報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
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 実際のものとは異なります。

“愛原リサの日常” 「代替修学旅行2日目」

2022-02-27 20:23:20 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[2月24日07:00.天候:晴 福島県南会津郡南会津町 会津アストリアホテル・リサ達の部屋]

 枕元に置いたスマホが一斉にアラームを鳴らす。

 リサ:「んん……」

 リサは手を伸ばして、アラームを止めた。

 リサ:「サイトー、起きて。起床時間」

 リサは隣で寝ているサイトーを揺り起こした。

 絵恋:「もう朝……?」

 絵恋は大きく背伸びをした。

 淀橋:「おはよう……」
 小島:「ううーん……」

 4人とも、未だに体操服にブルマーを穿いていた。
 リサが着替えを許さなかったのではなく、何だか流れでそのままの恰好だったのだ。

 リサ:「早く着替えて、朝ごはん食べに行こう」
 絵恋:「そうね」
 リサ:「出発は何時だっけ?」
 絵恋:「9時半だって。今度はバスで移動するのよね」
 淀橋:「そうそう」
 小島:「ねぇ、先にお風呂入ってこない?朝風呂ってヤツ」
 淀橋:「朝風呂かぁ……」
 リサ:「それじゃ、行って来よう。……ブルマはもういいや」
 絵恋:「そうしましょう」

 少女達はブルマーを脱いで、普通のジャージの長ズボンに穿き替えた。
 上も冬用のジャージを羽織る。

 リサ:「愛原先生も朝風呂に入るって言ってた。そこで会えるかも!」
 絵恋:「それが目的だったのね」

[同日08:00.同ホテル・レストラン(朝食会場)]

 愛原:「リサ、おはよう」
 リサ:「ぶー、おはよう」
 愛原:「どうしたんだ?むくれちゃって」
 リサ:「先生、どうして朝風呂に入らなかったの?」
 愛原:「いやあ、何だか寝覚めが悪くて。案外昨日、疲れてたみたいだ」
 リサ:「ふーん……。まあ、いいや」
 愛原:「そういうリサはどうなんだ?よく眠れたのか?」
 リサ:「うん、もちろん」
 絵恋:「リサさんにマッサージしてもらって、スッキリしました」
 淀橋:「私もです」
 小島:「私もです」
 愛原:「そ、そうなのか。それは良かった」
 リサ:「昨日、いっぱいスキーしまくって、体が疲れていたからね。いっぱい老廃物溜まってたもんね」

 もちろん、血中の老廃物だけでなく、血液もついでに吸い取ったことは愛原も分かっていた。
 まあ、実害は無い。
 黙認できるところは黙認しておかないと、リサも不満を爆発させて暴走してしまう。

 リサ:「もし良かったら今夜、先生にもマッサージしてあげるね?」
 愛原:「それは修学旅行が無事に終わってからの方がいいかな……」
 リサ:「それもそうか」

 例によってリサは、朝食バイキングの料理を皿に山盛りにした。

 女子生徒A:「あんなに食べて太らないの?」
 女子生徒B:「ねー?」
 絵恋:「フッフーン♪リサさんは特別なんだもんねー?」
 リサ:「おー!」
 淀橋:「何が特別なのかは……」
 小島:「黙ってておこうね」

 リサに捕食されて尚、恐怖に負けなかった者のみ、リサの正体を知ることができる。

[同日09:00.天候:晴 同ホテル→会津乗合自動車(会津バス)3号車内]

 部屋に戻ったリサ達は、ジャージから制服に着替えた。
 それから荷物を纏めて、ホテルのロビーに向かう。
 出発は9時半の予定だが、9時からバスに乗れるということだ。
 リサは中等部3年生の頃は3組だったので、3号車に乗る。

 沼沢:「おっ、愛原達が1番か?」
 リサ:「沼沢先生、おはようございます」
 沼沢:「おはよう。好きな席に座っていいぞ」
 リサ:「愛原先生の席はここですか?」
 沼沢:「そうだな」
 リサ:「じゃあ、わたしはここ」

 愛原と高橋は1A席と1B席に座る。
 リサは2A席を希望した。

 絵恋:「わ、私はリサさんの隣で!」
 沼沢:「はっはっは!斉藤は高等部に行っても、愛原と仲良しだなー!」
 絵恋:「もちろんです!」
 沼沢:「席はそこにしてやるから、大きな荷物は床下な?」
 リサ:「はーい」

 白い帽子を被った運転手が荷物室の扉を開けていた。

 リサ:「お願いします」
 運転手:「はーい」

 リサは運転手に荷物を預けた。
 運転手は荷物を荷物室に乗せて行く。
 大きな荷物でも乗せられるのが、観光仕様のバスの良い所だ。

 リサ:「あ、飲み物買って来た方がいいかな」
 絵恋:「それもそうね」
 リサ:「沼沢先生、次にバスが止まる所はどこですか?」
 沼沢:「下郷町の観光物産館だ。ここからだと……どのくらいですか?」
 運転手:「およそ1時間強ってところですね。今日は天気もいいですし、国道は除雪されてますから」

