報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“ユタと愉快な仲間たち” 「トンネルの中は異界?」

2014-12-20 19:22:14 | ユタと愉快な仲間たちシリーズ
[12月19日15:27〜15:40.JR中央本線・高尾〜藤野 稲生ユウタ、威吹邪甲、威波莞爾、マリアンナ・スカーレット、蓬莱山鬼之助、栗原江蓮]

 ユタ達を乗せた中央特快は、立川から各駅停車へと変わる。
 東京から離れるごとに、少しずつ車内は空いて行くものの、そんなにガラガラでもない。
 そんな状態の中、高尾山で有名な高尾駅に到着する。
 通常の中央快速線は、ここが終点。
 しかしユタ達が乗る東京からの中央特快は、その先にも進路を取る。
 よく見ると、高尾山に向かって登って行く京王線がいた。
 ここまでは確かに東京という気がするが、それを過ぎると景色は一変する。

〔この電車は中央本線、普通、大月行きです。次は、相模湖です。……〕

 高尾駅から次の相模湖駅までは9.5キロ。
 都心から離れる度に駅間距離が伸びてはいたが、ここまで来ると地方ローカル線並みである。
 そして景色も、それまでは家々の中を走っていたのが、いきなり山間部へと変わる。
 列車種別も中央特快から各駅停車、そして普通へと変わった。
 各駅停車と普通列車の違いについては……まあ、説明が長くなるので、ウィキペディアでも見てほしい。
 で、山岳区間の特徴の1つが、断続的に続くトンネル区間である。
 高尾から西の区間は東の区間と違って線形が悪く、電車もそんなにスピードを出して走らない。
 それが尚更、トンネルが長く感じるのだ。
 そしてその断続的に続くトンネルで、ユタ達に緊張が走った。
「妖気が……!」
「マジ?」
 妖怪達にはもちろん、霊感の強いユタや江蓮は外から妖怪達の気配を感じた。
「江蓮、窓を開けるなよ!」
 キノが江蓮に警告を発する。
「開けねーよ!」
 と、江蓮は言い返した。
「まあ、あまり窓を開ける人はいないだろうけど……」
 と、ユタ。
 実際、今乗車している車両をざっと見渡すと、開いている窓は無かった。
「! 車掌室の窓が開いているみたいだけど……」
 ユタ達は最後尾の車両に乗っている。
 乗務員室ドアではなく、運転席すぐ横の小窓が開いているように見えた。
「まあ、あれくらいなら大丈夫だと思うけど……」
 威吹は首を傾げて言った。

 相模湖駅を出て、次の藤野駅に向かう間もトンネル区間はある。
 そこも妖気が充満していた。
「一体、どういうことなんだ?まるで、魔界高速電鉄の地下鉄みたいだ……」
「師匠がこの近くに呼んだのは、魔界の穴が開いているからなんだそうだ。それを塞ぐついでに、魔法使いを紹介するとのことだ」
 と、マリアが答えた。
「魔法使いが住んでいるのはたまたまだ」
 とも付け加える。
「お前はその穴埋めに同行しなくて良いのか?それも修行なんだろう?」
 威吹が問うと、マリアは少し苦笑した。
「私はユウタ君達を連れて来るように言われたのでしょうがない。多分、師匠とその魔法使い達で人手は十分ということだろう」
「なるほど……」

〔まもなく藤野、藤野。お出口は、右側です〕

 最後のトンネルを出て、電車はユタ達の下車駅に到着した。
 高尾から西はドアが半自動になるので、自動では開かない。
 仙台地区や上野駅発着中距離電車で慣れているユタは、何の躊躇いも無く、ドアボタンを押してドアを開けた。

 
(藤野駅ホーム。JR最狭である)

「こっちですね」
 ユタの案内でガラガラとキャリーバッグを引く江蓮。
「エレベーターにします?」
「いや、いい。荷物持ちがいるから」
 江蓮が言うと、ヒョイと片手で江蓮の荷物を担ぐキノ。
「おお」
 しかし、何故か開けて中に手を入れるキノ。
「下着漁らない!」
 ボコッ!
「ぶっ!」
 江蓮が肩に担ぐ布袋の中身は竹刀ではなく、木刀のようである。
 それでキノをどついた。

 
(藤野駅外観。この時点で駅周辺の地形が分かれば凄い)

