報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“新アンドロイドマスター” 「大爆発」

2015-08-18 19:33:49 | アンドロイドマスターシリーズ
[8月7日21:00.天候:不明 ウィリーの地下秘密研究所・最奥部 敷島孝夫、1号機のエミリー、8号機のアルエット]

「やっと着いたぜ!ったく、とんでもねぇ!」
 敷島が閉口したという感じで言うのは、ゾンビのような得体の知れない連中がかなり存在していたからである。
 途中に武器や弾薬が落ちていたのが幸いだった。
 敷島も廊下に落ちていた猟銃を手に取って、参戦しなくてはならなくなった。
「今、思ったんだけど、あいつらってもしかして、サイボーグじゃないか?」
「サイボーグ?」
「ああ。お前達が完全に機械で作られた人造人間なら、あいつらは人間を機械的に改造した改造人間だ。まあ、銃弾を撃ち込めば倒せるってのは幸いだったけどな。……ああ、なるほど」
 敷島は一瞬、どうしてロボット科学者が改造人間のサイボーグを研究しているのかという疑問を持った。
 理由は本人も死亡しているため、それに関する遺書でも見つけないことには何とも言えないが、サイボーグを研究していることについては実は何ら不自然なことはない。
 何故なら、ウィリーとの最終戦において彼はサイボーグの状態となって現れたからである。
 問題はそれをどこで研究していたかということだが、それはもう間違い無くここだろう。
「色んな資料が落ちているな。根こそぎ持って行くぞ」
「イエス」
 敷島は研究員のロッカールームから鞄や何やら持ち出すと、ディスクやメモリースティックなど詰め込んだ。
 そうしているうちに、机の上の書類も探していると、そこから1本の鍵が落ちた。
「何だこれ?」
「キャビネットの・鍵だと・思われます」
「そうか」
 それでキャビネットの棚を開けたり、引き出しを開ける。
「うわっ!」
 その時、引き出しの中から何かが飛び出した。
 それはクリムゾン・レッドに染まった人間の右手。
 手首から先だけが蜘蛛のように動き、敷島の首を締める。
「がっ……ぐぐぐ……」
「敷島・社長!」
 敷島が振り解こうとするが、離れない。
 エミリーが持ち前の腕力で引き剥がすと、左手でそれを掴み、高圧電流を放った。
 右手は黒焦げになって床に落ちた。
「あー、ビックリした……!」
「大丈夫・ですか?」
「ああ、助かったよ。ありがとう。……全く、“アダムス・ファミリー”に出て来るヤツより凶悪なヤツだ!」
 そのハンドが入っていた引き出しの中には、ビデオテープも入っていた。
「今時VHSかよ……」
 敷島は呆れたが、室内にはプレイヤーがある。
 それを見てみた。
「あっ!?」
 映像にはウィリーと十条伝助が映っていた。

「して、作戦は?」(ウィリー)
「東北地方の廃ホテルに、隠れる場所を用意しておいた。あとは、あいつらをおびき寄せるだけじゃ」(伝助)
「いいだろう。では、ブツを見せてもらおうか」(ウィリー)
 何やらキットを取り出す伝助。
「……どうじゃ?」(伝助)
「なるほど。これで、永遠の命が手に入るというわけだ。良かろう。すぐに私でやってくれ」(ウィリー)
「了解した」(伝助)
「誰も想像つかないだろうな。既に、とある仏教系の宗教団体で、この実験を始めているということは……」(ウィリー)
「宗教法人は税制が優遇されておる。この作戦に乗らない手は無いぞ」(伝助)
「キミが舞台にしようとしている宗教は何という所だ?」(ウィリー)
「それはまだ言えん。だが、Kのつく所ではある」(伝助)
「なるほど。KR団のKは、その宗教団体のKか。RはロボットのRか?」(ウィリー)
「違う。ワシがワシで決行した実験の産物から取った」(伝助)
「万が一の時はどうする?」(ウィリー)
「ワシは件の宗教団体に隠れておるよ。元々キリスト教系新興宗教団体が前身のテロ組織に、同じくKR団と名乗る連中がおるから、上手くそいつらと混同させるようにしておこう」(伝助)
「お前は昔からそういう謀略が得意だったな」(ウィリー)
「いや、なに……。それでエミリーやシンディを、旧ソ連から上手く運び出したのじゃ。感謝してもらわんとな」(伝助)
「その宗教団体は仏教系のケン……」(ウィリー)

