[3月9日10時30分 天候:曇 神奈川県海老名市大谷南 海老名サービスエリア]
ホテルを出発した私達は、東名高速に乗り、東京を目指した。
途中の海老名サービスエリアで休憩を取ることにする。
なるべくなら、人の多いサービスエリアが良い。
足柄だと休憩するには早い為、その次に大きなサービスエリアと言えば海老名だからである。
あとそれと、早く静岡県を出たいというのもあった。
栗原蓮華がヘリコプター墜落後、どのような行動を取ったかは不明だ。
もしかしすると、またトラックに便乗して移動しているかもしれない。
そして、それでまた東京に戻らないとも限らないのだ。
今のところ、蓮華の行方については完全に不明となってしまった。
愛原「リサにお土産を買って行こう」
高橋「了解です。俺は一服してますんで」
愛原「ああ、分かった」
平日ということもあり、あまり行楽客はいない。
それでも大型駐車場を見ると、観光バスの姿が何台か見えた。
足柄同様、ここも有名なサービスエリアなのだ。
そして休日ほどは混まないものの、やはり名物のメロンパンなどは大人気のようだ。
他にもカレーパンが推されている。
とにかくリサには、食べ物を土産として買って行ってあげるのが良い。
あとは、自分用にも買って行くか。
小田原の蒲鉾もあるようなので、これを買って行って、酒のつまみにするのも良い。
愛原「あとは肉系統だな」
当然ながら、冷凍とか冷蔵状態で売られている。
お土産用として購入すると、保冷バッグに入れられ、保冷剤まで入れられるほどの徹底ぶりだった。
まあ、これでリサの機嫌が直れば良いだろう。
一応、LINEで、リサ用のお土産を購入した旨知らせると、すぐに返信が返って来た。
リサ「先生が早く帰って来ることが、最大のオミヤゲ!」
という身も蓋もない返信であった。
こりゃ、リサより早く帰る必要があるな。
暴れ鬼が蓮華にプラスしてリサだなんて、霧生市どころの騒ぎじゃなくなるぞ。
高橋「先生」
土産物の物色が終わると、高橋と合流した。
愛原「おっ、一服は終わったのか?」
高橋「おかげさまで。先生、リサへの土産は買ったんスか?」
愛原「何とかな」
高橋「先生もコーヒーブレイクされては?」
愛原「リサより早く帰る必要があるから、あんまりのんびりできないんだよなぁ……」
高橋「あいつ、午後帰りですよね?週末の東名は渋滞が当たり前ですけど、平日なら大丈夫っスよ」
愛原「いや、もうすぐ春休みだから、フルでの授業はもう少ないらしい。今日なんか、昼過ぎに帰りだって」
高橋「マジっスか」
愛原「まあ、リサには『昼飯食ってから帰ってこい』って言っておいたけど」
高橋「それで引っ張る作戦っスね!さすがっス!」
愛原「とにかく、俺はトイレに行って、コーヒー買ってから車に戻る。土産、車に積んどいてくれ」
高橋「分かりました。じゃ、俺は車に戻りますんで」
高橋は高橋で、自販機コーナーで缶コーヒーを買って行った。
私は私で、トイレに行った後、自販機コーナーで紙コップの自販機でコーヒーを買い求めた。
抽出中、“コーヒールンバ”のインストゥルメンタルが流れる、あの自販機だ。
それから車に戻る。
高橋「先生、あのサービスエリア、家系ありましたよ」
愛原「そうか。時間が時間なら、そこで昼飯食ってもいいな」
私はコーヒーを一口飲んだ。
自販機で購入したものとはいえ、一応はレギュラーコーヒーだから、車内にコーヒーの香りが充満する。
高橋「それじゃ行きますか」
愛原「ああ」
高橋がエンジンを掛けた時だった。
愛原「ん?」
私のスマホに着信があった。
電話に出てみると、それは公一伯父さんだった。
愛原公一「よお?昨夜は大活躍じゃったみたいじゃな?」
愛原学「伯父さん!?」
公一「ワシらはさすがにタクシーで避難したが、お前達は立ち向かったようじゃの。偉い偉い」
学「あの時すれ違ったタクシーって、伯父さんが乗ってたの!?」
公一「もう1つネタばらしすると、お前のかつての部下も同乗しとったぞ」
学「高野君も!?やっぱり伯父さんは、“青いアンブレラ”の一員に?」
公一「それはどうかの。お前もなし崩し的にやってきて、今に至っとるわけじゃろ?ワシも似たようなものじゃ。血は争えんものじゃの」
学「しかし……。伯父さん達がどうしてあそこに?」
公一「そりゃあ、鬼退治じゃ。国連軍がだらしないから、“青いアンブレラ”でやることになっての」
