報恩坊の怪しい偽作家!

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 実際のものとは異なります。

“愛原リサの日常” 「戦いの後で」

2024-05-12 20:50:06 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[3月27日02時00分 天候:不明 神奈川県相模原市緑区某所 国家公務員特別研修センター地下研究施設・リサの部屋]

 窓の無い地下階の個室。
 そのベッドの布団にくるまって、リサは何度もオナニーしていた。
 元々性欲の強い鬼娘が何日も眠っていて、しかもその後、生死を分けた戦いで気持ちと性欲が昂ぶったせいであった。
 こんなこともあろうかと、家からは電マを持って来ている。

 リサ「んっ……!んんんんんッ!!」

 表向きには、寝室内やトイレを含む浴室内には監視カメラが無いことになっている。
 しかし、アンブレラの研究所暮らしが長かったリサは、それを信用していなかった。
 確かにアンブレラの研究所と違い、堂々と天井にカメラが仕掛けられているわけではない。
 もしかしたら、本当に無いのかもしれない。
 だが、リサはその辺、信用していなかった。
 だからオナニーの時は布団を被ってその中でするし、声が出ないように、口にタオルを突っ込んでいた。

 リサ「はあ……はあ……。愛原先生……」

 何度目かの絶頂を迎えて、ある程度満足したリサは布団から這い出た。

 リサ「汗かいちゃったな……」

 それと、『女の匂い』も凄い。

 リサ「シャワー浴びよう……」

 アンブレラの研究所と違うのは、トイレやシャワーは自由に行って良いということ。
 当たり前の話なのであるが、アンブレラは日本版リサ・トレヴァー達に対し、入浴や排泄を『実験』や『観察』と称して制限した。
 1週間も入浴を禁じられたこともあったし、排泄を制限されて失禁させられたこともあった。
 仮に許されても、透明便器の和式で、ガラス張りやカメラもいくつも仕掛けられている中で排泄しなければならなかった。
 いつの間にか室内には、ビジネスホテルにあるような小さな冷蔵庫が設置されており、そこに自販機で買った飲み物を入れられるようになっていた。
 リサはその冷蔵庫に入れておいたペットボトルの水を飲むと、着替えやタオルを持ってシャワールームに出た。
 消灯時間ということもあり、寝室とシャワールームを隔てる廊下のダウンライトは数えるほどしか点灯していない。
 しかし夜目の利くリサには、十分な明るさであった。
 この廊下には、監視カメラが仕掛けられている。
 恐らく今、夜勤の警備員が、リサが寝室から出たことを確認しただろう。
 廊下を挟んで、向かいのシャワールームに入る。

 

 室内は脱衣所と洗面所、ユニットシャワー、そしてトイレがある。
 日本の鬼は風呂好きと言われるように、リサも例外ではないが、残念ながらシャワーしか無かった。

 リサ(そういえば、家の4階に新しくシャワールームを付けるんだっけ。これと同じヤツかな……)

 リサは全裸になると、タオルを持ってシャワーブースの中に入った。
 『日本版リサ・トレヴァー』としての年齢は17歳であるが、成長ホルモンをGウィルスに横取りされている為、かつては中学生程度の体型でしかなかった。
 それが今、ようやく平均的な数値の体型にはなっている。
 あくまでも平均である為、東京中央学園に行くと、平均超えの女子生徒がゴロゴロいる中、やはりリサは小柄に見える。

 リサ「愛原先生と入りたい……」

 シャワーで汗を流しながら、リサは愛原を思っていた。

[同日06時00分 天候:不明 同施設・同室内]

 リサ「……っ、わあーっ!」

 リサは最悪な夢を見て目が覚めた。
 最悪というのは彼女視点で最悪という意味なのだが、具体的には、鬼の男に強姦未遂の強制猥褻を受ける夢だった。
 リサに付き纏っていた鬼の男はとっくに死んでいるはずだが、唯一リサにセクハラした男ということで、今でもリサはたまに夢を見る。
 明らかにザコクリーチャーより強く、BSAAの関係者からはラスボスクラスと言われるリサだが、いくら鬼型BOWとはいえ、女ということもあり、腕力で鬼の男に叶わなかった。
 無理やりねじ伏せられて、犯されるところであった。
 大抵は、犯される直前で目が覚める。

 リサ「くそ……サイアク……!またあの夢か……!また変な汗かいちゃった……全くもう……」

 再び体を洗いに行くリサであった。
 BOWは衛生観念が欠如していると言われている。
 だが、鬼の男に体を舐められた夢を見たからには、さすがにそれを洗い流したいという気持ちの方が強かった。

[同日10時00分 天候:不明 同施設・処置室]

 医官「はい、口を大きく開けてー」
 リサ「あーん」
 医官「……うん。もう寄生虫が顔を覗かせることは無い。偽の特異菌が上手くGウィルスを誤魔化してくれているようですね」
 リサ「なるほど……」

 他にも目にペンライトを当てられたり、採血をされたり……。
 あとは、ベッドに横になって点滴を受けるだけ。
 特異菌は新種のカビを改造したものである。
 カビは増殖する。
 Gウィルスを誤魔化し続ける為には、まるで特異菌が増殖しているかのように思わせなければならない。
 その偽の特異菌が配合された点滴である。
 ただ、副作用として……。

 医療技師「少し……眠くなるかもしれませんよ」

 眠くなる成分が入っているのだ。
 これは点滴中にリサが暴走しない為の予防線らしい。
 だいたい2時間くらい最初の点滴が行われ、昼休憩を挟んで、また午後に2時間の点滴が行われる。
 その後、予後検査を行って、何も無ければその日の治療は終わりというものだった。
 あとは自由時間となるのだが、さすがに暇過ぎるので、夕食時間前までは研修センターの体育館で運動の時間が認められている。

[同日18時00分 天候:不明 同施設リサの宿泊所・給湯室]

 リサ「……というわけなの」

 リサはビデオ通話で、愛原と連絡していた。

 愛原「そうなのか。まあ、ルーティンが決まったということは、それだけお前の状態が安定しているということなんだよ」
 リサ「そうなのかな?見た目はそんなに変わらないんだけどね。こうして、まだ角とか生えてるし」
 愛原「残念ながら、完全に人間の姿には戻れないのが実情だそうだ。もう少し科学が進歩すれば、元に戻れる方法が見つかるはずさ」
 リサ「そうなんだけどねぇ……」
 愛原「それより、今日の夕飯は何だ?」
 リサ「カツ煮定食だね。御飯や味噌汁のお代わりが無いのが不満だけど……」
 愛原「それでも丼飯一杯は食えるんだから、十分だろうが」
 リサ「まあ、そうだけど……」
 愛原「とにかく、退所日までおとなしくしてるんだぞ?」
 リサ「その時には迎えに来てくれるんだよね?」
 愛原「もちろん」
 リサ「楽しみにしてるね!」

 リサのここでの楽しみは、自由時間のビデオ通話やLINEであった。

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