[3月11日14時46分 天候:晴 東京都墨田区菊川2丁目 愛原学探偵事務所]
〔「黙祷!」〕
愛原「…………」
高橋「…………」
リサ「…………」
パール「…………」
東日本大震災の黙祷を行う私達。
それから……。
〔「黙祷、終わります」〕
事務所のテレビを切る。
愛原「それで、どうする?やっぱり、お前達の婚姻届、事故で燃えたらしいぞ?」
高橋「くっそー!どこ見て運転してやがんだ!!」
パール「いや、ニュースだと、また郵便局のトラックが何かにぶつけられて、それで横転したらしいよ?」
高橋「鬼か!鬼のしわざか!テメコラ、どういうことだ!?」
リサ「わたし、知らないから!」
それまで人間の姿だったリサだが、高橋に対する抗議の為に鬼の姿に戻る。
リサ「現場は栃木県宇都宮市なんでしょ?栃木は鬼関係の事件が多いよね?」
愛原「上野家は知らないだろうなぁ……」
リサ「それで試しに、リンとリコに聞いてみたけど、知らないって」
愛原「だろうなぁ……」
私は首を傾げた。
土曜日ということもあり、デイライトの方は電話を掛けても誰も出ない。
もしかしたら、今回の事故は鬼型BOWのせいではないのかもしれない。
愛原「とにかく明日、また新しい婚姻届もらってこい!」
高橋「あ、明日っスか?明日は日曜日っスよ?」
愛原「大丈夫だ。墨田区役所は第2日曜日と第4日曜日は、一部の窓口は開いている。婚姻届に関する窓口も、その中に入っている。だから明日、婚姻届の用紙をもらってくることは可能だ!」
高橋「わ、分かりました!明日、取りに行ってきます」
リサ「それじゃあ、アキバへは2人だけで行こーね?」
リサは私に引っ付いた。
愛原「現地でレイチェルと合流するだろ。2人だけなのは、都営新宿線の中だけだよ」
リサ「それでもいい」
愛原「高橋達はどうする?」
高橋「取りあえず用紙をもらったら、その足でアキバに行こうと思います」
愛原「浅草駅まで歩いて、そこから銀座線に乗ると末広町駅には行けるぞ」
高橋「作者曰く、『電気街北口駅』っスね。了解っス」
パール「ちょうどプレゼントに欲しい物が、電気街の中にあるのでちょうどいいですね」
愛原「帰ったら、保証人の1人目にはまた俺がサインしてやるよ」
高橋「あざっス」
パール「ありがとうございます。それにしても、1度ならず2度までも、鬼に婚姻届を邪魔されるのはムカつきますね」
愛原「それについては、俺も腹が立ってるんだ」
リサ「先生の敵は、わたしの敵。『鬼同士の戦いなんて不毛』なんて言うけど、この場合はちゃんと大義名分があるよ」
リサは右手の爪を長く鋭く伸ばした。
Tウィルスだけで鬼化したクリムゾンヘッドと違い、こちらの鬼はGウィルスと特異菌で造られた鬼だ。
高橋「よし!では早速、栃木に行きましょう!」
愛原「いや、今行ってどうするよ?」
高橋「ブッ殺しに行くんです!」
愛原「あのな、ニュースをちゃんと観たか?郵便局のトラックが襲われたのは、夜中だぞ?すると、それを襲ったヤツは栗原蓮華と同様、夜行性の可能性がある。昼間に行ったって、どこかに隠れているだろう」
高橋「じゃあ、夜に行きましょう!夜に!」
リサ「わたしは反対」
高橋「あぁ!?テメ、やっぱり鬼同士、味方する気か、この野郎!?」
リサ「違うよ。明日は先生と買い物に行くんだから、今夜出発して、また大きな事件になったりしたら、行けなくなるじゃん」
愛原「あー、そっちか!まあ、確かに思わぬ事件に巻き込まれる恐れはある」
リサ「でしょ?でしょ?」
愛原「それに、ややもすると、BSAAが出動している可能性がある。依頼もされてないのに、民間人の俺達がのこのこ行ったって邪魔になるだけだ」
高橋「しかし……」
愛原「レイチェルは動いてるんだろうか?」
リサ「聞いてみるね」
リサは自分のスマホを取り出した。
それでレイチェルにLINEを送ってみたが、すぐに返事は返ってこなかった。
リサ「多分、訓練中か何かだろうね。もしくは、出動しているか」
