがとうございました」〕
私もついうとうとしてしまった。
愛原「……はっ!リサ、そろそろ降りるぞ!」
リサ「ん?……うん」
私に寄り掛かって座っていたリサは、大きな欠伸をした。
マスクをしていなければ、人間形態であってもそのままな牙が覗いていただろう。
白いマスクをしているということは、今、リサの下着は白だということだ。
スカートの下に、ブルマを穿いているかどうかは分からない。
電車が地下の京王新線ホームに到着する。
都営地下鉄新宿線としては、ここが始発駅。
但し、駅の管理は京王電鉄が行っている。
〔「おはようございます。ご乗車ありがとうございました。新宿、新宿です。お忘れ物の無いよう、ご注意ください。4番線の電車は、42分発、笹塚行きです」〕
私とリサは、寝過ごすことなく、電車を降りることができた。
だが、リサは……。
リサ「危うく乗り過ごすところだった」
とのこと。
私はリサに付いてくるよう言うと、まずは改札口に向かうエスカレーターに乗った。
リサは後ろから付いて来たが、私の手を掴んで来る。
愛原「バスの到着時間は5時50分だそうだ。東北からの夜行便だから、そう遅れたりはしないと思う」
リサ「そう……」
改札口を出て、バスタ新宿の方に向かう。
私は事前にルートを調べたので、特に迷いもせず、バスタ新宿に着くことができた。
JR新宿駅を基点にすると、バスタ新宿はその南側にある。
なので、同じく南側にある都営地下鉄新宿駅は、比較的バスタ新宿にアクセスしやすい駅と言える。
難しいのは北側にある東京メトロ新宿駅とか、更に北にある西武新宿駅だろう。
まるで空港ターミナルのフライト案内板のような案内板を横目に、バスタ新宿の中に入る。
ここは乗り場が4階、降り場とタクシー乗り場が3階にある。
なので、3階に行けば良い。
愛原「あのバスだ」
しばらくバスを待っていると、『KEIO』と書かれたバスがやってきた。
京王バスである。
行先表示には『渋谷マークシティ』とあり、ここが終点というわけではない。
バスは降車場に停車すると、大きなエアーの音を立てて、スライド式のドアを開けた。
そこから眠そうな顔で降りて来る乗客達。
金曜日夜の出発ということもあり、それなりの乗客数があったようである。
ターミナルの係員達がバス側面のハッチを開けて、そこから乗客達の大きな荷物を降ろしている。
父親「やっと着いたよ……」
母親「よく寝た……」
愛原「よく寝たんだ!凄いね!夜行バスで!」
両親達も欠伸をしながら、バスを降りて来た。
父親「おー、学!迎えに来てくれたのか!」
愛原「迎えに行くって、LINEで言ったじゃん!」
父親「そうだったそうだった」
多少天然ボケ入っているところは、公一伯父さんに似てるな。
母親「リサちゃんも迎えに来てくれたのね。ありがとう」
リサ「お、おはようございます!お義母(かあ)様!!」
愛原「おい!」
するとうちの母親、リサの緩んだ制服のリボンをキュッと留め直した。
母親「学との結婚は、この制服を着なくなってからね?」
リサ「はい!」
愛原「それでも十分早いぞ!?」
父親「それより、ちょっとトイレだ。ギリギリまで寝てたせいで、トイレに行ってなかった」
父親はバス後方のトイレを指さして言った。
愛原「はいはい。トイレはあっち!」
母親「私も行っておこうかしら」
リサ「お供します!」
愛原「……せんでいい」
あれ?
何かこのくだり、どこかで見たような……?
