「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「君子蘭」

2006-05-10 10:40:53 | 和歌
 
 松の木漏れ日を受けて、君子蘭が咲いた。

 この君子蘭は、「うつろ庵」の松の剪定を任せてきた植木職人・定吉爺さんに貰ったものだ。定さんが抱えて来てから、かれこれ二十年は経っただろうか、鉢の数も七つ八つに増えた。
彼方此方で見かける君子蘭は、赤丹色のものが多いが、黄丹、或いは金赤と言おうか、落ち着いた色合いが好きだ。

 冬も暖かな横須賀では、屋外でも簡単な霜囲いをする程度で例年を凌いで来たが、今年は幾つかの鉢が霜害にあって、可愛そうなことをした。この鉢は、定吉爺さんが丹精込めて手入をしてくれた松の下で、無事に越冬した。







             今は亡き「定吉」じいの懐か
  
             松の木漏れ日 君子蘭 いだきて  



             この頃は行くさ帰るさその都度に  

             挨拶かわす君子蘭かも  



             抱き来て置きたる鉢は年毎に  

             君子蘭咲きじじ忘れめや