「こんな小さい駅でも、自動改札なんだな」
 階段を昇り降りする際にも、キノが先に行くか江蓮が先に行くかでもめる。
 先に改札口に向かったユタ達だったが、
「ユウタ君、どうして日本のあのコ達は学校のユニフォームのスカートを短くしてるの?」
 と、マリアに聞かれるユタ。
「さあ……。本人に聞いてもらえます?」
 ユタは苦笑いして首を傾げた。
「鬼の男を誘っているようだが、否定している……?よく分からない」
「ツンデレなんですよ、栗原さんは」
 ユタはそう答えた。
「つんでれ……?新しい魔法か?」
「いえ、違います」
 更に笑うユタ。
 駅の外に出る。
 ここでトイレ休憩。
 駅の改札口を出て、右手の方にある。
 東京駅から1時間10分以上掛かった。
 しかし、ここも東京都心への通勤圏内なのである。
(さすがに、1時間以上も通勤してられないな……)
 ユタは小便器の前に立ちながら言った。
(大宮から京浜東北線か埼京線なら、都心まで1時間も掛からない)
「おう、イブキ」
「何だ?まだ出てる最中だ。ちょっと待て」
 小便器が2つしか無い件。
「そうじゃなくてよ、あのトンネルの連中、オレ達に気づいたみたいたぜ」
「ああ。気づくだろうな」
「はいよ、キノ。お待たせ」
「おう」
 ユタが小便器を開けた。
「襲ってこなくて良かった。さすが、高等妖怪が睨みを利かせてると違うなぁ……」
 ユタが洗面所で手を洗いながら言った。
「……だと、いいんだがな」
「え?」
 どうやらキノ達は違う警戒心を持っているようだ。
(なるほど、袴の裾をたくし上げてオシッコするんだ、この人達……)
 どこを見てるんだ、ユタ。

[同日16:00.神奈川県相模原市緑区 上記メンバー]

 駅から宿舎まではかなりキツい、アップダウンを体験しなくてはならなかった。
 相模湖に直結する川に架かる大きな橋を渡るのに、アップダウンしているという感じだ。
「ちっ、妖気の臭いがプンプンするぜ」
 キノが不快な顔をして言った。
「相模湖に!?」
「大丈夫だ。師匠が先ほど穴を塞いだと言ってきた。いずれその“臭い”は消えるだろう」
 と、マリアが静かに言った。
「へえ……」
 その橋も渡って、キッツい坂を登る。
「まるで……陸の孤島だな……」
 女子の中では体育会系で体力に自信のある江蓮も、息を荒くするほどだ。
 これでは体力の無いマリアは大変だろうと思いきや……。
「くぉらっ!魔法使い!魔法使うな!」
 マリアは地面から少し浮いていた。数センチくらい。
 それでスイスイと坂を登って(?)いたのだった。
「自分だけ楽しやがって!」
「うるさい。魔道師の特権だ」
 鬼族の睨みを涼しい顔で平然と受け止めるマリアだった。
「……いや、大丈夫です!僕1人で登れるんで!」
 ユタはマリアが魔力を付与した人形達によって担がれるところだったが、強く固辞した。
「余計なことするな!」
 これには威吹が反発した。

 そんなこんなで、まずは宿舎に到着した。
コメント (26)
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“ユタと愉快な仲間たち” 「南進から西進へ」

2014-12-20 15:17:04 | ユタと愉快な仲間たちシリーズ
[12月19日14:00.神奈川県相模原市緑区 相模湖付近 イリーナ・レヴィア・ブリジッド]

(作詞・作曲mothy氏、クロノ・ストーリーより一部抜粋)

「退屈しのぎになるならそれも構わない」
「どうせ時間は無限にあるし」
 嗤う魔道師

 愛する人を失い、大事なものを壊したその果てに
 与えられた悠久は 彼女にとって空虚でしかない

 全てを手に入れ そして失った魔道師は
 何を望む?何を求める?
 時の果てに……

(歌:鏡音リン・レン、巡音ルカ)

[同日同時刻 JR東京駅 稲生ユウタ、威吹邪甲、威波莞爾、マリアンナ・スカーレット、蓬莱山鬼之助、栗原江蓮]

〔「ご乗車ありがとうございました。まもなく東京、東京です。お降りの際、お忘れ物の無いよう、ご注意ください。東京の次は、浜松町に止まります。有楽町、新橋へおいでのお客様は、山手線にお乗り換えください」〕

