[2月4日22:00.天候:雪 廃ペンション別館]
アリスと連絡の取れたエミリーと萌は、天井裏の天窓を目指すことにした。
途中、暴走したシンディを倒した場所に戻ることになる。
エミリー:「シンディ?」
倒したはずのシンディがいなくなっていた。
萌:「え?エミリーが壊したはずだよね?」
エミリー:「あれだけの損傷を受ければ、動けなくなるはず。……誰かが回収した?」
萌:「えっ?」
エミリー:「まあいい。今はここを脱出することが優先だ。アリス博士の仰る通り。この騒ぎでは、早めに外部に通報した方が良い」
萌:「う、うん。そうだね」
廊下の突当りの施錠されたドアだが、何故か今は開錠されていた。
シンディが開けたのか?それとも……。
ドアを開けると、そこはあの応接室の前だった。
ここに通じていたのだ。
エミリーと萌は応接室の前を通過して、上に上がる階段を登った。
エミリー:「あっ!」
萌:「確かに階段がある!天井に収納されてたんだ!」
エミリー:「吊り階段、というヤツか」
エミリーはその階段を駆け上がった。
3階に辿り着くと、ある人物がいた。
エミリー:「社長!」
敷島:「おおっ、エミリー!……と、萌!無事だったか!」
エミリー:「社長もよく御無事で……」
エミリーの目に涙が浮かんだ。
敷島:「ああ。こう見えても、俺は『不死身の敷島』だからな。こんな所で死ねないさ。ただ、星警部補と矢ヶ崎巡査部長は残念だが、恐らく……」
エミリー:「…………」
敷島:「彼らの為にも、俺達は生きてここを脱出しような」
エミリー:「はい!……実は先ほど、アリス博士から電話がありまして……」
敷島:「なに?お前も電話を受けたのか?」
エミリー:「はい。社長もですか?」
敷島:「そうなんだ。何でも、天窓から脱出できるって話なんだが……」
エミリー:「あ、はい。私もそう聞きました」
敷島:「それらしい物は見つけたんだが、どうも鍵が掛かってるみたいなんだ」
エミリー:「ええっ?!」
敷島:「取りあえずこの近くの部屋は探してみたんだが、どうにも見つからん。エミリー、お前の力ならこじ開けることができるかもしれん」
萌:「何でしたら、ボクがピッキングしますよ?」
敷島:「そうか。その手もあるな。そうと決まれば急ごう。こっちだ。一緒に来てくれ」
エミリー:「はい!」
敷島達は廊下の奥へ進んだ。
敷島:「ところでお前達は、黒いロボットとは会わなかったか?バージョンよりも背が高い2足歩行で、何の可愛げも無い奴らだ。いっちょ前に、少し前のお前達みたいに右手に銃を仕込んでやがる」
エミリー:「はい。ここの地下室に1機いましたので、壊しておきました」
敷島:「そうか、さすがだな。実はな、天窓を探していた時に奴らに見つかっちゃったんだ。で、その部屋にいる。3機ほどいるんだが、倒せるか?」
エミリー:「分かりました。やってみます」
敷島:「そうか、頼む。なるべく強い武器がいいだろう。これをやるよ。そっちのハンドガンよりも使えるだろう」
敷島はエミリーにコルト・ガバメントを渡した。
エミリー:「こんなもの、どこで?」
敷島:「やっぱりテロリストのアジトだったのかねぇ、色んな物がある。ほら、弾だって」
ガバメントはマグナム弾を使用する。
敷島は敷島で、ショットガンを持っていた。
猟銃としての用途があるショットガンなら、害獣駆除などで農場が持っていてもおかしくはないが……。
エミリー:「! もしかして、社長も行かれる気ですか?」
敷島:「そうだよ。星警部補達の仇を討ちたいしな」
エミリー:「危険ですから、ここで待っていてください。3機くらい、私が何とかします」
敷島:「そうか?あんまり無理するなよ」
因みにあの黒いロボット達は右手が銃火器になっており(どんな銃かは個体によって違う)、左手は折り畳み式のシールド(盾)を装着している。
そういう手の形状をしているものだから、ドアを開けることはできない。
エミリーはドアを蹴破って、中の部屋に突入した。
すぐに黒いロボット達がエミリーを敵と認識し、エミリーに向かって発砲してくる。
個体の1つはハンドガンを、1つはショットガンを、もう1つはマシンガンを備えていた。
