イタリア・アオスタの谷で ⑤ ー「家族の祝祭 ー 互いに生きる時間を楽しく、屈託なく過ごすこと」

2016年01月26日 | ドイツ・ヨーロッパの「旅」

2016年1月6日

イタリアの山小屋スキーの五日目。
晴天の青空、白銀の山々、
冬のアルプスの息を呑むような素晴らしい風景が四方に広がっています。





そんな風景を僕はもう数時間、山小屋の窓から眺めています。



今日は朝起きた時から腰の周りの筋肉がコンクリートのようにガチガチ、
この数日の疲れが溜まっていたのでしょう、ほぼぎっくり腰の状態で、
山小屋の中を目には見えない杖をつくようにそろーり、そろーりと
歩いています。

それでも、実はかなり幸せな気持ちでいます。きっと、久し振りに
子供達三人、家族全員が顔を揃え、新年からの四、五日、スキーを
したり、雪の中の散歩をしたり、美味しいご飯を食べたり、他愛の
ないゲームをしたり、各々の日々の仕事や家事の時間からすっかり
離れて、いっぱい笑って、いっぱい話して、沢山の時間を一緒に
過ごしたからでしょう。



家族や夫婦のつながりは様々であれ、その大きな意味の一つは、
互いに生きる時間を愉しく、屈託なく過ごすことにあるのだなあと、
つくづく感じた次第です。
今年一年の良いスタートだと思います。
そんな訳で今日は一日、外の雪の世界を時々眺めながら、妻や子供達
の一人ひとりのことを考えたり、これからの自分の人生の時間の中で
まだまだやりたいことなどを書き留めたりして、静かに過ごそうと思います。 


2016年1月8日

イタリア・アオスタの谷でのスキーも今日が最終日です。
やや曇りがちの空です。
妻と娘が一足先に戻ったので、昨日から24才と22才の長男と次男と
三人だけで一日中スキーをしたリ、ごはんを食べたりしていますが、
何をしても、体力の歴然とした差を目の当たりにします。







「まあ、よく育ったもんだー!」 


2016年1月9日
 
 

今日の朝、山小屋からスキーで谷に下りました。最後のスロープを
軽快に滑り降り、今回は三人ともそれなりに上達したように思います。
シュタファールの谷でスキー道具を返し、雪に埋もれたレンタカーに
荷物を詰め込み、ドイツの自宅に向けて出発です。



最後の昼食は帰りがけの、アオスタの谷の小さな村で取りました。
日曜日の昼食、近在の人達も家族連れでやってきています。
「食は日常の中の小さな祝祭」だという気持ちがよく伝わって来る
瀟洒なレストランです。それでも決して高くはありません。





アオスタの谷の一つの名産は、高山の牧草を食んだ乳牛のチーズ
「フォンティーナ」だそうです。





「フォンティーナ」は濃厚な香りをもつ独特なチーズですが、
今日の前菜にはそのフォンデューが、まるで和食の子鍋仕立ての
ような感じで出てきました。





このこってりした前菜の後、さらに「三種のパスタ」と
「鴨肉のグリーンペッパー・クリームソース」のメインディッシュ
が続き、そのあとチョコレートケーキのデザート、まさに男三人の
祝祭、お腹一杯となりました。





これで、今回のイタリアの旅の締めくくりです。

二時間かけた昼食の後、今はドイツの自宅に向けて、約10時間、
1000㎞の道を走っています。





車の運転の出来ない僕の代わりに長男と次男が交互にドライバーを
務めていますが、助手席に座りながら、一人ひとりと今後の勉学や
企業実習、職業の選択などについて、ゆっくり、じっくり話を聞く、
とても良い機会となりました。

一週間、山小屋で沢山の時間を過ごし、雪の中で共に体を動かした
ことと同じように大切なことです。有難いことです。 
今の世の中、「子は親の背を見て育つ」よりも「子は親と遊んで育つ」
のほうが良いのでは、と思います。
少なくともスキーに関しては、僕の滑る後ろ姿を見ても息子達の
上達には寄与しません。 

 













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