[8月25日09:21.天候:晴 宮城県仙台市青葉区 仙台市地下鉄仙台駅→JR仙台駅]
〔仙台、仙台。南北線、JR線、仙台空港アクセス線はお乗り換えです〕
私達は乗換駅である仙台駅に到着した。
ここで降りる乗客は多く、私達もその一部というわけだ。
電車を降りると、改札階に向かうエスカレーターに乗る。
高橋:「長いエスカレーターっつーか、階段を見ると、霧生市の駅を思い出しますね」
愛原:「ああ、霧生電鉄の霞台団地駅か。そうだなぁ……」
思えば私達は、よくあんな地獄で生き残ったものだ。
さすがに町1つが無くなるようなバイオハザードは、もう勘弁だ。
愛原:「9時46分発、小牛田行き。あれに乗ろう」
地下鉄の駅からJRの駅へ移動した私達。
私は発車標を見て言った。
愛原:「1番線だな」
今は地下鉄もJRもICカード1枚で乗れるから便利なものだ。
キップで乗るのは新幹線くらいか。
〔本日もJR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございます。今度の1番線の列車は、9時46分発、普通、小牛田行きです。この列車は、4両です。……〕
愛原:「もしもし、伯父さん?おはようございます。今、仙台駅なんで。9時46分発の電車に乗るから、小牛田駅に着くのが……10時半くらい?」
私は公一伯父さんに電話した。
電話にはすぐ出てくれて、乗る電車と到着時間について話した。
そのタイミングで迎えに来てくれるという。
これで定時連絡は終わった。
愛原:「暑いから水分補給忘れるなよ」
高橋:「うっス。俺はヤニの補給も忘れません」
愛原:「喫煙所に行けよ!」
仙台駅在来線ホームって、まだ喫煙所あったっけ?
〔まもなく1番線に、当駅止まりの列車が参ります。危ないですから、黄色い点字ブロックの内側まで、お下がりください。この列車は、4両です。折り返し、9時46分発、普通、小牛田行きとなります。……〕
さすがに、『グリーン車が付いております』とは言わないか。
この路線の東京側は、全列車2階建てグリーン車が連結されていて当たり前なのだが。
愛原:「久しぶりに3ドア車に乗るなぁ……」
今や首都圏側の中距離電車も、4ドア車が基本となってしまった。
6ドア車なんて無かった。
ここまでの乗客が降りて行って、ガラ空きとなった車内に入る。
ボックスシートがあって、そこに座った。
首都圏の中距離電車のそれと違って、シートピッチは明らかに広い。
また、窓の下にテーブルもあった。
そこには窪みが2つ付いていて、明らかにそこに飲み物を置くことが想定されていた。
御言葉(ではないが)に甘えて、そこに買ったペットボトルを置く。
〔この電車は東北本線、普通、小牛田行きです〕
〔This is the Tohoku line train for Kogota.〕
リサを進行方向向きの窓側に座らせ、私は隣の通路側に座る。
高橋はリサの向かい側に座るが、スマホいじりに夢中である。
私は買った新聞で、例の爆発事故の続報を確認していた。
愛原:「新聞では行方不明になった警察官とかは、ガス中毒で死んだことになってるよ」
高橋:「マジっスか。マスコミはマスゴミっスね」
愛原:「しょうがない。さすがに……『ハンターに殺されました』と正直には書けんだろ」
そう。
善場主任達が『お化け屋敷』の跡を確認しに行った所、地下室跡を見つけた。
警察官達が既にその中に入って行ったのだが、誰一人出て来なかったという。
善場主任達が中に入ると、果たしてそこにはまだ生きていた爬虫類BOW、ハンターがいた。
それも、ハンターαだけでなく、赤い彗星のβや両生類から作ったγもいた。
ここにいるリサが上級BOWなのであれば、ハンターシリーズなど所詮下級であるのだが、それでも生身の人間を簡単に殺すくらいのことはできる。
発見された人骨についてだが、やはり私の見立て通り、トレヴァー夫妻である可能性が高いという。
但し、見つかった人骨は2人分だけ。
