[8月28日09:00.天候:晴 宮城県仙台市宮城野区福室 仙台コロナワールド(キャッスルイン仙台)]
昨夜、仙台の地下鉄がBOWに襲われた。
時間帯的に、あれ?と思うところがあった。
高橋:「先生、リサとビアンガキは散髪に行きました」
愛原:「そうか。今から大体2時間くらいってとこか」
高橋:「そうっスね。で、俺達はどうします?」
愛原:「情報収集だよ、そりゃ」
私はホテルの客室にいる。
ここならネットもテレビもあるので、チェックアウトギリギリまでいようと思う。
善場:「おはようございます、愛原所長」
愛原:「善場さん、おはようございます」
私のスマホに善場主任から電話が掛かってきた。
愛原:「今朝のニュースですが、やっぱりBOWのしわざで間違い無いですか?」
善場:「はい。BSAAの報告では間違い無いようです」
愛原:「BOWはハンターですか?」
善場:「いえ、G生物の原型……つまり、リサ・トレヴァーの原型と言って良いものだと思います」
愛原:「私達が調査した地下道と関係があるんですね?」
善場:「はい。所長達が調査された際、屋敷に向かう方が崩れていたわけですね?」
愛原:「そうです」
その為、私達は屋敷跡へ向かうのを豪快に挫折したのだ。
善場:「BOWはその崩壊の向こう側、つまり屋敷跡から来たようです。瓦礫を壊して来たということですね。そして例の地下道を進み、行き止まりの壁を壊して突き進んだ。その先が地下鉄のトンネルだったわけです。そこへたまたまやってきた電車を襲ったということでしょう」
愛原:「それなんですが、あれ?と思うことがありまして……」
善場:「何でしょう?」
愛原:「襲われた電車というのが、もしかしたら私達が乗っていたヤツかもしれないんですよ」
善場:「と言いますと?」
愛原:「もし私達が一泊せず、昨日中に帰ろうとしたならば、最終の新幹線にしようと思ったんです。仙台21時47分発“やまびこ”70号ですね。もしも私達がコロナワールドで一泊せず、最終の新幹線で帰ろうとしたなら、多分乗っていたと思います。……偶然ですかね?」
善場:「その確率は高いですが、一応お聞かせください。宿泊することになったのは何故ですか?」
愛原:「斉藤社長から娘さんのお守りを頼まれたからです。八丈島だけでなく、仙台でもということでね」
善場:「なるほど。斉藤社長ですか……」
高橋:「先生、先生」
高橋が私の肩を叩く。
愛原:「何だよ?」
高橋:「あれを!」
高橋がテレビを指さした。
そこでは今話題の地下鉄の事件のことをやっている。
今、被害者の名前がで出ているところだった。
それを見ると……。
愛原:「五十嵐親子!?」
善場:「は?」
愛原:「今、テレビで五十嵐親子がその電車に乗っていて、襲われて意識不明の重体って出てます!」
善場:「その情報は初めてです。すぐに向かいます。というか、もう向かっている最中ですけど」
愛原:「ああ、それで新幹線の走行音が聞こえるんですね」
ちゃんとデッキに出て話をしているようだ。
善場:「しかし参りました。確かにあの親子が都内にいないというのは分かっていました。しかし、まだ仙台にいたとは……」
愛原:「そうですね。しかも車で来たはずなのに、どうして地下鉄に乗っていたのやら……」
善場:「五十嵐親子は、あのタイミングでBOWが襲ってくることを知っていたのかもしれませんね。それで自分達で対処しようとして、逆にやられてしまったか。旧アンブレラ関係者にはよくある末路です。……まだ、亡くなってはいないようですが」
愛原:「どこの病院に運ばれたんでしょうね」
善場:「それはこちらで調査します。愛原所長方は、今の任務を優先してください」
愛原:「分かりました」
さすがに、もう民間の探偵業者の出る幕ではないか。
愛原:「あっと、すいません。ちょっと着信が入りました。また後で情報が入りましたら……はい、よろしくお願いします」
私は一旦電話を切った。
愛原:「もしもし。お待たせしましたー」
斉藤秀樹:「ああ、愛原さん。お忙しいところ、失礼します」
愛原:「斉藤社長、おはようございます」
秀樹:「仙台の方ですが、大変なことが起きたようですな」