「ありゃ!?」
 そこで映像は途切れていた。
「おぉい!肝心の宗教団体名が分からないじゃんかよ、これじゃ!ケン何だ?」
 敷島は他にテープが無いかどうか探そうとしたが、見つからない。
 それどころか

『自爆装置の起動を確認。このプログラムを止めることはできません』

「はい!?」
 どこで誰が操作したのか?はたまた何かの拍子なのか、自爆装置が起動した。

『避難の為、全てのロックを解除します。速やかなる避難を勧告。このプログラムを停止させることはできません。繰り返します。……』

「くそっ!持てるだけ持って、とんずらするぞ!」
「イエス!」
「はい!」

 部屋から飛び出すと、敷島達が倒したゾンビ型のサイボーグが死屍累々と転がっている。
 その中、来た道を戻ろうとすると、

『自爆装置プログラムの変更を確認。自爆30分前から、30秒前に変更します』

「はあ!?30秒!?」
「誰かが・操作・している・もようです!」
「誰だよ、操作してるのって!?」
「……KR団?」
 アルエットの言葉に、敷島は、ようやくこの研究所に敷島達をおびき寄せること自体が罠だったというのに気づいた。
 30秒ではとても逃げきれない。
「く、くそっ!誰が……!」
(キール、どうして……?)
 エミリーは咄嗟にそれが、キールであると気づいた。
 財団在りし頃は“アツアツの歳の差カップル”とまで言われる程だったエミリーとキール。

 ついに大爆発が起きた。

[同日22:00.天候:大雨 埼玉県さいたま市西区 デイライト・コーポレーション・ジャパン埼玉研究所 3号機のシンディ]

「う……」
 シンディは相変わらず下半身が修理中で動けない状態だったが、スリープ状態であった上半身が起動した。
 それは姉機と従妹機からの救難信号を同時に受信したからである。
「姉さん?アル?た……大変……。た、助けに行かないと……」
 だが、そもそも両足が取り外されている状態だ。
「くそっ……!こんな時に……!」
 シンディは何とかアリスに届くように、自分も救難信号を発した。
 だが、朝までそれに気づく者はいなかったのである。

 敷島達、万事休すか?
コメント (2)
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“新アンドロイドマスター” 「狂科学者の置き土産」

2015-08-18 15:15:14 | アンドロイドマスターシリーズ
[8月7日20:00.天候:不明 十条達夫の家・地下ウィリー研究所 敷島孝夫、1号機のエミリー、8号機のアルエット]

 エレベーターに乗り込んで移動した3人。
 エミリーは警戒のため、右手をマグナムに変形させている。
 大型のハンドガン(パイソン)を改造して搭載しているため、威力は日本の警察官の拳銃よりも強い。
 エミリーは白兵戦が得意のため、遠距離から攻撃する銃器などは無い。

 ゴゴゴゴゴ………ガコン(エレベーターが止まる)
 ガチャ、ガラガラガラ……。(ドアが開いた)

「なるほど……」
 そこは、いかにも研究所といった風景が広がっていた。
 薄暗いが、照明もまだ点いている。
「セキュリティとかもまだ生きていそうだな……」
 そう思って先へ進む。
「!」
 エミリーが右目を緑色に光らせて、何かを発見したらしく、敷島達の前に出た。
「何だ?」
 今度はエミリー、左目をライトにして光らせる。
 薄暗い廊下の中、浮かび上がったのは、
「うおっ!?」
 人間の死体……の、ようなもの。
 壁を背にして崩れるように死んだ遺体……といった感じだった。
 30〜40代の男性か。
「生命反応が・ありません」
「そりゃそうだろう。いきなりホラーな展開だなぁ……」
「生物反応・無し……」
「じゃあ、やっぱりロイドか。びっくりさせやがって……。だいたいモノホンの死体だったら、とっくに白骨化してるだろうな。何年も放置されてるんだから。……だよな?そうだよな?」
 その割には非常予備電源と思われつつも、最低限の電力が生きている。
「とにかく、先へ進もう。ここから人間の死体のようなものが転がっていたとしても、驚くなってことだな」
「イエス」
「エミリー、引き続き警戒をよろしく。アルも……」
「は、はい」
 実は、スキャナーは最新型であるアルエットの方が性能は格段に上だ。
 エミリーは白か黒かしか判断できなかったが、アルエットはもっとグレーであることが判断できる。
(あの人間だかロイドだかの死体……。生物反応が15パーセント、メタル反応が85パーセントってどういうことだろう?)

