[8月25日11:00.天候:晴 宮城県遠田郡美里町 愛原公一の家]
私達は公一伯父さんの運転する車で、とある一軒家に着いた。
国道108号線から1本、町道に入った場所にある平屋建ての一軒家だ。
農家にしては小さい家だと思うが、しかし1人で住むにしては大きな家ということになるだろう。
敷地内にはこのプリウスの他に農作業用なのか、軽トラが1台あり、耕運機もあった。
愛原公一:「ほりェ、着いたぞ」
愛原学:「ありがとうございます」
私は無事に到着できたことを心底喜んだ。
柴犬:「ワンッ!ワンワン!ワンッ!」
学:「おわっと!?そ、そうか。伯父さん、確か犬飼ってるんだったっけ」
見た目はオーソドックスな白い柴犬。
高橋:「あぁ?何だこの犬?」
公一:「ジョン!ただいまだで!」
吠えながら尻尾を振っているところをみると、喜んでいるらしい。
私とは昔1度会っているはずなのだが、すっかり忘れられているようだ。
ジョン:「ハッハッハッハッ!」
伯父さんに撫でられると、ジョンは更に尻尾を振るのだった。
リサ:「かわいいワンちゃんだねー!」
リサが近づくと……。
柴犬:「ワウ?」
リサ:「よーし、よしよしよし。私はリサだよー」
ビクッとして固まるジョン。
リサは見た目には人間そのものの姿をしているのだが、野性の勘は誤魔化せなかったようだ。
リサ:「おとなしくてかわいいワンちゃんですねー」
リサ、無邪気にジョンの頭をナデナデする。
公一:「そうだろそうだろ。ジョンは人懐こくて、番犬にはちと向いとらん性格だで」
高橋:「俺には敵意剥き出して吠えてたぜ?」
ジョン:((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル(←ジョンにはリサの瞳が赤く光り、牙が覗いているように見える)
学:「リサ、その辺で。ジョンが怖がってるぞ」
リサ:「えー?別に犬は美味しそうじゃないから食べないよー?」
ジョン:「ワウッ!?ワゥゥゥン!」
ジョン、ついに怖がって尻尾を足の間に挟めて震え出した。
公一:「おい、ジョン。一体、どうしたというんだ?今日も暑いから家の中に入ってなさい」
しかしジョンはリサがいる間は、けして家の中に入ろうとしなかった。
公一:「来客が2人も来たので、驚いているのか……」
学:「きっとそうですよ」
私達は家の中に入らせてもらった。
ジョンがいたからか、家の中は既に冷房が入っていて涼しい。
犬は暑さに弱いので、夏場は家の中にいさせる場合、冷房を常に点けてあげる必要がある。
公一:「ちょうどこの前取れた西瓜を冷やしておいた。これを御馳走しよう」
学:「西瓜かぁ。まだ今年は食べてなかったな」
公一:「そうじゃろそうじゃろ」
リサ:「むふー!」
リサは何故か鼻息を荒くした。
そして、バッグの中からタオルを出して目隠しを作った。
リサ:「西瓜割り!西瓜割りやりたい!」
学:「リサ。それは浜辺でやるものだよ」
リサ:「浜辺行こ!」
学:「美里町には海が無い」
だから東日本大震災の時、津波の被害は一切無かったと聞く。
公一:「なら、庭でやれば良い。棒ならあるぞ」
学:「すいませんねぇ……」
リサ:「兄ちゃんもやろ!」
高橋:「俺はいいよ」
リサ:「西瓜が割れなかったら、顔に墨で落書きするんでしょ!?」
学:「いや、それはお正月の羽根つきのことだと思うが……」
公一:「何か、色々と間違っているようだが?」
学:「す、すいません。リサは日本文化が……」
公一:「まあ、仕方が無い。とにかく西瓜割り、最近の子供は知らんと聞く。この嘆かわしい事態を打開するのだ」
学:「大げさな……」
私達は庭に出た。
そして、私はリサに目隠しをした。
学:「どうだ?前が見えないか?」
リサ:「うん。あとはどうするの?亀甲縛り?ボンデージ?」
学:「いや、全然違うから」
高橋:「アメリカのオリジナル版リサ・トレヴァーみたいに、手枷・足枷してやったらどうっスか?」
学:「アホか。3回回るだけでいいんだ。あとは……」
高橋:「ワンと鳴く」
リサ:「ワン!」
ジョン:Σ(゚Д゚)
学:「高橋!……こうして、少し目が回った状態で西瓜を割りに行く」
リサ:「はーい」
リサはフラフラと西瓜の方に向かって歩いていった。
だが、ここでまた高橋がフザけやがる。
高橋:「おーい、もう少し真っ直ぐだぞー」
高橋は西瓜をこっそり抱えて、リサの後ろに回る。
そして、リサを明後日の方向に歩かせた。
高橋:「よーし!西瓜に向かって棒を振り下ろせ!」
リサ:「了解!」
リサはフンフンと鼻を鳴らして、西瓜の位置を特定した。
そして!
