報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“新アンドロイドマスター” 「夏休み最後の週」

2015-08-23 19:33:54 | アンドロイドマスターシリーズ
[8月23日17:00.天候:晴 宮城県仙台市青葉区・東北工科大学・南里志郎記念館 1号機のエミリー]

 広い大学の敷地内にある南里志郎記念館。
 世界的なロボット研究者として、平賀達がその功績を顕彰しようと設立した施設である。
 但し、建物自体は新設ではなく、放置されていた旧研究棟を再利用して改築された。
 だから建物は古く、ゴシックな造りということもあってか、大学のサークルの1つである演劇部や映研がよくホラーの題材に使うことが多い。
 近隣の美大の学生や写真部も、そのゴシックさにスケッチや撮影に来ることが多い。
 管理者は平賀太一だが、多忙さからか毎日の一般公開は行っていない。
 それでも毎日17時になると、南里が存命だった頃の名残で、館内にあるピアノを弾くのが日課となっている。
 弾く曲は日によってランダムだが、自身の電気信号を曲の旋律に乗せた“人形裁判”だけは欠かさない。
「今日のエミリーさんは、テンション高いのかな?」
 近くを歩いていた学生は、エミリーのピアノを聴きながらそう呟いた。
 今日は楽曲の中に、初音ミクの“千本桜”がアップテンポで弾かれていたからである。

[同日同時刻 東京都内の映画スタジオ 敷島孝夫、3号機のシンディ、鏡音リン・レン]

「今頃、姉さんがピアノを弾いている頃ね」
 と、シンディ。
「お前はフルートでも吹かないのか?」
 敷島が突っ込んだ。
「だって、そういう設定無いし」
 シンディは肩を竦めた。
「アタシはこうして働いてるけど、姉さんは悠悠自適の生活だからね」
「年寄りみたいなこと言うなよ」
 敷島は苦笑いした。
「じゃあ、次のシーン行くよー!」
 映画監督がメガホンを取る。
「5、4、3、2……」
 主人公役の男性俳優が傷ついた体で(もちろんメイク)、銃を持ち、古い洋館の中を走り回る。
 と、そこへ窓ガラスをブチ破り、
「見ィつけたぁ〜♪きゃははははは!」
 中国雑技団のようなメイク、衣装を来て、両手に抱えるほどの大きな鋏を持ったリンが狂った笑いをして主人公を追い掛け回す。
「うわっ!く、来るな!来るなっ!」
 主人公がリンに向かって発砲するが、手持ちの鋏に弾かれる。
 で、そのうち、弾切れを起こす。
「ジョッキンジョッキンしたげるー!」
 壁際に追い詰められた主人公、ついにリンの大きな鋏に……。
「うわっ!うわっ!わあああああああぁっ!!」
「はい、カット!……OK!いい演技だったよ!お疲れさん!」
「おっ、一発OKか。さすがリンだな」
 敷島は得意げ。
「俺の調整も褒めてもらいたいものだ」
 チラッと監督を見るが、監督は次のシーンの撮影のことで頭が一杯で、とてもそれどころではない。
「ちぇっ……」
「社長、社長!リンの演技どうだったー!?」
 リンが駆け寄って来る。
「ああ、まるで本物のシザーガールだと思ったよ」
「ジョキジョキ♪」
 敷島に褒められて、リンは嬉しそうにニッと笑うと、小道具の鋏を動かした。
 もっとも、実際は刃が丸くなっていて、切れないようになっている。
「次はレンの撮影だな。それで今日の撮影は終わりかな?」
「ええ、そうね」
 レンはレンで、大ボスキャラ“シザー兄妹”の兄役としてスタンバイしていた。
 実際は双子の姉弟の2人だが、撮影中の映画ではそれが入れ替わって、レンが兄、リンが妹という設定である。
「映画の撮影があるから、仙台のイベントには参加できないんだよなぁ……あの2人」
「まあ、その代わり、7月には参加したからね。別にいいんじゃない」
「まあな」

 2時間後……。

「八つ裂き楽しー!」
「あーっはっはっはっはっ!」
「はい、カットー!」
 狂楽殺人者兄妹の役をやった双子の、今日の撮影は終わった。
「お疲れさまでした!」
 もちろん勧善懲悪の内容なので、この大ボス兄妹は後にもう1人の主人公達とボスバトルを繰り広げ、洋館内の仕掛けを駆使して戦う主人公達に負けて死ぬわけであるが。
「じゃあ、着替えて事務所に戻ろうか」
「はーい!」
「はい!」
 顔は道化師のようなメイクをしているので、そのメイクを落とすのも大変だ。

