報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“愛原リサの日常” 「動き出す栗原蓮華」

2024-02-28 15:21:15 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[3月5日18時00分 天候:晴 東京都板橋区常盤台 伊藤家]

 板橋区の中でも屈指の高級住宅街、常盤台。
 この住宅地に大きな一軒家を構える伊藤家。
 ここに伊藤縁は住んでいる。

 母親「今日は縁ちゃんの大好きなフォア・グラよ」
 縁「はー……」
 母親「どうしたの?さっきから溜め息ばかりついて。何かあったの?」
 縁「食べたくない……」
 母親「えっ?」
 縁「ママ!ボク、フォアグラよりもっと食べたいものがあるんだ」
 母親「まあ、そうだったの!それだったら先に言ってくれたら良かったのに!どうして言わなかったの?」
 縁「だって、それ、ママにも作れないものだからなんだ」
 母親「まあ。主婦にして調理師免許も持っているママにも作れないものなんてあるの?分かったわ。パパに頼んで、縁ちゃんの食べたい物を作れるシェフを探して連れて来てもらうわ。言って。何が食べたいの?」
 縁「違うんだ、ママ」
 母親「何が違うの?」
 縁「ボクが食べたいのは、料理じゃないんだ。……いや、もうこの際、料理にして食べちゃいたいくらいなんだ!」
 母親「だから、何が食べたいの?」
 縁「ボク、愛原さんが食べたいんだ」
 母親「ええっ!?愛原さんって、同じクラスのちょっと変わった女の子の?」
 縁「うん!ボク、愛原さんが食べたくてしょうがないんだ。愛原さんの事を考えると、ママの作ってくれるどんな料理も食べれなくなっちゃうんだ!」
 母親「……縁ちゃん」
 縁「ママ!パパに頼んで、愛原さんをここに連れて来てくれないかな?どんな手を使ってもいい!もう監禁して食べたいくらいなんだ!」
 母親「……明日、病院に行きましょ。学校にはママから連絡しておくし、病院も探しておくから」
 縁「ママ!?」
 母親「運転手の田中に、明日は縁ちゃんを学校じゃなく、病院に連れて行くよう言っておきますからね」
 縁「ママ!何てこと言うんだ!?それじゃまるでボク、頭がおかしくなったみたいじゃないか!」
 母親「そうね。学校で色々あったのね。イジメられてるの?」
 縁「違うよ!ボクは本当に愛原さんを食べたいだけなんだ!」
 母親「……今日は早く寝なさい。パパも忙しくて、今夜は遅くなるみたいだから。江戸川の店舗で、何か騒ぎがあったみたいでね」
 縁「あれはボクが悪かったんだ!ボクがいきなり現れたものだから、愛原さんがビックリして……!」
 母親「でも、警察沙汰になったのだから、縁ちゃんと愛原さんを会わせるわけにはいかにないわね。縁ちゃんの教育に悪いわ」
 縁「そんな、ママ!?」
 母親「縁ちゃんは来年度からアメリカ留学が待っているんだから、いま女の子にうつつを抜かしている場合じゃないのよ?」
 縁「アメリカなんて行きたくない!」
 母親「何てことを言うの!?せっかくパパがアメリカ法人のCEOに話をしてくれて、CEOが懇意にしているハイスクールの校長先生に話をつけて、縁ちゃんの留学が実現したというのに!」
 縁「ママなんて、嫌いだぁーっ!」
 母親「縁ちゃん!?」

 縁はダイニングを飛び出すと、自室に飛び込んで行った。

[同日同時刻 天候:晴 東京都墨田区菊川2丁目 愛原家3階ダイニング]

 パール「ペンギン堂南砂店で安い牛肉が買えなかったので、今日は近所のスーパーで辛うじて安く買えたチキンです」
 リサ「おー!チキンステーキ!激辛!?」
 パール「辛さの調整は、そこのスパイスなどで御自由に調整なさってください」
 愛原「いや、こういうのでいいんだよ、こういうので」

 リサは肉が食べられれば、それで良いようである。

 リサ「うっ……」
 愛原「どうした、リサ?」
 リサ「いやあ……何かさっきから寒気か……」
 愛原「おいおい。鬼型BOWともあろうリサが、風邪か?」
 リサ「いや、別に風邪っぽくは無いんだけど……」
 高橋「先生、御冗談を。リサのウィルスや特異菌からしてみりゃ、風邪のウィルスなんておやつ同然ですぜ?」
 愛原「そ、それもそうだな」
 リサ「何だろうねぇ……。どこかで呪いを掛けられてる感じがする……」
 愛原「むしろ呪いを掛ける側の鬼が掛けられるとか……」
 リサ「鬼に戻れば、大丈夫かな。……よっと」

