今日(産経新聞・第一面)の記事に、塩爺(塩川正十郎氏)の「歴史的事実を教訓にせよ」と言う文章が載っていた。正に正論である思うので、転載したい。以下原文の要旨である。世界は今、同時不況で、実体経済が悪化し、社会不安が醸成されつつある。だが、そういう時こそ、チャンスが潜んでいる。日々、前進と改革の、たゆまぬ努力の成果が、生存を保障してくれる。このことは、ある歴史的事実が教えてくれる。 1975年頃、アメリカのラルフ・ネーダーという弁護士が、車の排ガス規制の強化を訴えた国民運動に対し、米国側・ビックスリーは、1000人の弁護士を動員して対抗した。これに対し、日本側は、100人の優秀な学者と技術者による、排ガス規制に取り組んだ。この努力差が、日米の自動車産業の、今日の差となった。要するに日本は、ピンチをチャンスに変えたのだ。今の経営者は、業務縮小や人件費削減で、当面の利益追求に走っている。企業の社会的責任感が、希薄になってないか?
不況が深刻だからこそ、転換すべき新しい選択を模索し、開拓して欲しいと、結んでいる。塩川氏の原文の要旨を、ここに、そのまま抜粋したが、流石に、前財務相であり、現在は、東洋大学学長をされている氏の言葉は、含蓄に富んでいると、いたく感動した。日本人に対する警世の言葉と、受け止めたい。更に、彼は、そうでないと、日本は亡国への坂を下るように思えてならない、とも、付け加えている。