[2017年1月1日06:30.天候:晴 埼玉県さいたま市 敷島家]
アリス:「日本の夜明け、しっかりと確認したわ。今年もいいことありそうね」
敷島:「クカー……」
アリス:「起きろっ!」
ゲシッ!(敷島に蹴りを入れるアリス)
敷島:「いでっ!?」
アリス:「初日の出だよ!」
敷島:「あー、分かった分かった。俺達の部屋、角部屋で良かったな」
東端にある為、その部屋にだけ東側にも窓がある。
シンディ:「おはようございます。朝食の支度をしてもよろしいでしょうか?」
敷島:「俺はもう少し寝てから……分かった分かった!」
寝室に戻ろうとする敷島をアリスが捕まえた。
アリス:「お節料理とお雑煮とお餅を出して!」
シンディ:「かしこまりました」
敷島:「全く……」
敷島はテレビのスイッチを入れた。
〔「……ドドンパ♪ドドンパ♪思いのままに〜♪」〕
敷島:「おっ、そうか。この時間から、ミクが出てるんだったな」
アリス:「といっても、昨年の収録でしょう?」
敷島:「そうだけどさ」
〔「はしゃいでいる〜♪子犬みたいに〜♪雪に寝そべって〜♪」〕
アリス:「この日からボーカロイドがテレビに?」
敷島:「自分でスケジュール管理できるのが、ボカロのいい所だ。おかげで、うちの社員達はちゃんと正月休みが取れる」
アリス:「食べたら、初詣行くよ」
敷島:「分かった分かった。トニーも一緒に?」
アリス:「当たり前でしょう?」
敷島:「分かった分かった」
[同日10:00.天候:晴 さいたま市大宮区 氷川神社]
さいたま市大宮区(旧、大宮市)の名の由来となった神社は、多くの参拝者で賑わっていた。
敷島:(アリスの反応が外国人観光客と何ら変わらない件w)
シンディは靑を基調とした振袖に身を包んでいる。
先ほど平賀から送られてきた画像では、エミリーが色違いの赤を基調とした振袖を着ている姿が確認された。
敷島:「今年も敷島エージェンシーの業績アップを祈願するか」
アリス:「トニーの成長も神に願うのよ!」
敷島:「わ、分かってるって」
だがそんなアリスは、こんな願い事も加えていた。
アリス:(子供の頃の記憶が戻りますように……)
アリスには子供の頃の記憶が無い。
気がついた時には、アメリカの児童養護施設にいた。
そこの職員の話によると、アリスは事故で両親を失い、自分も一命を取り留めた状態だったということだ。
だが、その割には両親の遺体はもちろん、墓の場所すら教えてもらえなかった。
また、その後でウィリアム・フォレストに引き取られたのだが、そのウィリーに聞いても事故の詳細は明かされなかった。
そして成人してからも調べて回ったのだが、アリスが巻き込まれた事故そのものに行き当らなかったのである。
まるで、最初から無かったかのように。
アリス:(パパやママに無理に会いたいとは思いません。だけど、どうしていなくなったのか知りたいです)
もしかしたら、ウィリーがシンディにやらせていたテロに巻き込まれたのかと思った。
だが、いくらシンディに問い質しても否定した。
敷島:「よし、行くぞ」
アリス:「OK」
敷島:「シンディは何か願ったのか?」
シンディ:「今年も元気に稼働して、社長達にお仕えしたいですって」
敷島:「おっ、偉いぞ、シンディ。おおかた、エミリーは俺に仕えたいって話になるのかな?」
シンディ:「あの、良かったら、本当に姉さんと換えて頂いて結構なんですよ?私が代わりに記念館暮らしをしても……」
アリス:「シンディ、あなたのオーナーは私よ。勝手なこと言わないで」
シンディ:「申し訳ありません」
敷島:「だがまあ、平賀先生的にはOKみたいなんだ」
アリス:「そうなの?」
敷島:「こんなこと言っては何だが、どうも平賀先生としてはエミリーを手に余らせているみたいなんだ。記念館で展示することにしたのも、結局はそういうことなんだ。先生はメイドロイドの研究・開発に勤しんでいたわけで、別にマルチタイプを新たに造りたかったわけじゃない」
アリス:「なるほどねぇ……。でも、私だってシンディを記念館に閉じ込めておく気は無いわ。もちろん、科学館にもね。特別展示ならいいけど、常設展示させる気は無いからね。それはアルエットの役目だから」