 リサは人間形態から鬼形態に戻った。
 前頭部左右から2本の角が生える。

 リサ「まあ、これなら何とか……」
 愛原「一応、後で“鬼ころし”も飲んどけよ」
 リサ「分かったよ。“鬼ころし”は一杯だけ?」
 愛原「一杯というか、紙パック1個分だ」

 リサの人間としての年齢は17歳だから、未成年飲酒になってしまうのだが、何故か“鬼ころし”を飲むと暴走が抑制される為、“鬼ころし”の紙パック1個分だけは黙認されていた。
 “鬼ころし”だけ何か特別な成分が入っているわけでもないのに、どうしてそれだけが抑制効果があるのかは不明だ。
 恐らく、ネーミングによる暗示ではないかと言われている。

 高橋「それにしても先生、江戸川区のスーパーの件、善場のねーちゃんが揉み消してくれて良かったですね」
 愛原「日曜日なのに、申し訳ないことをしてしまった。明日は菓子折り持って、詫びに行くぞ。また、車出してくれ」
 高橋「デイライトの事務所っスね。了解っス」
 愛原「それと、ペンギン堂さんな」
 高橋「えっ!?」
 愛原「『リサが暴れて申し訳ありませんでした』って、向こうの店長さんに謝りに行かないと」
 リサ「あれは縁のゴミ野郎が……!」
 愛原「汚い言葉を使うな、リサ!!」
 リサ「……っ!」
 愛原「本当はお前を直接連れて行きたいところだが、明日は学校がある。伊藤君も来るだろうから、お前からも話ししておけよ」
 リサ「あんな奴に謝りたくないなぁ……」

 その気持ちは高橋も同じだったのか、見かねた高橋がそっと耳打ち。

 高橋「リサ。そういう時はな、仲間引き連れて、謝罪相手をグルリと取り囲み、外堀と逃げ場を分捕った状態で、『サーセンした』って言っておきゃいいんだよ」
 リサ「おー!そうか!」
 愛原「ヤクザの謝罪か!」

[同日22時00分 天候:晴 東京都板橋区常盤台 伊藤家・縁の自室]

 縁「ハァハァ……ハァハァ……」(*´Д`)

 縁、下半身裸の状態でベッドに横たわる。
 視線の先には、学校で隠し撮りしたと思われるリサのパンチラ写真。
 恐らく、ブルマもスパッツも穿き忘れた状態で登校した時に撮影したものだろう。
 その生写真はオ○ニー用に何十枚も焼き増しされており、そのうちの1枚を『使用中』だ。

 縁「ハァハァ……ハァハァ……」(;゚∀゚)=3

 更に別の写真は、リサの体操服にブルマ姿を撮影した物だった。
 これはリサと『魔王軍』が、ブルマ復活運動の一環で穿いていた時に撮影したものだ。
 ちょうどリサが足を開いて体育座りしていたところを、上手く撮影できた。
 それらの写真をオカズに、縁はオ○ニーに興じた。

 縁「ハァァァッ!」(*´▽`*)

 そして、大量の精液をリサの生写真にぶちまけた。

 縁「はぁ……はぁ……リサさん……」
 ???「よっぽどその女の事が好きみたいだねぇ?」
 縁「うわっ!?」

 突然、窓の方から女の声がした。
 ドアはもちろん、窓も鍵を掛けておいたはずだが!?

 栗原蓮華「なに鳩が豆鉄砲を食ったような顔してんの、変態野郎」

 そこにいたのは、月明りを背に銀髪をポニーテールにした女。
 何故か東京中央学園の制服を着ているが、ブレザーは着ておらず、しかも着ているのは夏服だ。

 縁「だ、誰だ!?」
 蓮華「私は恋のキューピット。その女と一緒になれるようにしてやろうか?私の言う事を聞いたら、その願いは叶うよ?」
 縁「……!」

コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« “愛原リサの日常” 「トラブ... | トップ | “愛原リサの日常” 「満月の鬼」 »

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
あとがき (雲羽百三)
2024-02-28 16:47:56
 前半の伊藤家内における伊藤親子のやり取りは、作者が中学生時代、演劇部の脚本係だった同級生の脚本をアレンジしたものです。
 この脚本係、今作品における愛原リサを当時の同級生女子に置き換えた内容を書いた為、本人並びに彼女の友人軍団の猛抗議により、あえなくボツとなりました。
 軍団に脚本や題材の為に用意していたブルマ画像は没収されましたが、まさか私が小説の題材の為にコピーして隠し持っていたとは思わなかったようでw
 あれから30年近く経つ為、時効だと思い、蔵出しさせて頂いた次第です。
返信する

コメントを投稿

私立探偵 愛原学シリーズ」カテゴリの最新記事