報恩坊の怪しい偽作家!

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“私立探偵 愛原学” 「シャワールームを買いに行く」

2024-02-25 20:29:38 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[3月5日09時30分 天候:晴 東京都墨田区菊川2丁目 愛原家3階ダイニング]

 今日は日曜日なので、少しゆっくり目に起きた。
 そして、昼食はトーストやサラダだけのシンプルなもの。
 まあ、リサだけはその上にハムチーズを乗っけて食べていたが。

 愛原「今日はショールームに行くから、車頼むぞ」
 高橋「分かりました。任せてください」
 リサ「何のショールーム?」
 愛原「シャワールームだよ。普通に電器屋やホームセンターで売ってるわけじゃないからな」
 リサ「なるほど、そうか」

 日本の内装工事会社に頼めば、それも面倒を看てくれるわけだが、BSAAに頼むとそこまでは面倒看てくれない。
 そこはアメリカ的と言えるかも。
 シャワールームは別に購入し、設置工事だけBSAAが請け負ってくれるというもの。
 そりゃまあ、工事費用も安くしてくれるわけだ。
 まあ、他の内装工事会社も、シャワールームを別に購入していれば、その分は安くしてくれるかもしれないが。
 工賃だけになるわけだからな。

 愛原「幸い、既にサイズは見積もりの時に測ってもらって分かっているわけだから、それに合った物を探せばいいんだ」
 高橋「そうですね」

[同日11時00分 天候:晴 東京都江戸川区西葛西 TOTO江戸川ショールーム]

 リサ「こういう所、初めて来たー」
 愛原「そうだろうそうだろう」

 私はうんうんと頷いた。

 リサ「便器が展示されているね。実際、しちゃっていいの?」

 リサは黒いスカートに手を突っ込んで、下着を脱ごうとした。

 愛原「ダメに決まってるだろ!」

 使い心地を試してみる為に、便座に座ってみるまでは良いのだろうが。
 それに、今回は便器を買いに来たんじゃない。

 愛原「今度、うちでシャワールームを増設しようと思ってまして、それを探しているんですが……」
 スタッフ「かしこまりました。サイズはお決まりですか?」
 愛原「それなら、ここに……」

 私は見積もりで出してもらったサイズを書いたメモを取り出した。

 愛原「施工業者も探している最中なんですが、まず先にシャワールームだけでも購入しておこうと思いまして」
 スタッフ「かしこまりました」
 リサ「バスタブ、ジャグジーにするってのは?」
 高橋「ラブホじゃねーんだぞ」
 パール「ジャグジー付きのバス=ラブホという発想がおかしいよね」
 高橋「なにいっ!?」
 愛原「もっと稼げるようになったら、ジャグジー付きも考えてみような」
 高橋「あのインゴット、何とかして取り返せないっスかね」
 愛原「あれはお前達の取り分だろう?まあ、現金の方も基本的には山分けという形にしたが」
 高橋「インゴットも山分けしましょう」
 愛原「いいのかい?お前達の結婚資金なんじゃ?」
 高橋「別に、式とかは挙げるつもりは無いんで」
 リサ「あれ?先生の実家から、婚姻届は返してもらったの?」
 高橋「まだ来てねぇ……」
 愛原「普通郵便だからな。明日の月曜日には来るかもしれんよ。どっちみち、土日じゃ、役所に持って行っても預かられる形になるだけだから」

 婚姻届は24時間365日受け付けしてもらえると思われがちだが、実際には閉庁時間中は警備室にいる警備員や宿直の職員が預かるだけで、実際の手続きは次の開庁時間に行われる。
 なので、平日の開庁時間中に持って行っても同じことなのである。

 愛原「届いたら、そのまま役所に持って行っていいから」
 高橋「ありがとうございます」
 スタッフ「こちらの商品ですと、お客様の御宅のサイズに合うと思いますが……」
 愛原「なるほど。シンプルな構造ながら、椅子も付いている。これなら、座って体も洗えるな」
 リサ「あ、これ、椅子なんだ」
 愛原「そうだよ」

 バスの前扉のような折り戸を開けると、正面にカラン付きのシャワーがあり、右側に扇形の固定椅子がある。
 一見して台のようにも見えるが、高さ的に椅子だろう。
 シャンプーやボディソープなどを置く台は別にあるし、タオル掛けも中にあった。
 照明は今時のLEDで、換気扇も天井に付いている。

 スタッフ「こちらですと、だいぶお手頃な価格かと思われます」
 愛原「そうですねぇ」

 実際に使うのは、私やリサだろう。
 私はいいと思ったが、リサの意見も聞かないと。

 愛原「リサはどう思う?これでいいか?」
 リサ「わたしはいいと思うよ」
 愛原「そうか」
 スタッフ「御予算としてはいかがですか?」
 愛原「はい。予算もちゃんと想定内に収まっています。あとは業者の選定が終わったらですね。先に購入だけしておきます」
 スタッフ「ありがとうございます」

 ただ、購入してすぐに配達してくれるわけではない。
 何せ、大物だからな。
 恐らく、配送してくれるまで1週間は掛かるだろう。
 その中で、最も早く見積もりを出してくれて、且つすぐに工事をしてくれる所はどこかということになるが……。
 BSAAかぁ?暇してる工兵部隊なら、明日にでもやってくれそうな勢いだ。

 スタッフ「申し訳ございません。配送の方なのですが、生産の方と配送の方が混み合っておりまして……」
 愛原「あ、それは大丈夫ですよ。こちらも施工業者を選定中なので、急ぎではないので」
 スタッフ「ありがとうございます」

 昨今の人手不足問題などで、そういうことが製造部門、配送部門ともに発生していることは想定内である。
 向こうが配送してくれる時期に合わせて、こちらも施工業者を決め、工事を開始すれば良い。
 ……となると、やはりリサが藤野に行っている間になるかもしれないのだ。
 今は3月5日。
 製造から配送まで、最低2週間は掛かる見込みらしいので、やっぱりリサが新しいシャワールームを使えるのは、藤野から帰って来た辺りということになりそうだ。

[同日13時30分 天候:晴 東京都江東区南砂 スシロー南砂店]

 ショールームの帰りに、回転寿司に寄った。
 ここで遅めの昼食を取る。
 まあ、朝食が遅かったのだから仕方が無い。
 リサ的には肉の方が良いのだろうが、それは夕食にでもしてもらおう。

 愛原「まあ、何とかシャワールームの購入だけは決まって良かった」
 高橋「そうですね」
 愛原「取りあえず、ここで昼食にしよう」
 リサ「これって、どのお皿を取ってもいいの?」
 高橋「その前に、そこの蛇口で手を洗うんだぞ」
 リサ「ほーほー」
 愛原「高橋、ウソ教えんな!」
 高橋「こいつの手は、熱湯消毒させといた方がいいですよ?」
 愛原「こらこら。リサ、そこの蛇口はお茶を入れる為のものだ。手の消毒は、入口にあったあれでいい」
 リサ「あー!」
 愛原「とにかく、どの皿を取ってもいいから」
 リサ「わぁい」

 実は魚はリサはあまり食べないので、そんなにバクバク食われる心配は無いのだ。

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