 客扱い遅れによる数分の遅延を以って、京浜東北線快速電車は東京駅に滑り込んだ。
 車内のモニタで、繰り返し東京駅開業100周年をうたう広告が流れている。

〔とうきょう、東京。ご乗車、ありがとうございます。次は、浜松町に止まります〕

 ユタ達はそんな東京駅に降り立った。
「東京駅に着いたぜ。で、今度はどうするんだ?」
「中央特快に乗り換えるよ。まだ少し時間がある。トイレの無い電車だから、今のうちにどうぞ」
「あ、じゃあ、行ってくる」
 江蓮が手を挙げた。
「じゃあ、私も」
 マリアも同意した。
「トイレは向こうです」
 女性2人がトイレに向かうのを見送ったキノは腕組みをしながら、
「何で女ってな、連れションしたがるんだ?」
 と、首を傾げた。
「多分、それだけじゃないと思う」
 ユタは首を傾げた。
「で、次の電車は何分だ?」
「14時29分」
「あ?だいぶあんなー」
「そうだよ」
「そうだよって……」
「東京駅の女性トイレは混んでるから、その待ち時間込み」
 ユタはしたり顔で言った。
「マジかよ!」
「さすがは鉄ヲタです」
 キノは驚愕し、カンジはポーカーフェイスを崩さずに称賛した。

[同日14:25.JR東京駅・中央線ホーム 上記メンバー]

〔まもなく1番線に、当駅止まりの電車が参ります。危ないですから、黄色い線までお下がりください。折り返し、14時29分発、中央特快、大月行きとなります〕

 
(東京〜大月間で使用されるE233系中央特快。まあ、普通の通勤電車である)

 電車がやってくる。
 京浜東北線の色違いだ。
(E233系からE233系に乗り換えるのもオツだろう。……あまり面白味には欠けるけど)
 と、ユタ。
 ここまでの乗客がぞろぞろ降りて行くと、ユタ達は再び車中の人となる。
「今度は1番後ろになるのかい?」
 威吹が言った。
「ああ。降りる駅は、後ろの方が楽なんだ」
「よく調べやがるなぁ。カンジに調査させてんのか?」
「オレは何もしていない」
 キノの言葉に、カンジはポーカーフェイスを崩さずに首を横に振った。

〔この電車は中央線、中央特快、大月行きです。停車駅は神田、御茶ノ水、四ツ谷、新宿、中野、三鷹、国分寺、立川と、立川から先の各駅です〕

 京浜東北線と違うのは、ドア横に半自動式用のドアボタンがあることだが、東京駅の折返しには使用しない。
 その為、寒風が車内に入って来る。
「東京でこの寒さじゃ、現地はもっと寒いだろうなぁ……」
「また雪が降るかもね」
「マリアさんが言うと、本当に降りそうですよ」
 ユタは笑みをこぼした。

[同日14:29.JR中央線・中央特快車内 上記メンバー]

 京浜東北線は数分遅れだったが、中央線は時刻表通りに発車した。

〔JR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございます。この電車は中央線、中央特快、大月行きです。停車駅は神田、御茶ノ水、四ツ谷、新宿、中野、三鷹、国分寺、立川です。立川から先は、各駅に停車致します。次は神田、神田。お出口は、右側です。地下鉄銀座線は、お乗り換えです〕

 放送だけ聞くと結構速い電車に聞こえるが、ドア上のモニタに表示される停車駅案内を見ると、立川から先が長く感じる停車駅だ。
「ところで、イリーナさんからは何か連絡は?」
「いや、無い」
 ユタの質問に首を横に振るマリア。
「お前の師匠はどこへ消えたんだ?オレ達を誘うばかりで、姿を見せやしない」
 威吹は眉を潜めて言った。
「師匠も忙しい時は忙しいんだ。お前達の武器を直す為に奔走しておられるのだぞ」
「……だってよ、威吹?」
「それを言われると、何も言い返せないが……。しかし、そこまでする理由ってのは……」
「!?」
 突然、窓を打ち付ける激しい音。
「これは雹……いや、霰だな」
 キノは窓の外を見て言った。
「霰!?この季節に!?」
「雹はともかく、霰は夏以外の季節にも降るぜ。こうしてる間にも、魔界からの揺さぶりは続く。今は1人でも多くの防衛力が欲しい。だから、刀くらい直してやんぞと。そういうことだな?」
 キノはマリアを見下ろしながら言った。
「……そんなところだ」
「まあ、獄卒志望のオレには関係無ェ……と、言いたかったんだがな」
「地獄界にまで攻め込まれては、そこも危険地帯になってしまったな」
 威吹が哀れむような顔をした。
「あくまでも魔王軍には与しねーが、死守の為に戦うのはしょうがねぇ……」
「それは当然だな」
 威吹は大きく頷いた。
 因みに、霰が降ったくらいで電車は止まらないのでご安心を。
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小説の途中ですが、ここで本日の雑感をお送りします。

