[期日不明 時刻不明 天候:雷 東京都墨田区某所 東京中央学園墨田中学校]
血の臭いが充満した教室。
男子生徒A:「あが……あぁ……あ……!」
絶命する寸前、彼の体はリサに貪られていた。
リサ:「フゥ……!フー……!」
リサは捕まえた男子生徒の右腕を引きちぎり、その肉に食らいついた。
彼女の姿は第1形態になっているが、返り血などで体中は真っ赤に染まっている。
男子生徒B:「わあぁぁっ!」
リサ:「!?」
その時、教室に誰かが入って来た。
この食い殺した男子生徒の友人であった。
リサ:(あいつの血と肉も美味しそう……!)
リサは食べ掛けの右腕をその辺に放り投げると、呻き声を上げて男子生徒Bを睨み付けた。
男子生徒B:「ぎゃーーーーーーー!!化け物ーーーーーーーー!!!」
リサ:「ばっ……!?」
リサは化け物呼ばわりされたことで、更に第2形態、第3形態へと変化した。
全速力で逃げる男子生徒Bに対し、リサは柔軟になった体を利用し、ダクトの中へと入り込む。
そして、リサから逃げ切ったと思い、安心している男子生徒Bの頭上までやってくると……。
リサ:「ウァァァァァァッ!!」
ダクトの金網をブチ破って、男子生徒Bの上に鋭い爪を振り落とした。
その時の男子生徒Bの表情ときたら……。
[1月22日06:00.天候:晴 東京都八王子市三崎町 ホテル東横イン八王子駅北口8F客室]
枕元に置いたスマホがアラームを鳴らす。
リサ:「……はっ!」
リサはそこで目が覚めた。
凛:「先輩……?」
リサは手を伸ばしてアラームを止めた。
アラームを止めたのは反射的な行動だったが、一瞬自分がどこにいるのか分からなかった。
凛:「先輩、大丈夫ですか?」
凛が覗き込んできた。
彼女は右目だけ、金色に光っている。
リサ:「あ、ああ……うん……」
リサはようやく自分がホテルに泊まっており、凛と同室だったことを思い出した。
リサ:「大丈夫だ……」
凛:「面白い夢でも見たんですか?笑ってましたよ」
リサ:「笑ってた……の」
凛:「はい」
起き上がると、リサの姿は第1形態に戻っていた。
たまたま今回は、自分の正体を知っている凛が同室だったから良いようなものの、もしも知らない者が同室だったとしたら……。
リサ:(マズいな……。またあんな夢見たら、勝手に変化が解けるかもしれない……)
凛:「でも、汗びっしょりですね。シャワー浴びた方がいいですよ」
リサ:「う、うん。そうする……」
リサは第0形態に変化すると、ベッドから出た。
そして、バスルームに向かった。
凛:「先輩」
リサ:「なに?」
凛:「夢の中で……人間を食べていたんですか?」
リサ:「!!!」
リサは再び第1形態に戻った。
そして、牙を剥いて、長く鋭く伸ばした爪を立てながら凛に言った。
リサ:「誰にも言うなよ?言ったら殺すぞ?」
凛:「……分かってます。私も……たまに、似たような夢を見るので」
リサ:「なに?……そうか」
リサは再び第0形態に変化した。
[同日06:30.天候:晴 同ホテル8Fエレベーターホール→1Fロビー]
何とか朝食会場に行く準備をして、部屋を出たリサ達。
汗を吸った下着も換えておいた。
こんなこともあろうかと、換えの下着の予備は持って来ている。
こんなことなら昨夜、凛と一緒に洗濯をするんだったと思った。
凛:「朝食券持ってないんですけど、いいんですか?」
リサ:「大丈夫。前、別のホテル泊まったことあったけど、券いらなかった」
凛:「そうですか」
エレベーターホールまで行くと……。
愛原:「おっ、来たなー」
エレベーター待ちしている愛原や高橋と合流した。
リサ:「先生、お兄ちゃん、おはよう」
凛:「おはようございます」
愛原:「ああ、おはよう。やっぱりこの時間に来ると思ったよ」
リサ:「だったら、誘ってくれたらよかったのに」
愛原:「あー、まあな」
