日々是好日

身辺雑記です。今昔あれこれ思い出の記も。ご用とお急ぎでない方はどうぞ・・・。

阪大教授論文取り下げ、この続きは?

2007-10-26 11:55:36 | 学問・教育・研究
以前のエントリー大阪大学大学院医学系研究科教授会の摩訶不思議な行動で私はこのようなことを述べている。

《私は論文捏造事件の責任者である下村教授が現職にとどまっていることには納得していない。しかしその心情と、今回の教授会の決定に対する私の不審とは別物である。教授会が同僚教授に対して「論文の出来が悪いから取り下げよ」と云うのは、それが強制力を伴わない現状である以上、たんなるお節介に過ぎないのである。そういう無意味なことに教授会が時間とエネルギーを浪費すべきではない。》

《繰り返しになるが私は下村教授の肩を持つのではない。大阪大学大学院医学系研究科教授会の私の常識では理解できない『論文取り下げ勧告』という行動に、私の『天の邪鬼』が勝手に反応してしまったようである。教授会は中途半端な処置でお茶を濁すのではなく、阪大杉野事件で大阪大学大学院生命機能研究科が作成した調査報告書のようなものをまずは公表すべきである。》

ここで述べたような調査報告書が公表されたのかどうか私は知らないが、今朝の「朝日」は「阪大教授、論文取り下げ 実験不備 科学誌掲載では異例」の見出しでことの経緯を報じていた。その記事の一部を引用する。



この引用の最後の部分、「大学や同誌が取り下げを求めていた」は「朝日」お得意の中身の伝わらない記事であるが、それはともかく、問題論文が結局「Science」誌から取り下げられたことを報じている。しかしこれでもって『下村事件』の大団円にしてはならない。

私は大阪大学がはき違えていることでも大阪大学の対応を批判したが、下村教授はこの時の「Nature Medicine」誌への発表論文に引き続いての今度は「Science」誌からの論文撤回である。世間では「二度あることは三度ある」という。『食品の偽装』も「ミートホープ」、「白い恋人」、「赤福」に「比内地鶏」と相次いで不祥事が浮かび上がった。大阪大学が適当なところで手を打つのも、なにか連鎖反応を警戒してのことだろうか。げすの勘ぐりであってほしいものである。