日々是好日

身辺雑記です。今昔あれこれ思い出の記も。ご用とお急ぎでない方はどうぞ・・・。

日米安保もいらないし、世界最強でない軍隊も要らない  追記有り

2010-06-17 00:48:30 | Weblog
かって元在朝日本人が読んだ「ある朝鮮総督府警察官僚の回想」で次のように述べたことがある

敗戦時、私は疎開先の江原道鉄原国民学校の5年生で、ソ連軍がそこまで迫っているとの噂にせき立てられる形で鉄原を這々の体で逃げ出して京城に舞い戻った。11月の末に日本に引き揚げるまでいわゆる『難民生活』を送り、その間朝鮮の激動的な動きをそれなりに体験したのである。

疎開先の鐘紡鉄原工場の周辺を軍隊が警備していたが、戦争に負けたかと思うと早々と姿を消してしまい、取り残された民間人だけが列車に乗り込むべく早暁の田舎道を急いだのである。今の感覚で云えば、こういう非常事態においてこそ『皇国臣民』を保護すべき任にあたる朝鮮総督府に軍隊が、なんとなんと民間人より先に逃げ出したという芳しからざる噂がその後根強く流布した。

当時の朝鮮でも満州でも、最後まで日本国民を守ってくれるはずの日本軍が、戦争に負けたとなると民間人そっちのけでいち早く逃げ出した現実をこのような形で私たちは目にした。それを「芳しからざる噂がその後根強く流布した」と控えめに表現したが、その実例が思いがけず15日付け朝日朝刊の投書欄に次のような形で現れた。とくに最下段に注目していただきたい。


旧帝国陸軍将校の当時の行動を自ら記している貴重な記録である。上官の命令に従ったと言えばそれまでであるが、このような軍隊のために(天皇に)忠良なる大日本帝国臣民は莫大な戦費を献じ、その揚げ句戦争には負けるし、負けたら負けたで民間人をほったらかしにして真っ先に逃げ出してしまった。戦時中、私たち子どもは次の歌の文句を心から信じて歌っていたのに・・・、である。



事業仕分けでスーパーコンピューターの性能が何故世界第一でないといけないのか、と問われたことが切っ掛けで世界一論議がわき起こったが、軍隊こそ世界最強のものを持たないと意味が無い。必ず世界最強国にやっつけられるからである。かっての無敵大日本帝国がそうであったように、かなりの戦力を備えているつもりでも負けてしまえば、はいそれまでよ、である。中途半端な戦力はなんの意味も持たないのである。負けるために戦うだけだからだ。それはわれわれ戦前・戦中世代が身を以て体験したことである。

スーパーコンピューターではいざ知らず、日本がどう転んでも世界最強の軍事大国には未来永劫なり得ない。であれば中途半端な戦力の整備に毎年子ども手当とほぼ同額の何兆円かを注ぎ込むのはまったくの無駄である。必ず強い相手に負けるのだから。そのための日米安保である、と言う人がいるだろうが、無敵と言われた同国人の軍隊ですら結局は頼りにならなかったのに、なぜ他国の軍隊が信頼出来るのだろう。お目出度いにもほどがある。いまこそ日本人は叡智を集めて軍隊無しで生き延びる道を探し求めるべきなのである。その道は必ずある。

追記(17日午後)
朝日新聞へのの投書を見てこれだけはぜひ書き残しておかなくてはと思い小文にまとめたが、夜も更けて推敲の間もなく投稿したのでその後少し手を加えた。Youtubeも追加した。日本はどう生き延びていくべきか、折に触れて考えを述べていきたいと思う。