僕は酒飲みなので、普段は甘い物にはあまり手が伸びません。
ところがつい最近、とんでもなく美味しいケーキを食べました。
上品な甘さとベリーの軽やかな酸味、あっさりふわりとした生地、
春の朝の雪化粧のようなデコレーション。全てがぴったり一つに
なっていました。その日はイースターの日曜日と長男の誕生日が
重なりあった特別なお祝いの日だったのです。
一番下の娘が朝早く一人で起き出して、お兄さんとみんなのために
作ったケーキでした。
実に屈託のない、真っ直ぐな見事な出来でした。
もう一つのいろいろなフルーツの串刺しもなかなか愉快でした。
もう10日ほど前のことですが、今日になって、ふと、このことは
きちんと書き留めておかなければと思ったのです。
これは親バカの話ではなく、毎日の生活の中でとても大切で有難いこと
なのだと思います。イースターのうさぎさんも「その通り!!」と両手
を挙げているようです。
妻と末の娘と長男、三人の写真。
ドイツではイースターの日曜日は一年の中でも、本当に特別な
家族の日です。子供達のこういう様子を見ていると、
「うちの妻は本当に偉い!!」とつくづく思います。
そのことをついつい忘れてしまうのが、僕の日常の問題です。
4月14日の覚え書き。
辺野古の作業停止指示の後、福井地裁の再稼動否の仮処分の後、
日本政府首脳の「 粛々と進めます」という言葉の奇怪さ、
無神経の不気味さ。過去何十年に亘り、日本本来の風景が
各所で破壊された後、その動きを支えてきた同じ人たちが今、
公の場での日本語から、そこに本来内包されるべき倫理感や人間性を
疎かにして、言葉自体を骨抜きにしていっている。
戦前と同じように、そのとき現れてくるのは、重々しいだけの
空疎な正体不明の漢語系の二字熟語や四字熟語だ。
この国の指導者達とそれを支える人達は、もう相当おかしいところに
来ている。
政治、行政だけでなく、テレビのニュースやワイドショーを
見ても、雑誌を開いても、大衆に向けられた言葉の歪みや同調性への
偏向は著しいものがある。
言葉の崩壊自体が今のこの国の在り方を如実に表している。