本来、ガバメントのような大型のハンドガンは、その重さや発砲時の反動から両手に構えて発砲するものだが、エミリーはそれを片手で発砲した。
しかも、左手で発砲している。
右手は光線銃に変形させており、ガバメントを2発、ショットガンの個体の頭に命中させた。
光線銃によるレーザー攻撃を受けたマシンガンの個体は、それで頭部を貫かれた。
どちらもすぐに頭部を爆発させて、稼働を停止した。
ハンドガンの個体はそれでもエミリーに発砲して攻撃してきたが、こちらはエミリーからの直接攻撃を食らった。
ハイキックをまともに食らったロボットは、無造作に積み上げられた木箱の山に頭から突っ込み、動かなくなった。
エミリー:「終了しました」
敷島:「さすがだな、エミリー」
エミリー:「お役に立てて何よりです」
敷島:「これで心置きなく天窓を開けられるってもんだ。天窓はあれだ」
ロボット達がいた部屋は、天井の高い場所だった。
その一角に梯子が掛けられており、そこを上がった所に古びた洋風の窓があった。
外側に観音開きに開くタイプだろう。
確かに真ん中に鍵穴らしきものがあった。
萌:「さっきはエミリーが働いたから、今度はボクが働きます。あんな鍵くらい、ボクがピッキングしてみせますよ」
敷島:「頼もしい発言だ。頼むぞ」
萌:「任せてください」
萌はパタパタと羽を羽ばたかせて、天窓の所までやってきた。
そして背中に背負っているキーピックを取り出すと、それを鍵穴に差した。
敷島:「さすがはスパイ用途としての妖精型だな。KR団の考えてることはロクなもんじゃない」
ファンシーキャラなら警戒されることはないだろうと見たのかもしれないが、そもそも精巧に作り過ぎて却って目立ってしまっているという矛盾。
萌:「開きましたよ!」
敷島:「よーし、よくやった。地元の警察や鷲田警視に通報して、機動隊100人くらい送ってもらうぞ」
敷島が梯子に手を掛けた時だった。
エミリー:「! 社長、そこから離れてください!」
敷島:「なにっ!?」
萌:「わあっ!?」
その時、天窓を派手にブチ破って飛び込んでくる者がいた。
それは誰だった?
①シンディ
➁黒いロボット
③黄色いジャンパーの男
④アリス
アリスと連絡の取れたエミリーと萌は、天井裏の天窓を目指すことにした。
途中、暴走したシンディを倒した場所に戻ることになる。
エミリー:「シンディ?」
倒したはずのシンディがいなくなっていた。
萌:「え?エミリーが壊したはずだよね?」
エミリー:「あれだけの損傷を受ければ、動けなくなるはず。……誰かが回収した?」
萌:「えっ?」
エミリー:「まあいい。今はここを脱出することが優先だ。アリス博士の仰る通り。この騒ぎでは、早めに外部に通報した方が良い」
萌:「う、うん。そうだね」
廊下の突当りの施錠されたドアだが、何故か今は開錠されていた。
シンディが開けたのか?それとも……。
ドアを開けると、そこはあの応接室の前だった。
ここに通じていたのだ。
エミリーと萌は応接室の前を通過して、上に上がる階段を登った。
エミリー:「あっ!」
萌:「確かに階段がある!天井に収納されてたんだ!」
エミリー:「吊り階段、というヤツか」
エミリーはその階段を駆け上がった。
3階に辿り着くと、ある人物がいた。
エミリー:「社長!」
敷島:「おおっ、エミリー!……と、萌!無事だったか!」
エミリー:「社長もよく御無事で……」
エミリーの目に涙が浮かんだ。
敷島:「ああ。こう見えても、俺は『不死身の敷島』だからな。こんな所で死ねないさ。ただ、星警部補と矢ヶ崎巡査部長は残念だが、恐らく……」
エミリー:「…………」
敷島:「彼らの為にも、俺達は生きてここを脱出しような」
エミリー:「はい!……実は先ほど、アリス博士から電話がありまして……」
敷島:「なに?お前も電話を受けたのか?」
エミリー:「はい。社長もですか?」
敷島:「そうなんだ。何でも、天窓から脱出できるって話なんだが……」
エミリー:「あ、はい。私もそう聞きました」
敷島:「それらしい物は見つけたんだが、どうも鍵が掛かってるみたいなんだ」
エミリー:「ええっ?!」
敷島:「取りあえずこの近くの部屋は探してみたんだが、どうにも見つからん。エミリー、お前の力ならこじ開けることができるかもしれん」