愛原「父さん、バスん中で寝れたの?」
父親「ああ。昔の夜汽車のボックスシートよりは、凄い快適だったぞ?」
愛原「そりゃまあ……」
14系客車や583系のボックスシートと比べてはいけない。
父親「母さんと隣り合わせのリクライニングシートだったが、かなり深く倒れたし、レッグレストもフットレストもあったし、毛布やスリッパまであったぞ?」
愛原「うん、まあ、確かにこの装備は、夜汽車には無いね」
父親「だろぉ?それでいて、6000円くらいで乗れるんだからお得だよ」
仙台市内~東京都区内の高速バス片道運賃6000円は、相場通りであるものの、他に格安高速バスがあることから、高めの運賃と見られることも多々ある。
とはいえ、新幹線よりは明らかに安いし、ややもすれば、昔走っていた夜行列車よりも安いのかもしれない。
愛原「設備を見る限り、明日乗るジェットスターより広そうだね」
父親「そのジェットスターも、なるべくいい席は確保したつもりだぞ」
愛原「1番前の席とかね」
父親「そう、そこ!」
愛原「やっぱり」
尚、トイレには私も一応、ついていった。
それから……。
愛原「じゃあ、取りあえず家に行こう。うちの従業員達も、父さん達に挨拶したいって言ってるし。朝食も用意しているから」
父親「それはありがたい」
トイレを済ませた後、私達は再び都営地下鉄新宿駅まで向かった。
もちろん、先導役は私である。
[同日06時14分 天候:晴 東京都新宿区西新宿 都営地下鉄新宿駅→都営新宿線602T電車・最後尾車内]
父親「こんな端っこの車両まで来ないといけないとは……」
愛原「悪いね。国家機関からの命令で、リサは電車の先頭車か最後尾に乗らないといけない決まりなんだ」
父親「兄さん……公一伯父さんが色々言ってたアレか」
愛原「まあ、そんなところ」
〔まもなく、5番線に、各駅停車、本八幡行きが、10両編成で、到着します。ドアから離れて、お待ちください〕
轟音を立てて入線してきたのは、東京都交通局の車両。
まあ、往路に乗って来た電車とは違う車両のはずだが。
〔「おはようございます。ご乗車ありがとうございました。新宿、新宿です。お忘れ物の無いよう、お降りください。5番線の電車は、15分発、各駅停車の本八幡行きです」〕
まだ電車は空いている。
両親達には開いている座席に座ってもらい、私とリサも向かい側の席に座った。
〔「おはようございます。本日も都営地下鉄新宿線をご利用頂き、ありがとうございます。各駅停車の本八幡行きです。終点、本八幡まで各駅に止まります。まもなく、発車致します」〕
ホームに発車ベルが鳴り響く。
〔「5番線から、各駅停車の新宿行き、発車致します。ドアが閉まります」〕
〔5番線、ドアが閉まります〕
ホームドアと電車のドアが閉まる。
今度は駆け込み乗車があったか、再開閉があった。
そして、今度こそドアが閉まって発車する。
〔都営新宿線をご利用頂きまして、ありがとうございます。この電車は、各駅停車、本八幡行きです。次は新宿三丁目、新宿三丁目。丸ノ内線、副都心線はお乗り換えです。お出口は、右側です〕
取りあえずは家に帰って、まずは朝食。
それから事務所の様子を見てもらって、後はスカイツリー見に行きたいとか言ってたな、うん。
沖縄では見られない物を見ておきたいということか。
〔「まもなく新宿、新宿です。お出口は、右側です。この電車は、笹塚行きです。本日も都営地下鉄新宿線をご利用頂きまして、ありがとうございました」〕
私もついうとうとしてしまった。
愛原「……はっ!リサ、そろそろ降りるぞ!」
リサ「ん?……うん」
私に寄り掛かって座っていたリサは、大きな欠伸をした。
マスクをしていなければ、人間形態であってもそのままな牙が覗いていただろう。
白いマスクをしているということは、今、リサの下着は白だということだ。
スカートの下に、ブルマを穿いているかどうかは分からない。
電車が地下の京王新線ホームに到着する。
都営地下鉄新宿線としては、ここが始発駅。
但し、駅の管理は京王電鉄が行っている。
〔「おはようございます。ご乗車ありがとうございました。新宿、新宿です。お忘れ物の無いよう、ご注意ください。4番線の電車は、42分発、笹塚行きです」〕
私とリサは、寝過ごすことなく、電車を降りることができた。
だが、リサは……。
リサ「危うく乗り過ごすところだった」
とのこと。
私はリサに付いてくるよう言うと、まずは改札口に向かうエスカレーターに乗った。
リサは後ろから付いて来たが、私の手を掴んで来る。
愛原「バスの到着時間は5時50分だそうだ。東北からの夜行便だから、そう遅れたりはしないと思う」
リサ「そう……」
改札口を出て、バスタ新宿の方に向かう。
私は事前にルートを調べたので、特に迷いもせず、バスタ新宿に着くことができた。
JR新宿駅を基点にすると、バスタ新宿はその南側にある。
なので、同じく南側にある都営地下鉄新宿駅は、比較的バスタ新宿にアクセスしやすい駅と言える。
難しいのは北側にある東京メトロ新宿駅とか、更に北にある西武新宿駅だろう。
まるで空港ターミナルのフライト案内板のような案内板を横目に、バスタ新宿の中に入る。
ここは乗り場が4階、降り場とタクシー乗り場が3階にある。
なので、3階に行けば良い。
愛原「あのバスだ」
しばらくバスを待っていると、『KEIO』と書かれたバスがやってきた。
京王バスである。
行先表示には『渋谷マークシティ』とあり、ここが終点というわけではない。
バスは降車場に停車すると、大きなエアーの音を立てて、スライド式のドアを開けた。
そこから眠そうな顔で降りて来る乗客達。
金曜日夜の出発ということもあり、それなりの乗客数があったようである。
ターミナルの係員達がバス側面のハッチを開けて、そこから乗客達の大きな荷物を降ろしている。
父親「やっと着いたよ……」
母親「よく寝た……」
愛原「よく寝たんだ!凄いね!夜行バスで!」
両親達も欠伸をしながら、バスを降りて来た。
父親「おー、学!迎えに来てくれたのか!」
愛原「迎えに行くって、LINEで言ったじゃん!」
父親「そうだったそうだった」
多少天然ボケ入っているところは、公一伯父さんに似てるな。
母親「リサちゃんも迎えに来てくれたのね。ありがとう」
リサ「お、おはようございます!お義母(かあ)様!!」
愛原「おい!」
するとうちの母親、リサの緩んだ制服のリボンをキュッと留め直した。
母親「学との結婚は、この制服を着なくなってからね?」
リサ「はい!」
愛原「それでも十分早いぞ!?」
父親「それより、ちょっとトイレだ。ギリギリまで寝てたせいで、トイレに行ってなかった」
父親はバス後方のトイレを指さして言った。
愛原「はいはい。トイレはあっち!」
母親「私も行っておこうかしら」
リサ「お供します!」
愛原「……せんでいい」
あれ?
