[3月12日14時30分 天候:曇 東京都墨田区菊川2丁目 愛原家3階リビング]
リサ「先生、見て見て!」
愛原「おー、リサ!似合うな!」
リサは新しく買った服に着替えて、私に見せて来た。
ピンク色のフード付きパーカーと、新しいデニムのショートパンツである。
動きやすい服なので、泊まり掛けの旅行にはちょうど良いだろう。
これだと靴も新調したくなるところだが、それはリサは望まなかった。
特に、古くなっているわけではないからだろうか。
尚、パーカーの下は黒いTシャツである。
黒無地に高橋がシルクスクリーンで、赤く『biohazard』の血文字を入れている。
愛原「これで寒くないか?」
リサ「わたしはBOWだからね、これくらいでいいんだよ」
愛原「それもそうか」
BOWは概して体温が高い為。
高橋「先生!ちょっとコンビニに、出しに行ってきます」
高橋は宅急便コンパクトを持っていた。
愛原「ああ、行ってこい。父さんにも連絡しておくから」
高橋「あざっス!」
父親には、同じく宅急便コンパクトで送ってもらう。
但し、運賃は着払いだ。
高橋が出て行くと、私は自分のスマホを取り出し、父にLINEを送った。
父は、本当に大丈夫かと心配していた。
まあ、3度目の正直で大丈夫だろうと答えておいた。
愛原学「宅急便コンパクトで届くから、父さんもそれでこっちに送り返してよ。で、運賃は着払いにしてくれていいから」
愛原父「分かった」
とのことだった。
リサ「荷物も詰めてみたけど、帰りのお土産に入りそうだよ」
愛原「もう荷造りしたのか!?」
リサ「あくまで練習だよ、練習」
愛原「それにしたってだなぁ……」
リサ「ちゃんと、またしまうよ」
愛原「しまうのも、大変だよ?」
リサ「大丈夫、大丈夫。ついでに着替えて来る」
愛原「ああ」
リサはそう言うと、リビングから出て行った。
4階の自室へと向かって行く。
因みに私は、家の中にら盗聴器や隠しカメラが無いかどうかを調べている。
今のところは、何も見つかっていない。
そしたら蓮華は、どうやって私達の会話を聴いていたのだろうか?
リサでさえ分からないくらいの盗聴法……。
パール「先生。私、スーパーに買い物に行ってきますが、よろしいでしょうか?」
愛原「ああ、行ってらっしゃい」
パールが出て行くと、私は道具を片付けに事務所に下りることにした。
蓮華がどうやって盗聴したのかは、本人を捕まえて聴くしかないのか……。
リサ「おっ、先生。帰って来た」
2階の事務所から、また3階のリビングに戻ると、リサが体操服にブルマに着替えていた。
今日はもう出かけないということだろう。
愛原「どこにも出かけてないよ。ちょっと事務所に、道具を置きに行っただけだ」
リサ「ふーん……。まあ、いいや。先生、ゲームでもやろ」
愛原「リサは自由だな」
リサ「もうすぐ春休みだから、そんなに宿題も無いし、学年末テストも終わったしね」
愛原「春休みは宿題あるのか?」
リサ「無いよ」
愛原「そうか」
私の時も、春休みの宿題は無かった気がする。
リサ「今度は負けないよ」
愛原「もちろんだとも」
[同日18時00分 天候:晴 同地区 愛原家3階ダイニング]
今日の夕食はチキンステーキが出て来た。
どうやら今日は、鶏肉が安かったらしい。
肉なら何でもいいリサは、満足そうに鶏の胸肉1枚を平らげていた。
他にも、カレイの煮付けなんかもある。
高橋「明日の朝食当番は俺ッスね。明日は和食でいいんスか?」
愛原「平日は御飯食だからな。魚でも焼いてくれるのか?」
パール「サバを買ってきましたよ」
愛原「じゃあ、明日は焼きサバだな」
高橋「うっス!」
愛原「それで、宅急便の控えは?」
高橋「あっ、ポケットの中っス。サーセン、何か先生達、ゲームに夢中だったもんで……」
愛原「いや、しょうがないよ。あとで伝票に書かれてる追跡番号を登録しておこう。あとは、父さんにも教えておく」
