こどもの日、NHKBS1で「親子で楽しもう! 春のモーツアルト祭り」を今も放映している。「音楽祭会場から6時間生放送」とプログラムに出ていたので、モーツアルトの音楽に首まで浸るつもりでチャンネルを回したのに、肝心の音楽はなかなか始まらずに愚にもつかないお喋りが延々と続く。本を読み始めた。
アレッと思った。ピアノ協奏曲が聞こえてきたがピアノの音色のなんと軽やかなこと、演奏者が小曽根真と紹介されている。演奏をこれまで聴いたことはないが確か神戸出身のジャズピアニストではないか、と思ったのに、オーケストラと四つに組んで堂々と渡り合っている。妻に「彼、クラシック?」と念のために聞くと「ジャズでしょう」と戻ってくる。そう言えば演奏に音色に遊び心が満ちているように感じる。
カデンツァに入っても急に変貌はしない。どこかで化けるかなと注意していると時々離れていきそうでなるほどと思いかけるとまた元に戻っていく。しかしカデンツァが回を重ねるにつけてアドリブがはっきりと存在を主張し始めて、2楽章から3楽章にかけては「これが小曽根真の真骨頂」と言わんばかりの演奏に突入、ジャズのリズムがなんと心地よく走っていくことだろう。いたずら好きと言われたモーツアルトご本人の演奏じゃないか、と思うと彼の顔がモーツアルトに見えてきた。手を休めているオーケストラのメンバーもアドリブの行方に息を詰めている気配が画面から伝わってくる。しかしオケとの共演にはピシャリと入っていく。この切り替えの鮮やかにしかしスムースなところがまたいい。楽しい演奏に心が浮き浮きしたものだから余計ものの「おしゃべりさん」も許してあげる気になった。
ジャズピアニストJohn LewisのBach演奏も私は大好きである。「The Chess Game」では夫人のMirjana Lewisが「The Goldberg Variations」をチェンバロンで典雅に奏でると同じ曲を彼がジャズ風にアレンジしてピアノで奏でる。身体が自然にスイングし始めるのである。
John LewisがBachなら小曽根真はMozartが嵌り役のように直感した。今回は只ただひたすら息を詰めていたが次は身体がどう反応するのか楽しみである。ぜひMozartのレパートリーを広げて大勢を幸せにして欲しいものである。
アレッと思った。ピアノ協奏曲が聞こえてきたがピアノの音色のなんと軽やかなこと、演奏者が小曽根真と紹介されている。演奏をこれまで聴いたことはないが確か神戸出身のジャズピアニストではないか、と思ったのに、オーケストラと四つに組んで堂々と渡り合っている。妻に「彼、クラシック?」と念のために聞くと「ジャズでしょう」と戻ってくる。そう言えば演奏に音色に遊び心が満ちているように感じる。
カデンツァに入っても急に変貌はしない。どこかで化けるかなと注意していると時々離れていきそうでなるほどと思いかけるとまた元に戻っていく。しかしカデンツァが回を重ねるにつけてアドリブがはっきりと存在を主張し始めて、2楽章から3楽章にかけては「これが小曽根真の真骨頂」と言わんばかりの演奏に突入、ジャズのリズムがなんと心地よく走っていくことだろう。いたずら好きと言われたモーツアルトご本人の演奏じゃないか、と思うと彼の顔がモーツアルトに見えてきた。手を休めているオーケストラのメンバーもアドリブの行方に息を詰めている気配が画面から伝わってくる。しかしオケとの共演にはピシャリと入っていく。この切り替えの鮮やかにしかしスムースなところがまたいい。楽しい演奏に心が浮き浮きしたものだから余計ものの「おしゃべりさん」も許してあげる気になった。
ジャズピアニストJohn LewisのBach演奏も私は大好きである。「The Chess Game」では夫人のMirjana Lewisが「The Goldberg Variations」をチェンバロンで典雅に奏でると同じ曲を彼がジャズ風にアレンジしてピアノで奏でる。身体が自然にスイングし始めるのである。
John LewisがBachなら小曽根真はMozartが嵌り役のように直感した。今回は只ただひたすら息を詰めていたが次は身体がどう反応するのか楽しみである。ぜひMozartのレパートリーを広げて大勢を幸せにして欲しいものである。