 敷島はレンについている。
「体中、熱いです」
「氷があるからそれでちゃんと冷やすんだぞ」
「はい」
 衣装を脱いで上半身裸になると、氷嚢を頭や胸に当てる。
「うわっ、冷たい!」
 しかし、その氷嚢から湯気が出るほどに、レンの体は撮影の演技で火照っていた。
「悪役とはいえ第4章の大ボスとしてパンフレットにも掲載されるし、何より、映画のテーマソング……まあ、挿入歌だけど、それを歌う機会も取れたんだ。凄いことだよ」
「はい、ありがとうございます」
 レンが体を冷やした後、いつもの服に着替えていると、敷島は電話を掛けた。
「……ああ、もしもし。KAITOか。そっちもテレビの収録終わった?……そうか。俺達も今日の分は終わったから、これから戻るよ。他の皆は、まだかな?……今日はMEIKOが1番遅いんだっけか。一海は今、整備中だからしょうがないな。悪いけど、俺達が戻るまで待っててくれる?……ああ。よろしく」
 電話を切った。
 敷島が電話している最中、レンがいつもの服に着替えたが、まだ髪をまとめていないので、それだけ見たらリンと間違える。
 レンが髪を後ろで短く纏めているのが特徴なのに対し、リンは頭に大きな白いリボンの付いたヘッドセットを付けて見分けをつけている。

 帰りの車、敷島が運転し、シンディが助手席に座る。
 リアシートにはリンとレンが座っているが、
「2人とも、寝てるよ」
 シンディがチラッと後ろを見て言った。
「激しい動きをする役だからな」
 全速力で正義の味方を追い掛け回したり、主人公達の発砲をアクロバット・ジャンプで全てかわすシーンがあったりする。
 リンとレンが大ボスを務める章だけ、中ボスもこの2人が兼任するので、とてもハードな立ち回りが要求される。
 リンとレンがオーディションに合格したのも、人間の俳優ではなかなか成り手がいないというのもあっただろう。
 もちろん疲れを知らぬロイドであるが、バッテリーの消耗は激しく、充電済みのバッテリーパックを何個か持って行かなければならなかった。
 バッテリーが残り少なくなると、消耗を防ぐ為、スリープ・モードに入りやすくなる。
 で、正に今、リンとレンがその状態というわけだ。
 仲良く手まで繋いでいる。
「仙台のイベントの時はミクとMEIKO用に、ボカロ用のバッテリーパック持って行かないとダメだな」
「規格がマルチタイプと合わないなんてねぇ……」
「で、そのマルチタイプも新旧で違うという頗る統一性の無さだよ」
 アルエットは燃料電池と兼用であるため。
「あ、そうそう。MEGAbyteのことなんだけど……」
「ん?」
「Lilyの様子がちょっとおかしいから、話聞いてあげたら?」
「井辺君には話していないのかな?」
「社長からも聞いてあげたら?」
「ふぅむ……」
コメント (3)
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“新アンドロイドマスター” 「束の間の通常業務」

2015-08-23 10:16:12 | アンドロイドマスターシリーズ
[8月22日10:00.天候:晴 敷島エージェンシー・事務室 敷島孝夫&井辺翔太]

「うーん……」
「…………」
 敷島と井辺は事務所内のホワイトボードの前で唸っていた。
 そのホワイトボードは月間予定表を書き込むものである。
 ミク達は既にメジャーなので、ここに書き込めない程に仕事がある。
 その為、今はMEGAbyteが専用で使っていた。
 が、世間の夏休みが終わりに向かうに連れて、仕事がヒマになってきた。
「普通はあれだけやれば、その流れで固定の仕事とか来るんだけどねぇ……」
「も、申し訳ありません。私の力不足で……」
「いやいや。ボカロも数が増えてきたことだし、今はもう物珍しさでは売れなくなってきたからね。『歌って踊れるアイドルロボット』ではダメなんだよ」
「どうしたらいいでしょうか?」
「ここでジタバタしても、すぐに仕事が来るわけじゃない。少なくともメジャーになっているミク達のバックダンサーをやったりして、一応の知名度はあるはずなんだ。人事を尽くして天命を待つ他はないな」
「はい。KR団については?」
「ん?社長の『もう1つのお仕事』については、いかがでしょうか?」
「あとは鷲田警視達に任すしかないさ。……ちょっと頼りないけど。俺達は民間人なんだからな」
「はい」