つまり、あの写真に載っていた2人の娘は相変わらず行方不明ということになる。
いや、1人は私達が見つけた地下室で白骨死体になっていたコかもしれない。
そして、もう1人はここにいるリサだろうか。
[同日09:46.天候:晴 JR東北本線2535M電車4号車内]
〔1番線から、普通、小牛田行きが発車致します。ドアが閉まります。ご注意ください。駆け込み乗車は、おやめください〕
随分ファンキーなメロディが流れたと思ったら、それが発車メロディだった。
何でも、HOUND DOGの“ff(フォルティシモ)”という曲らしい。
時計を見ると、ダイヤ通りの発車だった。
〔今日もJR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございます。この電車は東北本線、普通、小牛田行きです。【中略】次は、東仙台です〕
英語放送の後で車掌の肉声放送が流れて来た。
さすがにワンマン運転ではないらしい。
本当はこの辺りは終日半自動ドア扱いになっており、乗客がドア横のボタンを押してドアを開閉させるシステムだったのだが、新型コロナウィルス対策の為に自動ドアにしているとのことだ。
逆に、開くドアに注意してくださいとのこと。
こういう地方でも、コロナ禍は切実なものであるのだと分かる。
愛原:「『愛宕の山の木々青く 広瀬の川の水白し 桜が岡の公園は 花も若葉も月雪も』」
高橋:「鉄道唱歌っスか?」
愛原:「そう。この後は『多賀の碑(いしぶみ)ほどちかき 岩切おりて乗り換ふる 汽車は鹽竈千賀の浦 いざ船寄せよ松島に』だ」
高橋:「『多賀の碑』は国府多賀城、『岩切』は岩切、『鹽竈』は塩釜、『千賀の浦』は……何スかね?」
愛原:「いや、国府多賀城駅は新駅だから、陸前山王駅じゃないかな」
高橋:「さすが先生は教養深いっスね。さすがっス」
愛原:「ただの鉄ヲタの雑学だよ」
『次に来るは古賀間々田 両手広げて我が汽車を 万歳と呼ぶ子供あり 思へば今日は日曜か』
区間が全然違うが、途中で電車に手を振る子供がいた。
電車は軽く警笛を鳴らし、つられて車窓をジッと見ていたリサも手を振り返したことで、今の歌詞を思い出した。
なので、私はこの歌詞を送ろう。
『次に来るは岩切よ 右手を挙げて我が電車を バイバイと振る子供達 思へば今日も夏休み』
〔仙台、仙台。南北線、JR線、仙台空港アクセス線はお乗り換えです〕
私達は乗換駅である仙台駅に到着した。
ここで降りる乗客は多く、私達もその一部というわけだ。
電車を降りると、改札階に向かうエスカレーターに乗る。
高橋:「長いエスカレーターっつーか、階段を見ると、霧生市の駅を思い出しますね」
愛原:「ああ、霧生電鉄の霞台団地駅か。そうだなぁ……」
思えば私達は、よくあんな地獄で生き残ったものだ。
さすがに町1つが無くなるようなバイオハザードは、もう勘弁だ。
愛原:「9時46分発、小牛田行き。あれに乗ろう」
地下鉄の駅からJRの駅へ移動した私達。
私は発車標を見て言った。
愛原:「1番線だな」
今は地下鉄もJRもICカード1枚で乗れるから便利なものだ。
キップで乗るのは新幹線くらいか。
〔本日もJR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございます。今度の1番線の列車は、9時46分発、普通、小牛田行きです。この列車は、4両です。……〕
愛原:「もしもし、伯父さん?おはようございます。今、仙台駅なんで。9時46分発の電車に乗るから、小牛田駅に着くのが……10時半くらい?」
私は公一伯父さんに電話した。
電話にはすぐ出てくれて、乗る電車と到着時間について話した。
そのタイミングで迎えに来てくれるという。
これで定時連絡は終わった。
愛原:「暑いから水分補給忘れるなよ」
高橋:「うっス。俺はヤニの補給も忘れません」
愛原:「喫煙所に行けよ!」
仙台駅在来線ホームって、まだ喫煙所あったっけ?