リサ:「でやぁーっ!」
リサはクルッと高橋の方向を向くと、棒を槍投げのようにブン投げた。
高橋:「え?」
棒は超驚異的なスピードで、高橋の抱えている西瓜に突き刺さった。
突き刺さった部分から、西瓜の中身が血のように噴き出し、滴り落ちた。
高橋:「は、はひ……?」
学:「り、リサの勝ち!」
私はリサの目隠しを取ると、右手を挙げさせた。
リサ:「エッヘン」
公一:「……何じゃこれ?」
公一伯父さんも縁側に座って、呆然としていた。
リサ:「お兄ちゃん、私、鼻が利くんだよ?知らなかったぁ?」
高橋:「いや、オマ……!そ、それにしても、それにしてもだな!これは無いだろう!?」
西瓜が串に刺さった玉コンニャクのようになっていた。
学:「でも伯父さん、さすがにこの西瓜はもう食べれないですよね?」
公一:「う、うむ。これはジョンのおやつにしよう。し、心配せずとも、こんなこともあろうかと、もう一玉冷やしておる」
リサ:「わーい!もう1回やるー!」
学・高橋・公一:「せんでいい!」
ジョン:(やっぱりこの女、バケモノだワン……)
私達は公一伯父さんの運転する車で、とある一軒家に着いた。
国道108号線から1本、町道に入った場所にある平屋建ての一軒家だ。
農家にしては小さい家だと思うが、しかし1人で住むにしては大きな家ということになるだろう。
敷地内にはこのプリウスの他に農作業用なのか、軽トラが1台あり、耕運機もあった。
愛原公一:「ほりェ、着いたぞ」
愛原学:「ありがとうございます」
私は無事に到着できたことを心底喜んだ。
柴犬:「ワンッ!ワンワン!ワンッ!」
学:「おわっと!?そ、そうか。伯父さん、確か犬飼ってるんだったっけ」
見た目はオーソドックスな白い柴犬。
高橋:「あぁ?何だこの犬?」
公一:「ジョン!ただいまだで!」
吠えながら尻尾を振っているところをみると、喜んでいるらしい。
私とは昔1度会っているはずなのだが、すっかり忘れられているようだ。
ジョン:「ハッハッハッハッ!」
伯父さんに撫でられると、ジョンは更に尻尾を振るのだった。
リサ:「かわいいワンちゃんだねー!」
リサが近づくと……。
柴犬:「ワウ?」
リサ:「よーし、よしよしよし。私はリサだよー」
ビクッとして固まるジョン。
リサは見た目には人間そのものの姿をしているのだが、野性の勘は誤魔化せなかったようだ。
リサ:「おとなしくてかわいいワンちゃんですねー」
リサ、無邪気にジョンの頭をナデナデする。
公一:「そうだろそうだろ。ジョンは人懐こくて、番犬にはちと向いとらん性格だで」
高橋:「俺には敵意剥き出して吠えてたぜ?」
ジョン:((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル(←ジョンにはリサの瞳が赤く光り、牙が覗いているように見える)
学:「リサ、その辺で。ジョンが怖がってるぞ」
リサ:「えー?別に犬は美味しそうじゃないから食べないよー?」
ジョン:「ワウッ!?ワゥゥゥン!」
ジョン、ついに怖がって尻尾を足の間に挟めて震え出した。
公一:「おい、ジョン。一体、どうしたというんだ?今日も暑いから家の中に入ってなさい」
しかしジョンはリサがいる間は、けして家の中に入ろうとしなかった。
公一:「来客が2人も来たので、驚いているのか……」
学:「きっとそうですよ」