学「でも逃げたってことは……?」
公一「あやつ、狙撃に失敗したようじゃ」
学「高野君、狙撃はあまり得意じゃなかったような気がするけど……」
善場主任からはエイダ・ウォンのコピーだと言われ、資料によれば、本物のエイダは狙撃の名手だったというが、コピーはそうでもないらしい。
公一「とにかく、“青いアンブレラ”では自分のケツは自分で拭くつもりのようじゃ。というか、もう拭いているのだがの」
学「そ、それってまさか……?」
公一「『ここから先は有料となります』」
学「何さり気なく有料サイトへ誘導してんの!」
公一「まあまあ。ワシがこうして電話したのは、蓮華だけでなく、他の鬼にも気をつけいということじゃ」
学「他の鬼?リサなら、俺が何とか機嫌を直させるよ」
公一「違う違う。お前、何も気づいとらんのか?」
学「何が?」
公一「沼津では化け物と戦ったそうじゃの?」
学「何で知ってるんだよ……」
公一「化け物にしたのは、栗原蓮華じゃろう」
学「まあ、他に考えられるのは無いね」
公一「蓮華の被害者はBSAAが何とかしているようじゃが、中には漏れている者もいるんじゃないのかね?」
学「まさか……」
公一「そして、そういう者達ほど、鬼化したとは考えられんかね?」
学「俺が見た夢……」
私が昨夜見た訳の分からない夢も、そういうものだったような気がする。
公一「正夢にならんといいな。それじゃ、気を付けて帰るのじゃぞ」
それで伯父さんからの電話は切れた。
高橋「何でした?」
愛原学「蓮華は“青いアンブレラ”が確保したかもしれない」
高橋「何ですって!?」
愛原「しかも、蓮華に噛まれたりして、他にも鬼になった者がいるかもしれないから気をつけろだってさ」
高橋「それは……ヤバいっスね」
愛原「とにかく、善場主任に今の話を報告するから、車を出してくれ」
高橋「分かりました」
高橋は車を発進させて、サービスエリアの出口に向かった。
善場主任に報告すると、“青いアンブレラ”の件は少し驚いていたが、裏を取る必要があるということで、一先ず保留ということになった。
また、他に鬼化した者がいるかもしれないという話については、調査するとのことだった。
ホテルを出発した私達は、東名高速に乗り、東京を目指した。
途中の海老名サービスエリアで休憩を取ることにする。
なるべくなら、人の多いサービスエリアが良い。
足柄だと休憩するには早い為、その次に大きなサービスエリアと言えば海老名だからである。
あとそれと、早く静岡県を出たいというのもあった。
栗原蓮華がヘリコプター墜落後、どのような行動を取ったかは不明だ。
もしかしすると、またトラックに便乗して移動しているかもしれない。
そして、それでまた東京に戻らないとも限らないのだ。
今のところ、蓮華の行方については完全に不明となってしまった。
愛原「リサにお土産を買って行こう」
高橋「了解です。俺は一服してますんで」
愛原「ああ、分かった」
平日ということもあり、あまり行楽客はいない。
それでも大型駐車場を見ると、観光バスの姿が何台か見えた。
足柄同様、ここも有名なサービスエリアなのだ。
そして休日ほどは混まないものの、やはり名物のメロンパンなどは大人気のようだ。
他にもカレーパンが推されている。
とにかくリサには、食べ物を土産として買って行ってあげるのが良い。
あとは、自分用にも買って行くか。
小田原の蒲鉾もあるようなので、これを買って行って、酒のつまみにするのも良い。
愛原「あとは肉系統だな」
当然ながら、冷凍とか冷蔵状態で売られている。
お土産用として購入すると、保冷バッグに入れられ、保冷剤まで入れられるほどの徹底ぶりだった。
まあ、これでリサの機嫌が直れば良いだろう。
一応、LINEで、リサ用のお土産を購入した旨知らせると、すぐに返信が返って来た。
リサ「先生が早く帰って来ることが、最大のオミヤゲ!」
という身も蓋もない返信であった。
こりゃ、リサより早く帰る必要があるな。
暴れ鬼が蓮華にプラスしてリサだなんて、霧生市どころの騒ぎじゃなくなるぞ。
高橋「先生」
土産物の物色が終わると、高橋と合流した。
愛原「おっ、一服は終わったのか?」
高橋「おかげさまで。先生、リサへの土産は買ったんスか?」
愛原「何とかな」
高橋「先生もコーヒーブレイクされては?」