 途中でまた丁字路に廊下が別れており、真っ直ぐ進むと、カードキーでロックが解除できる部屋があった。
 手持ちのカードキーを使って、それを解除する。
 中に入ると、そこはこの区画の制御室のようだった。
「ちょうどいいや。ここでまた全てのロックとセキュリティを解除してやろう」
 敷島はキーボードを叩いた。
「おっ、この研究所の図面が出ている。ウィリーの研究室は、さっきの分岐を行った所か。案外、楽勝かもな」
 1個ずつセキュリティを解除していく方式だった。
 全部一気に解除しようとするとパスワードの入力が求められる為、それができなかった。
 敷島がそれをやっている間、エミリーは室内の資料を探した。
 持って行ける物があったら持って行く為だ。
 アルエットが見つけたものは、警備員の日記。

『11月10日 また新たに哀れな訪問者がやってくる。研究所1階の建物は、いかにも廃屋にしか見えないから、好奇心旺盛の若者が廃墟探索と称してよくやってくる。モルモットは若い人間がいいっていうから、実に素晴らしいアイディアだ』
『11月11日 もしも町中に研究所を建てたなら、薄汚いホームレスが迷い込んでくるのを待つところだろうが、まさかこんな山の中にホームレスがいるとは思えない。今度は遭難した登山者を捕獲した。監禁室に連れて行くと、ウィリアム所長からお褒めの言葉を頂戴したんだ。こんなこと、大手町のビル警備をしていた時には絶対無いことだ』
『11月12日 ウィリアム所長の所に訪問者が現れた。何でも、あのJARAの最高顧問らしい。用件を伺うと、「シャクブック(?)に来た」とかワケの分からないことを言い出していたので、こりゃまたモルモットだなと思い、捕獲しようとしたら、付き添いの若い男に殴り飛ばされた。そして、「言葉に気をつけろ」だって。何様のつもりだよ!』
『11月13日 ウィリアム所長によると、どうやら昨日の訪問者はマジでJARAの最高顧問だったらしい。「宗教の勧誘をされた」と言ってたが、後で大笑いだ。だってそうだろう?神や仏の存在を否定する科学者が宗教の勧誘ってw それとも、別に意味があるのだろうか?』
『11月14日 しばらく所長が留守にするらしい。戻って来る頃には少し様子が変わるだろうから、帰って来た時には一旦セキュリティを解除してくれとのことだ。一体何のことやら?警備隊長の話によると、所長の計画により、セキュリティシステムを大幅に変更しなくてはならなくなるという』
『11月15日 セキュリティシステムの再構築に当たっては、無断で解除しようとする者がいると、例の物が動き出すようになっているらしい。僕達はいいけど、そんな時に限って知らない訪問者がいたりするものだ。侵入者ならいいけど、本当にアポありの人だったらどうするんだろうか?』

「よし、あと1個だ」
 敷島がキーボードを叩く。
「お姉さん、例の物って?」
「分からない。だが・罠が・待ち構えている・恐れが……」

 ピー!

