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バルトの楽園

2006-07-17 13:48:39 | アート・文化

バルトの楽園

本日、「バルトの楽園」と言う映画を家内と観に行きました。内容は、第1次世界大戦時での出来事です。青島でのドイツとの攻防戦で、捕虜となったドイツ兵の板東捕虜収容所での生活を描いた作品でした。収容所内の人道的な捕虜への待遇と、その生活ぶりと、日本で最初に演奏されたといわれる、ベートーベンの第九交響曲の「歓喜の歌」でフィナーレを飾るのですが、初めから終わりまで、感動の連続でした。

松江所長の人道的な捕虜に対する態度は、世界でも稀にみる信頼関係を生み出し、捕虜にとっては、天国での生活であったろうと思いました。旧ソ連での日本兵のシベリア連行と、その酷使で多くの人命が失われた事と比べ、いかに素晴らしい出来事であったか! これも松江所長という、会津出身の一人の人間の高潔な人格と、その影響力に負う事を、知らされました。同じ福島県人として誇りを、強く感じるものです。

この映画を観て、責任のある立場にある人間は、常に人格を磨き、信念を持って事に当たらねばと思います。

自分などは、「日、暮れて尚、道遠し」と思わざるをえません。

毎日のように、子殺し、親殺し、のニュースを見るにつけ、この映画は、一服の清涼剤でした。未だ観ておられない方には、是非お勧めしたい作品です。


7月の出来事

2006-07-08 22:20:33 | アート・文化

今日は、福島県文化センターに、松竹歌舞伎(松本幸四郎一座)が、演目「勧進帳公演」を演ずるという事で、家内と観に参りました。今まで、私は亡母を歌舞伎座に、9回招待しましたが、残念なことに「勧進帳の公演」は、一度も出会う事はありませんでした。

3ヶ月前に、この情報を知り、この公演を、本日ようやく、鑑賞することが出来ました。

今日の県文化センターは、超満員で溢れており、しかも、観客全員が満足して帰られた様子でした。前置きが長くなりましたが、勧進帳とは、頼朝に追われた義経主従が、関所である安宅の関での出来事の一部始終を、描いたもので、そのあらすじは、余りにも有名ですのでここでは省きます。

義経主従と知りながら、見逃す関守の富樫左右衛門、機転を利かせた弁慶が白紙の巻物を勧進帳として取り出し、朗々と読みあげるが、最後に、義経が見とがめられてしまいます。

弁慶は疑いを晴らすため、心を鬼にして、主君を思い切り、金剛杖で打ち据えます。

この様子を見て、全てを悟った富樫は、主従の関所通過を許し、しかも、もてなした上に見送る場面には、思わず泣いてしまいました。

勧進帳の読み上げ、弁慶と富樫の問答、義経の弁慶へのねぎらい、最後の幸四郎(弁慶)の舞に、心から酔いしれた事でした。

最近の日本では、親が子を殺し、子が親を殺す事件が、毎日のように報道されているが、

数百年前には、このような武士の情けと言うか、心温まる世界が繰り広げられている、民族の遺伝子が我々にも、脈々と受け継がれている筈なのと思った一夜でした。

暫くぶりで、心の洗われた一日でした。