愛原「リサより早く帰る必要があるから、あんまりのんびりできないんだよなぁ……」
高橋「あいつ、午後帰りですよね?週末の東名は渋滞が当たり前ですけど、平日なら大丈夫っスよ」
愛原「いや、もうすぐ春休みだから、フルでの授業はもう少ないらしい。今日なんか、昼過ぎに帰りだって」
高橋「マジっスか」
愛原「まあ、リサには『昼飯食ってから帰ってこい』って言っておいたけど」
高橋「それで引っ張る作戦っスね!さすがっス!」
愛原「とにかく、俺はトイレに行って、コーヒー買ってから車に戻る。土産、車に積んどいてくれ」
高橋「分かりました。じゃ、俺は車に戻りますんで」
高橋は高橋で、自販機コーナーで缶コーヒーを買って行った。
私は私で、トイレに行った後、自販機コーナーで紙コップの自販機でコーヒーを買い求めた。
抽出中、“コーヒールンバ”のインストゥルメンタルが流れる、あの自販機だ。
それから車に戻る。
高橋「先生、あのサービスエリア、家系ありましたよ」
愛原「そうか。時間が時間なら、そこで昼飯食ってもいいな」
私はコーヒーを一口飲んだ。
自販機で購入したものとはいえ、一応はレギュラーコーヒーだから、車内にコーヒーの香りが充満する。
高橋「それじゃ行きますか」
愛原「ああ」
高橋がエンジンを掛けた時だった。
愛原「ん?」
私のスマホに着信があった。
電話に出てみると、それは公一伯父さんだった。
愛原公一「よお?昨夜は大活躍じゃったみたいじゃな?」
愛原学「伯父さん!?」
公一「ワシらはさすがにタクシーで避難したが、お前達は立ち向かったようじゃの。偉い偉い」
学「あの時すれ違ったタクシーって、伯父さんが乗ってたの!?」
公一「もう1つネタばらしすると、お前のかつての部下も同乗しとったぞ」
学「高野君も!?やっぱり伯父さんは、“青いアンブレラ”の一員に?」
公一「それはどうかの。お前もなし崩し的にやってきて、今に至っとるわけじゃろ?ワシも似たようなものじゃ。血は争えんものじゃの」
学「しかし……。伯父さん達がどうしてあそこに?」
公一「そりゃあ、鬼退治じゃ。国連軍がだらしないから、“青いアンブレラ”でやることになっての」
学「でも逃げたってことは……?」
公一「あやつ、狙撃に失敗したようじゃ」
学「高野君、狙撃はあまり得意じゃなかったような気がするけど……」
善場主任からはエイダ・ウォンのコピーだと言われ、資料によれば、本物のエイダは狙撃の名手だったというが、コピーはそうでもないらしい。
公一「とにかく、“青いアンブレラ”では自分のケツは自分で拭くつもりのようじゃ。というか、もう拭いているのだがの」
学「そ、それってまさか……?」
公一「『ここから先は有料となります』」
学「何さり気なく有料サイトへ誘導してんの!」
公一「まあまあ。ワシがこうして電話したのは、蓮華だけでなく、他の鬼にも気をつけいということじゃ」
学「他の鬼?リサなら、俺が何とか機嫌を直させるよ」
公一「違う違う。お前、何も気づいとらんのか?」
学「何が?」
公一「沼津では化け物と戦ったそうじゃの?」
学「何で知ってるんだよ……」
公一「化け物にしたのは、栗原蓮華じゃろう」
学「まあ、他に考えられるのは無いね」
公一「蓮華の被害者はBSAAが何とかしているようじゃが、中には漏れている者もいるんじゃないのかね?」
学「まさか……」
公一「そして、そういう者達ほど、鬼化したとは考えられんかね?」
学「俺が見た夢……」
私が昨夜見た訳の分からない夢も、そういうものだったような気がする。
公一「正夢にならんといいな。それじゃ、気を付けて帰るのじゃぞ」
それで伯父さんからの電話は切れた。
高橋「何でした?」
愛原学「蓮華は“青いアンブレラ”が確保したかもしれない」
高橋「何ですって!?」
愛原「しかも、蓮華に噛まれたりして、他にも鬼になった者がいるかもしれないから気をつけろだってさ」
高橋「それは……ヤバいっスね」
愛原「とにかく、善場主任に今の話を報告するから、車を出してくれ」
高橋「分かりました」
高橋は車を発進させて、サービスエリアの出口に向かった。
善場主任に報告すると、“青いアンブレラ”の件は少し驚いていたが、裏を取る必要があるということで、一先ず保留ということになった。
また、他に鬼化した者がいるかもしれないという話については、調査するとのことだった。