愛原:「はい。ですが、私達は無事です。ただ、地下鉄が不通になってしまったので、どうやって仙台駅まで行こうか悩んでいるところですが……」
秀樹:「何でしたら、娘のタクシーチケットを使ってください」
愛原:「ありがとうございます。ですが、なるべく公共交通機関を使いたいと思います」
秀樹:「そうですか。ですが、あまり無理はなさらないでください。それより、五十嵐氏の埼玉県の住所がわかりましたよ」
愛原:「おおっ、さすが斉藤社長です」
秀樹:「今から言いますので、メモしてください」
愛原:「はい!」
私はメモ用紙を用意した。
部屋の電話機の横にそれはある。
愛原:「埼玉県川口市……ですか。本当に川口ナンバーですね」
個人商店として薬局を営んでいるらしい。
愛原;「その五十嵐親子ですが、昨夜の地下鉄事故に巻き込まれて意識不明の重体だそうです」
秀樹:「何ですって!?」
愛原:「私も信じられないんですが、今テレビでやってますよ」
秀樹:「意識不明の重体……何てことだ……」
愛原:「せっかく色々な情報が聞き出せると思ったのに残念です」
秀樹:「口封じ……」
愛原:「え?」
秀樹:「いや、もしかしたら、誰かが愛原さん達に情報が流れるのを恐れて口封じをしたのかもしれないと思いまして」
愛原:「社長、そのような者に何か心当たりが?」
秀樹:「未だに謎の組織というのは存在しますからね。そういった所から見れば、五十嵐氏の存在を快く思わない者もいると思うんですよ」
愛原:「! 未だに国内にいるという、旧アンブレラ関係者……!?」
秀樹:「五十嵐氏を見限った……ね。五十嵐氏は英断だったと思いますが、反発者達は『会社倒産を阻止できなかった無能者』で、尚且つ『しかも元社長の立場で、危険な情報を握っている爆弾』と思っても不思議ではありません」
愛原:「何か複雑ですね」
秀樹:「愛原リサさんの価値は、BOWとして最高の物です。けして悪用を考えている奴らに取られないよう、注意してください」
愛原:「わ、分かりました」
私は電話を切った。
リサは将来、善場さんの所属する政府機関で働くことが決まっている。
それでいいはずだ。
問題は、他の奴らも狙っているということか。
昨夜、仙台の地下鉄がBOWに襲われた。
時間帯的に、あれ?と思うところがあった。
高橋:「先生、リサとビアンガキは散髪に行きました」
愛原:「そうか。今から大体2時間くらいってとこか」
高橋:「そうっスね。で、俺達はどうします?」
愛原:「情報収集だよ、そりゃ」
私はホテルの客室にいる。
ここならネットもテレビもあるので、チェックアウトギリギリまでいようと思う。
善場:「おはようございます、愛原所長」
愛原:「善場さん、おはようございます」
私のスマホに善場主任から電話が掛かってきた。
愛原:「今朝のニュースですが、やっぱりBOWのしわざで間違い無いですか?」
善場:「はい。BSAAの報告では間違い無いようです」
愛原:「BOWはハンターですか?」
善場:「いえ、G生物の原型……つまり、リサ・トレヴァーの原型と言って良いものだと思います」
愛原:「私達が調査した地下道と関係があるんですね?」
善場:「はい。所長達が調査された際、屋敷に向かう方が崩れていたわけですね?」
愛原:「そうです」
その為、私達は屋敷跡へ向かうのを豪快に挫折したのだ。
善場:「BOWはその崩壊の向こう側、つまり屋敷跡から来たようです。瓦礫を壊して来たということですね。そして例の地下道を進み、行き止まりの壁を壊して突き進んだ。その先が地下鉄のトンネルだったわけです。そこへたまたまやってきた電車を襲ったということでしょう」
愛原:「それなんですが、あれ?と思うことがありまして……」
善場:「何でしょう?」
愛原:「襲われた電車というのが、もしかしたら私達が乗っていたヤツかもしれないんですよ」
善場:「と言いますと?」
愛原:「もし私達が一泊せず、昨日中に帰ろうとしたならば、最終の新幹線にしようと思ったんです。仙台21時47分発“やまびこ”70号ですね。もしも私達がコロナワールドで一泊せず、最終の新幹線で帰ろうとしたなら、多分乗っていたと思います。……偶然ですかね?」
善場:「その確率は高いですが、一応お聞かせください。宿泊することになったのは何故ですか?」
