[5月3日07:00.天候:晴 栃木県那須塩原市 ホテル天長園7F・721号室]
愛原:「おはよう……」
高橋:「おはようございまっス……」
スマホのアラームが鳴って、私達は起床した。
高橋:「今日は風呂どうします?」
愛原:「いや……昨夜でお腹いっぱいになったよ」
高橋:「そうですか」
愛原:「行きたかったらオマエ、行っていいぞ」
高橋:「いや、いいです」
起き上がって洗面所に向かう。
まだ、リサ達は起きていないようだった。
後で起こしてやろう。
高橋:「先生、今日はどちらへ?もうここはチェックアウトですよね?」
愛原:「そうだ。俺的には観光して帰りたいところだな」
高橋:「いいと思います」
さて、どうするか……。
[同日08:00.天候:晴 同ホテル8Fレストラン]
女将:「おはようございます」
愛原:「おはようございます」
レストランに行くと、既に朝食は用意されていた。
今日も天気が良いので、窓からは那須連峰が見える。
愛原:「山か……」
高橋:「はい?」
愛原:「今日は山の方に行ってみるか」
高橋:「それはいいですね」
女将:「ロープウェイも運行されていますし、きっと景色もいいですよ」
とのこと。
愛原:「よし。今日はそこまで行ってみよう。お嬢さん方、それでいいかね?」
リサ:「うん」
絵恋:「わ、私はリサさんと一緒ならどこでも……」
高橋:「お供します!地獄の果ての果てまでも!!」
愛原:「そんな所ヘは行かん!」
[同日09:35.天候:晴 ホテル出入口前・栃木県道369号線(板室街道)上→関東自動車バス車内]
朝食を終えてから部屋に戻り、浴衣から私服に着替えた。
リサ達は再び制服に着替える。
それから荷物を纏めてチェックアウトした。
愛原:「どうも、お世話になりました」
女将:「こちらこそ、ありがとうございました」
普通はエントランスまでだろうに、女将の上野母娘はバス通りまで見送りに来てくれた。
女将:「是非、また来てくださいね」
愛原:「良かったら、東京にも来てくださいよ。『最も危険な12人の巫女たち』は、もうこのリサしかいませんから」
女将:「そうですね。いつか、そうさせて頂きます」
高橋:「先生、バスが来ましたよ」
愛原:「ああ、止まってもらって」
高橋は『いいね!』のポーズを取ると、
高橋:「ヘイ、タクシー!」
と、叫んだ。
リサ:「お兄ちゃん、タクシーちゃう!」
と、すかさず妹分のリサに突っ込まれる。
とはいうものの、バスの運転手は高橋のアクションに気づいてか、左ウィンカーを上げ、停車してくれた。
愛原:「それではお世話さまでした」
女将:「あの……リサさん」
リサ:「はい?」
女将さんはリサの手を取った。
女将:「あなたはもう一人ぼっちでは、ありませんので、どうか……」
リサ:「……うん」
リサは最後にバスに乗り込んだ。
引き戸の中扉が閉まり、すぐにバスが発車する。
1番後ろの座席に座ると、リサは見送る母娘に向かって手を振った。
高橋:「先生、終点まで乗るんですか?」
愛原:「いや、黒磯駅前……黒磯駅西口か。そこで乗り換えだな。上手い事、接続してくれているといいんだがな」
高橋:「ちょっと調べてみましょう」
愛原:「帰りは夜くらいでいいと思うけど、あんまり遅くならないように」
高橋:「はい。ロープウェイで山登りするだけですか?」
愛原:「いや。ついでに那須湯本温泉で日帰り入浴できたらいいと思う」
高橋:「分かりました。先生は温泉がお好きですね」
愛原:「こういう所に来たら、当たり前だろー」
高橋:「その通りですね」
思えば、私が山に行きたいと思ったのは、何らかの第六感だったのだろう。
[同日10:05~10:10.天候:晴 同市内 JR黒磯駅西口→関東自動車バス車内]
〔「黒磯駅西口です」〕
途中の黒磯駅西口のロータリーでバスを降りる。
ここから那須ロープウェイ行きのバスに乗り換えることになる。
幸い5分の乗り換えで接続しているようだ。
高橋:「先生、あのバスです」
このバス停が始発ではないため、那須ロープウェイ行きのバスには既に先客が乗っていた。
那須温泉郷の中でもメジャーな方に向かうせいか、私達が乗って来たバスよりも乗客が多かった。
愛原:「1時間くらい揺られることになるから、まあゆっくりしようか」
2人席に腰かけて、私は言った。
高橋:「本当に観光ですね」
愛原:「当たり前だろ」
リサはバスの路線図を見ながら……。
リサ:「『お菓子の城』……『チーズガーデン』……」
絵恋:「リサさんは食欲全開ね。私は、この『恋人の聖地』ってのがすっごく気になるんだけどォ?」
