報恩坊の怪しい偽作家!

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 実際のものとは異なります。

“私立探偵゛愛原学” 「代替修学旅行の話」

2022-02-14 11:36:55 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[1月23日15:41.天候:晴 東京都墨田区菊川 都営バス菊川駅前バス停→愛原学探偵事務所]

 善場主任との話が終わった私と高橋は、新橋バス停から都営バスに乗った。
 これなら乗り換え無しで、菊川まで帰ることができる。

〔「菊川駅前です」〕

 バスが三ツ目通り上のバス停に到着する。
 中扉から降りるのだが、最近の中扉はブザー式からチャイム式へと変わった。
 電車のドアチャイムと同じである。

 愛原:「この時間だと、リサが帰って来る頃かもしれないな」
 高橋:「そうかもしれませんね」

 バスを降りて、事務所へ向かう。
 その際に、菊川駅前の交差点を渡ることになる。

 リサ:「あ、先生」

 交差点で信号待ちをしていると、コンビニからリサが出て来た。

 愛原:「やっぱりリサ、このタイミングだったか」
 高橋:「下校中に買い食いとは、いい身分だな?」
 リサ:「暴走を抑える為だよ」
 高橋:「また都合のいいこと言いやがって」
 愛原:「まあ、いいさ。さっさと事務所に戻ろう」
 高橋:「先生、俺は夕飯の支度がありますので……」
 愛原:「ああ、そうだったな」
 リサ:「わたしも帰る」
 愛原:「ああ」

 事務所には、私だけが先に帰ることになった。

[同日18:00.天候:晴 同地区内 愛原のマンション]

 愛原:「ただいまァ」
 高橋:「お帰りなさい」
 リサ:「お帰りなさいませ。御主人様」
 愛原:「メイドか!」
 リサ:「ノンノン!性奴隷でーす!」
 愛原:「それはメイドですらねぇ!」
 リサ:「まあまあ。後で、話があるから」
 愛原:「話?」

 今夜の夕食は、トンカツ定食だった。
 どうやら今日は豚肉が安かったらしい。
 その代わりパン粉と食用油は値上がったと聞く。
 リサは食べるのに夢中であったが、食べ終わると思い出したかのように言った。

 リサ:「そういえば、中等部の修学旅行の代わりをやるって話があったよ」
 愛原:「やっぱりやるのか?」
 リサ:「人数制限して、日替わりでね」

 そう来たか。
 学年全員で一気にやるわけではない、と……。

 リサ:「これが資料」
 愛原:「えーと……なになに?」

 そこに書いてあったのは……。

 愛原:「た、確かにこれは……普通ではない」
 高橋:「何スか?」
 愛原:「東武の夜行列車で行く、スキーツアーだ」
 高橋:「マジっスか!」
 愛原:「まさか、スノーパル貸切で行くとはなぁ……」

 どうやって予算を使い切るか、悩みに悩んだ結果だというのは分かるが……。

 リサ:「サイトーが雪だるまになる所、また見れる!」

 リサは鼻息を荒くしている。
 リサとしては、楽しみなのだろうが……。

 愛原:「いや、やめなさいって。命に関わるから」
 高橋:「でも先生、リサが参加しちゃって大丈夫なんスか?」
 愛原:「学校行事なんだから大丈夫だろ?」
 リサ:「それと、『リサ・トレヴァーのリラクゼーションサロン』、またオープンするよ?」
 愛原:「昨日、老廃物を吸い取ってもらったばかりだから、まだそんなに溜まってないよ?」
 リサ:「今日は軽くでいいから」
 愛原:「しょうがないな。じゃあ、また頼むよ」
 リサ:「おー!また後で準備するね!」

 今度は一体、何を企んでいるのやら……。

[同日19:00.天候:晴 愛原のマンション(リサの部屋)]

 再びリサの部屋に入ると、リサはジャージに着替えていた。

 リサ:「フフフ……。ようこそ……!」
 愛原:「リサ、第0形態なのに、何だその不気味な笑みは?」
 リサ:「ちょっと見てみらいたいものがあるの」

 リサはそう言うと、ジャージを脱ぎ始めた。
 そして、上は体操服のTシャツ、下は短パン……ではなかった。

 愛原:「こ、これは……!?」

 短パンと同じ色合い(グリーン)のブルマーだった。

 リサ:「先生、こういうのがいいんでしょ?ほら、見て見て!」
 愛原:「いや、オマエ、これ……ええっ!?本当にあったのか!?」
 リサ:「高等部ではもう全廃だから無いんだって。だから、中等部に行ってきた。そしたらあった」
 愛原:「中等部にはあるの!?」

 しかし、中等部でもリサを含めて、みんな短パンだったような気がするが……。

 リサ:「実質的には廃止だけど、明確に校則には書かれてないから、購買に在庫はあったみたいだよ」
 愛原:「で、わざわざ買って来た?」
 リサ:「むふー!」

 リサは鼻息を荒くしていた。

 リサ:「それにしても、昔はこんなパンツで体育やってたんだね」
 愛原:「そ、そうだな」
 リサ:「短パンよりも動きやすいじゃん。……ちょっとキツいけど」
 愛原:「そりゃ、中等部の時のサイズじゃ……」

 何だかんだ言ってリサの体も、少しずつ成長しているということだ。
 この辺も、他のリサ・トレヴァーとは違うのかもしれない。

 リサ:「お尻に食い込んじゃう……」
 愛原:「短パンよりも密着するからね。だから、短パンよりもワンサイズ上のを買うのが正解らしいぞ?」

 その為、私の同級生の女子で、男兄弟のいるコはそれで失敗したのか、よくハミパンするコがいた。
 親が短パンと同じ感覚で、ブルマーのサイズを選んでいたからである(その為、兄がいるコがよく失敗していた。親としては、まずは息子の体操着を買う為、その感覚で次の娘の体操着を買っていたからだろう)。

 リサ:「わたしのセクシーショットを見ながら、マッサージをどうぞ!」
 愛原:「そりゃあ眼福だ……」

 確かにセクシーっちゃセクシーなんだが、それで第1形態に戻られちゃあね……。

 リサ:「おっ、そうだ。注文票もらったから、今度はサイトーのも買ってあげよう。サイトー、どういう反応するかな?うへへへ……」
 愛原:「そりゃもう、思いっ切り恥ずかしがるだろうなぁ……。イジメは良くない。ダメだぞー」
 リサ:「分かってるよ。花子先輩、どうしたんだろう?」
 愛原:「“トイレの花子さん”か。まだ遺骨が見つからないんだ。こうも見つからないと、やっぱり白井がガメて、何らかの実験に使ってるんだろうなぁ……」
 リサ:「死んでから実験に使われるのも、何かヤだね」
 愛原:「まあな。早いとこ見つけてやらないと……」

[1月24日09:00.天候:晴 同地区内 愛原学探偵事務所]

 翌朝になり、事務所に行くと、1枚のファックスが来ていた。
 見ると、それは仕事の依頼書であった。
 クライアントは斉藤社長。
 社長直々に、私に仕事を依頼してくるのは久しぶりだ。
 また、絵恋さんのお守りでも以来してくるのだろうか。
 詳細は、社長の会社で直接話すとあったので、それを受けることにした。

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