[5月3日11:40.天候:晴 栃木県那須郡那須町 那須ロープウェイ山麓駅→那須ロープウェイ山頂駅]
山麓駅でトイレ休憩を取った私達は、ロープウェイ乗り場へと向かった。
山麓とはいえ、標高が1300メートル以上あるのだから、そりゃ街中よりも涼しいはずだ。
駅前でリサと絵恋さんのツーショット写真を撮る。
これは報告書に添付しよう。
駅の中はキップ売り場の他に、売店や軽食販売コーナーもあった。
リサ:「いい匂い」
愛原:「先に山頂に行ってからな?」
高橋:「どんだけ食うつもりだよ……」
乗り場はけして寂しいわけではなかったが、ゴールデンウィークならもっと混んでいてもいいのではないかと思った。
コロナ禍の影響はここにもあるらしい。
大きな荷物はコインロッカーに預ける。
往復キップを券売機で購入し、それから改札口の前に並ぶ。
ロープウェイは20分おきの運行で、改札は時間を区切って行われる。
改札が始まると女性の駅員が出て来た。
愛原:「デカいな……!」
女性駅員による改札を受けてホームに行くと、そこには大きなゴンドラが停車していた。
大型の路線バスよりも大きいのではないか。
実際、定員を見ると111人とある。
大型の路線バスでも80人くらいだから、そりゃ確かに大きい。
両開きの大きなドアの横にはロングシートがあるが、殆どが立ち席になるようだ。
スタンションポールの他に、天井からは黒いベルトが吊るされており、その下には黒いボールのような物が付いていた。
どうやらこれが吊り革のようである。
どうして輪っかではなく、ボールなのかは不明だが。
〔「座席は詰めてお座りになり、ご乗車になりましたら中ほどまでお乗りください」〕
乗務員もいるようだ。
尚、ゴンドラに直接乗り込むのは運転士ではない。
運転台など、どこにも無いからだ。
あるのはマイクなどの案内装置や、外部と連絡を取る無線装置くらい。
運転台は駅構内にある。
もちろんそれは、乗客の目に付かないところだ。
そこはケーブルカーに似ている。
発車の時間になると、乗降扉が閉められた。
そして、ゴンドラが動き出す。
リサ:「おー!」
絵恋:「一気に昇って行くのね」
愛原:「さしものBOWも、ロープウェイの動いたゴンドラまでは追って来れないだろう」
リサ:「と、思うでしょ?」
愛原:「え?」
リサ:「私みたいに人間に化けているのもいるし、中には空飛んでくるヤツもいるから」
愛原:「カラスかな?」
リサ:「カラスじゃなくても」
でも確かに、空飛ぶBOWの存在も少数ながら確認されている。
何でも、今年2月くらいにルーマニアでそのようなBOWの存在が確認されたとか。
2013年に香港で発生したバイオハザードにおいても、そのようなBOWの存在が確認されている。
アメリカ大統領の暗殺事件に関わった黒幕本人がBOW化したものだとか。
高橋:「先生、カプコン製のヘリが墜落する原因もBOWの攻撃が殆どらしいですよ」
愛原:「それもそうだな。……このゴンドラは大丈夫なんだろうな?」
リサ:「私がいるから大丈夫」
リサは大きく頷いた。
凄い自身満々だ。
〔「……尚、山頂の気温は凡そ10度ほどとなっております」〕
車掌が車内放送でそのようなガイドをしている。
愛原:「えっ、10度!?」
〔「地上との差は凡そ10度ほどございます。皆様、体調の管理には十分ご注意ください」〕
愛原:「あんまり長居できないかなぁ……?」
一応私は上着は着ているのだが、リサや絵恋さんがブレザーを着ていない。
リサは大丈夫だろうが、肝心の絵恋さんに風邪を引かせてしまったら大変だ。
〔「また、山頂付近は、薄いながらも、雲が掛かっている状態です。……」〕
山の天気は変わりやすいという。
その辺はしょうがないかもしれない。
[同日11:45.天候:曇 同町内 那須ロープウェイ山麓駅→駅周辺]
〔「ご乗車ありがとうございました。山頂駅でございます。この先、どうぞお気をつけて行ってらっしゃいませ」〕
山麓駅から山頂駅までは5分も掛からない。
