30坪+20坪の菜園

BIG FARMの農事日誌です。

2018比叡山を縦走(無動寺坂~元三大師道)=三塔(東塔、西塔、横川)を歩く

2018-11-29 | 登山

  散りもみじの比叡山・横川中堂にて

▪京都の紅葉旅
期日 2018年11月21日(火)~24日(金)3泊4日
天気 11/21晴れのち曇り 11/23曇り 11/24曇り時々晴れ 11/24曇りのち晴れ
メンバー ひとり旅
日程
11月21日(水)高台寺ー清水寺
11月22日(木)東福寺ー今熊野観音寺ー一休寺ー岩船寺ー浄瑠璃寺
11月23日(金)比叡山3塔(東塔、西棟、横川)を歩く=無動寺坂から元三大師道へ

11月24日(土)三尾=神護寺ー西明寺ー高山寺


 3日目(11月23日)
比叡山・無動寺坂を登り三塔(東塔、西塔、横川)を経て元三大師道を下る
 

11月23日(金)烏丸御池駅5:28(地下鉄東西線、京阪石山坂本線)=6:20松ノ馬場駅6:24―6:33無動寺坂登山口ー7:19遠見岩ー7:20紀貫之墓分岐ー7:40玉照院ー7:48明王院ー8:15ケーブルカー延暦寺駅-8:28東塔ー9:03比叡山山頂・大比叡ー9:45西塔ー10:46玉体杉11:00-11:30横川-(元三大師道)-12:18定光院ー12:29びわ湖展望台ー13:18元三大師道の石標-14:04おごと温泉駅(JR)=山科駅ー[毘沙門堂]―山科駅=烏丸御池駅(泊)

今秋の京都紅葉旅のハイライトは比叡山登山になる。それも縦走だ。

過去に坂本から本坂を登り、東塔を経て雲母坂を下り修学院離宮に出た。今回はそのとき歩いていない西塔と横川を加え、いわゆる比叡山の三塔を歩く。比叡山縦走といっていい。


コースは松ノ馬場駅が出発点、無動寺坂から入って山頂を踏み、三塔を経て元三大師道を上仰木へ下り、ゴールはおごと温泉駅になる。歩行時間は7時間30分。

登山は早出が決まり。烏丸御池の宿を5時15分に出た。夜明け前の京都の町中を歩いているのだがその実感がない。いつものように登山となると気分は上々だ。

市営地下鉄東西線と京阪石山坂本線を乗り継ぎ、1時間で登山口となる松ノ馬場駅に6時20分についた。無人駅。下車したのはわたくしひとり。まだ薄暗いがまもなく夜明けを迎える。



駅前から坂道になる。すぐに左に頬焼地蔵尊、そこに「無動寺道」の石標を見てすすむ。こんかい無動寺坂を歩くには理由がある。司馬遼太郎著「街道をゆくー叡山の諸道」(朝日新聞社)を読んで、この道が、信長の叡山焼打のときに明智軍が駆けのぼった道であること、回峰行者はほかの谷に住まず、この無動寺谷に住むということーを知って興味を持ったからだ。


登山口はすぐにわかった。びわ湖病院前を走る県道の向かい側になる。登山口をさがすのに苦労するときがあるが、これでひと安心。

不動寺坂は谷筋の登山道である。谷だからしばらくは展望はない。勾配はそれほど急なところもなく歩きやすい。ここが一番の急坂の「不動坂」と呼ばれる石段か。

落石が目立った。台風の影響だろう。素早く通り過ぎるに限る。

さらに土砂が崩れて登山道をふさいでいる箇所があった。ここは慎重に高巻く。

55分ほど歩くと展望が広がった。びわ湖だ。たぶんここが遠見岩になるのだろう。

目と鼻の先に紀貫之墓分岐。どうしようか。今日は早めに行動したいのでパス。

建物が見えた。玉照院だ。獣除けの柵を開けて入る。

 

 玉照院から道は一変、歩きやすい。登山道から参道になる。

すぐに大乗院。親鸞修行旧跡の石碑あり。比叡山の紅葉は、稜線はすでに終わっていて、いまはこのあたりまで下りてきた。

右手に急な階段があらわれた。高台に建つ無動寺谷の本堂、明王堂となる。若い2人のお坊さんが参道を掃除していた。この清々した参道にいちばんに踏み跡をつけるのは恐縮するほどだ。