そして、エレベーターがやってくる。
エレベーターには、誰も乗っていなかった。
乗り込むと、愛原が1階のボタンを押した。
愛原:「昨夜はよく眠れたか?」
リサ:「うん」
凛:「はい」
愛原:「そうか、それは良かった」
リサ:「先生は眠れたの?」
愛原:「ああ。まあ、枕が変わると、変な夢見るもんでな」
リサ:「どんな夢?」
愛原:「高橋とゾンビ無双してる夢。しかも、リサが通ってた中学校が最終ステージでさ、ラスボスがリサ、お前だよ」
リサ:「わたし……?」
高橋:「先生の夢の中に登場させて頂けて光栄です。オマエ、ついに人間を食い殺しやがってさ、その現場を先生と夢の中の俺で押さえたんだよ」
リサ:「……!」
愛原:「さすがに銃は効かないって分かってるのに、何故か俺達、ハンドガンをバンバン撃ちやがってさ、バカみたいだったよ」
リサ:「そ、それで……?」
愛原:「そこで目が覚めた」
リサ:「な、何だ……」
リサはホッとした。
高橋:「先生、今度は俺がロケランでリサをぶっ殺してみせますぜ」
リサ:「う、うん。頑張ってね」
高橋:「何でオマエ、他人事なんだよ」
リサ:「別に……」
エレベーターを降りて、朝食会場に向かう。
ロビーに並べてある椅子やテーブル、カウンターがそのまま朝食会場になっている。
さすがに朝食会場には、他の宿泊客の姿があった。
やはりビジネス客はおらず、カップルとか家族連れが殆どだった。
スタッフ:「おはようございます。こちらで、手の消毒と手袋の着用をお願いします」
手の消毒はともかく、使い捨てのビニール手袋着用とは本格的だ。
ただ、その代わり、そこまで徹底することで、従来通りのバイキング形式を維持しているのだろう。
リサ:(まあ、どうせただの夢だ。場所も中学校だったし、予知夢ってわけじゃないだろう)
リサは先ほどの夢に関して、そういう見解を出した。
そして、それを忘れようとするかのように、皿に山盛りの料理を乗せたのだった。
血の臭いが充満した教室。
男子生徒A:「あが……あぁ……あ……!」
絶命する寸前、彼の体はリサに貪られていた。
リサ:「フゥ……!フー……!」
リサは捕まえた男子生徒の右腕を引きちぎり、その肉に食らいついた。
彼女の姿は第1形態になっているが、返り血などで体中は真っ赤に染まっている。
男子生徒B:「わあぁぁっ!」
リサ:「!?」
その時、教室に誰かが入って来た。
この食い殺した男子生徒の友人であった。
リサ:(あいつの血と肉も美味しそう……!)
リサは食べ掛けの右腕をその辺に放り投げると、呻き声を上げて男子生徒Bを睨み付けた。
男子生徒B:「ぎゃーーーーーーー!!化け物ーーーーーーーー!!!」
リサ:「ばっ……!?」
リサは化け物呼ばわりされたことで、更に第2形態、第3形態へと変化した。
全速力で逃げる男子生徒Bに対し、リサは柔軟になった体を利用し、ダクトの中へと入り込む。
そして、リサから逃げ切ったと思い、安心している男子生徒Bの頭上までやってくると……。
リサ:「ウァァァァァァッ!!」
ダクトの金網をブチ破って、男子生徒Bの上に鋭い爪を振り落とした。
その時の男子生徒Bの表情ときたら……。
[1月22日06:00.天候:晴 東京都八王子市三崎町 ホテル東横イン八王子駅北口8F客室]
枕元に置いたスマホがアラームを鳴らす。
リサ:「……はっ!」
リサはそこで目が覚めた。
凛:「先輩……?」
リサは手を伸ばしてアラームを止めた。
アラームを止めたのは反射的な行動だったが、一瞬自分がどこにいるのか分からなかった。
凛:「先輩、大丈夫ですか?」
凛が覗き込んできた。
彼女は右目だけ、金色に光っている。
リサ:「あ、ああ……うん……」
リサはようやく自分がホテルに泊まっており、凛と同室だったことを思い出した。
リサ:「大丈夫だ……」