 基本的に国道をひたすら進むコースらしい。
 それはそうだ。
 東京中央学園の今日の行き先は喜多方と会津若松なのだが、南会津と北会津との道路交通は国道121号線のみである。
 高速道路は無い。

 リサ:「飲み物買ってきていいですか?」
 沼沢:「ああ、行って来ていいぞ」
 リサ:「皆、行こう」

 リサ達は座席の上に小さな荷物だけ置くと、再びホテルへと戻っていった。

[同日09:30.天候:晴 会津乗合自動車(会津バス)3号車内]

 バスガイド:「それでは皆様、出発致します」

 出発の時間になり、東京中央学園の貸切バス3台が出発した。
 こういう時、先頭の1号車は基幹となる。
 その為、運転手もバスガイドもベテランが担当することが多い。
 必然的に年功序列で、車両も新型が充当されることが多い。
 3号車はどうかというと、そこまで新しくもないようだ。

 バスガイド:「東京中央学園の皆様、おはようございます。本日は会津乗合自動車、会津バスの貸切観光バスをご利用頂き、真にありがとうございます。……」

 バスガイドも比較的若い20代の女性が担当している。

 バスガイド:「バスはこれより、国道121号線を北上致しまして、最初の休憩地、下郷町の物産館へと参ります。所要時間は、およそ1時間を予定してございます。……」
 愛原:「……

 愛原、妙齢できれい所のバスガイドに見入っている。

 リサ:「

 ガンッ!(リサが愛原の座席を後ろから蹴っ飛ばした)

 愛原:「ぶっ!」

 愛原、衝撃で口に運んだ缶ビールを噴き出す。

 バスガイド:「お、お客様、どうなさいました!?」
 愛原:「い、いえ……すいません」
 リサ:「フンっ!
 沼沢:「愛原さん、修学旅行なんですから、昼間からビールは……」
 愛原:「す、すいません」
 高橋:「俺までとばっちりだろうが!」
 リサ:「フーンだ」
 絵恋:(リサさん、怖い……)

 前途多難なバス旅行、果たして2日目は何事も無く終了できるか?
 続く!
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“私立探偵 愛原学” 「代替修学旅行一日目の夜」

2022-02-27 16:35:55 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[2月23日20:00.天候:雪 福島県南会津郡南会津町 会津アストリアホテル・大浴場]

 高橋:「不肖、あ、この高橋正義が!あ、愛原先生のお背中をぉぉぉ……!」
 愛原:「恥ずかしいからやめい!」

 夕食後、私と高橋はホテル内にある大浴場に入った。
 高橋のヤツ、私の背中を流してくれるのはいいのだが、その前振りが恥ずかしい。

 高橋:「サーセン。それにしても、まさか本当にBOWが出るなんて凄いっスね」
 愛原:「おい、ここではオフレコだぞ」
 高橋:「さ、サーセン。でも、善場の姉ちゃんが素っ飛んで来て、リサの事情聴取というのはオフレコにできないんじゃないスか?」
 愛原:「リサは『クマと遭遇して無事だった』ことになってるから」
 高橋:「熊ねぇ……」
 愛原:「こういう山奥だから、熊がいてもおかしくはないだろ」
 高橋:「都合良く冬眠できなかったというのは……ちょっと、アレっスけどね」
 愛原:「まあまあ。俺達も話を合わせるんだよ、そこは」
 高橋:「了解っス」

 高橋に背中を流してもらった後は、一緒に湯船に浸かる。

 愛原:「リサのヤツ、早速バイキングを平らげるところだったな」
 高橋:「周りもドン引きしてましたねぇ……」

 本人は、『戦いの後だから、物凄くお腹空いた』とか言っていたが……。
 無理に我慢させると、食人しそうなのでやめておいたが。
 夕食がバイキングで本当良かったと思う。

 愛原:「この後、見回りがあるから、オマエも手伝えよ」
 高橋:「えっ?それってセンコー……もとい、教師の仕事じゃ?」
 愛原:「慣習的に引率補助のPTAもやるんだとよ」
 高橋:「マジっスか!」
 愛原:「まあ、ちょうどリサの様子を見に行くチャンスではある」
 高橋:「それもそうっスね」
 愛原:「高橋、オマエは男子生徒の部屋を回ってくれ。俺は女子生徒の部屋を回る」
 高橋:「先生?」
 愛原:「別に下心があるわけじゃないぞ。リサの部屋を見回る為だし、それに、オマエが女子生徒の部屋に行ってみろ。イケメンのオマエが回る度に黄色い声が飛んで、見回りにならんだろうが」
 高橋:「あー……、確かに。ウザいっスね」
 愛原:「何でオマエはイケメンなんだ?」
 高橋:「知りませんよ。文句は親に言ってください」
 愛原:「オマエの親って、確か新潟にいるんだっけか?」
 高橋:「ええ、まあ……。先生に恥ずかしい毒親なんで、あんま紹介したくないっス。それに引き換え、先生の御両親はいい人達で羨ましい限りっスよ」
 愛原:「フツーだと思うんだけどな」
 高橋:「それが、俺んとこはフツーじゃないってことっス」
 愛原:「なるほど」