敷島:「分かってるって。何か、いい方法無いかなぁ……」
氷川神社の境内を出て、参道を歩く敷島達。
敷島:「シンディを最高顧問の爺さんの所に出向させて、マルチタイプの扱いの難しさを体験してもらってのはどうだ?」
アリス:「却下。何度も言ってる通り、シンディのオーナーは私。敷島ファミリーの利害の対立に、私の大事なマルチタイプを使うのはやめて」
敷島:「おいおい。新しいマルチタイプは造ってくれるって話だろう?」
アリス:「あれはDCJのビジネスよ。会社の売り上げになるんだから、それは協力するよ。だけど、シンディの出向は誰得って感じでしょう?」
敷島:「ちぇっ……。いい方法があったら、後で考えることしよう」
アリス:「それが賢明ね」
[同日13:00.天候:晴 敷島家]
アリス:「もう少し着物着ていたかったのになぁ……」
敷島:「今度は雛祭りの時にでも着な」
二海:「マスター、外崎プロダクションの外崎社長がお見えです。年始の御挨拶にと」
敷島:「ああ、分かった。今行く。午後からは年始の挨拶に来るお客さんが多いから、ここにいないとな」
アリス:「そういうことだったの」
二海:「ここ1〜2年の間に、年始の挨拶にしに行かれる方から、される方になりましたね」
アリス:「そうだねぇ……。しょうがない。アタシも行くか。まだ着物脱ぐ前だし。シンディは?」
二海:「あちらで着替えています」
アリス:「シンディも、もう少し着ていたら良かったのに」
シンディ:「お呼びですか?」
シンディは既にいつもの衣装に着替えていた。
紺色一色であるが、上はノースリーブ、下は深いスリットの入ったロングスカートが目立つワンピースである。
アリス:「ゲストが来たから、お茶を入れて。社長秘書として」
シンディ:「かしこまりました」
元旦から忙しい敷島家だった。
アリス:(こんなことがあるから、メイドロイドは最低2機は確保しておきたいね……。エミリーとシンディ、交互に働かせるってのはいいかもねぇ……)
アリス:「日本の夜明け、しっかりと確認したわ。今年もいいことありそうね」
敷島:「クカー……」
アリス:「起きろっ!」
ゲシッ!(敷島に蹴りを入れるアリス)
敷島:「いでっ!?」
アリス:「初日の出だよ!」
敷島:「あー、分かった分かった。俺達の部屋、角部屋で良かったな」
東端にある為、その部屋にだけ東側にも窓がある。
シンディ:「おはようございます。朝食の支度をしてもよろしいでしょうか?」
敷島:「俺はもう少し寝てから……分かった分かった!」
寝室に戻ろうとする敷島をアリスが捕まえた。
アリス:「お節料理とお雑煮とお餅を出して!」
シンディ:「かしこまりました」
敷島:「全く……」
敷島はテレビのスイッチを入れた。
〔「……ドドンパ♪ドドンパ♪思いのままに〜♪」〕
敷島:「おっ、そうか。この時間から、ミクが出てるんだったな」
アリス:「といっても、昨年の収録でしょう?」
敷島:「そうだけどさ」
〔「はしゃいでいる〜♪子犬みたいに〜♪雪に寝そべって〜♪」〕
アリス:「この日からボーカロイドがテレビに?」
敷島:「自分でスケジュール管理できるのが、ボカロのいい所だ。おかげで、うちの社員達はちゃんと正月休みが取れる」
アリス:「食べたら、初詣行くよ」
敷島:「分かった分かった。トニーも一緒に?」
アリス:「当たり前でしょう?」
敷島:「分かった分かった」
[同日10:00.天候:晴 さいたま市大宮区 氷川神社]
さいたま市大宮区(旧、大宮市)の名の由来となった神社は、多くの参拝者で賑わっていた。
敷島:(アリスの反応が外国人観光客と何ら変わらない件w)
シンディは靑を基調とした振袖に身を包んでいる。
先ほど平賀から送られてきた画像では、エミリーが色違いの赤を基調とした振袖を着ている姿が確認された。
敷島:「今年も敷島エージェンシーの業績アップを祈願するか」
アリス:「トニーの成長も神に願うのよ!」
敷島:「わ、分かってるって」
だがそんなアリスは、こんな願い事も加えていた。