尚、標高は300メートルほど上がった。
東京タワーの地上から展望台まで上がったくらいか。
駅の外に出ると……。
愛原:「ちょっと……寒いな……」
高橋:「ちょっと……そうっスね」
リサ:「そう?」
絵恋:「リサさんの熱い体温に抱かれれば大丈夫よ」
高橋:「先生、大丈夫っぽいっスよ?」
愛原:「そ、そうか」
山の上ということもあってか、時折強い風が吹いてくる。
愛原:「2人とも、スカート気をつけろよ?」
リサ:「大丈夫。スパッツ穿いてる」
絵恋:「そういうことじゃなくってぇ……」
AVのJKモノはスパッツなど穿いていないが、それを真に受けているのか、スカート内盗撮を行うヤツの気持ちなんか全く分からない。
実際はリサでさえスパッツを穿いていて、下着など見えないようになっているのだが。
愛原:「はい、2人とも。撮るよー?」
私は手持ちのデジカメを構え、リサと絵恋さんの写真を撮る。
まずは駅前、それと駅前にある木製の『日光国立公園』『那須岳』『山頂駅 標高1684m』と書かれたモニュメントの前で。
モニュメントの前で強い風が吹いていたので、2人のJKはスカートを押さえながら被写体に収まるというポーズだった。
子供:「ヤッホー!ヤッホー!」
リサ:「! 何あれ?」
家族連れのうち、子供が1人、麓に向かってあの掛け声をしている。
絵恋:「ああ、あれね。麓に向かって叫んでもしょうがないのに。山が連なる方に向かって、今みたいな掛け声を上げると、それが他の山にぶつかって、掛け声がこだまするというものよ」
リサ:「おー、“こだま”!……ん?“やまびこ”?」
愛原:「この場合は“やまびこ”と言った方がいいな」
実は新幹線の名前に使われる“こだま”も“やまびこ”も、意味は同じ。
また、英訳に関しても、どちらも『echo(エコー)』となる。
リサ:「私も!私もやる!」
絵恋:「えぇ?何か恥ずかしいなぁ……」
リサ:「山の方に向かって声掛ければいい!?」
絵恋:「そ、そうね」
リサは山の方に向かって……恐らく、『ヤッホー』と言ったのだろう。
恐らく、というのは、リサのヤツ、人間の耳には聞こえないヘルツで叫んだようだ。
その証拠に私達、人間は何が起こったのかさっぱり分からず、何とも言えない間が発生していたのだが、他の家族連れ達が同伴させていた犬や猫などの動物達が騒ぎ出したからだ。
アメリカのオリジナル版リサ・トレヴァーも、洋館や研究所内では聞く者に恐怖を与える咆哮を時折発していたらしいが、ここにいる日本版リサなどは人間の耳には聞こえない咆哮を上げることができるようだ。
哀れ、ペットケースから出ていたペット達はリサの咆哮にパニックを起こし、飼い主から離れて右往左往逃げ惑う様相が繰り広げられた。
リサ:「……何も起こらないよ?」
愛原:「向こうの山ではな!こっちで何か起こったぞ!」
リサ:「え?……あ」
向こうではトイプードルがキャンキャン叫び、そっちではアメリカンショートヘアーが山頂駅に向かって走り出し、それを慌てて飼い主さんが追い掛けるというパニック状態である。
リサ:「……!?」
だがリサ、またもやさっき叫び声を上げた方の山を見る。
リサ:「……あれ?何か来る」
愛原:「えっ!?」
リサ:「……うん。何か……いたみたい。こっちに来る」
愛原:「オマエ、何呼び寄せたんだよ!?」
高橋:「責任取れや、コラァ!!」
絵恋:「リサさんに対して、そんな言い方は無いわ!」
高橋:「レズガキは黙ってろ!」
ズシンズシンと何か大きな地響きを轟かせながら、本当に何かが近づいてきた。
愛原:「皆さん!ここは危険です!山頂駅に避難して下さい!!」
私は逃げたペット達を捕まえるのに夢中になっている飼い主達や、他の登山客にそう呼び掛けた。
高橋:「うわっ、出たーっ!」
絵恋:「きゃあああっ!!」
愛原:「おい、高橋!ロケラン!」
高橋:「んなモン都合良く無いっスよ!」
私が咄嗟に、こいつを倒すのにはロケットランチャーが必要だと思ったほどの相手だ。
それは一体……!?
