[4月10日12時45分 天候:晴 東京都台東区上野 東京中央学園上野高校]
昼休み。
昼食を食べたリサは、スマホで我那覇絵恋と電話をしていた。
絵恋もまた沖縄中央学園那覇高校に通っている。
リサ「放課後、進路相談がある。エレンはどうしても東京中央学園に来ないの?」
絵恋「私も行きたいんだけど、お母さんが許してくれないのよ!大学は行っていいんだけど、沖縄の大学にしなさいって」
リサ「うへー……」
絵恋「私が独り暮らししたり、お母さんが1人になるのが寂しいのよ」
リサ「じゃあ、どうする?」
絵恋「リサさんが沖縄に来れないかだって」
リサ「いや、ムリ!わたしだって、愛原先生と離れたくないし!」
斉藤元社長と離婚したことで、金持ちから庶民に堕ちた為に、生活に余裕が無いのも一因となっている。
絵恋の母親は、それまで東京中央学園時代はママ友カーストナンバー1だったのに、最下位に転落してしまった。
それに耐えられなくなり、実家のある沖縄に引っ越したというのもある。
沖縄中央学園ではPTAに入ることもなく、授業参観にも来ない有様だという。
リサ「毒親?」
絵恋「毒親だよ!リサさんのGウィルスが欲しいくらいだよ!」
リサ「そんなことしたらエレン、死ぬよ?」
絵恋「リサさんと同じ鬼になれないの!?」
リサ「Gウィルスが合うかどうかは、実際に胚を植え付けてみないと。あとはTウィルスだね」
絵恋「それをちょうだい!」
リサ「だからTウィルスは無いし、Gウィルスも偽の特異菌食わされておとなしくなってるから」
その為、リサから直接寄生虫の新規植え付けも不可能となっている。
但し、既に植え付けた寄生虫に関しては引き続き操縦可能。
その為、『魔王軍』メンバーは表向きには新規募集停止ということになっているが、裏ではそうでもない。
四天王達が、どうも新しい寄生虫を生んでいるらしく、それで新規募集可能のようだ。
リサは直接操れないものの、大元の四天王の寄生虫は操れるので、実質的な孫請けのようなもの。
それで新1年生を準メンバーとして募集は可能だとされている。
ブルマーの復活も旧スク水の復活も、リサが卒業するまでの一時的なものとなりそうである。
絵恋「そんなぁ……」
リサ「わたしも人間に戻る努力をしているところだから」
絵恋「私が人間を辞めたいよ……」
リサ「オマエ何言ってるんだ?!とにかく、修学旅行でそっちに行くから、それまで早まるなよ?」
リサは電話を切った。
リサ「エレンのヤツ、わたしよりヤバくない?」
[同日15時00分 天候:晴 同地区内 同学園1階・進路指導室]
リサは進路指導室で、担任の阪上から進路相談を受けていた。
坂上「やっぱり進学先は、東京中央学園大か。リサの成績なら、国立大も狙えるだろうが、何か制限があるのか?」
リサ「いや、無いと思う。デイライトは、わたしの好きなようにしていいらしい」
坂上「だったら……」
リサ「実は転校したエレンが上京して、東京中央学園大に行くかもしれないってことで、それでわたしも志望しただけ」
坂上「エレン?ああ、斉藤絵恋か。今は我那覇絵恋になってるんだったな。また沖縄から来るのも大変だな」
リサ「それ以前に、お母さんが許してくれないんだって」
坂上「家庭の事情かぁ……」
リサ「エレンが来ないんなら、わたしも行かない」
坂上「えっ?じゃあ、どうするんだ?他の大学に行くのか?」
リサ「それも何だか……」
坂上「じゃあ、就職か?もうNPO法人デイライトさんからスカウトが来ているようだが……」
リサ「それもちょっと……」
坂上「えっ?じゃあ、どうするんだ?」
リサ「もう少し考えたい。今度の修学旅行、沖縄に行くでしょ?自由行動の時、エレンと会って説得したい」
坂上「説得ったって、我那覇さん本人じゃなく、そのお母さんだろ?どうやって説得するんだ?」
リサ「それは……」
坂上「とにかく、愛原……保護者の愛原さん達ともう1度よく相談するんだ。時は待ってくれないぞ?」
リサ「うん……はい……」
[同日15時30分 天候:晴 同地区内 同学園・校庭]
