庭の花々との朝のご挨拶を済ませた虚庵夫人が、興奮気味の声で告げた。
「可愛らしい、珍しいお花が咲いているワ!」
成るほど、見たことも無いチャーミングな花だ。花丈二十センチほどのたおやかな茎の先に、直径一センチにも満たない小さな花を一つだけ付けていた。木斛の下においた鉢から、「ひょろり」と伸び上がって頼りなげなのは、いかにも遠慮しつつ「お邪魔しております」と言いたげな風情だ。
風に種子が運ばれて来たのだろうか? 「うつろ庵」の庭には、野鳥が訪れて思わぬ置き土産もあるが、この草花もその類かもしれない。可愛い花の来客は、一も二もなく大歓迎だ。
どなたか花の名前をご存知の方が居られたら、是非ともお教え願いたい。
はしきよしいとけき花ぞと我妹子(わぎもこ)の
指先たどれば小花たゆたふ
たおやかな姿に花の顔立ちも
彩りまれなる小花なる哉
訪ね来て庵に生ふるは縁ならむ
ゆたにあれかし花咲く客びと
ネメシア KLM (Nemesia KLM) と判明しました
英国の種苗専門店・ブリティッシュシード社の新開発品種
色がオランダ航空KLMのCI色を連想させることから命名されたと言う。
http://www.kagiken.co.jp/new/kojimachi/hana-nemesia-klm_large.html