[同日同時刻 敷島エージェンシー・休憩室 MEGAbyte(結月ゆかり、Lily、未夢)]

 奥の休憩室ではMEGAbyteの3人が待機していた。
 PCで見る動画は、敷島エージェンシーの輝かしい歴史。
 まだ初音ミク達がメジャー化する前の動画だ。
 マイナーだった南里研究所時代から、メジャー化するに至った財団時代と、ちゃんと時系列ごとに保存されている。
「この頃のミク先輩、よく社長にお菓子焼いたりしてたみたいだよ」
「鏡音先輩もブレないわぁ……」
「MEIKOさんとエミリーさん、またじゃれあってる。この頃の事務所のセキュリティは、エミリーさんだったんだね」
 ゆかりは動画をモニタから消した。
「小さいお仕事も真面目に頑張れば、ミク先輩達みたいに、メジャーデビューできるよね」
 と、不安そうに言った。
「そのはずだよ、きっと」

[同日11:00.同場所・事務室 敷島、3号機のシンディ、井辺]

「だからお前もグラビアデビューをだな……」
「しつこいわね!用途外だっつってんでしょ!アリス博士にチクるよ!」
「すいません。電話中ですので、もう少しお静かに願います」
 社員に窘められる社長と秘書(兼ボディガード)。
「あ、ハイ……」
「……MEGAbyteですか?いえ、お恥ずかしい話、さほど予定は埋まっていないのですが……。分かりました。では、社長に代わります」
「俺か?」
「ええ。平賀教授からです」
「ほお」
 敷島は電話を代わった。
「もしもし。お電話代わりました。先日はシンディの修理をして頂き、ありがとうございました」
{「いえいえ、とんでもない。旧型マルチタイプに触れられる、いいチャンスです。それより、また1つお願いがあるんですが……」}
「何でしょう?
{「先月、仙台の科学館でマルチタイプの展示イベントをやったでしょう?」}
「ええ」
{「何かあれ、かなり大好評だったみたいで、来館者から『次はいつやるんだ?』という問い合わせが殺到しているらしいんです」}
「あらま。じゃあ、レンタル料、もう少し吹っ掛けりゃ良かったかなw」
{「次回はその方向でいいと思います。夏休み最初のイベントであれをやったわけですから、今度は夏休み最後のイベントしてもう1度やりたいという話がありまして……」}
「ん?ということは、29日と30日かな?ん?31日も?」
{「7月は3日間やりましたから、8月もそうなりますね。それで、マルチタイプだけでは寂しいので、ボーカロイドもお願いしたいのです。……が、恐らく初音ミク達は多忙で、急に1週間後と言われてもムリでしょうから、MEGAbyteなら大丈夫かなと」}
「さすが平賀先生。我が事務所の相談役なことなだけありますな。だけど、月末ともなると、もう新幹線は厳しいでしょうな」
{「それなら大丈夫です」}
「ん?」
{「こんなこともあろうかと、既に敷島さんとシンディ、アルエット、井辺プロデューサー、MEGAbyteの3人の指定席特急券確保してあります」}
「……その仕事の依頼、断ったらどうしてたんですか?」
{「敷島さんのことですから、ほぼ100パー引き受けて下さると想定していました」}
 電話の向こうで平賀のドヤ顔が想像できた敷島だった。
「さすが、お互いに東京決戦を勝ち抜いただけのことはありますなぁ……」
{「いえいえ。敷島さんには負けますよ。ところで、MEGAbyteの3人以外に、来れそうなボカロはいますか?」}
「んー、皆して忙しいからなぁ……。あ、最終日だけミクとMEIKOが空いてる……」
{「いいですか!?」}
「2人はメジャーだから高いですよぉwww」
{「予算なら、あります!」}
(どんだけ潤沢なんだよ……)
 と、敷島は思った。