愛原「まずは日本地区隊が動くだろうから、すぐにはレイチェルは動かないだろうさ。何せ、養成員なんだし」
リサ「それもそうか」
愛原「とにかく、勝手な行動は慎むように。それと高橋、ちょっとファミマに行ってこい」
高橋「は?何か買い物ですか?」
愛原「違う。3度目の正直で、今度は宅急便で送る」
高橋「ええーっ!?」
パール「郵便料金より高いんじゃ?」
愛原「高いさ。だけど、郵便局のトラックは襲われても、ヤマト運輸のトラックはまだ襲われていない」
高橋「た、確かに……」
愛原「俺も頭には来てるんだ。だったらもう、別の運送会社に頼もうと思っている」
高橋「先生、俺達の為に……!」
愛原「泣くな!分かったら、さっさと買ってこい。宅急便コンパクトの資材なら、コンビニでも売ってるはずだ」
高橋「分かりました!一っ走り行ってきます!」
愛原「箱型じゃなくて、薄型のを買ってこいよ?」
高橋「了解です!」
パール「ついでにパン粉と卵を買ってきてー?」
高橋「なにいっ!?」
パール「今日の夕食はトンカツにします」
愛原「豚肉が続くな」
パール「今夜で最後です。ただ、トンカツ用の豚肉は買っているのですが、パン粉と卵を切らしてしまっていて……」
高橋「分かった分かった、買ってくるよ」
パール「明日の朝はベーコンエッグだから……」
パールは冷蔵庫を見た。
パール「あっ、ベーコンが無い」
高橋「分かった!それも買ってくるよ!」
愛原「結婚って大変だなぁ……」
パール「あっ、先生のビールとリサちゃんの“鬼ころし”も無い……」
愛原「俺も行くよ!」
リサ「わたしもー」
結局、3人してコンビニに行くことにしたのだった。
愛原「お前の“鬼ころし”って、どんなヤツだったっけ?」
愛原「赤鬼さんのヤツ」
愛原「なるほど……」
青鬼のヤツとかもあるのか。
食品関係はスーパーの方が安いような気もするのだが、乗り掛かった船である。
せっかくだから、ポイントを貯めさせてもらうとしよう。
〔「黙祷!」〕
愛原「…………」
高橋「…………」
リサ「…………」
パール「…………」
東日本大震災の黙祷を行う私達。
それから……。
〔「黙祷、終わります」〕
事務所のテレビを切る。
愛原「それで、どうする?やっぱり、お前達の婚姻届、事故で燃えたらしいぞ?」
高橋「くっそー!どこ見て運転してやがんだ!!」
パール「いや、ニュースだと、また郵便局のトラックが何かにぶつけられて、それで横転したらしいよ?」
高橋「鬼か!鬼のしわざか!テメコラ、どういうことだ!?」
リサ「わたし、知らないから!」
それまで人間の姿だったリサだが、高橋に対する抗議の為に鬼の姿に戻る。
リサ「現場は栃木県宇都宮市なんでしょ?栃木は鬼関係の事件が多いよね?」
愛原「上野家は知らないだろうなぁ……」
リサ「それで試しに、リンとリコに聞いてみたけど、知らないって」
愛原「だろうなぁ……」
私は首を傾げた。
土曜日ということもあり、デイライトの方は電話を掛けても誰も出ない。
もしかしたら、今回の事故は鬼型BOWのせいではないのかもしれない。
愛原「とにかく明日、また新しい婚姻届もらってこい!」
高橋「あ、明日っスか?明日は日曜日っスよ?」
愛原「大丈夫だ。墨田区役所は第2日曜日と第4日曜日は、一部の窓口は開いている。婚姻届に関する窓口も、その中に入っている。だから明日、婚姻届の用紙をもらってくることは可能だ!」
高橋「わ、分かりました!明日、取りに行ってきます」
リサ「それじゃあ、アキバへは2人だけで行こーね?」
リサは私に引っ付いた。
愛原「現地でレイチェルと合流するだろ。2人だけなのは、都営新宿線の中だけだよ」
リサ「それでもいい」
愛原「高橋達はどうする?」
高橋「取りあえず用紙をもらったら、その足でアキバに行こうと思います」
愛原「浅草駅まで歩いて、そこから銀座線に乗ると末広町駅には行けるぞ」