 

明王堂からびわ湖が見下ろせる。

境内を出て、ふと左手下を見ると、はっとするようなあざやかな紅葉が目に飛び込んできた。弁天堂だ。ここがこの日一番の紅葉となった。

紅葉が見事だったから弁天堂に立ち寄ることにした。参道から急な坂を下りて行く。

弁天堂から参道に戻る。すすむにつれて紅葉はしだいに茶褐色に。

ケーブル延暦駅が見えた。

後ろを振り返ると「無動寺参道」の石標。

8時15分、ケーブル延暦寺駅についた。出発してから約2時間。ちょうど始発のケーブルカーが到着したところだった。

駅前からびわ湖の展望。あいにく伊吹山は雲の中。

延暦寺・東塔。
すぐに拝観受付所。ここで3塔共通の拝観料700円を払う。だが登山なら不要だ。それを前回に知った。こんかいはお参りではなく登山だとその旨を伝える。わたくしの登山姿をじろっと見て、西塔でも横川でも受付で登山の旨を伝えるように言われ、ここは気持ちよく対応してくれた。

ところがである。後述するつもりでいたが先に言ってしまおう。西塔と横川の受付ではこう注意された。「お参りはしないように」。そうか、拝観料を払っていないのだから「お参りはできませんよ、しないようにね」との注意だ。要は「登山を装ってタダ参りはいけませんよ」ということ。道理である。こちらだってそのことは十分に承知している。受付の人は、登山者にはそう言うようにと上から指示されているのだろう。仕事に忠実と思えばいいのだが、そこまで念を押すかと、不快になった。こちらだって今回は登山と割り切ってきているのだから、気持ちよく通してくれればさらに気分がいいものを。高野山登山のときはこんな不快なことはなかった。日本人なら、無意識に神社の前では頭を下げ、お寺の前では手を合わせてしまう。それが自然だ。それさえやめろという。あまり腹を立てるときょうの日を台無しにしてしまうから、一刻も早く嫌な気分を振り払う。うーん、やれやれ、である。もっと鷹揚に対応をと願う。

根本中堂は改修中。堂内には入れるようだが、前述の通り登山者はお参りしてはいけないし、今回はそのつもりもまったくないから目礼だけして通り過ぎる。

阿弥陀堂には8時35分についた。出発から約2時間だ。いいペースで歩いている。好調である。気分だっていい。こんかいは山頂の大比叡はパスする予定でいたのだが、この時刻なら行けそうだ。やはりここまで来て山頂を踏まないのは心残りがする。前回通り阿弥陀堂と法華総持院東塔のあいだを抜けて裏手から山頂に向かうのだが、はじめての人には道が分かりずらいだろう。⇒道案内は前回登山を参照。

ところが法華総持院東塔の裏手にある案内にこんな掲示。「台風被害のため通過できません」。あららと戻って寺の関係者に尋ねたら、注意していけば問題いないですよとの言葉。

比叡山山頂の大比叡。
案内には山頂まで30分と書いてあるが、15分できてしまった。山頂は木立に囲まれて展望はない。たぶん誰もいないはずだから登頂写真は前回と同じくセルフタイマーだなと思っていたら、ちょうど北海道から来たという家族連れがすぐ下の駐車場から登ってきた。これ幸いとばかりに撮ってもらった。この山頂は分かりにくかったでしょうというと、いや、スマホのGPSできたからと言う。そんな手があったか。
すぐにさきほどの案内板まで戻り、西塔への道をたどる。

つぎは西塔へ向かう。ドライブウェイの陸橋をわたり浄土院方面へ進む。 

浄土院。東塔エリアはここまで。

まもなく西塔の拝観受付。ここで前述の通り「お参りはしないように」と注意された。知っていますよ言ったけれど、ここまでいい気分できたのだから、わざわざそんなことまで言わないで気分よく通してくれればいいのにと思う。

ここで登山者は拝観受付の前の右手の京都一周トレイルを行くように指示される。西塔エリアを通らない迂回道となり釈迦堂前に飛び出す。したがって西塔にある「にない堂」には立ち寄ることはできない。

釈迦堂。
西塔の中心となる堂宇。写真を撮るくらいならいいだろう。

 釈迦堂の右手から横川へ。そこに元三大師道の石標。ここから横川までが「峯道」。奥比叡ドライブウェイにつかず離れず、沿って道が続く。

ここにも台風の爪痕。

たまに紅葉。

奥比叡ドライブウェイの下をくぐるトンネル道。

町石。高野山登山のときにはじめて「町石」なるものの存在を知った。

峯道は高低差があまりなく歩きやすい。路傍には石仏が続く。

西塔から約一時間で玉体杉。玉体杉とは?