山麓駅でトイレ休憩を取った私達は、ロープウェイ乗り場へと向かった。
山麓とはいえ、標高が1300メートル以上あるのだから、そりゃ街中よりも涼しいはずだ。
駅前でリサと絵恋さんのツーショット写真を撮る。
これは報告書に添付しよう。
駅の中はキップ売り場の他に、売店や軽食販売コーナーもあった。
リサ:「いい匂い」
愛原:「先に山頂に行ってからな?」
高橋:「どんだけ食うつもりだよ……」
乗り場はけして寂しいわけではなかったが、ゴールデンウィークならもっと混んでいてもいいのではないかと思った。
コロナ禍の影響はここにもあるらしい。
大きな荷物はコインロッカーに預ける。
往復キップを券売機で購入し、それから改札口の前に並ぶ。
ロープウェイは20分おきの運行で、改札は時間を区切って行われる。
改札が始まると女性の駅員が出て来た。
愛原:「デカいな……!」
女性駅員による改札を受けてホームに行くと、そこには大きなゴンドラが停車していた。
大型の路線バスよりも大きいのではないか。
実際、定員を見ると111人とある。
大型の路線バスでも80人くらいだから、そりゃ確かに大きい。
両開きの大きなドアの横にはロングシートがあるが、殆どが立ち席になるようだ。
スタンションポールの他に、天井からは黒いベルトが吊るされており、その下には黒いボールのような物が付いていた。
どうやらこれが吊り革のようである。
どうして輪っかではなく、ボールなのかは不明だが。
〔「座席は詰めてお座りになり、ご乗車になりましたら中ほどまでお乗りください」〕
乗務員もいるようだ。
尚、ゴンドラに直接乗り込むのは運転士ではない。
運転台など、どこにも無いからだ。
あるのはマイクなどの案内装置や、外部と連絡を取る無線装置くらい。
運転台は駅構内にある。
もちろんそれは、乗客の目に付かないところだ。
そこはケーブルカーに似ている。
発車の時間になると、乗降扉が閉められた。
そして、ゴンドラが動き出す。
リサ:「おー!」
絵恋:「一気に昇って行くのね」
愛原:「さしものBOWも、ロープウェイの動いたゴンドラまでは追って来れないだろう」
リサ:「と、思うでしょ?」
愛原:「え?」
リサ:「私みたいに人間に化けているのもいるし、中には空飛んでくるヤツもいるから」
愛原:「カラスかな?」
リサ:「カラスじゃなくても」
でも確かに、空飛ぶBOWの存在も少数ながら確認されている。
何でも、今年2月くらいにルーマニアでそのようなBOWの存在が確認されたとか。
2013年に香港で発生したバイオハザードにおいても、そのようなBOWの存在が確認されている。
アメリカ大統領の暗殺事件に関わった黒幕本人がBOW化したものだとか。
高橋:「先生、カプコン製のヘリが墜落する原因もBOWの攻撃が殆どらしいですよ」
愛原:「それもそうだな。……このゴンドラは大丈夫なんだろうな?」
リサ:「私がいるから大丈夫」
リサは大きく頷いた。
凄い自身満々だ。
〔「……尚、山頂の気温は凡そ10度ほどとなっております」〕
車掌が車内放送でそのようなガイドをしている。
愛原:「えっ、10度!?」
〔「地上との差は凡そ10度ほどございます。皆様、体調の管理には十分ご注意ください」〕
愛原:「あんまり長居できないかなぁ……?」
一応私は上着は着ているのだが、リサや絵恋さんがブレザーを着ていない。
リサは大丈夫だろうが、肝心の絵恋さんに風邪を引かせてしまったら大変だ。
〔「また、山頂付近は、薄いながらも、雲が掛かっている状態です。……」〕
山の天気は変わりやすいという。
その辺はしょうがないかもしれない。
[同日11:45.天候:曇 同町内 那須ロープウェイ山麓駅→駅周辺]
〔「ご乗車ありがとうございました。山頂駅でございます。この先、どうぞお気をつけて行ってらっしゃいませ」〕
山麓駅から山頂駅までは5分も掛からない。
尚、標高は300メートルほど上がった。