高橋「サーセン」
リサ「先生、御飯食べたら映画見よ!DMMからDVD届いたから!」
愛原「ああ、分かった。タイトルは何だったっけ?」
リサ「“学校であった怖い話”。レビュー見たら、東京中央学園の怖い話みたいなのがいっぱい!」
愛原「そ、そうなのか。ガチの和風ホラーっぽいな」
今、東京中央学園において、現在進行形で起きている怪奇現象は、全てリサが起こしているものだ。
それまでに起きていた怪奇現象は、登場人物が人間のみの話を除き、全て特異菌が起こしていた幻覚や幻聴によるものだったことが判明している。
白井伝三郎が旧校舎(現・教育資料館。半壊により、修復工事中)の隠し空間に特異菌の菌塊を隠匿したものの、胞子が壁をすり抜けて建物全体を覆った。
当時から旧校舎は立入禁止だったものの、好奇心から侵入した生徒達や見回りの宿直教職員が感染。
そこから新校舎にも拡がり、東京中央学園は怪奇現象の宝庫となってしまった。
現在、菌塊はBSAAにより撤去され、滅菌・消毒作業が行われたことにより、怪奇現象はナリを潜めている。
現在はBOWたるリサの独壇場となり、現在進行形で発生している“学校の七不思議”の全てを掌握した。
例として、『逢魔が時、人けの無い廊下を歩いていると、吸血鬼に捕まって血を抜かれる』→『リサが血液や血中老廃物を摂取する為、“獲物”を捕まえる』など。
他にも、『技術室から化け物が爪を研ぐ音が聞こえる。聞いた者は死ぬ』→『リサが長く鋭く尖った爪を研ぐ為に、技術室のヤスリで爪を研いでいるだけ。最後の一文はガセ』もある。
リサ「大丈夫だよ。怖かったら、わたしが守ってあげるからね。わたしに抱き着いていいよ?」
愛原「ああ。ガチの恐怖だったら、そうさせてもらうよ」
リサを打ち負かす化け物や亡霊が、到底登場するとは思えなかった。
リサ「先生、見て見て!」
愛原「おー、リサ!似合うな!」
リサは新しく買った服に着替えて、私に見せて来た。
ピンク色のフード付きパーカーと、新しいデニムのショートパンツである。
動きやすい服なので、泊まり掛けの旅行にはちょうど良いだろう。
これだと靴も新調したくなるところだが、それはリサは望まなかった。
特に、古くなっているわけではないからだろうか。
尚、パーカーの下は黒いTシャツである。
黒無地に高橋がシルクスクリーンで、赤く『biohazard』の血文字を入れている。
愛原「これで寒くないか?」
リサ「わたしはBOWだからね、これくらいでいいんだよ」
愛原「それもそうか」
BOWは概して体温が高い為。
高橋「先生!ちょっとコンビニに、出しに行ってきます」
高橋は宅急便コンパクトを持っていた。
愛原「ああ、行ってこい。父さんにも連絡しておくから」
高橋「あざっス!」
父親には、同じく宅急便コンパクトで送ってもらう。
但し、運賃は着払いだ。
高橋が出て行くと、私は自分のスマホを取り出し、父にLINEを送った。
父は、本当に大丈夫かと心配していた。
まあ、3度目の正直で大丈夫だろうと答えておいた。
愛原学「宅急便コンパクトで届くから、父さんもそれでこっちに送り返してよ。で、運賃は着払いにしてくれていいから」
愛原父「分かった」
とのことだった。
リサ「荷物も詰めてみたけど、帰りのお土産に入りそうだよ」
愛原「もう荷造りしたのか!?」
リサ「あくまで練習だよ、練習」
愛原「それにしたってだなぁ……」
リサ「ちゃんと、またしまうよ」
愛原「しまうのも、大変だよ?」
リサ「大丈夫、大丈夫。ついでに着替えて来る」
愛原「ああ」
リサはそう言うと、リビングから出て行った。
4階の自室へと向かって行く。
因みに私は、家の中にら盗聴器や隠しカメラが無いかどうかを調べている。
今のところは、何も見つかっていない。
そしたら蓮華は、どうやって私達の会話を聴いていたのだろうか?