 まあ、普通の家庭なら、少年鑑別所から少年刑務所までコンプリートすることはないか。

 愛原:「まあ、これ以上の詮索はやめることにするよ」
 高橋:「サーセン」

[同日21:00.天候:雪 同ホテル・リサ達の部屋]

 私と高橋は見回りを開始した。
 もちろん、『PTA』の腕章を着けている。
 私みたいなうだつの上がらないオジさんが来たことで、女子生徒達はがっかりした様子であった。
 おかげで、逆に見回りはスムーズに行った。
 だが、中には……。

 女子生徒A:「あの、これを助手の人に渡してくれませんか?」
 女子生徒B:「これをあの人にお願いします!」

 高橋へのプレゼントや、LINEアドレスの受け渡し役を頼まれてしまうこともあった。
 そして、やっとリサ達の部屋に来る。

 愛原:「えーと、ここだな」

 私はドアをノックした。

 愛原:「入るぞー?」
 リサ:「愛原先生!来たー!どうぞ。歓迎する」
 愛原:「いや、歓迎されてもな……。ただの見回りだし……って!?」
 リサ:「これが今夜のわたし達の部屋着。見て見て」

 リサは上だけ見れば、体操服を着ていたが、下は緑色のブルマーを穿いていた。
 かつて東京中央学園の女子生徒が穿いていたものである。
 緑無地のもので、脇に白いラインなどは入っていない。

 愛原:「おいおい!?」

 部屋の中に入ると、他の3人も体操服に同じ色のブルマーを穿いていた。

 愛原:「こ、これは一体!?」
 リサ:「先生、これが見たかったんでしょ?遠慮無く見て」
 絵恋:「うぅぅ……。どうぞ、見てください……」
 淀橋:「昔の女子って、こんな下で体育受けてたんですね?」
 小島:「愛原先生、こういうのが趣味なんですか?」

 ゴッ!(愛原、リサにゲンコツする)

 リサ:「痛っ!」
 愛原:「オマエ、なに他の人に着用強要してるんだ!皆、ゴメンね!?リサが勝手に暴走して……。無理して着なくていいから、普通のジャージに着替えて!」
 絵恋:「い、いえ……。リサさんの命令ですから。リサさんの命令は絶対ですから……」
 愛原:「ならばその命令、俺が解除する!リサは俺の命令は絶対に聞くと言っている。その俺が解除すると言ってるんだから、解除だ!」
 淀橋:「やぁだ、先生!リサさんにどんな命令してるんですか!?」
 小島:「18禁とかカンベンしてください!」
 愛原:「だ、だから違うんだって」
 リサ:「ムリ。このコ達への命令は、先生では解除できない。わたしを通さないとムリ」
 愛原:「お、オマエなぁ……!」
 リサ:「別に、あの銀髪女みたいにまっぱにしたり、スカトロプレイさせたりしてるわけじゃないからいいでしょ?あくまでも、体操服にブルマ穿いてるだけ。別に、それ以上は何もしないよ。……あ、でも先生が命令するなら、何かするけど?」
 愛原:「……その恰好で部屋の外に出ないようにな?」
 リサ:「分かってる。ちゃんとその時はズボン穿くから」
 愛原:「頼むぞ」
 リサ:「他には?」
 愛原:「他にって……!」
 リサ:「分かった。サービスカットする。皆、全員でブリッジー!」
 絵恋:「は、はい!ブリッジ!」
 淀橋:「ブリッジ……」
 小島:「ブリッジ……」

 少女達は床の上に並んで、ブリッジした。
 体操服の上が捲れて、へそが覗いている。

 愛原:「やめなさい!」

 するとリサが、私にピタッとくっつくように寄り添って来る。
 そして、言った。

 リサ:「だって、先生が望んだことじゃないの」

 こいつ、私の思考が読めるのか!?
 ニイッと笑った口元には牙が覗いている。

 愛原:「と、とにかく、俺はまだ見回りがあるから!夜更かしするなよ!?」
 リサ:「はーい、おやすみなさい」

 リサはコロッと態度を変えた。
 本当にコイツは主導権を握るのが上手い。
 そ、そういえば特異菌BOWエブリンは、感染者の思考を読めたり、操作したりできると聞いたが、従来のウィルスでも、それを使役できるリサは、同じ事ができるのではないかと思った。
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