報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
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 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「時事ネタとしてコロナウィルスを取り上げていますが、あくまでも内容はフィクションです」

2020-03-04 11:34:08 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[2月28日15:00.天候:雨 東京都墨田区菊川 愛原学探偵事務所]

 私の名前は愛原学。
 都内で小さな探偵事務所を経営している。
 私は今しがた霞ケ関の政府機関に行き、エージェントの善場主任と会った後で事務所に帰って来たところである。

 愛原:「ただいまァ」
 高橋:「あ、先生。お帰りなさいっス」
 愛原:「うーっス」
 高野:「どうでした?今、世界を騒がせているウィルスについて……」
 愛原:「驚いたことに、霧生市のバイオハザード事件の生還者達には抗体があるらしいぞ?もちろん、まだ政府発表の前だから、ここだけの話な?」
 高野:「まあ、なるほどと納得はできますね。ぶっちゃけ新型コロナウィルスは、今のところは肺炎を起こすだけのウィルスですから。それに対して、私達が戦ったのは人間を化け物に変えるウィルスですからね。どちらが強いかは一目瞭然でしょう」

 ゾンビウィルスの方が、まだ新型コロナウィルスを食い物にしてしまうというわけか。
 でも、だからといってそっちのウィルスには感染したくないよな。

 愛原:「でも、あくまでも理論だけなんだ。俺達の抗体で、本当に新型コロナウィルスの特効薬ができるかどうかは微妙なところらしい」
 高野:「……でしょうね。そもそも本当にTウィルスに感染したら、新型コロナウィルスへの抗体もできるかどうかも怪しいところですね」

 逆にもしそうなら、新型コロナウィルスはやっぱりウィルス兵器が漏洩したものということになる。
 だから日本政府も中国に気を使って発表できないのだろう。

 高橋:「話というのはそれだけっスか?」
 愛原:「いや、まだだ。そこで、リサが注目された」
 高野:「リサちゃんが……」
 愛原:「旧アンブレラの実験では、リサにインフルエンザやエボラ出血熱のウィルスを投与しても、リサの持つ強力なウィルスの方が勝ってしまい、そいつらを食い物にしてしまったそうだ。その力を利用して、特効薬ができないか考えているそうだ」
 高橋:「パなくリスク高くないスか?それ、一歩間違ったら、自分が化け物になっちまいますよ?」
 愛原:「だからしばらくリサを貸して欲しいということなんだ。幸か不幸か、政府は全ての学校を閉鎖すると発表している」
 高野:「まさか、この為の布石ではないでしょうね?」
 愛原:「どうだかなぁ……」

 もっとも、リサの通う東京中央学園は私立の学校法人だから、無理に政府の要請に従う必要は無いはずだ。

 愛原:「そこで問題が1つある」
 高野:「何ですか?」
 愛原:「リサは研究所に対して、大きなトラウマがある。死ぬほど辛い実験を繰り返されたからだろう」
 高野:「確かに……」
 高橋:「そんな大したこと無いんじゃないスか?先生がビシッと言ってやりゃあ……」
 愛原:「お前にとっては、『もう1度ムショに行け』って言われるのと同じことだぞ?」
 高橋:「それは困ります」
 高野:「2017年、アメリカのルイジアナ州で起きたバイオハザード事件ですが、元々はバイオテロ組織がBOWエブリンを輸送中に彼女を暴走させたことが発端だそうです。彼女もまた研究所に連れて行かれるのを嫌がったのだとか……」
 愛原:「そこはまだ善場さんと話をしていなかったな。また後で連絡してみよう。あくまでも現段階では、『リサから特効薬を造れないか?』という仮説の話だから」

 と、そこへリサが帰って来た。
 斉藤絵恋さんも一緒だ。

 リサ:「ただいま」
 愛原:「お帰り……って、ん?」
 斉藤絵恋:「ううう……グスッ、グスッ……ひっく……」
 愛原:「おいおいおい、絵恋さんが泣いてるじゃないか。どうしたんだ?」
 リサ:「私達、3日から春休み」
 愛原:「ええっ!?」
 リサ:「2日に卒業式を行って、次の日の3日は終業式。あとは春休み」
 愛原:「そ、それってもしかして……?」
 リサ:「コロナウィルスのせい。私は感染しても大丈夫なのに……」
 高橋:「オメーはそーだろーよ」
 愛原:「で、どうして絵恋さんは泣いてるの?」

 まさか、学校で感染者が出た!?