凛:「面白い夢でも見たんですか?笑ってましたよ」
リサ:「笑ってた……の」
凛:「はい」
起き上がると、リサの姿は第1形態に戻っていた。
たまたま今回は、自分の正体を知っている凛が同室だったから良いようなものの、もしも知らない者が同室だったとしたら……。
リサ:(マズいな……。またあんな夢見たら、勝手に変化が解けるかもしれない……)
凛:「でも、汗びっしょりですね。シャワー浴びた方がいいですよ」
リサ:「う、うん。そうする……」
リサは第0形態に変化すると、ベッドから出た。
そして、バスルームに向かった。
凛:「先輩」
リサ:「なに?」
凛:「夢の中で……人間を食べていたんですか?」
リサ:「!!!」
リサは再び第1形態に戻った。
そして、牙を剥いて、長く鋭く伸ばした爪を立てながら凛に言った。
リサ:「誰にも言うなよ?言ったら殺すぞ?」
凛:「……分かってます。私も……たまに、似たような夢を見るので」
リサ:「なに?……そうか」
リサは再び第0形態に変化した。
[同日06:30.天候:晴 同ホテル8Fエレベーターホール→1Fロビー]
何とか朝食会場に行く準備をして、部屋を出たリサ達。
汗を吸った下着も換えておいた。
こんなこともあろうかと、換えの下着の予備は持って来ている。
こんなことなら昨夜、凛と一緒に洗濯をするんだったと思った。
凛:「朝食券持ってないんですけど、いいんですか?」
リサ:「大丈夫。前、別のホテル泊まったことあったけど、券いらなかった」
凛:「そうですか」
エレベーターホールまで行くと……。
愛原:「おっ、来たなー」
エレベーター待ちしている愛原や高橋と合流した。
リサ:「先生、お兄ちゃん、おはよう」
凛:「おはようございます」
愛原:「ああ、おはよう。やっぱりこの時間に来ると思ったよ」
リサ:「だったら、誘ってくれたらよかったのに」
愛原:「あー、まあな」
そして、エレベーターがやってくる。
エレベーターには、誰も乗っていなかった。
乗り込むと、愛原が1階のボタンを押した。
愛原:「昨夜はよく眠れたか?」
リサ:「うん」
凛:「はい」
愛原:「そうか、それは良かった」
リサ:「先生は眠れたの?」
愛原:「ああ。まあ、枕が変わると、変な夢見るもんでな」
リサ:「どんな夢?」
愛原:「高橋とゾンビ無双してる夢。しかも、リサが通ってた中学校が最終ステージでさ、ラスボスがリサ、お前だよ」
リサ:「わたし……?」
高橋:「先生の夢の中に登場させて頂けて光栄です。オマエ、ついに人間を食い殺しやがってさ、その現場を先生と夢の中の俺で押さえたんだよ」
リサ:「……!」
愛原:「さすがに銃は効かないって分かってるのに、何故か俺達、ハンドガンをバンバン撃ちやがってさ、バカみたいだったよ」
リサ:「そ、それで……?」
愛原:「そこで目が覚めた」
リサ:「な、何だ……」
リサはホッとした。
高橋:「先生、今度は俺がロケランでリサをぶっ殺してみせますぜ」
リサ:「う、うん。頑張ってね」
高橋:「何でオマエ、他人事なんだよ」
リサ:「別に……」
エレベーターを降りて、朝食会場に向かう。
ロビーに並べてある椅子やテーブル、カウンターがそのまま朝食会場になっている。
さすがに朝食会場には、他の宿泊客の姿があった。
やはりビジネス客はおらず、カップルとか家族連れが殆どだった。
スタッフ:「おはようございます。こちらで、手の消毒と手袋の着用をお願いします」
手の消毒はともかく、使い捨てのビニール手袋着用とは本格的だ。
ただ、その代わり、そこまで徹底することで、従来通りのバイキング形式を維持しているのだろう。
リサ:(まあ、どうせただの夢だ。場所も中学校だったし、予知夢ってわけじゃないだろう)
リサは先ほどの夢に関して、そういう見解を出した。
そして、それを忘れようとするかのように、皿に山盛りの料理を乗せたのだった。