リサ:「でも、先生の決めた行き先が第一」
絵恋:「ええーっ!?」
高橋:「それにしても先生、海ではなく、山の方へ行かれるとはさすがです」
愛原:「そうかな?内陸部の栃木県で、山の方に行くというのは自然だと思うけど……」
高橋:「夏は海っスか?」
愛原:「オマエのせいで八丈島まで行くハメになったんだからな?」
高橋:「さ、サーセン!」
愛原:「オマケにBSAAの掃討作戦にまで巻き込まれて」
高橋:「いや、ほんっとサーセンっス!」
愛原:「まあ、いいけど……」
[同日11:12.天候:晴 栃木県那須郡那須町 那須ロープウェイ山麓駅]
〔「ご乗車ありがとうございました。終点、那須ロープウェイです。お忘れ物、落とし物の無いよう、ご注意ください」〕
バスが終点に到着する。
ロープウェイの山麓駅前には駐車場があり、その中にバス停があった。
バスはその前で止まる。
バス車内でも広告などで大々的にローブウェイの宣伝をしているのは、ロープウェイの運行会社も同じ関東自動車だからだろう。
リサ:「先生、ちょっとトイレいい?」
愛原:「ああ、いいよ。ロープウェイに乗る前に、少し休憩しよう」
さすがにホテル天長園前から黒磯駅西口まで30分、そこからこのロープウェイ乗り場まで約1時間。
しかも車種は普通の路線バスとなれば、多少腰も痛くなるというもの。
その腰痛を癒やす為にも、帰り際は那須湯本温泉で一っ風呂浴びたいものだ。
高橋:「先生。まだ麓だってのに、若干涼しいですね」
私達もトイレに行きがてら、高橋がそんなことを言った。
愛原:「まあ、そうだろう。いくら山麓っつったって、街からだいぶ離れたし、それも山の方に向かって進んだわけだから、多少の標高はあるだろう」
静岡で言えば、今は大石寺の境内辺りにいるようなものか。
そこから更にロープウェイで山頂に向かおうというのだから……。
愛原:「山頂はもっと涼しいぞ。ヘタすりゃまだ寒いかもな?」
高橋:「えっ?もう5月なのに……」
愛原:「富士山だって、まだ5月だと雪を被ってるだろ?それと同じだよ」
高橋:「富士山ほどは高くない山ですよね?」
もちろん本格的な登山をするつもりはなく、あくまで山頂駅付近を散策してみるだけだ。
愛原:「おはよう……」
高橋:「おはようございまっス……」
スマホのアラームが鳴って、私達は起床した。
高橋:「今日は風呂どうします?」
愛原:「いや……昨夜でお腹いっぱいになったよ」
高橋:「そうですか」
愛原:「行きたかったらオマエ、行っていいぞ」
高橋:「いや、いいです」
起き上がって洗面所に向かう。
まだ、リサ達は起きていないようだった。
後で起こしてやろう。
高橋:「先生、今日はどちらへ?もうここはチェックアウトですよね?」
愛原:「そうだ。俺的には観光して帰りたいところだな」
高橋:「いいと思います」
さて、どうするか……。
[同日08:00.天候:晴 同ホテル8Fレストラン]
女将:「おはようございます」
愛原:「おはようございます」
レストランに行くと、既に朝食は用意されていた。
今日も天気が良いので、窓からは那須連峰が見える。
愛原:「山か……」
高橋:「はい?」
愛原:「今日は山の方に行ってみるか」
高橋:「それはいいですね」
女将:「ロープウェイも運行されていますし、きっと景色もいいですよ」
とのこと。
愛原:「よし。今日はそこまで行ってみよう。お嬢さん方、それでいいかね?」
リサ:「うん」
絵恋:「わ、私はリサさんと一緒ならどこでも……」
高橋:「お供します!地獄の果ての果てまでも!!」
愛原:「そんな所ヘは行かん!」
[同日09:35.天候:晴 ホテル出入口前・栃木県道369号線(板室街道)上→関東自動車バス車内]
朝食を終えてから部屋に戻り、浴衣から私服に着替えた。
リサ達は再び制服に着替える。
それから荷物を纏めてチェックアウトした。
愛原:「どうも、お世話になりました」
女将:「こちらこそ、ありがとうございました」
普通はエントランスまでだろうに、女将の上野母娘はバス通りまで見送りに来てくれた。
女将:「是非、また来てくださいね」
愛原:「良かったら、東京にも来てくださいよ。『最も危険な12人の巫女たち』は、もうこのリサしかいませんから」
女将:「そうですね。いつか、そうさせて頂きます」
高橋:「先生、バスが来ましたよ」
愛原:「ああ、止まってもらって」
高橋は『いいね!』のポーズを取ると、
高橋:「ヘイ、タクシー!」
と、叫んだ。
リサ:「お兄ちゃん、タクシーちゃう!」