リサでさえ分からないくらいの盗聴法……。
パール「先生。私、スーパーに買い物に行ってきますが、よろしいでしょうか?」
愛原「ああ、行ってらっしゃい」
パールが出て行くと、私は道具を片付けに事務所に下りることにした。
蓮華がどうやって盗聴したのかは、本人を捕まえて聴くしかないのか……。
リサ「おっ、先生。帰って来た」
2階の事務所から、また3階のリビングに戻ると、リサが体操服にブルマに着替えていた。
今日はもう出かけないということだろう。
愛原「どこにも出かけてないよ。ちょっと事務所に、道具を置きに行っただけだ」
リサ「ふーん……。まあ、いいや。先生、ゲームでもやろ」
愛原「リサは自由だな」
リサ「もうすぐ春休みだから、そんなに宿題も無いし、学年末テストも終わったしね」
愛原「春休みは宿題あるのか?」
リサ「無いよ」
愛原「そうか」
私の時も、春休みの宿題は無かった気がする。
リサ「今度は負けないよ」
愛原「もちろんだとも」
[同日18時00分 天候:晴 同地区 愛原家3階ダイニング]
今日の夕食はチキンステーキが出て来た。
どうやら今日は、鶏肉が安かったらしい。
肉なら何でもいいリサは、満足そうに鶏の胸肉1枚を平らげていた。
他にも、カレイの煮付けなんかもある。
高橋「明日の朝食当番は俺ッスね。明日は和食でいいんスか?」
愛原「平日は御飯食だからな。魚でも焼いてくれるのか?」
パール「サバを買ってきましたよ」
愛原「じゃあ、明日は焼きサバだな」
高橋「うっス!」
愛原「それで、宅急便の控えは?」
高橋「あっ、ポケットの中っス。サーセン、何か先生達、ゲームに夢中だったもんで……」
愛原「いや、しょうがないよ。あとで伝票に書かれてる追跡番号を登録しておこう。あとは、父さんにも教えておく」
高橋「サーセン」
リサ「先生、御飯食べたら映画見よ!DMMからDVD届いたから!」
愛原「ああ、分かった。タイトルは何だったっけ?」
リサ「“学校であった怖い話”。レビュー見たら、東京中央学園の怖い話みたいなのがいっぱい!」
愛原「そ、そうなのか。ガチの和風ホラーっぽいな」
今、東京中央学園において、現在進行形で起きている怪奇現象は、全てリサが起こしているものだ。
それまでに起きていた怪奇現象は、登場人物が人間のみの話を除き、全て特異菌が起こしていた幻覚や幻聴によるものだったことが判明している。
白井伝三郎が旧校舎(現・教育資料館。半壊により、修復工事中)の隠し空間に特異菌の菌塊を隠匿したものの、胞子が壁をすり抜けて建物全体を覆った。
当時から旧校舎は立入禁止だったものの、好奇心から侵入した生徒達や見回りの宿直教職員が感染。
そこから新校舎にも拡がり、東京中央学園は怪奇現象の宝庫となってしまった。
現在、菌塊はBSAAにより撤去され、滅菌・消毒作業が行われたことにより、怪奇現象はナリを潜めている。
現在はBOWたるリサの独壇場となり、現在進行形で発生している“学校の七不思議”の全てを掌握した。
例として、『逢魔が時、人けの無い廊下を歩いていると、吸血鬼に捕まって血を抜かれる』→『リサが血液や血中老廃物を摂取する為、“獲物”を捕まえる』など。
他にも、『技術室から化け物が爪を研ぐ音が聞こえる。聞いた者は死ぬ』→『リサが長く鋭く尖った爪を研ぐ為に、技術室のヤスリで爪を研いでいるだけ。最後の一文はガセ』もある。
リサ「大丈夫だよ。怖かったら、わたしが守ってあげるからね。わたしに抱き着いていいよ?」
愛原「ああ。ガチの恐怖だったら、そうさせてもらうよ」
リサを打ち負かす化け物や亡霊が、到底登場するとは思えなかった。