レイチェル「お疲れ、リサ」
リサ「あー、レイチェル、待っててくれたの」
レイチェル「図書室で本を読んでました。ここの図書室は、とても大きいですから」
リサ「あー、そうだね」
レイチェル「“学校の七不思議”で、『本棚でも潰れなかった女』という話が紹介されてましたが、もしかしてリサのことですか?」
リサ「もしかしなくても、わたしのことです」
大きめの地震が発生した時、固定が甘かった本棚が倒れて来たことがある。
リサはその下敷きになったが、何事も無く本棚を持ち上げ、ケガについても持ち前の回復力ですぐに回復させてしまった。
それには多くの目撃者達がおり、その年の“学校の七不思議”にノミネートされてしまったわけである。
レイチェル「さすがですね。オリジナルのリサ・トレヴァーは、落ちて来たシャンデリアに挟まれて身動きが取れなかったというのに……」
リサ「そうなんだ!」
落ちて来たシャンデリアに体を挟まれ、身動きが取れなくなっていたところ、施設の自爆装置が作動。
リサ・トレヴァーはその不幸な生涯に幕を下ろしたとされているが、いかんせん死体が回収されていない為、死亡が確認されていない。
日本アンブレラがGウィルスのサンプルを入手していたことから、実はその後、日本アンブレラが死体を回収したのではと噂されているが、明確な証拠が無く、推測の域を出ない。
リサ「そういえば、斉藤早苗ってどうなったんだろう?」
レイチェル「誰ですか?お友達?」
リサ「いや……」
リサは旧校舎の方を見た。
今は教育資料館として再生されている。
とある事件があって半壊してしまったが、現在は再建工事中である。
東京中央学園創立当時の木造校舎である。
その女子トイレには、長らく“トイレの花子さん”がいた。
“学校の七不思議特集”にも、何回か登場するほどの有名人であった。
リサ「今は白井がその斉藤早苗に成りすましている」
レイチェル「?」
リサ「今は一体、どこにいるのか……」
レイチェル「リサ、後で詳しい話を聞かせてください」
昼休み。
昼食を食べたリサは、スマホで我那覇絵恋と電話をしていた。
絵恋もまた沖縄中央学園那覇高校に通っている。
リサ「放課後、進路相談がある。エレンはどうしても東京中央学園に来ないの?」
絵恋「私も行きたいんだけど、お母さんが許してくれないのよ!大学は行っていいんだけど、沖縄の大学にしなさいって」
リサ「うへー……」
絵恋「私が独り暮らししたり、お母さんが1人になるのが寂しいのよ」
リサ「じゃあ、どうする?」
絵恋「リサさんが沖縄に来れないかだって」
リサ「いや、ムリ!わたしだって、愛原先生と離れたくないし!」
斉藤元社長と離婚したことで、金持ちから庶民に堕ちた為に、生活に余裕が無いのも一因となっている。
絵恋の母親は、それまで東京中央学園時代はママ友カーストナンバー1だったのに、最下位に転落してしまった。
それに耐えられなくなり、実家のある沖縄に引っ越したというのもある。
沖縄中央学園ではPTAに入ることもなく、授業参観にも来ない有様だという。
リサ「毒親?」
絵恋「毒親だよ!リサさんのGウィルスが欲しいくらいだよ!」
リサ「そんなことしたらエレン、死ぬよ?」
絵恋「リサさんと同じ鬼になれないの!?」
リサ「Gウィルスが合うかどうかは、実際に胚を植え付けてみないと。あとはTウィルスだね」
絵恋「それをちょうだい!」
リサ「だからTウィルスは無いし、Gウィルスも偽の特異菌食わされておとなしくなってるから」
その為、リサから直接寄生虫の新規植え付けも不可能となっている。
但し、既に植え付けた寄生虫に関しては引き続き操縦可能。
その為、『魔王軍』メンバーは表向きには新規募集停止ということになっているが、裏ではそうでもない。
四天王達が、どうも新しい寄生虫を生んでいるらしく、それで新規募集可能のようだ。
リサは直接操れないものの、大元の四天王の寄生虫は操れるので、実質的な孫請けのようなもの。
それで新1年生を準メンバーとして募集は可能だとされている。
ブルマーの復活も旧スク水の復活も、リサが卒業するまでの一時的なものとなりそうである。