私達は家の中に入らせてもらった。
ジョンがいたからか、家の中は既に冷房が入っていて涼しい。
犬は暑さに弱いので、夏場は家の中にいさせる場合、冷房を常に点けてあげる必要がある。
公一:「ちょうどこの前取れた西瓜を冷やしておいた。これを御馳走しよう」
学:「西瓜かぁ。まだ今年は食べてなかったな」
公一:「そうじゃろそうじゃろ」
リサ:「むふー!」
リサは何故か鼻息を荒くした。
そして、バッグの中からタオルを出して目隠しを作った。
リサ:「西瓜割り!西瓜割りやりたい!」
学:「リサ。それは浜辺でやるものだよ」
リサ:「浜辺行こ!」
学:「美里町には海が無い」
だから東日本大震災の時、津波の被害は一切無かったと聞く。
公一:「なら、庭でやれば良い。棒ならあるぞ」
学:「すいませんねぇ……」
リサ:「兄ちゃんもやろ!」
高橋:「俺はいいよ」
リサ:「西瓜が割れなかったら、顔に墨で落書きするんでしょ!?」
学:「いや、それはお正月の羽根つきのことだと思うが……」
公一:「何か、色々と間違っているようだが?」
学:「す、すいません。リサは日本文化が……」
公一:「まあ、仕方が無い。とにかく西瓜割り、最近の子供は知らんと聞く。この嘆かわしい事態を打開するのだ」
学:「大げさな……」
私達は庭に出た。
そして、私はリサに目隠しをした。
学:「どうだ?前が見えないか?」
リサ:「うん。あとはどうするの?亀甲縛り?ボンデージ?」
学:「いや、全然違うから」
高橋:「アメリカのオリジナル版リサ・トレヴァーみたいに、手枷・足枷してやったらどうっスか?」
学:「アホか。3回回るだけでいいんだ。あとは……」
高橋:「ワンと鳴く」
リサ:「ワン!」
ジョン:Σ(゚Д゚)
学:「高橋!……こうして、少し目が回った状態で西瓜を割りに行く」
リサ:「はーい」
リサはフラフラと西瓜の方に向かって歩いていった。
だが、ここでまた高橋がフザけやがる。
高橋:「おーい、もう少し真っ直ぐだぞー」
高橋は西瓜をこっそり抱えて、リサの後ろに回る。
そして、リサを明後日の方向に歩かせた。
高橋:「よーし!西瓜に向かって棒を振り下ろせ!」
リサ:「了解!」
リサはフンフンと鼻を鳴らして、西瓜の位置を特定した。
そして!
リサ:「でやぁーっ!」
リサはクルッと高橋の方向を向くと、棒を槍投げのようにブン投げた。
高橋:「え?」
棒は超驚異的なスピードで、高橋の抱えている西瓜に突き刺さった。
突き刺さった部分から、西瓜の中身が血のように噴き出し、滴り落ちた。
高橋:「は、はひ……?」
学:「り、リサの勝ち!」
私はリサの目隠しを取ると、右手を挙げさせた。
リサ:「エッヘン」
公一:「……何じゃこれ?」
公一伯父さんも縁側に座って、呆然としていた。
リサ:「お兄ちゃん、私、鼻が利くんだよ?知らなかったぁ?」
高橋:「いや、オマ……!そ、それにしても、それにしてもだな!これは無いだろう!?」
西瓜が串に刺さった玉コンニャクのようになっていた。
学:「でも伯父さん、さすがにこの西瓜はもう食べれないですよね?」
公一:「う、うむ。これはジョンのおやつにしよう。し、心配せずとも、こんなこともあろうかと、もう一玉冷やしておる」
リサ:「わーい!もう1回やるー!」
学・高橋・公一:「せんでいい!」
ジョン:(やっぱりこの女、バケモノだワン……)