萌:「何でしたら、ボクがピッキングしますよ?」
敷島:「そうか。その手もあるな。そうと決まれば急ごう。こっちだ。一緒に来てくれ」
エミリー:「はい!」
敷島達は廊下の奥へ進んだ。
敷島:「ところでお前達は、黒いロボットとは会わなかったか?バージョンよりも背が高い2足歩行で、何の可愛げも無い奴らだ。いっちょ前に、少し前のお前達みたいに右手に銃を仕込んでやがる」
エミリー:「はい。ここの地下室に1機いましたので、壊しておきました」
敷島:「そうか、さすがだな。実はな、天窓を探していた時に奴らに見つかっちゃったんだ。で、その部屋にいる。3機ほどいるんだが、倒せるか?」
エミリー:「分かりました。やってみます」
敷島:「そうか、頼む。なるべく強い武器がいいだろう。これをやるよ。そっちのハンドガンよりも使えるだろう」
敷島はエミリーにコルト・ガバメントを渡した。
エミリー:「こんなもの、どこで?」
敷島:「やっぱりテロリストのアジトだったのかねぇ、色んな物がある。ほら、弾だって」
ガバメントはマグナム弾を使用する。
敷島は敷島で、ショットガンを持っていた。
猟銃としての用途があるショットガンなら、害獣駆除などで農場が持っていてもおかしくはないが……。
エミリー:「! もしかして、社長も行かれる気ですか?」
敷島:「そうだよ。星警部補達の仇を討ちたいしな」
エミリー:「危険ですから、ここで待っていてください。3機くらい、私が何とかします」
敷島:「そうか?あんまり無理するなよ」
因みにあの黒いロボット達は右手が銃火器になっており(どんな銃かは個体によって違う)、左手は折り畳み式のシールド(盾)を装着している。
そういう手の形状をしているものだから、ドアを開けることはできない。
エミリーはドアを蹴破って、中の部屋に突入した。
すぐに黒いロボット達がエミリーを敵と認識し、エミリーに向かって発砲してくる。
個体の1つはハンドガンを、1つはショットガンを、もう1つはマシンガンを備えていた。
本来、ガバメントのような大型のハンドガンは、その重さや発砲時の反動から両手に構えて発砲するものだが、エミリーはそれを片手で発砲した。
しかも、左手で発砲している。
右手は光線銃に変形させており、ガバメントを2発、ショットガンの個体の頭に命中させた。
光線銃によるレーザー攻撃を受けたマシンガンの個体は、それで頭部を貫かれた。
どちらもすぐに頭部を爆発させて、稼働を停止した。
ハンドガンの個体はそれでもエミリーに発砲して攻撃してきたが、こちらはエミリーからの直接攻撃を食らった。
ハイキックをまともに食らったロボットは、無造作に積み上げられた木箱の山に頭から突っ込み、動かなくなった。
エミリー:「終了しました」
敷島:「さすがだな、エミリー」
エミリー:「お役に立てて何よりです」
敷島:「これで心置きなく天窓を開けられるってもんだ。天窓はあれだ」
ロボット達がいた部屋は、天井の高い場所だった。
その一角に梯子が掛けられており、そこを上がった所に古びた洋風の窓があった。
外側に観音開きに開くタイプだろう。
確かに真ん中に鍵穴らしきものがあった。
萌:「さっきはエミリーが働いたから、今度はボクが働きます。あんな鍵くらい、ボクがピッキングしてみせますよ」
敷島:「頼もしい発言だ。頼むぞ」
萌:「任せてください」
萌はパタパタと羽を羽ばたかせて、天窓の所までやってきた。
そして背中に背負っているキーピックを取り出すと、それを鍵穴に差した。
敷島:「さすがはスパイ用途としての妖精型だな。KR団の考えてることはロクなもんじゃない」
ファンシーキャラなら警戒されることはないだろうと見たのかもしれないが、そもそも精巧に作り過ぎて却って目立ってしまっているという矛盾。
萌:「開きましたよ!」
敷島:「よーし、よくやった。地元の警察や鷲田警視に通報して、機動隊100人くらい送ってもらうぞ」
敷島が梯子に手を掛けた時だった。
エミリー:「! 社長、そこから離れてください!」
敷島:「なにっ!?」
萌:「わあっ!?」
その時、天窓を派手にブチ破って飛び込んでくる者がいた。
それは誰だった?
①シンディ
➁黒いロボット
③黄色いジャンパーの男
④アリス