絵恋「そんなぁ……」
リサ「わたしも人間に戻る努力をしているところだから」
絵恋「私が人間を辞めたいよ……」
リサ「オマエ何言ってるんだ?!とにかく、修学旅行でそっちに行くから、それまで早まるなよ?」
リサは電話を切った。
リサ「エレンのヤツ、わたしよりヤバくない?」
[同日15時00分 天候:晴 同地区内 同学園1階・進路指導室]
リサは進路指導室で、担任の阪上から進路相談を受けていた。
坂上「やっぱり進学先は、東京中央学園大か。リサの成績なら、国立大も狙えるだろうが、何か制限があるのか?」
リサ「いや、無いと思う。デイライトは、わたしの好きなようにしていいらしい」
坂上「だったら……」
リサ「実は転校したエレンが上京して、東京中央学園大に行くかもしれないってことで、それでわたしも志望しただけ」
坂上「エレン?ああ、斉藤絵恋か。今は我那覇絵恋になってるんだったな。また沖縄から来るのも大変だな」
リサ「それ以前に、お母さんが許してくれないんだって」
坂上「家庭の事情かぁ……」
リサ「エレンが来ないんなら、わたしも行かない」
坂上「えっ?じゃあ、どうするんだ?他の大学に行くのか?」
リサ「それも何だか……」
坂上「じゃあ、就職か?もうNPO法人デイライトさんからスカウトが来ているようだが……」
リサ「それもちょっと……」
坂上「えっ?じゃあ、どうするんだ?」
リサ「もう少し考えたい。今度の修学旅行、沖縄に行くでしょ?自由行動の時、エレンと会って説得したい」
坂上「説得ったって、我那覇さん本人じゃなく、そのお母さんだろ?どうやって説得するんだ?」
リサ「それは……」
坂上「とにかく、愛原……保護者の愛原さん達ともう1度よく相談するんだ。時は待ってくれないぞ?」
リサ「うん……はい……」
[同日15時30分 天候:晴 同地区内 同学園・校庭]
レイチェル「お疲れ、リサ」
リサ「あー、レイチェル、待っててくれたの」
レイチェル「図書室で本を読んでました。ここの図書室は、とても大きいですから」
リサ「あー、そうだね」
レイチェル「“学校の七不思議”で、『本棚でも潰れなかった女』という話が紹介されてましたが、もしかしてリサのことですか?」
リサ「もしかしなくても、わたしのことです」
大きめの地震が発生した時、固定が甘かった本棚が倒れて来たことがある。
リサはその下敷きになったが、何事も無く本棚を持ち上げ、ケガについても持ち前の回復力ですぐに回復させてしまった。
それには多くの目撃者達がおり、その年の“学校の七不思議”にノミネートされてしまったわけである。
レイチェル「さすがですね。オリジナルのリサ・トレヴァーは、落ちて来たシャンデリアに挟まれて身動きが取れなかったというのに……」
リサ「そうなんだ!」
落ちて来たシャンデリアに体を挟まれ、身動きが取れなくなっていたところ、施設の自爆装置が作動。
リサ・トレヴァーはその不幸な生涯に幕を下ろしたとされているが、いかんせん死体が回収されていない為、死亡が確認されていない。
日本アンブレラがGウィルスのサンプルを入手していたことから、実はその後、日本アンブレラが死体を回収したのではと噂されているが、明確な証拠が無く、推測の域を出ない。
リサ「そういえば、斉藤早苗ってどうなったんだろう?」
レイチェル「誰ですか?お友達?」
リサ「いや……」
リサは旧校舎の方を見た。
今は教育資料館として再生されている。
とある事件があって半壊してしまったが、現在は再建工事中である。
東京中央学園創立当時の木造校舎である。
その女子トイレには、長らく“トイレの花子さん”がいた。
“学校の七不思議特集”にも、何回か登場するほどの有名人であった。
リサ「今は白井がその斉藤早苗に成りすましている」
レイチェル「?」
リサ「今は一体、どこにいるのか……」
レイチェル「リサ、後で詳しい話を聞かせてください」
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