〔まもなく1番線に、当駅止まりの列車が参ります。危ないですから、黄色い点字ブロックの内側まで、お下がりください。この列車は、4両です。折り返し、9時46分発、普通、小牛田行きとなります。……〕
さすがに、『グリーン車が付いております』とは言わないか。
この路線の東京側は、全列車2階建てグリーン車が連結されていて当たり前なのだが。
愛原:「久しぶりに3ドア車に乗るなぁ……」
今や首都圏側の中距離電車も、4ドア車が基本となってしまった。
ここまでの乗客が降りて行って、ガラ空きとなった車内に入る。
ボックスシートがあって、そこに座った。
首都圏の中距離電車のそれと違って、シートピッチは明らかに広い。
また、窓の下にテーブルもあった。
そこには窪みが2つ付いていて、明らかにそこに飲み物を置くことが想定されていた。
御言葉(ではないが)に甘えて、そこに買ったペットボトルを置く。
〔この電車は東北本線、普通、小牛田行きです〕
〔This is the Tohoku line train for Kogota.〕
リサを進行方向向きの窓側に座らせ、私は隣の通路側に座る。
高橋はリサの向かい側に座るが、スマホいじりに夢中である。
私は買った新聞で、例の爆発事故の続報を確認していた。
愛原:「新聞では行方不明になった警察官とかは、ガス中毒で死んだことになってるよ」
高橋:「マジっスか。マスコミはマスゴミっスね」
愛原:「しょうがない。さすがに……『ハンターに殺されました』と正直には書けんだろ」
そう。
善場主任達が『お化け屋敷』の跡を確認しに行った所、地下室跡を見つけた。
警察官達が既にその中に入って行ったのだが、誰一人出て来なかったという。
善場主任達が中に入ると、果たしてそこにはまだ生きていた爬虫類BOW、ハンターがいた。
それも、ハンターαだけでなく、赤い
ここにいるリサが上級BOWなのであれば、ハンターシリーズなど所詮下級であるのだが、それでも生身の人間を簡単に殺すくらいのことはできる。
発見された人骨についてだが、やはり私の見立て通り、トレヴァー夫妻である可能性が高いという。
但し、見つかった人骨は2人分だけ。
つまり、あの写真に載っていた2人の娘は相変わらず行方不明ということになる。
いや、1人は私達が見つけた地下室で白骨死体になっていたコかもしれない。
そして、もう1人はここにいるリサだろうか。
[同日09:46.天候:晴 JR東北本線2535M電車4号車内]
〔1番線から、普通、小牛田行きが発車致します。ドアが閉まります。ご注意ください。駆け込み乗車は、おやめください〕
随分ファンキーなメロディが流れたと思ったら、それが発車メロディだった。
何でも、HOUND DOGの“ff(フォルティシモ)”という曲らしい。
時計を見ると、ダイヤ通りの発車だった。
〔今日もJR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございます。この電車は東北本線、普通、小牛田行きです。【中略】次は、東仙台です〕
英語放送の後で車掌の肉声放送が流れて来た。
さすがにワンマン運転ではないらしい。
本当はこの辺りは終日半自動ドア扱いになっており、乗客がドア横のボタンを押してドアを開閉させるシステムだったのだが、新型コロナウィルス対策の為に自動ドアにしているとのことだ。
逆に、開くドアに注意してくださいとのこと。
こういう地方でも、コロナ禍は切実なものであるのだと分かる。
愛原:「『愛宕の山の木々青く 広瀬の川の水白し 桜が岡の公園は 花も若葉も月雪も』」
高橋:「鉄道唱歌っスか?」
愛原:「そう。この後は『多賀の碑(いしぶみ)ほどちかき 岩切おりて乗り換ふる 汽車は鹽竈千賀の浦 いざ船寄せよ松島に』だ」
高橋:「『多賀の碑』は国府多賀城、『岩切』は岩切、『鹽竈』は塩釜、『千賀の浦』は……何スかね?」
愛原:「いや、国府多賀城駅は新駅だから、陸前山王駅じゃないかな」
高橋:「さすが先生は教養深いっスね。さすがっス」
愛原:「ただの鉄ヲタの雑学だよ」
『次に来るは古賀間々田 両手広げて我が汽車を 万歳と呼ぶ子供あり 思へば今日は日曜か』
区間が全然違うが、途中で電車に手を振る子供がいた。
電車は軽く警笛を鳴らし、つられて車窓をジッと見ていたリサも手を振り返したことで、今の歌詞を思い出した。
なので、私はこの歌詞を送ろう。
『次に来るは岩切よ 右手を挙げて我が電車を バイバイと振る子供達 思へば今日も夏休み』