アリス:(子供の頃の記憶が戻りますように……)
アリスには子供の頃の記憶が無い。
気がついた時には、アメリカの児童養護施設にいた。
そこの職員の話によると、アリスは事故で両親を失い、自分も一命を取り留めた状態だったということだ。
だが、その割には両親の遺体はもちろん、墓の場所すら教えてもらえなかった。
また、その後でウィリアム・フォレストに引き取られたのだが、そのウィリーに聞いても事故の詳細は明かされなかった。
そして成人してからも調べて回ったのだが、アリスが巻き込まれた事故そのものに行き当らなかったのである。
まるで、最初から無かったかのように。
アリス:(パパやママに無理に会いたいとは思いません。だけど、どうしていなくなったのか知りたいです)
もしかしたら、ウィリーがシンディにやらせていたテロに巻き込まれたのかと思った。
だが、いくらシンディに問い質しても否定した。
敷島:「よし、行くぞ」
アリス:「OK」
敷島:「シンディは何か願ったのか?」
シンディ:「今年も元気に稼働して、社長達にお仕えしたいですって」
敷島:「おっ、偉いぞ、シンディ。おおかた、エミリーは俺に仕えたいって話になるのかな?」
シンディ:「あの、良かったら、本当に姉さんと換えて頂いて結構なんですよ?私が代わりに記念館暮らしをしても……」
アリス:「シンディ、あなたのオーナーは私よ。勝手なこと言わないで」
シンディ:「申し訳ありません」
敷島:「だがまあ、平賀先生的にはOKみたいなんだ」
アリス:「そうなの?」
敷島:「こんなこと言っては何だが、どうも平賀先生としてはエミリーを手に余らせているみたいなんだ。記念館で展示することにしたのも、結局はそういうことなんだ。先生はメイドロイドの研究・開発に勤しんでいたわけで、別にマルチタイプを新たに造りたかったわけじゃない」
アリス:「なるほどねぇ……。でも、私だってシンディを記念館に閉じ込めておく気は無いわ。もちろん、科学館にもね。特別展示ならいいけど、常設展示させる気は無いからね。それはアルエットの役目だから」
敷島:「分かってるって。何か、いい方法無いかなぁ……」
氷川神社の境内を出て、参道を歩く敷島達。
敷島:「シンディを最高顧問の爺さんの所に出向させて、マルチタイプの扱いの難しさを体験してもらってのはどうだ?」
アリス:「却下。何度も言ってる通り、シンディのオーナーは私。敷島ファミリーの利害の対立に、私の大事なマルチタイプを使うのはやめて」
敷島:「おいおい。新しいマルチタイプは造ってくれるって話だろう?」
アリス:「あれはDCJのビジネスよ。会社の売り上げになるんだから、それは協力するよ。だけど、シンディの出向は誰得って感じでしょう?」
敷島:「ちぇっ……。いい方法があったら、後で考えることしよう」
アリス:「それが賢明ね」
[同日13:00.天候:晴 敷島家]
アリス:「もう少し着物着ていたかったのになぁ……」
敷島:「今度は雛祭りの時にでも着な」
二海:「マスター、外崎プロダクションの外崎社長がお見えです。年始の御挨拶にと」
敷島:「ああ、分かった。今行く。午後からは年始の挨拶に来るお客さんが多いから、ここにいないとな」
アリス:「そういうことだったの」
二海:「ここ1〜2年の間に、年始の挨拶にしに行かれる方から、される方になりましたね」
アリス:「そうだねぇ……。しょうがない。アタシも行くか。まだ着物脱ぐ前だし。シンディは?」
二海:「あちらで着替えています」
アリス:「シンディも、もう少し着ていたら良かったのに」
シンディ:「お呼びですか?」
シンディは既にいつもの衣装に着替えていた。
紺色一色であるが、上はノースリーブ、下は深いスリットの入ったロングスカートが目立つワンピースである。
アリス:「ゲストが来たから、お茶を入れて。社長秘書として」
シンディ:「かしこまりました」
元旦から忙しい敷島家だった。
アリス:(こんなことがあるから、メイドロイドは最低2機は確保しておきたいね……。エミリーとシンディ、交互に働かせるってのはいいかもねぇ……)