2014-12-20 00:56:16 | 日記
イマドキの大人婚(2)日本人の晩婚化が進むワケ(Mocosuku Woman) - goo ニュース

 武闘派さん達の抗争は逃げるに限る。
 巻き込まれたら、たまったものではない。
 前のお寺も変なイザコザに巻き込まれたもので、脱講を決意した次第だ。
 元顕正会員に対するイメージは頗る悪く、それがため、今のお寺はなるべく元顕の少ない組織に所属させて頂いた。
 はっきり言って救い難い連中ばかりだ。
 よく、よっぴんさんは、御祈りできるものだ。
 私なんか、
「お前なんか勝手にしろ!」
 と、さっさと見切りを付けるものだが……。

 またもやポリ銀さんが殊勝な記事を作成しておられ、私のような思考の者を遠回しに諌められておられるが、あいにくと私は聖人君子ではない。
 そう簡単に慈悲が持てたら苦労などしない。
 罰を祈るようなことはさすがにしないものの、逆縁にした本人が仏縁の無さを呪うが良いとは思う。
 退転者もそう。
 自分で勝手に辞めて行ったのだから、何度も復帰させてやることはないのだ。
 出戻りを認めている企業だって、そうそう無いよ。
 だから私は、別のお寺を紹介してもらったんだけどね。
 ま、功徳はまだ無いけども。
 まあ、しょうがない。こちとら所詮、中途採用者。新卒採用者より待遇が悪いのは必然か。

 山門入り口さんの所で、愚痴らせて頂いた。
 大白法の記事に対する苦言を呈した部分なのだが、支部登山で人材育成という意味は確かに私も分からない。
 私なんざ登山回数は既に2ケタを数えているが、育成されているとはとても思えないのだが。
 あと、家族そろって御講に行こうって言われたところで、そもそも一緒に行く家族がいない。
 私しか信心していないため。
 いや、元顕正会員なら、ほぼこういうパターンだと思う。
 それが武闘派信徒の呼び掛けに応じ、勇気を出して近くのお寺、もしくは呼び掛けた信徒の所に連絡するだけでも大変なのに、折伏を受けて、更に御受誡するだけでなく、それを更に続けるって物凄いことなんだよ、実は。
 プロパーさん達はそれが当たり前だから、更にもっと多くを求めて来るけど、いやちょっと待てよと。
 一代法華の辛さが理解できないくせに、色々言われても困るよというのが本音だ。

 実は今の支部でぼんやり聞いた話なのだが、ある地区に私のような一代法華の男性信徒がいたそうだ。
 恐らくは私と同じように、自分1人の信心だけで終わるだろうと思っていたようである。
 それが、結婚を機に一変したらしい。
 そもそも、結婚すら人生設計に入っていなかったらしく、孤独死を想定していたくらいだったが、同じ年代の女性信徒を紹介されて意気投合。
 それまでの信心生活を大きく好転させる結果を招いた……みたいなプチ体験発表だ。
 無論、法統相続は順調に進んでいるとのこと。
 こっちの方がよっぽど励みになる。
 え?この程度で?と、プロパーさん達は思うかもしれない。
 だが、顕正会の体験発表は重過ぎる。重過ぎて飽きる。
 恐らくはインパクトを狙っているのだと思うが、似たような内容の発表が続くと飽きるものだ。

 とはいうものの、あくまで体験発表は例外の紹介であり、誰も彼もがそうなるとは限らない。
 あくまで、そういうこともあるよ、という感じに留めた方が良い。

 過度の期待は大いなる絶望を招く。

 今まで宗門を去って行った者達は、多分そのパターンなのではないか。
 来年は、もう少し開き直ることにしよう。
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