まだ梅雨明けの見通しは発表されない。しかし、自然界はどんどん盛夏に近づいている。一方、狭庭にはコスモスの花が咲きだし、夏を過ぎつつある。今や世は、季節も自然も人間界も入り乱れて流されているようだ。せめて句作りだけでも季節に合わせてと、思い立った。
万緑の六甲に抱かれ半世紀
万緑や全山一気にキャンバスに
万緑や雨意に静もる浄瑠璃寺
万緑の海になだるる珠洲岬
煙立つ路地の鰻屋八重洲口
江戸前のうな重山椒肝の吸い
兜虫もののふの意地あらはにす
後ずさりわが辞書になし兜虫
万緑の六甲に抱かれ半世紀
万緑や全山一気にキャンバスに
万緑や雨意に静もる浄瑠璃寺
万緑の海になだるる珠洲岬
煙立つ路地の鰻屋八重洲口
江戸前のうな重山椒肝の吸い
兜虫もののふの意地あらはにす
後ずさりわが辞書になし兜虫
もうコスモスがさきだしましたか。早いですねえ!さてお詠みになった句の雰囲気が変わってきましたね。古典的な言葉遣いから、かと思いきや現代俳句のような味わい、さらには江戸前の趣も感じられます。まさに変幻自在ですね。楽しませていただきました。その中で特に印象に残った句を挙げさせていただきます。
”万緑や雨意に静もる浄瑠璃寺”
”煙立つ路地の鰻屋八重洲口”~懐かしい。あの小路にあったうなぎ屋ですね。なんか 、万太郎の雰囲気を感じます。
”後ずさりわが辞書になし兜虫”~まさに龍峰さんの生き方を指しているよう。意気軒 昂でいいです! 座布団三枚!
早々に3句もお取り頂き有難うございます。その時の気分任せの拙句にお褒めを頂き感謝感激です。連日の雨で万緑はますます色を濃く、深くしています。9年間の東京勤務の収穫の一つは江戸前の鰻の味を知ったことです。あれ以来関西風のしつこい鰻より、東京の鰻が断然好きになりました。八重洲界隈が懐かしい。兜虫は少年の永遠の守護神です
今日は!!。
京都に祇園祭がやって来れば梅雨も明け、本格的な暑さが到来すると、地元の古老の
間では伝えられています。
その通りに昨日18日に九州から東海地方
まで一斉に梅雨明け宣言がなされました。
しかし、日照時間の所為か、気温のせいか
すでに桔梗、白粉花などは一斉に咲き、
蜩も鳴いて晩夏と初秋の季節が入り乱れ
世は人間世界と同じくカオス(混沌)の時と
なりました。
さて、いつも真剣に俳句に取り組まれ、佳句
ばかりの中で敢えて以下の御句を取り上げ
させて頂きました。
☆万緑の六甲に抱かれ半世紀
朝に夕に眺める六甲山に抱かれ早や半世紀(50年)が経った。みどり滴る六甲山を誇りに思い、愛着を持って接している作者が見えます。
☆万緑や雨意に静もる浄瑠璃寺
奈良木津川畔にあると云う浄瑠璃寺ですが
みどり滴るなかに今にも雨が降りそうな情景
ですね?
「雨意に静もる」との措辞に、その情景が巧みに思われ感嘆致します。
☆煙立つ路地の鰻屋八重洲口
☆江戸前のうな重山椒肝の吸い
小生も昭和39年東京オリンピックの年から
16年間八重洲口の百貨店に勤務して
いましたのでとても懐かしい想い出が
あります。
閉店後、上司に連れられ立ち飲み屋にて
コップ酒をひっかけ、その後パチンコなどの
気晴らしを良く行っていました。
鰻屋さんも何軒もあって店名までは記憶が
今では定かではありません。しかし、小生も確かに柔らかい関東風の鰻が好みです。
☆兜虫もののふの意地あらはにす
兜虫は蜻蛉が「勝虫」と云われて兜の前立ての飾りにされたように、鎧兜では重宝された
容のようです。
いよいよ梅雨が明けました。長い盛夏に入りました。
5句もお取り頂き有難うございます。丁寧なコメントを頂き感謝で一杯です。
社会人になって初めて生家を離れ、神戸に出て来て半世紀余、思えばあっという間でした。いつも六甲の万緑に見守れながらの生活でした。
浄瑠璃寺は山に囲まれ、深い緑が辺り一面を静めて止まない。九体仏の有難味がじわり伝わってきます。東京の八重洲周辺に9年間勤めていました。江戸前の鰻のうまさで意見が一致しましたね。兜虫は男の子の守り神で、生き方を示しているように思います。
次の三句を頂きます。
万緑や全山一気にキャンバスに
30号くらいの大きさのキャンパスで、腕を大きく動かすと画面いっぱいに、一気に絵の具が塗れそうです。作者の一気に絵を描く様子がいきいきと詠われています。万緑なる色も複数の多くの色が混じっています。貴兄の家の屋根の上にでもキャンバスを置かれて描かれたら素晴らしい!次の展覧会出品を期待しています。
万緑や雨意に静もる浄瑠璃寺
この春の展覧会に私も浄瑠璃寺を描きました。銅板の細密画でしたので、今でも克明に浄瑠璃寺の風景が脳裏に残っています。版画の上の彩色を変えて「春」「秋」を描きましたが、雨季の情景を彩色することに挑戦したくなりました。
煙立つ路地の鰻屋八重洲口
とても懐かしい場所です。「はしもと」と称する鰻屋のことだと思います。まだ営業しているのでしょうか?あの辺りもすっかり変わってますから閉店しているかもしれませんね。
3句もお取り頂き有難うございます。
どんどん気温の高い期間が長くなったのか、暖冬なのか木々の緑、つまり万緑は盛り上がり、深くなっているように感じます。あるいは加齢で白内障が進んでいるのかもしれませんが。
ともあれ、緑の中に囲まれているのは気持ちの良いものです。仰せのように家の屋上から一枚描いて見たいとも思っております。浄瑠璃寺は九分九厘さんの名作に肖り、春先に尋ねたことを思い出し、作ってみました。
八重洲の鰻屋は懐かしいですね。より庶民的な店で、もう一軒「福島」という店もありました。次回東京に出たら是非あの辺りを歩いてみようと思っております。
有難うございました。
コメントが大変遅くなり申し訳ありません。
大暑も過ぎまさに万緑の季節にどっぷり浸かっております。
万緑の海になだるる珠洲岬
珠洲岬へ行ったことがありませんが、いかにも緑の森が海へ迫っている様子がよくわかります。豪快で好きな句です。
煙立つ路地の鰻屋八重洲口
なんといっても鰻はうまいです。蒲焼の匂いをかがされては店へ吸い込まれてしまいます。八重洲口に旨い鰻屋があるのですか?今度教えてください。
兜虫もののふの意地あらはにす
人間はかぶと虫を見習わなければなりません。戦闘意欲のある人間にはめったに出会わなくなりました。
3句もお取り頂き有難うございます。
又、丁寧なコメントを頂き、大変参考になりました。
能登半島の先端の珠洲岬は緑豊かで、深い万緑です。日本海に雪崩れ込むところがミソです。
20年以上の昔、東京勤務時代、八重洲口の鰻屋に時々行きました。何故か関東風の鰻と波長が合いました。あれから東京駅周辺も変わったででしょうから、あの鰻屋はどうなっているかわかりません。次回上京の折訪ねてみようと思います。
仰せのように兜虫は変わっていません。人間がどんどん変わっていっているように感じてなりません。