 絵恋:「ま、まさか、学校で……ひっく……」

 うっ、このくだり!
 やっぱ、学校で感染者が!?

 絵恋:「学校で……リサさんと会えなくなるなんて……うぇぇぇぇぇん!」
 愛原:「はあ!?」
 高橋:「……さ、先生、こんなアホビアン放っといて、仕事しましょ」
 絵恋:「誰がアホビアンよ!?」
 高橋:「オメーだ、オメー!」
 絵恋:「バカゲイ!」
 高橋:「あぁ!?ンだと、コラァ!?」
 高野:「はいはい!ストップストップ!」

 LGBT同士、仲がいいとは限らない。

 愛原:「ケンカすんな!……絵恋さん、学校は休みになるけど、こうして外では会えるじゃないか。それじゃダメかい?別に、事務所に遊びに来てくれてもいいんだよ?」
 高橋:「こいつらが来るとうるせぇ……」
 高野:「マサ、ちょっと黙ってな」
 リサ:「私もそう言ったのに、サイトー泣き止んでくれない……」

 問題は政府機関だな。
 話の流れによっては、リサの方が研究所送りになって、リサも泣くハメになるんだよなぁ……。

 愛原:「絵恋さん、一体何が問題なんだい?」
 絵恋:「お父さんが……お父さんがね……。『愛原リサさんは特別な体だから、このコロナウィルス撲滅の為に長い期間掛けて戦いの旅に出る』って……」

 おーい、斉藤社長~!
 なに政府特命を娘にバラしてんだよ~!
 ってか、日本の国家機密ダダ洩れじゃん!
 さすがスパイ天国ニッポン!

 愛原:「まだそうと決まったわけじゃないから……」

 私は困った顔になって、そう言うしか無かった。

 リサ:「長い時間掛けて、戦いの旅に出なきゃいけないの?」
 愛原:「確かにそういう話も聞いてはいるけど、まだ決定事項じゃないから」

 やっぱり私は今日中に善場主任に電話するべきだと思った。
 てか、長い戦いの旅って何だよ?
 そんなのBSAAや“青いアンブレラ”の仕事だろうが。

 高野:「あっ、韓国に“青いアンブレラ”が到着したみたいです」

 高野君は自分の机のパソコンを見ながら言った。

 愛原:「今度は何だ?」
 高野:「例のコロナウィルスのバイオハザードが起きた宗教施設に突入してますね。BSAAがオブザーバー役らしいです」
 愛原:「日本の宗教施設もヤバそうだな」

 もっともその時も、私達じゃなくてBSAAや“青いアンブレラ”が突入作戦を遂行するであろうが。

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1 コメント

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つぶやき (雲羽百三)
2020-03-04 13:21:16
 今週末、報恩坊の御講に参加する予定なのだが、前泊する為に高速バスを予約したら、すんなり予約できた。
 それはいいのだが、乗車券を発券しに東京駅のJRバス乗り場に行ってみて、券売機で空席状況を確認してみた。
 いいのかと思うくらいガラガラだった。
 よく見ると、乗り場も人が少ない。
 新型コロナウィルス、パネェな。

 ああ、そうそう。
 これは昨年12月の話なのだが、富士急静岡バスの東京~富士宮線はダイヤ改正が行われて、所要時間が「延びた」。
 さすがに東名高速の慢性的な渋滞で、ダイヤの維持ができなくなったからだろう。
 これで始発下りの便(東京駅8時10分発)が、ダイヤ上でも布教講演に「間に合わなくなった」からご注意のほどを。
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