報恩坊の怪しい偽作家!

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“愛原リサの日常” 「実力テスト終了後の事件」

2023-11-06 11:49:40 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[1月25日08時00分 天候:晴 東京都台東区上野 東京中央学園上野高校]

 リサ「はー……。おはよう」
 淀橋「魔王様、おはよう」
 小島「おはよう。……何か、元気無いね」
 レイチェル「これは一大事デース。AクラスのBOWが落ち込んでいるとは……。まさか、ウィルスを吐瀉する直前ですカ?」
 リサ「んなわけない!寄生虫はわたしの中だよ」
 レイチェル「すると……?」

 リサは黒いマスクを外した。
 そして、口を開けて牙を指さす。

 リサ「今度の土曜日、牙を抜くことになった」
 淀橋「ええっ!?」
 リサ「それも、どうやら全部みたい」
 淀橋「ええっ!?」
 小島「全部!?」
 レイチェル「それは……極東支部の命令ですか?」
 リサ「多分。愛原先生が、デイライトから電話を受けたらしい」
 淀橋「何か……大変だね」
 リサ「とんでもないよ」
 小島「でも、牙全部抜いたりしたら、食べれなくなるんじゃない?」
 レイチェル「それはNo problemでしょう。BOWの場合は、牙くらいすぐに生えてきます。ですよね?リサ」
 リサ「うん、まあね……」
 淀橋「それでもねぇ……。私も乳歯を抜く時とか大変だったなぁ……」
 小島「私も親知らず抜く時とかね……」
 リサ「うぅ……」
 レイチェル「麻酔をするのですか?」
 リサ「みたいだよ。そこがアンブレラの研究所にいた時とは違うね」
 レイチェル「一応、日本政府はリサを人間扱いするようですね。アメリカとは考えが違います」
 小島「曲がりなりにも人間の姿をしてるんだからいいじゃん」
 レイチェル「今、その考えは危険です。バイオテロ組織は、コジマのような人の考えに付け込む為に、人間そっくりのBOWを創り出しています」
 リサ「それがエヴリンなんでしょ?だけどもう、あいつはこの世にいない」
 レイチェル「それを受け継ぐ者はいます。ここにいるリサ、あなたもその1人です」
 リサ「わたしは特異菌だけもらっただけだけどねぇ……」

 もっとも、その特異菌から創り出された人間型BOWがエブリンなのだから、リサも受け継いでいると言えなくもない。
 世界で唯一のGウィルスと特異菌混合BOWなのである。

 リサ「どれ、ホームルーム始まる前にトイレ行っておくか」
 淀橋「行こう行こう」

 『魔王軍』の幹部達は、最寄りの女子トイレへ。

 

 当然ながらリサは、洋式トイレに入る。

 リサ(取りあえず、今日はテストが返されるだけだな……。こういう時、寄生虫が役に立つ……)

 リサはニヤリと笑った。
 そして、リサの視界が別の視界に変わる。
 リサの体内から外に出た寄生虫の視界が、大元のリサの視界とリンクしているのだ。

 リサ「ん?」

 リサはたまたま、1年生のフロアにある女子トイレの視界をジャックした。
 恐らくこれは、上野凛の視界だろう。
 半鬼である彼女にも、リサは寄生虫を植え付けている。
 その寄生虫からの視界である。
 まあ、実質的に上野凛の視界でもあるのだが。

 リサ「……何が起きている?」

 リサがそのトイレが異常だと思ったのは、異常に混雑しているということだ。
 それだけならたまたま利用が集中しただけとも言えるが、トイレの順番を待っている1年生達の様子が只ならぬ状態なのだ。
 後ろに並んでいる者は、腹を押さえながら、ドンドンとドアを乱暴に叩いている。
 あいにくと視界はジャックできても、音声までは拾えない。
 そうこうしているうちに……。

 1年生女子A「すいません!トイレ貸してください!」
 1年生女子B「ごめんなさい!緊急事態なんです!」

 1年生達が2年生のフロアのトイレにまで駆け込んできた。

 リサ「何だ何だ?」

 リサは用を済ませると、個室から出た。
 すると、1年生が駆け込んだ個室からは、明らかに下痢便を噴射する音どころか、嘔吐する音まで聞こえて来た。

 リサ「リン!1年生に何が!?」

 リサはトイレから出ると、上野凛にLINE通話した。

 上野凛「分かりません!どうやら、食中毒か何かのようです!」
 リサ「食中毒?」
 1年生女子C「あぁあぁぁあ……!もう無理……ッ!!」

 下痢便を噴射する音がトイレから聞こえて来る。
 リサが中を覗くと、塞がってしまって個室に入れなかった1年生女子が、順番を待ち切れずに失禁してしまったようである。
 そしてそれは、その生徒だけではない。

 上野凛「分かってるのは1年生だけで、しかも『魔王軍』以外です」
 リサ「マジ!?」

 リサは試しに他の『魔王軍』の視界をジャックしてみた。
 すると確かに、下痢や嘔吐を楽しんでいる女子生徒の中に、リサの知る『魔王軍』のメンバーはいなかった。

 上野凛「実は昨日、実力テストが終わったことの打ち上げと、1人誕生日を迎えたコがいたので、打ち上げも兼ねてパーティーをやったんです。その参加者ばかりです」
 リサ「そうか。それは良かった。わたしの寄生虫が勝手に暴走したのかと思った」
 凛「もしもそうだとしたら、真っ先に先輩がやられてるはずです」
 リサ「そりゃそうだ」
 凛「先輩、どうしますか?」
 リサ「リンもそのパーティーに参加してたのか?」
 凛「一応、同じ陸上部だったんで……。でも、私は何の症状も出てないんです。クラスが同じ桜谷もです」
 リサ「確かに、桜谷は教室にいてオロオロしてるだけだな……」

 リサは試しに凛や桜谷に寄生させている寄生虫の状態をチェックしてみた。
 すると、寄生虫は他の感染者と同様、感染したはずの病原性大腸菌を平気でバリボリ食べていたことが分かった。
 だから症状が無かったのである。

 リサ「大元のわたしが言うのも何だけど、無節操に食う連中だなぁ……」

 その後、救急車が大挙して来校し、この日は臨時休校となったのであった。

 凛「リサ先輩の寄生虫のおかげで助かりました」
 リサ「その代わり、わたしに逆らったりしたら、あのコ達の仲間になってもらうからな?」

 リサは下半身を自分の下痢便で汚している生徒達を指さし、ニヤリと笑った。

 凛「は、はい」

 リサが冷笑したのは、感染者達の中には、自分のブルマ復活運動に賛同しなかった者もそれなりに含まれていたからであるのだが……。

 坂上「愛原だけは、ちょっと色々と聞きたいので、生徒指導室まで来るように」
 リサ「ちょっと!わたし、関係無いよ!?」
 凛「疑われるのは、しょうがないと思います。私と桜谷も、弁護で一緒に行きますから」
 リサ「よろしく頼む!」

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