「よーし!全部のセキュリティを解除したぞ。これで先に進める!」
「敷島・社長」
「何だ?」
「セキュリティ解除と・共に・何か・トラップが・作動する・システムに・なっている・恐れが・あります。十分、警戒が・必要です」
「そうなのか。まあ、タダで資料や何やら持って行かせない。さっきの不細工なロボットが中ボスだとしたら、もっと強い大ボスがいる恐れがあるからな。その時は頼むぞ」
「かしこまりました」
 敷島達が制御室の外に出て、さっきの分岐まで行こうとした。
「!?」
「ウウウ……」
 廊下の向こうから、何か呻き声がして、何かがやってきた。
「わっ、ゾンビだ!」
 それはまるで、“バイオハザード”に出て来るようなゾンビ。 
 足を引きずるようにして、敷島達をロックオン。
 ゆっくり近づいて来た。
「あれ、さっき向こうに倒れてたヤツ!」
 アルエットがそう叫んだ。
「なにっ!?じゃ、マジでゾンビか!?エミリー、撃てっ!」
「イエス!」
 エミリーはマグナムを撃ち込んだ。
「ウウッ……!」
 1発は胸に当たったがそれでは倒れず、頭を狙ったら首と胴体が千切れ飛んだ。
 首と胴体が千切れたら、当然それ以上動くことはできない。
 バタッとうつ伏せに倒れた。
「死体が動くとは……」
 首からは血が噴き出すが、それと同時に胸からは火花が飛び散っている。
「何なんだ、こいつ?人間か?ロボットか?」
 血のように赤いオイルは、ロイド達も使用している。
 しかしそこはオイル。
 臭いも正に油の臭い。
 しかしこれは、明らかに鉄の錆びた臭い。
 つまり、血の臭いであった。
「私……また・人間を・殺し……」
「いやいやいや!どう見ても普通の人間じゃないから、これ!エミリーは気にする必要はない。アルエットも、こういうの見つけたら、遠慮なく攻撃していいぞ。何かヤバそうだ」
「は、はい」
「さっきの制御室には、これらしい資料は無かったなぁ……。うへー……じゃあ何?ここから先、こういう不気味なヤツが襲って来るって?マジ、勘弁だし……」
 そう言いつつも、敷島は分岐を曲がって、別の部屋に向かうことにした。
「ウウ……」「ウォォ……!」
「かー……」
 一応ドアに耳を当てて向こうの様子を探ってみると、件のゾンビが発した呻き声が複数聞こえた。
「どうやら、歓迎の準備をして待っててくれてるらしい」
「イエス」
「分かりました」

 しかし、ここで引き返すのは子供のお使いもいい所だ。
 3人はドアを開けて、ゾンビのようなものが歩き回っている区画へと突入した。
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本日の雑感 0818

2015-08-18 02:41:53 | 日記
 1日も休みが無かったお盆期間中だが、私の場合、一応の連休に入るのが支部登山の前日からである。
 更にその前の日は泊まり勤務明けなので、私はこれでも恵まれている方である。
 連休どころか、更に連勤が嫌というほど続く人は割といる。
 業界全体がブラックなので、そのようなパターンはけして珍しくなく、むしろ当たり前の既成事実として横行しているのが実情である。
 現在のところ、定年再雇用の年配者達だけであるが、(業務中ではないが)会社在籍中に病死という人を何人か聞いている。私の顔見知りもその中には、何人かいた。
 定年再雇用であっても、業務量が減らされるわけではない。
 中には単価が安くなり、年金額も少ないせいか、生活の為に率先して残業したがる年配者もいる。
 なので、けして会社や業界だけの問題ではないということに根深さを感じる。

 私のように就職活動期、今よりずっと不景気でロクな就職先も無く、仕方無く底辺の仕事に就いてずっとそのままという人間はともかくとして、高度経済成長期で景気が良かった頃に就職した人達がそこで定年を迎えないままこの業界にやってくるパターンだと、一癖も二癖もあるのは当たり前か。
 立派に定年まで勤め上げた人達はうちの講頭さんみたいなオーラがあって、目からウロコが落ちるのだが、そうではない人達は顕正会の役職者並みに問題があったりする。
 顕正会の役職者に、下位者が何か反対意見を言ったりしたらどうなる?
 そんなヤツが上役になったりしたら大変だ。

 私は別に揉み手もしないし、尻尾も振らない。
 そうされるのも面倒臭いからだ。
 だけどうちの会社に来る前(来てからも)、ゴマスリで出世した人には私の態度はとても悪く見えるらしい。
 もっとも、だからリストラされるんだろうがと私は頬かむり。
 もちろん私はちゃんと挨拶するし、別にタメ口をきいたりしてるわけではないんだけどね。
 自分の仕事はちゃんとやるよ。

 何だかね、私が法統相続免除者で良かったなーと思うのは、ここでそういう連中を見ているからなんだよね。
 私の父親と同じかそれ以上の年齢層なんだけど、「絶対、義父にしたくないタイプ」が、ごろごろいること。
 ま、向こうさんにしてみれば、私の方こそ「絶対、義理の息子にしたくないタイプ」なんだろうけど。
 お互いさまですw
 社会の底辺業界に来るようなオッサン連中だからであると信じたいのだが、法華講に行くと、今度は、「絶対、義母にしたくないタイプ」がいるんだ、これがorz
 これでは御本尊をして、如何ともしがたしとなるのは当然のことだろう。

 というわけで、現状に甘んじている最中であります。
 予知夢の通り、80歳過ぎてからのモテ期でいいのかもな。
 何の生産性も無いけどw
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