河鹿の涼やかな鳴き声に、初夏の訪れをおしえられた。
近くの友人を誘い、虚庵夫人を伴って伊豆・函南のホームコースでゴルフを楽しんだ。
箱根コースの十八番ホールには、グリーンの脇に岩清水が灌ぐ見事な池がある。普段はゴルフに夢中で、池の風物など目にも入らないが、グリーンに近づくと、思いもかけず河鹿の涼やかな鳴き声に迎えられた。
河鹿は五月から七月ころにかけて、清流の上流などで、ごく稀に耳にすることもあるが、ゴルフ場で歓迎を受けようとは、思いもよらぬことであった。隣の原生林から闖入したものであろうか、河鹿の鳴き声に助けられて、グロスは七十七であった。
(出雲市鰐淵小・猪目分校のホームページから、河鹿の録音を拝借した。
ここをクリックすると河鹿の鳴き声が聞こえます。)
石楠花の花散り初むる あしびきの
函南山に河鹿なくなり
函南の山の真清水 湧く池に
たゆたい恋鳴く河鹿きくかも
わぎもこはいかにかきくらむかはづなくを
をとめをこふる せつなきうたを