高橋「作者曰く、『電気街北口駅』っスね。了解っス」
パール「ちょうどプレゼントに欲しい物が、電気街の中にあるのでちょうどいいですね」
愛原「帰ったら、保証人の1人目にはまた俺がサインしてやるよ」
高橋「あざっス」
パール「ありがとうございます。それにしても、1度ならず2度までも、鬼に婚姻届を邪魔されるのはムカつきますね」
愛原「それについては、俺も腹が立ってるんだ」
リサ「先生の敵は、わたしの敵。『鬼同士の戦いなんて不毛』なんて言うけど、この場合はちゃんと大義名分があるよ」
リサは右手の爪を長く鋭く伸ばした。
Tウィルスだけで鬼化したクリムゾンヘッドと違い、こちらの鬼はGウィルスと特異菌で造られた鬼だ。
高橋「よし!では早速、栃木に行きましょう!」
愛原「いや、今行ってどうするよ?」
高橋「ブッ殺しに行くんです!」
愛原「あのな、ニュースをちゃんと観たか?郵便局のトラックが襲われたのは、夜中だぞ?すると、それを襲ったヤツは栗原蓮華と同様、夜行性の可能性がある。昼間に行ったって、どこかに隠れているだろう」
高橋「じゃあ、夜に行きましょう!夜に!」
リサ「わたしは反対」
高橋「あぁ!?テメ、やっぱり鬼同士、味方する気か、この野郎!?」
リサ「違うよ。明日は先生と買い物に行くんだから、今夜出発して、また大きな事件になったりしたら、行けなくなるじゃん」
愛原「あー、そっちか!まあ、確かに思わぬ事件に巻き込まれる恐れはある」
リサ「でしょ?でしょ?」
愛原「それに、ややもすると、BSAAが出動している可能性がある。依頼もされてないのに、民間人の俺達がのこのこ行ったって邪魔になるだけだ」
高橋「しかし……」
愛原「レイチェルは動いてるんだろうか?」
リサ「聞いてみるね」
リサは自分のスマホを取り出した。
それでレイチェルにLINEを送ってみたが、すぐに返事は返ってこなかった。
リサ「多分、訓練中か何かだろうね。もしくは、出動しているか」
愛原「まずは日本地区隊が動くだろうから、すぐにはレイチェルは動かないだろうさ。何せ、養成員なんだし」
リサ「それもそうか」
愛原「とにかく、勝手な行動は慎むように。それと高橋、ちょっとファミマに行ってこい」
高橋「は?何か買い物ですか?」
愛原「違う。3度目の正直で、今度は宅急便で送る」
高橋「ええーっ!?」
パール「郵便料金より高いんじゃ?」
愛原「高いさ。だけど、郵便局のトラックは襲われても、ヤマト運輸のトラックはまだ襲われていない」
高橋「た、確かに……」
愛原「俺も頭には来てるんだ。だったらもう、別の運送会社に頼もうと思っている」
高橋「先生、俺達の為に……!」
愛原「泣くな!分かったら、さっさと買ってこい。宅急便コンパクトの資材なら、コンビニでも売ってるはずだ」
高橋「分かりました!一っ走り行ってきます!」
愛原「箱型じゃなくて、薄型のを買ってこいよ?」
高橋「了解です!」
パール「ついでにパン粉と卵を買ってきてー?」
高橋「なにいっ!?」
パール「今日の夕食はトンカツにします」
愛原「豚肉が続くな」
パール「今夜で最後です。ただ、トンカツ用の豚肉は買っているのですが、パン粉と卵を切らしてしまっていて……」
高橋「分かった分かった、買ってくるよ」
パール「明日の朝はベーコンエッグだから……」
パールは冷蔵庫を見た。
パール「あっ、ベーコンが無い」
高橋「分かった!それも買ってくるよ!」
愛原「結婚って大変だなぁ……」
パール「あっ、先生のビールとリサちゃんの“鬼ころし”も無い……」
愛原「俺も行くよ!」
リサ「わたしもー」
結局、3人してコンビニに行くことにしたのだった。
愛原「お前の“鬼ころし”って、どんなヤツだったっけ?」
愛原「赤鬼さんのヤツ」
愛原「なるほど……」
青鬼のヤツとかもあるのか。
食品関係はスーパーの方が安いような気もするのだが、乗り掛かった船である。
せっかくだから、ポイントを貯めさせてもらうとしよう。