笹本稜平著 「還るべき場所」を読みました。
登攀中に恋人を遭難で失った主人公・矢代翔平。
過去の悲しみを乗り越えるため、登山ツアーのガイドとして「悲劇の現場」K2に再び戻ってきた。
「時の渚」・「天空への回廊」・「太平洋の薔薇」・「フォックス・ストーン」・「マングースの尻尾」・「グリズリー」など
これまでに読んだ笹本作品はどれも圧倒的なスケールのアドベンチャー小説で読みやすく外れがなかった。
たまたま入った本屋で本作を見つけて即、購入!!
本作はどんなアドベンチャーが待っているのか・・・。
いやはや、すざましい迫力の山岳小説でした。
カラコルムの 8,000m級の登山に関する描写がものすごく詳細に描かれています。
かなりの長編ですが山登りを知らない私でもその映像が頭に浮かび、まるで映画を観ているように読み進められました。
単なる山岳小説に留まらず、山を登る事によって登場人物それぞれの人生観が反映されてこちらも興味深かったです。
先ごろ竹内洋岳さんが 日本人で初めて8,000m峰全14座の登頂に17年かけて成功したと云うニュースが流れましたが
丁度この小説を読み終えた直後でしたので、その偉業にますます感服しました。
読み応え満載の一冊です。