報恩坊の怪しい偽作家!

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“私立探偵 愛原学” 「代替修学旅行一日目の夜」

2022-02-27 16:35:55 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[2月23日20:00.天候:雪 福島県南会津郡南会津町 会津アストリアホテル・大浴場]

 高橋:「不肖、あ、この高橋正義が!あ、愛原先生のお背中をぉぉぉ……!」
 愛原:「恥ずかしいからやめい!」

 夕食後、私と高橋はホテル内にある大浴場に入った。
 高橋のヤツ、私の背中を流してくれるのはいいのだが、その前振りが恥ずかしい。

 高橋:「サーセン。それにしても、まさか本当にBOWが出るなんて凄いっスね」
 愛原:「おい、ここではオフレコだぞ」
 高橋:「さ、サーセン。でも、善場の姉ちゃんが素っ飛んで来て、リサの事情聴取というのはオフレコにできないんじゃないスか?」
 愛原:「リサは『クマと遭遇して無事だった』ことになってるから」
 高橋:「熊ねぇ……」
 愛原:「こういう山奥だから、熊がいてもおかしくはないだろ」
 高橋:「都合良く冬眠できなかったというのは……ちょっと、アレっスけどね」
 愛原:「まあまあ。俺達も話を合わせるんだよ、そこは」
 高橋:「了解っス」

 高橋に背中を流してもらった後は、一緒に湯船に浸かる。

 愛原:「リサのヤツ、早速バイキングを平らげるところだったな」
 高橋:「周りもドン引きしてましたねぇ……」

 本人は、『戦いの後だから、物凄くお腹空いた』とか言っていたが……。
 無理に我慢させると、食人しそうなのでやめておいたが。
 夕食がバイキングで本当良かったと思う。

 愛原:「この後、見回りがあるから、オマエも手伝えよ」
 高橋:「えっ?それってセンコー……もとい、教師の仕事じゃ?」
 愛原:「慣習的に引率補助のPTAもやるんだとよ」
 高橋:「マジっスか!」
 愛原:「まあ、ちょうどリサの様子を見に行くチャンスではある」
 高橋:「それもそうっスね」
 愛原:「高橋、オマエは男子生徒の部屋を回ってくれ。俺は女子生徒の部屋を回る」
 高橋:「先生?」
 愛原:「別に下心があるわけじゃないぞ。リサの部屋を見回る為だし、それに、オマエが女子生徒の部屋に行ってみろ。イケメンのオマエが回る度に黄色い声が飛んで、見回りにならんだろうが」
 高橋:「あー……、確かに。ウザいっスね」
 愛原:「何でオマエはイケメンなんだ?」
 高橋:「知りませんよ。文句は親に言ってください」
 愛原:「オマエの親って、確か新潟にいるんだっけか?」
 高橋:「ええ、まあ……。先生に恥ずかしい毒親なんで、あんま紹介したくないっス。それに引き換え、先生の御両親はいい人達で羨ましい限りっスよ」
 愛原:「フツーだと思うんだけどな」
 高橋:「それが、俺んとこはフツーじゃないってことっス」
 愛原:「なるほど」

 まあ、普通の家庭なら、少年鑑別所から少年刑務所までコンプリートすることはないか。

 愛原:「まあ、これ以上の詮索はやめることにするよ」
 高橋:「サーセン」

[同日21:00.天候:雪 同ホテル・リサ達の部屋]

 私と高橋は見回りを開始した。
 もちろん、『PTA』の腕章を着けている。
 私みたいなうだつの上がらないオジさんが来たことで、女子生徒達はがっかりした様子であった。
 おかげで、逆に見回りはスムーズに行った。
 だが、中には……。

 女子生徒A:「あの、これを助手の人に渡してくれませんか?」
 女子生徒B:「これをあの人にお願いします!」

 高橋へのプレゼントや、LINEアドレスの受け渡し役を頼まれてしまうこともあった。
 そして、やっとリサ達の部屋に来る。

 愛原:「えーと、ここだな」

 私はドアをノックした。

 愛原:「入るぞー?」
 リサ:「愛原先生!来たー!どうぞ。歓迎する」
 愛原:「いや、歓迎されてもな……。ただの見回りだし……って!?」
 リサ:「これが今夜のわたし達の部屋着。見て見て」

 リサは上だけ見れば、体操服を着ていたが、下は緑色のブルマーを穿いていた。
 かつて東京中央学園の女子生徒が穿いていたものである。
 緑無地のもので、脇に白いラインなどは入っていない。

 愛原:「おいおい!?」

 部屋の中に入ると、他の3人も体操服に同じ色のブルマーを穿いていた。

 愛原:「こ、これは一体!?」
 リサ:「先生、これが見たかったんでしょ?遠慮無く見て」
 絵恋:「うぅぅ……。どうぞ、見てください……」
 淀橋:「昔の女子って、こんな下で体育受けてたんですね?」
 小島:「愛原先生、こういうのが趣味なんですか?」

 ゴッ!(愛原、リサにゲンコツする)

 リサ:「痛っ!」
 愛原:「オマエ、なに他の人に着用強要してるんだ!皆、ゴメンね!?リサが勝手に暴走して……。無理して着なくていいから、普通のジャージに着替えて!」
 絵恋:「い、いえ……。リサさんの命令ですから。リサさんの命令は絶対ですから……」
 愛原:「ならばその命令、俺が解除する!リサは俺の命令は絶対に聞くと言っている。その俺が解除すると言ってるんだから、解除だ!」
 淀橋:「やぁだ、先生!リサさんにどんな命令してるんですか!?」
 小島:「18禁とかカンベンしてください!」
 愛原:「だ、だから違うんだって」
 リサ:「ムリ。このコ達への命令は、先生では解除できない。わたしを通さないとムリ」
 愛原:「お、オマエなぁ……!」
 リサ:「別に、あの銀髪女みたいにまっぱにしたり、スカトロプレイさせたりしてるわけじゃないからいいでしょ?あくまでも、体操服にブルマ穿いてるだけ。別に、それ以上は何もしないよ。……あ、でも先生が命令するなら、何かするけど?」
 愛原:「……その恰好で部屋の外に出ないようにな?」
 リサ:「分かってる。ちゃんとその時はズボン穿くから」
 愛原:「頼むぞ」
 リサ:「他には?」
 愛原:「他にって……!」
 リサ:「分かった。サービスカットする。皆、全員でブリッジー!」
 絵恋:「は、はい!ブリッジ!」
 淀橋:「ブリッジ……」
 小島:「ブリッジ……」

 少女達は床の上に並んで、ブリッジした。
 体操服の上が捲れて、へそが覗いている。

 愛原:「やめなさい!」

 するとリサが、私にピタッとくっつくように寄り添って来る。
 そして、言った。

 リサ:「だって、先生が望んだことじゃないの」

 こいつ、私の思考が読めるのか!?
 ニイッと笑った口元には牙が覗いている。

 愛原:「と、とにかく、俺はまだ見回りがあるから!夜更かしするなよ!?」
 リサ:「はーい、おやすみなさい」

 リサはコロッと態度を変えた。
 本当にコイツは主導権を握るのが上手い。
 そ、そういえば特異菌BOWエブリンは、感染者の思考を読めたり、操作したりできると聞いたが、従来のウィルスでも、それを使役できるリサは、同じ事ができるのではないかと思った。

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