そうか、ここから京都御所が見えるんだ。しかしどこなのかさっぱりわからない。そのとき若い2人やってきた。京都御所はどこに? 京都に住んでいるというから、すぐにあそこと教えてくれた。下の写真では左側にそれは見える。森らしきものがこんもりとしているところだという。あそこか。わかってなんかうれしくなる。

玉体杉から30分で横川の拝観受付所。繰り返すがここでも「お参りはできません」「はい分かっています」 三塔のうちでいちばん奥にあるエリア。ここにも諸堂が配されている。

横川中堂。横川の中心となる堂宇。このアングルが気に入ったのだろう。写真を撮ってもらった。 

元三大師堂。

ここから元三大師道をゆく。
この道は登山道からドライブウェイに出て歩いたり、また登山道に入ったりと繰り返すから慎重にコースを見極めながら歩かないと迷う。


元三大師堂からは下りの道になる。まずは定光院。手すりの付いた急坂を下っていく。なかなかつかない。この道でよかったかなと不安になったころに見えてきた。ここからは右の道を下っていく。

 すぐに「日蓮上人御霊石跡」の石碑。目の前はドライブウェイ。右に曲がってドライブウェイを50メートルほど歩くと、びわ湖展望台だ。

びわ湖展望台。
ここから再度登山道に入るのだが、その入り口がわからない。焦った。地図を再度見ると、展望台からの登山道は右手にある。落ち着いてさがしたら見つかった。どうしても見つからないときはドライブウェイを歩くか、車を止めて下まで乗せて行ってもらう手があるから安心といえば安心なのだが…。

びわ湖展望台周辺の紅葉。

びわ湖展望台からの登山道をたどると、再度ドライブウェイに合流する。道路の右側を歩いてまた登山道に入るのだが、その入り口がまた微妙だ。ドライブウェイを数十メートル歩くと狭い歩道が出てくる。道標はないのだが、登山道に入るのはここだとすぐにわかった。あとはこの道をたどっていけばいい。ここまで注意を怠ると迷う道だった。

元三大師道の石標があった。ここが元三大師堂道の終点。

すぐに上仰木のバス停。休日は全便運休。平日でもバスの行き先は堅田駅。歩くならおごと温泉駅が近い。この道がまたわかりにくい。道順を事前に周到に準備した。おかげで無事におごと温泉駅につく。

途中で振り返ると比叡山。

比叡山の山並み



ゴールのおごと温泉駅。6時33分に出発して14時4分に着いた。歩行時間は7時間30分。予定通りに歩けた。元気なもんだねと、明るいうちに下山できてほっとした。

きょうはここまでの予定でいた。ところがこれで終わらなかった。烏丸御池の宿に直行するはずが、この日の老人は絶好調だった。湖西線の京都駅行きの電車に乗った。車中で山科駅を通過するのがわかり、それなら下車して毘沙門堂に行こう、というのだから自分でも呆れる。

毘沙門堂。
ここは3回目になるから好きなんだろうね。ちょうど見ごろであった。気まぐれな勘が当たった。人気のお寺だから駅からの狭い道路は車と観光客で埋め尽くされていた。



きょうの日程はここまで。よく遊んだものだ。

今回の旅の目的だった比叡山三塔を無事に歩けて満足している。登山として魅力あるコースだ。お勧めする。こんかいは西塔と横川の拝観受付所の対応だけがちょっと気になった。目くじらを立てるほどではないものの、やはり山はいい気分で歩きたい。

山中で会った若者からは、関東からきて比叡山三塔を歩くなんてマニアックだねと言われたものだが、わたくしからすれば歩きたい山があると、年をとったいまでも居ても立ってもいられなくなる。いつもの登山スタイルと変わらない。

⇒4日目最終日の11月24日は、洛西の高尾を目指し「三尾」を歩く。


     
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