佐々木譲 著 「ストックホルムの密使」を読みました。
パリに暮らす博打打の不良日本人森四郎はゲシュタポと揉め事をおこし国外追放の身となり、スウェーデンに来た。
そこで駐在武官の大和田から極秘情報をベルンの日本大使館に伝えてほしいと依頼される。
最初はしぶる森だが武官夫人の人柄に触れ承諾、亡命ポーランド人将校のコワルスキとベルンを目指す。
しかし大使館での接触に失敗、紆余曲折の末シベリアを横断し日本を目指すこととなる。
一方、海軍省書記官の山脇は海軍の和平派首脳とともに終戦工作に動いていた。
彼の身辺を追求する憲兵将校秋庭は、憲兵隊の中に米内暗殺の気配を察知する…。
『ベルリン飛行指令』、『エトロフ発緊急電』につづく“第二次世界大戦秘話3部作”のラストの作品です。
前2作が、めちゃくちゃ面白かったので、本作も期待して読みました。
前2作が太平洋戦争開始前の話だったのに対して本作は終戦直前を描いています。
ソビエトの参戦、アメリカによる二度の原爆投下、そして日本の無条件降伏。
その裏舞台ではどんな事が起こっていたのか・・・。
史実を踏まえた見事なストーリーで描かれていきます。
期待通り、読み応え十分な作品でした。
この小説の満足度:☆☆☆☆☆