 取りあえず細かい打ち合わせはまた後で行うとして、結局は7月のやり方を踏襲するということで決まった。
 井辺が奥の休憩室で待機しているMEGAbyteに伝えると、
「ライブができるんですか!?」
「ええ。公園内にある野外ステージですが、市民の皆さんにロボット技術の最先端を御覧になって頂くという一環でライブを行います。基本的には7月に行われた通りの内容ですが、そこでもいくつか反省点がありましたので、その部分は当然改善していくという方向になります」
「…………」
 ゆかりや未夢が楽しみといった顔になるのに対し、Lilyは浮かぬ顔。
「Lilyさん?どうかなさいましたか?」
「いえ、何でも……」
「地方巡業になりますので、出発前日までには整備を終えて頂く形となります」
「はい!」
「取り急ぎ、まずはパンフレットの写真を撮りに行きますので支度してください」
「分かりました!」
「宣材写真じゃダメなの?」
 と、Lily。
「今から作れば、新しいパンフレットができそうだということで、どうせなら新しくそれ用の写真を撮った方が良いと社長のご指示です」
「そうですか」
 Lilyは席を立った。
 そして休憩室を出た時、
「あっ!」
「きゃっ!」
 仕事から帰って来たミクとぶつかりそうになった。
「あっ、ゴメンね」
「い、いえ、こちらこそ……」
「またお仕事入ったんだってね。さっきたかお……社長さんから聞いたよ。わたしは最終日しかお手伝いに行けないけど、頑張ってね」
「……っ!」
 ミクの言葉にLilyは顔色を変えた。
 そして、サッと立ち去っていった。
「な、なに……?」
「何でしょう?」
 ミクとゆかりは同時に首を傾げた。
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支部総登山行ってきた。

2015-08-23 00:08:43 | リアル旅行記
 どうも最近、歳を取って来たからなのか、はたまた夏場で体力を失っている時だからなのか、登山がしんどくなってくる。
 ……おっと、そんなこと言ってはいけないね。
 特に今日は私にとって、合格祈願を聞き入れて頂いた御礼参り登山でもあるのだ。

 早朝の出発は苦ではないのだが、やはり午後とかになってからジワジワ来るということなのだろうか。
 山内も蒸し暑かったからね。
 私が乗った登山バスは、都内の観光バス会社のものを借り切ったものだが、半島車じゃなくて良かった。
 やはり、バスは国産に限るね。
 ベンツのバスなんかも稀に見かけるが、使い勝手はいいのだろうか?
 三菱ふそうのエアロ、中型タイプ。
 えー、乗客ですが……私や紹介者より若年者が乗っていませんでしたよ。
 やはり、法華講の平均年齢も年々上がっているらしい。
 平均年齢が殆ど上がっていない顕正会のシステムもどうかとは思うけど。
 少子高齢化なので、若年層の新規入信者が外国人以外いないのだろう。

 さて、東名高速は渋滞個所あり。
 婦人部のオバちゃんの要望も含めて、トイレ休憩は2回だ。
 茜オバハンのブログを紹介してやると、同じオバチャン同士、何か通じ合うものがあったと思われ。
「若いコに嫉妬してるのかしら?」
「あら、ヤダ!サカイさん(坂井久美子さん?酒井法子?)までバカにしてるじゃないの!」
 と、予想通りの反応をなさる。
 いくら顕正会や創価に負けず劣らずの個性派が揃う法華講婦人部員でも手には負えないだろうと思ったが、意外にも、
「うちに入信してきたら?もちろん、ちゃんと育成するわよ」
 とのこと。
「いやいやいや!このオバハンのことだから、『流血の惨を見ること、必至でありまっ』せ!?」
 と、私は諌めたが、
「大丈夫大丈夫」
「正しい御本尊様に縁すれば大丈夫よ」
 とのこと。
 うーむ……オバちゃんは強い。
 ていうか、うちの小説のキャラクター(特にイリーナ・レヴィア・ブリジッドとか、ポーリン・ルシフェ・エルミラとかの熟女キャラ)のネタになります。
 ありがとうございます。
 ああ、前にもこのブログのどこかに書いたっけ。
 イリーナのモデルは、うちの婦人部のオバちゃんだって。