愛原:「斉藤社長から娘さんのお守りを頼まれたからです。八丈島だけでなく、仙台でもということでね」
善場:「なるほど。斉藤社長ですか……」
高橋:「先生、先生」
高橋が私の肩を叩く。
愛原:「何だよ?」
高橋:「あれを!」
高橋がテレビを指さした。
そこでは今話題の地下鉄の事件のことをやっている。
今、被害者の名前がで出ているところだった。
それを見ると……。
愛原:「五十嵐親子!?」
善場:「は?」
愛原:「今、テレビで五十嵐親子がその電車に乗っていて、襲われて意識不明の重体って出てます!」
善場:「その情報は初めてです。すぐに向かいます。というか、もう向かっている最中ですけど」
愛原:「ああ、それで新幹線の走行音が聞こえるんですね」
ちゃんとデッキに出て話をしているようだ。
善場:「しかし参りました。確かにあの親子が都内にいないというのは分かっていました。しかし、まだ仙台にいたとは……」
愛原:「そうですね。しかも車で来たはずなのに、どうして地下鉄に乗っていたのやら……」
善場:「五十嵐親子は、あのタイミングでBOWが襲ってくることを知っていたのかもしれませんね。それで自分達で対処しようとして、逆にやられてしまったか。旧アンブレラ関係者にはよくある末路です。……まだ、亡くなってはいないようですが」
愛原:「どこの病院に運ばれたんでしょうね」
善場:「それはこちらで調査します。愛原所長方は、今の任務を優先してください」
愛原:「分かりました」
さすがに、もう民間の探偵業者の出る幕ではないか。
愛原:「あっと、すいません。ちょっと着信が入りました。また後で情報が入りましたら……はい、よろしくお願いします」
私は一旦電話を切った。
愛原:「もしもし。お待たせしましたー」
斉藤秀樹:「ああ、愛原さん。お忙しいところ、失礼します」
愛原:「斉藤社長、おはようございます」
秀樹:「仙台の方ですが、大変なことが起きたようですな」
愛原:「はい。ですが、私達は無事です。ただ、地下鉄が不通になってしまったので、どうやって仙台駅まで行こうか悩んでいるところですが……」
秀樹:「何でしたら、娘のタクシーチケットを使ってください」
愛原:「ありがとうございます。ですが、なるべく公共交通機関を使いたいと思います」
秀樹:「そうですか。ですが、あまり無理はなさらないでください。それより、五十嵐氏の埼玉県の住所がわかりましたよ」
愛原:「おおっ、さすが斉藤社長です」
秀樹:「今から言いますので、メモしてください」
愛原:「はい!」
私はメモ用紙を用意した。
部屋の電話機の横にそれはある。
愛原:「埼玉県川口市……ですか。本当に川口ナンバーですね」
個人商店として薬局を営んでいるらしい。
愛原;「その五十嵐親子ですが、昨夜の地下鉄事故に巻き込まれて意識不明の重体だそうです」
秀樹:「何ですって!?」
愛原:「私も信じられないんですが、今テレビでやってますよ」
秀樹:「意識不明の重体……何てことだ……」
愛原:「せっかく色々な情報が聞き出せると思ったのに残念です」
秀樹:「口封じ……」
愛原:「え?」
秀樹:「いや、もしかしたら、誰かが愛原さん達に情報が流れるのを恐れて口封じをしたのかもしれないと思いまして」
愛原:「社長、そのような者に何か心当たりが?」
秀樹:「未だに謎の組織というのは存在しますからね。そういった所から見れば、五十嵐氏の存在を快く思わない者もいると思うんですよ」
愛原:「! 未だに国内にいるという、旧アンブレラ関係者……!?」
秀樹:「五十嵐氏を見限った……ね。五十嵐氏は英断だったと思いますが、反発者達は『会社倒産を阻止できなかった無能者』で、尚且つ『しかも元社長の立場で、危険な情報を握っている爆弾』と思っても不思議ではありません」
愛原:「何か複雑ですね」
秀樹:「愛原リサさんの価値は、BOWとして最高の物です。けして悪用を考えている奴らに取られないよう、注意してください」
愛原:「わ、分かりました」
私は電話を切った。
リサは将来、善場さんの所属する政府機関で働くことが決まっている。
それでいいはずだ。
問題は、他の奴らも狙っているということか。