Kuni Takahashi Photo Blog

フォトグラファー高橋邦典
English: http://www.kunitakahashi.com/blog

青空色の滝

2008-08-11 14:38:05 | 報道写真考・たわ言
久しぶりに仕事を離れて10日ほど休暇をとって息抜きをしてきた。

はじめの5日間はアリゾナでキャンプ、その後はニューヨークへ。

いまシカゴに戻る便を待ってラガーディア空港でこれを書いているのだが、天候が悪くもう6時間もここで足止めを食っている。

アリゾナでは、グランドキャニオン近くのネイティブ・インディアン居住区までテントを担いで訪れたのだが、ここではこれまで見た中でも最も美しい滝で泳ぐことができた。

ハバスパイ族の居住地にあるこの滝の水の色はまるで青空のようなミルキーブルー。冷たく、寒がりの僕には身体を入れるにはちょっと度胸がいったが、その水はまるでそのまま飲んでしまいたくなるように透き通っていた。滝壺の青色は水に含まれる石灰のためだという。

3日分の食料を含めた重いバックパックを背負っての5時間ハイクは、こんなキャンピングに慣れていない身体にはこたえたが、この滝を一目見たときにそんな疲れは吹っ飛んだ。

写真の事などあまり考えず、久しぶりに自然を満喫した数日間を過ごせたのだが、一つ残念だったのは、かなりの奥地に入ってもペットボトルなどのゴミが目についたこと。

はじめは心ない観光客が捨てていったものだと腹をたてていたのだが、どうもそういう外部の人間達だけのせいではないらしい。

ゴミの件に限っていえば、地元のインディアン達のモラルもあまり見上げたものではないようだ。村の中でも、地元の子供達がお菓子を食べた後に包装紙などを放っていったりするのを何度か見たし、中庭がまるで竜巻がきた後のようにゴミで散らかっている家も数件あった。

取材でいった訳ではないので特に調べた訳ではないけれど、この先住民コミュニティーが主な収入源として僕らのような観光客に頼っているのは明らかだ。それならばなおさらこういう環境には気を使ってしかるべきだと思うのだが、そういう配慮はあまり感じられなかった。

まあ彼らにしてみれば、観光客を受け入れなければ生き延びる事ができないので仕方なくやっている事かもしれないし、本心では外部の人間がこの土地にやってくる事を快く思っているかはわからない。

ヨーロッパからの入植者たちが先住民から土地を強奪して建国したここアメリカ。その政府の先住民政策のひずみがこんなところにも現れているのかもしれないと思うと少々複雑な気分にはなったけれど、そういう政治的なこととは別にこの土地の美しさ(この土地にはハバスパイ滝を含めて3つの滝があるがそのすべてが素晴らしい)は一見の価値ありだと思う。キャンプやハイキング好きの人にはお勧めです。













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4 コメント

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Unknown (miura)
2008-08-11 16:16:20
いいですね~。こんな時間は大切ですね。私も美しい場所を訪ねたくなりました。
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Unknown (dumbo)
2008-08-11 19:23:45
滝の音が聞こえてきそうです。
いつか行ってみたいなぁ~...
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気持ち良さそう! (Fumi)
2008-08-11 23:01:06
写真の吠えてる!?(笑)のは邦典さん??
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Unknown (Kuni Takahashi)
2008-08-15 08:19:26
はい。恥ずかしながら本人です。思わず吠えずにはいられないほどの眺めでした(単に冷たかっただけ!?)
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