 無事に着山できた。
 でもすぐに御目通りだ。
 書院は信徒達の熱気で暑い。
 一応、それでもクーラーをガンガンに使用してくれているらしい。
 入った瞬間に冷やっとしたので、御僧侶の言葉は本当なのだろう。
 しかし、この暑さの中でもネクタイを着けなくてはならないとは……。
 紹介者など、スーツのジャケットまで着ている。
 末法の世の中において、苦行は無意味のはずなんだが……。
 猊下様の御説法だが……書いていいのかな?
 簡単にまとめると、“折伏と育成”についてだ。
 何でも、折伏して御受誡させてハイ終わりではダメなんだと。
 御受誡した人が自行化他を1人でできるようになるまで育成するのが折伏であり、御受誡させてハイ終わりでは、そんなのは折伏ではないと。
 うーむ……顕正会員に聞かせてあげたい御説法だ。
 まあ、私が顕正会員だったら、こう反論するだろう。
「そんなこと言ったって、そんなことしてたら、誓願間に合わないんだよっ!!」
 ってね。
 もっとも、その時点で誓願がノルマと化していることに気づかなければならない。
 顕正会員にも通じる御指南を何故わざわざあの場で仰られたのかを拝すると、法華講でも往々にして“折伏して御受誡させてハイ終わり”が横行しているということなのだろう。
 その根底にあるのが、やはり件の顕正会員の逆ギレか。
「そんなこと言ったって、そんなことしてたら御命題に間に合わないんだよっ!」
 てか。
 しかし、うちの支部においてはその逆ギレ論は当てはまらない。
 何故なら、そもそも猊下が御目通りを許して下さった所以は、偏に当支部の誓願達成によるものだからだ。
 そんな逆ギレしてたら、
「オイオイ、じゃあ何でアンタはここにいるの?」
 となる。
 え?私?あー、そういや育成されている記憶が無いなぁ……チラッチラッ(紹介者の方を見る)。
「ユタさんの場合、御登山1人でできるからいいの。ていうか、あとは折伏の精神に立ってください」
 とのことなので、
「いやあ……そもそもが自行自体もあんまり……」
「明日から毎日末寺参詣すれば大丈夫です。それなら、勤行もサボれません」
「泊まり勤務がぁぁぁぁ!」
 警備員の哀しい勤務実態。
 泊まり勤務があるのだ。

 ああ、そうそう。
 山門入り口さんがネタを振っていた創価新報の写真の件、プールが写っていたが、内事部の裏手、信徒が立ち入り禁止になっている部分にあるそうだ。
 かなり古く、普段は使われていないそうで、夏場でも水が濁っているとのこと。
 だったら信徒に開放してくれれば、お子さんも大喜び!

 その内事部に行って御供養。
 無論、合格祈願が叶ったことに対する御礼御供養だ。
 仕事運の向上に対する感謝の念を大御本尊や六壺の御本尊に送りつつ、その他の福運(山門入り口さんオススメの……)向上も願ったが、どうやら今の私には贅沢な御祈念だったらしく、何も起こらなかった。

 帰りの高速バス、富士急静岡バスの営業所に行ってみたら、何と車庫に半島車が休んでいやがる!
 すわっ!まさか、帰りはそれかと思ったが、実際にやってきたのはその奥に止まっていた日野のセレガであった。
 あっぶねぇ!危ねぇ!
 展望席が確保できたのはいいが、私のようなバス・フリークスは喜んでホイホイ乗る場所でも、実際は足元が狭いので、それ以外の人達にはハズレ席かも。
 定員42名に対して、乗客は半分の21名。
 但し、きれいに窓側全部が埋まるというわけではなく、私の隣の席も埋まってしまった。
 私より背の高い、ヒョロッとした兄ちゃんだったので、肩が当たるということは無かったが。
 私と同様、乗り慣れている様子。

 で、帰りも横浜の前後で渋滞した他、首都高でも池尻の手前まで大渋滞だった。
 約1時間遅れで、東京駅日本橋口に到着。
 もっとも、私の想定よりは早く着いた方だ。
 ついもっと遅くなって、23時台の東京駅始発の上野東京ラインにでも乗るかと思っていたのだが。

 職場に山内の売店で買った土産物を置いた後、少し談笑して再び東京駅へ。
 その辺は24時間勤務の私らだからこそ、できることと言える。
 これじゃ、毎日末寺参詣はムリだよ。
 帰りは東北新幹線の最終列車“なすの”281号に乗ってみた。
 通常のE2系10両編成に山形新幹線のE3系7両編成を連結した17両編成である。
 私はあえて最後尾に乗ったが、ガラガラであった。
 大宮で降りるのが勿体ないくらい。
 でも、そこで降りないと帰れなくなる。

 歓喜よりも人の多さや暑さが印象に残った登山だった。
 どうも、山門入り口さんの期待される通りにはなかなかいかないのが実情だ。
 まあ、免除者は免除者らしく……ってところかな。

 ま、これでどれだけの功徳の現証が現れるか、だ。
 今後の私の活動に関わって来る問題だからね。
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