熊本熊的日常

日常生活についての雑記

客を見ればわかること

2008年06月24日 | Weblog
近所にThe O2という多目的ホールがある。昔、ミレニアム・ドームと呼ばれていたと記憶している。よくこのホールでコンサートや芝居が行われる。今日は、ここでニール・ダイアモンドのコンサートがあるのと、地下鉄Jubilee Lineの信号機故障の影響が重なり、仕事帰りの地下鉄はかなり混雑していた。

どのようなアーティストのコンサートなのか、客を見ると少なくとも古い人か今の人かくらいはわかる。きょうの客は年寄ばかりだ。これがときにはティーンエージャーの女の子ばかりのときもあるし、子供とその親とか爺婆のときもあり、お兄ちゃんが多いときもある。ただ総じて女性が多いような気がする。日本でも、例えば劇団四季の会員は8割が女性だというし、映画の観客も女性が多いのだそうだ。文化活動は洋の東西を問わず女性が熱心であるようだ。

昔、武道館にエリック・クラプトンのコンサートを聴きに行ったことがある。武道館でのコンサートに行くのはその時が初めてだったのだが、予想していたほど大きいとは感じなかった。この時の客は老若男女で、さすがに息の長いアーチストは客層の幅が違うと感心したものである。ポール・マッカートニーの東京ドームでのコンサートにも1993年と2002年に行ったが、格が違いすぎてコメントのしようがない。

しかし、どんなに「大物」と言われるアーチストでも、最後まで売れつづけるということは無い。ポール・マッカートニーはゴールド・ディスクの最多保持者であり、最多レコード売上ミュージシャンでもあるが、1985年リリースの「スパイズ・ライク・アス」が現時点での最後の全米トップ10ナンバーである。その後もベストアルバムやライブアルバムがミリオンセラーを記録しているが、もはや「現役」というイメージは無いだろう。今日のコンサートの主役であるニール・ダイアモンドはポールと同世代だが、やはり1986年を最後にヒットチャート入りしたナンバーは無いそうだ。

どのような物事にも旬というものがあると思う。ただ、その旬の長さは一様ではないし、複数の旬があっても、同じことは二度とは起こらないと思う。時間は一回性の出来事の連続であり、歴史は繰り返さないのである。文明の盛衰から個人の生活史、人と人との関係のようなものに至るまで、旬と呼べる時期があり、必ず終わりが来るのである。