と、すかさず妹分のリサに突っ込まれる。
とはいうものの、バスの運転手は高橋のアクションに気づいてか、左ウィンカーを上げ、停車してくれた。
愛原:「それではお世話さまでした」
女将:「あの……リサさん」
リサ:「はい?」
女将さんはリサの手を取った。
女将:「あなたはもう一人ぼっちでは、ありませんので、どうか……」
リサ:「……うん」
リサは最後にバスに乗り込んだ。
引き戸の中扉が閉まり、すぐにバスが発車する。
1番後ろの座席に座ると、リサは見送る母娘に向かって手を振った。
高橋:「先生、終点まで乗るんですか?」
愛原:「いや、黒磯駅前……黒磯駅西口か。そこで乗り換えだな。上手い事、接続してくれているといいんだがな」
高橋:「ちょっと調べてみましょう」
愛原:「帰りは夜くらいでいいと思うけど、あんまり遅くならないように」
高橋:「はい。ロープウェイで山登りするだけですか?」
愛原:「いや。ついでに那須湯本温泉で日帰り入浴できたらいいと思う」
高橋:「分かりました。先生は温泉がお好きですね」
愛原:「こういう所に来たら、当たり前だろー」
高橋:「その通りですね」
思えば、私が山に行きたいと思ったのは、何らかの第六感だったのだろう。
[同日10:05~10:10.天候:晴 同市内 JR黒磯駅西口→関東自動車バス車内]
〔「黒磯駅西口です」〕
途中の黒磯駅西口のロータリーでバスを降りる。
ここから那須ロープウェイ行きのバスに乗り換えることになる。
幸い5分の乗り換えで接続しているようだ。
高橋:「先生、あのバスです」
このバス停が始発ではないため、那須ロープウェイ行きのバスには既に先客が乗っていた。
那須温泉郷の中でもメジャーな方に向かうせいか、私達が乗って来たバスよりも乗客が多かった。
愛原:「1時間くらい揺られることになるから、まあゆっくりしようか」
2人席に腰かけて、私は言った。
高橋:「本当に観光ですね」
愛原:「当たり前だろ」
リサはバスの路線図を見ながら……。
リサ:「『お菓子の城』……『チーズガーデン』……」
絵恋:「リサさんは食欲全開ね。私は、この『恋人の聖地』ってのがすっごく気になるんだけどォ?」
リサ:「でも、先生の決めた行き先が第一」
絵恋:「ええーっ!?」
高橋:「それにしても先生、海ではなく、山の方へ行かれるとはさすがです」
愛原:「そうかな?内陸部の栃木県で、山の方に行くというのは自然だと思うけど……」
高橋:「夏は海っスか?」
愛原:「オマエのせいで八丈島まで行くハメになったんだからな?」
高橋:「さ、サーセン!」
愛原:「オマケにBSAAの掃討作戦にまで巻き込まれて」
高橋:「いや、ほんっとサーセンっス!」
愛原:「まあ、いいけど……」
[同日11:12.天候:晴 栃木県那須郡那須町 那須ロープウェイ山麓駅]
〔「ご乗車ありがとうございました。終点、那須ロープウェイです。お忘れ物、落とし物の無いよう、ご注意ください」〕
バスが終点に到着する。
ロープウェイの山麓駅前には駐車場があり、その中にバス停があった。
バスはその前で止まる。
バス車内でも広告などで大々的にローブウェイの宣伝をしているのは、ロープウェイの運行会社も同じ関東自動車だからだろう。
リサ:「先生、ちょっとトイレいい?」
愛原:「ああ、いいよ。ロープウェイに乗る前に、少し休憩しよう」
さすがにホテル天長園前から黒磯駅西口まで30分、そこからこのロープウェイ乗り場まで約1時間。
しかも車種は普通の路線バスとなれば、多少腰も痛くなるというもの。
その腰痛を癒やす為にも、帰り際は那須湯本温泉で一っ風呂浴びたいものだ。
高橋:「先生。まだ麓だってのに、若干涼しいですね」
私達もトイレに行きがてら、高橋がそんなことを言った。
愛原:「まあ、そうだろう。いくら山麓っつったって、街からだいぶ離れたし、それも山の方に向かって進んだわけだから、多少の標高はあるだろう」
静岡で言えば、今は大石寺の境内辺りにいるようなものか。
そこから更にロープウェイで山頂に向かおうというのだから……。
愛原:「山頂はもっと涼しいぞ。ヘタすりゃまだ寒いかもな?」
高橋:「えっ?もう5月なのに……」
愛原:「富士山だって、まだ5月だと雪を被ってるだろ?それと同じだよ」
高橋:「富士山ほどは高くない山ですよね?」
もちろん本格的な登山をするつもりはなく、あくまで山頂駅付近を散策してみるだけだ。
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