報恩坊の怪しい偽作家!

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 実際のものとは異なります。

“愛原リサの日常” 「3月の風」

2024-02-25 11:27:26 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[3月1日13時00分 天候:晴 東京都台東区上野 ウェンディーズ・ファーストキッチン]

 リサ「アメリカにもウェンディーズはあるでしょ?」
 レイチェル「むしろ、そこがホンバです」
 リサ「それもそうか」

 日本ではマクドナルドと同様、現地法人を作り、運営をファーストキッチンに委託している。
 リサは大きなハンバーガーに齧り付いた。

 リサ「うーん!これだな!」
 レイチェル「リサ、最近読者から『中身がオッサン』って呼ばれてるようですよ?」
 リサ「えっ!?」(;゚Д゚)
 レイチェル「それより、話って何ですか?」

 レイチェルもまた、大きなハンバーガーに齧り付いた。

 リサ「愛原先生が、うちのシャワールーム増設に興味があるって話。BSAAが安くやってくれるのはいいけど、そもそも相場が分からないから、まずは普通の内装工事会社から見積もりを取るってさ」
 レイチェル「そんな気を使わなくても、愛原先生の言い値でOKなんですけどね」
 リサ「先生は真面目な人なんだよ」
 レイチェル「素敵です」
 リサ「BSAAの工兵部隊の訓練が、どうして一般家庭のシャワールームの設置なんだよ?」
 レイチェル「何のことですか?……というか、BSAAでは愛原先生の家は『一般家庭』じゃないですよ」
 リサ「ん?」
 レイチェル「リサというBOWが同居しているというだけで、もう『一般家庭』じゃないでス」
 リサ「いや、そりゃそうだけど!」
 レイチェル「工兵部隊も、ナマでBOWを見てみたいのでしょう」
 リサ「人をパンダみたいに……」

 リサを見る為だけに、わざと安く工事を請け負ってくれるようである。

 レイチェル「現状、『人間のように』生活できているBOWは、リサとローズマリー・ウィンターズくらいしかいません」
 リサ「シェリー・バーキンさんとか、こっちの善場さんとか……」
 レイチェル「『表向きは』BOWではないことになっています」
 リサ「わたしが仮に人間に戻れても、そういう扱いか……」

 リサはヤケ食いするように、ハンバーガーに齧り付いた。

[同日14時00分 天候:晴 東京都墨田区菊川2丁目 愛原学探偵事務所]

 昼食を取った後、リサは帰宅した。
 但し、レイチェルも一緒で。

 愛原「なに?見積もりを取らせて欲しいって?」
 リサ「どうしてもBSAAでやりたいらしいよ」
 レイチェル「写真だけでも、撮らせてください」
 リサ「BSAAの他の隊員に、BOWのわたしを見せたいらしいよ?」
 愛原「今やリサも、見世物の時代か……」
 リサ「ねー?」
 レイチェル「民間企業に、見積もりを依頼したいそうですね。そこよりも安くしますよ?」
 愛原「まだ、概算額が決まってないんだ。他にも1社、見積もりを依頼しているところだけ」
 レイチェル「了解しました。要はBSAAのライバルは、その2社ということですね」
 愛原「えっ?」
 レイチェル「早速、見積もりを取らせてください」
 愛原「取らせてくださいって、水回りの調査とかできるの?」
 レイチェル「そこは写真などに収め、工兵部隊にチェックしてもらいます」

 愛原はレイチェルに根負けするような形で、見積もりの許可を出した。

 リサ「じゃあ、先生。鍵貸して」
 愛原「ほらよ」

 リサは愛原からエレベーターの鍵を借りた。
 これでエレベーターで、3階や4階に行けるようになる。
 エレベーターに乗り込み、リサは鍵を挿してスイッチをONに回した。
 これでエレベーターが上に行けるようになる。
 4階のボタンを押して、4階に向かった。

 リサ「小さいエレベーターだけど、これで資材とか運べる?」
 レイチェル「ユニットシャワーだと、ちょっと厳しいかもしれませんね。まあ、工兵部隊の訓練ですから、階段で行きますよ。もしかしたら、道路を封鎖して、クレーンで吊り上げるかもしれません」
 リサ「ええっ!?でも、それだと費用が高くなるんじゃ?」
 レイチェル「大丈夫ですよ」

 そして、4階に到着する。

 リサ「ここがシャワールーム建設予定地」
 レイチェル「なるほど。シャワールームを設置するには、ちょうど良い広さですね」

 レイチェルは手持ちのデジカメで写真を撮り、持っているコンベックスでサイズなどを測った。

 リサ「業者さん達は水道管とかも見てたみたいだけど?」
 レイチェル「水道管はどこにありますか?」
 リサ「えーと……」

 普通は床下であろう。
 洗面所の下のスペースの扉を開けると、水道管が見える。
 もっとも、立ち会いをしていなかったリサは、内装工事業者達がどこの水道管を見ていたのかは不明である。
 ただ、この辺りから水やお湯を引っ張って来るのは明白だった。
 一応、隣のトイレの水道管も見せる。
 それから3階に下りて、3階のキッチンの水道管や風呂場を見せた。

 レイチェル「ありがとうございます。早速このデータを、BSAAに送りたいと思います」
 愛原「空いている机、使っていいよ」
 レイチェル「ありがとうございます」

 レイチェルは空き机に座ると、自分のバッグの中からノートPCを取り出した。
 軍用の、衝撃に強いタイプである。
 恐らく、BSAAから貸与されているのだろう。
 ネット回線は、自分が持ち込んだポケットWiFiを使うようである。

 リサ「あれ?今日はお兄ちゃんがいないみたいだけど?」
 愛原「高橋には、事故物件の調査に行ってもらったよ。現地調査してくるだけだから、あいつ1人でも大丈夫だと思ってさ」
 リサ「お兄ちゃんも1人で仕事できるようになったんだね」
 愛原「俺がいない時でも、簡単な仕事ぐらいはできるようになってもらわないとな」
 パール「そうですね」

 パールは給湯室から、コーヒーを入れててきた。
 リサはスツールを持って来て、愛原の隣に座る。

 愛原「おいおい。仕事も手伝ってくれよ」
 リサ「何やる?」
 愛原「これ、10部ずつコピーしてきて」
 リサ「仕事がお茶汲みとコピーとかw」
 パール「昭和のOLみたいですね」
 リサ「全く」

 リサは苦笑しながら、複合機の所まで行った。
 と、そこへ電話が鳴る。
 電話はパールが取った。

 パール「お電話ありがとうございます。愛原学探偵事務所でございます。……あ、はい。いつもお世話になっております。……はい。少々お待ちください。……先生、善場主任から電話です」
 愛原「分かった。……あ、もしもし。愛原です。お疲れさまです」
 レイチェル「Ok.Let’s send.」

 レイチェルは工兵部隊のデータ送信を完了させたようだ。

 レイチェル「ありがとうございました。取りあえず、工兵部隊へのデータ送信は終わりました」
 愛原「そうか」
 レイチェル「ただ、あくまでも概要だけですので、詳しい説明はこれからしてこようと思います」
 愛原「あ、あの、まだ他から見積もりは出ていないんだから、あんまり先に話を進めないでくれな?」
 レイチェル「分かってますよ。愛原センセイは、カタログでどんなシャワールームがいいか考えておいてください」
 愛原「カタログか。まだ見てなかったな。そもそも、ユニット工法なのか、在来工法なのかも不明なんだから」

 ただ、2階以上に設置する場合は、防水工事などの関係で、ユニット工法が採用される場合が殆どだ。

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