東京タワーの地上から展望台まで上がったくらいか。
駅の外に出ると……。
愛原:「ちょっと……寒いな……」
高橋:「ちょっと……そうっスね」
リサ:「そう?」
絵恋:「リサさんの熱い体温に抱かれれば大丈夫よ」
高橋:「先生、大丈夫っぽいっスよ?」
愛原:「そ、そうか」
山の上ということもあってか、時折強い風が吹いてくる。
愛原:「2人とも、スカート気をつけろよ?」
リサ:「大丈夫。スパッツ穿いてる」
絵恋:「そういうことじゃなくってぇ……」
AVのJKモノはスパッツなど穿いていないが、それを真に受けているのか、スカート内盗撮を行うヤツの気持ちなんか全く分からない。
実際はリサでさえスパッツを穿いていて、下着など見えないようになっているのだが。
愛原:「はい、2人とも。撮るよー?」
私は手持ちのデジカメを構え、リサと絵恋さんの写真を撮る。
まずは駅前、それと駅前にある木製の『日光国立公園』『那須岳』『山頂駅 標高1684m』と書かれたモニュメントの前で。
モニュメントの前で強い風が吹いていたので、2人のJKはスカートを押さえながら被写体に収まるというポーズだった。
子供:「ヤッホー!ヤッホー!」
リサ:「! 何あれ?」
家族連れのうち、子供が1人、麓に向かってあの掛け声をしている。
絵恋:「ああ、あれね。麓に向かって叫んでもしょうがないのに。山が連なる方に向かって、今みたいな掛け声を上げると、それが他の山にぶつかって、掛け声がこだまするというものよ」
リサ:「おー、“こだま”!……ん?“やまびこ”?」
愛原:「この場合は“やまびこ”と言った方がいいな」
実は新幹線の名前に使われる“こだま”も“やまびこ”も、意味は同じ。
また、英訳に関しても、どちらも『echo(エコー)』となる。
リサ:「私も!私もやる!」
絵恋:「えぇ?何か恥ずかしいなぁ……」
リサ:「山の方に向かって声掛ければいい!?」
絵恋:「そ、そうね」
リサは山の方に向かって……恐らく、『ヤッホー』と言ったのだろう。
恐らく、というのは、リサのヤツ、人間の耳には聞こえないヘルツで叫んだようだ。
その証拠に私達、人間は何が起こったのかさっぱり分からず、何とも言えない間が発生していたのだが、他の家族連れ達が同伴させていた犬や猫などの動物達が騒ぎ出したからだ。
アメリカのオリジナル版リサ・トレヴァーも、洋館や研究所内では聞く者に恐怖を与える咆哮を時折発していたらしいが、ここにいる日本版リサなどは人間の耳には聞こえない咆哮を上げることができるようだ。
哀れ、ペットケースから出ていたペット達はリサの咆哮にパニックを起こし、飼い主から離れて右往左往逃げ惑う様相が繰り広げられた。
リサ:「……何も起こらないよ?」
愛原:「向こうの山ではな!こっちで何か起こったぞ!」
リサ:「え?……あ」
向こうではトイプードルがキャンキャン叫び、そっちではアメリカンショートヘアーが山頂駅に向かって走り出し、それを慌てて飼い主さんが追い掛けるというパニック状態である。
リサ:「……!?」
だがリサ、またもやさっき叫び声を上げた方の山を見る。
リサ:「……あれ?何か来る」
愛原:「えっ!?」
リサ:「……うん。何か……いたみたい。こっちに来る」
愛原:「オマエ、何呼び寄せたんだよ!?」
高橋:「責任取れや、コラァ!!」
絵恋:「リサさんに対して、そんな言い方は無いわ!」
高橋:「レズガキは黙ってろ!」
ズシンズシンと何か大きな地響きを轟かせながら、本当に何かが近づいてきた。
愛原:「皆さん!ここは危険です!山頂駅に避難して下さい!!」
私は逃げたペット達を捕まえるのに夢中になっている飼い主達や、他の登山客にそう呼び掛けた。
高橋:「うわっ、出たーっ!」
絵恋:「きゃあああっ!!」
愛原:「おい、高橋!ロケラン!」
高橋:「んなモン都合良く無いっスよ!」
私が咄嗟に、こいつを倒すのにはロケットランチャーが必要だと思ったほどの相手だ。
それは一体……!?