何かこのくだり、どこかで見たような……?
愛原「父さん、バスん中で寝れたの?」
父親「ああ。昔の夜汽車のボックスシートよりは、凄い快適だったぞ?」
愛原「そりゃまあ……」
14系客車や583系のボックスシートと比べてはいけない。
父親「母さんと隣り合わせのリクライニングシートだったが、かなり深く倒れたし、レッグレストもフットレストもあったし、毛布やスリッパまであったぞ?」
愛原「うん、まあ、確かにこの装備は、夜汽車には無いね」
父親「だろぉ?それでいて、6000円くらいで乗れるんだからお得だよ」
仙台市内~東京都区内の高速バス片道運賃6000円は、相場通りであるものの、他に格安高速バスがあることから、高めの運賃と見られることも多々ある。
とはいえ、新幹線よりは明らかに安いし、ややもすれば、昔走っていた夜行列車よりも安いのかもしれない。
愛原「設備を見る限り、明日乗るジェットスターより広そうだね」
父親「そのジェットスターも、なるべくいい席は確保したつもりだぞ」
愛原「1番前の席とかね」
父親「そう、そこ!」
愛原「やっぱり」
尚、トイレには私も一応、ついていった。
それから……。
愛原「じゃあ、取りあえず家に行こう。うちの従業員達も、父さん達に挨拶したいって言ってるし。朝食も用意しているから」
父親「それはありがたい」
トイレを済ませた後、私達は再び都営地下鉄新宿駅まで向かった。
もちろん、先導役は私である。
[同日06時14分 天候:晴 東京都新宿区西新宿 都営地下鉄新宿駅→都営新宿線602T電車・最後尾車内]
父親「こんな端っこの車両まで来ないといけないとは……」
愛原「悪いね。国家機関からの命令で、リサは電車の先頭車か最後尾に乗らないといけない決まりなんだ」
父親「兄さん……公一伯父さんが色々言ってたアレか」
愛原「まあ、そんなところ」
〔まもなく、5番線に、各駅停車、本八幡行きが、10両編成で、到着します。ドアから離れて、お待ちください〕
轟音を立てて入線してきたのは、東京都交通局の車両。
まあ、往路に乗って来た電車とは違う車両のはずだが。
〔「おはようございます。ご乗車ありがとうございました。新宿、新宿です。お忘れ物の無いよう、お降りください。5番線の電車は、15分発、各駅停車の本八幡行きです」〕
まだ電車は空いている。
両親達には開いている座席に座ってもらい、私とリサも向かい側の席に座った。
〔「おはようございます。本日も都営地下鉄新宿線をご利用頂き、ありがとうございます。各駅停車の本八幡行きです。終点、本八幡まで各駅に止まります。まもなく、発車致します」〕
ホームに発車ベルが鳴り響く。
〔「5番線から、各駅停車の新宿行き、発車致します。ドアが閉まります」〕
〔5番線、ドアが閉まります〕
ホームドアと電車のドアが閉まる。
今度は駆け込み乗車があったか、再開閉があった。
そして、今度こそドアが閉まって発車する。
〔都営新宿線をご利用頂きまして、ありがとうございます。この電車は、各駅停車、本八幡行きです。次は新宿三丁目、新宿三丁目。丸ノ内線、副都心線はお乗り換えです。お出口は、右側です〕
取りあえずは家に帰って、まずは朝食。
それから事務所の様子を見てもらって、後はスカイツリー見に行きたいとか言ってたな、うん。
沖縄では見られない物を見ておきたいということか。
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